第2回焼成品の概要について
床面熱量の様子
 焼成室床面に置いたゼーゲルの様子です。数字は指示温度を表しています。今回の実験では、(1)還元雰囲気を持続すること、(2)最高温度を1250度くらいまで上げて、自然釉が流れる状態にすること、を目標としていました。結果としては、(1)は達成されたものの、予想外の事態により(2)は達成されませんでした。しかし同時に、この結果は非常に示唆深い内容を含むものでもありました。その考察は別項にゆずるとして、ここでは焼成品を抜粋して紹介します。

焼成室前部
 最高温度は1200℃に達しませんでしたが、前回より総熱量が若干上回ったようで、全体に光沢がでています。しかし、最後の燻(くす)べが強すぎたため、炭素が溶融して銀色の光沢を放っています。


 この小壺は、焼成中に転倒して一番手前に転がり出ました。そのため、もっとも灰が溶けるのではないかと思っていましたが、取り出してみると、2、3列後方と同程度の焼け具合でした。これは、小物で低い位置にあったことと、焼台から転がり落ちて、床に直に接したため、熱を奪われたためではないかと想像されます。


 2列目の大壺は、火裏に大きな縦割れが生じました。今回の焼成品のほとんどに、多かれ少なかれ、このような縦割れが生じました。これは、今回の窯焚き不調の主要因と考えられる、窯内に染み出した水が、火裏あたりから気化熱を奪い、歪みを生じたためではないかと考えています。


 胴左下半部が赤みがかって見えるのは、乱反射によるもので、実際には光沢をおびた銀色です。
 これらの写真を撮ったのは、窯出し後1週間ほど後ですが、1ヶ月後くらいにはギラツキ感が幾分薄れ、落ち着いた雰囲気になってきました。
中位置
 イブシ銀の湯のみは、ヒビはありませんが、焼き締まりが今ひとつといった感じです。壺のほうは、焼き締まりは良好ですが、上半に掛かった灰は溶けておらず、ざらついています。


初代会長の遺作の大皿です。実は乾燥の段階で底にヒビが入ったため、焼かずに放置されていたのですが、うまく灰が溶ければ、ヒビが埋まるのではないかと期待して焼いてみました。残念ながら、ヒビが広がっただけに終わりました。裏の焼台に接触した部分がボタモチのような景色を生じています。
奥部
鉢2点は、真っ黒になりました。焼き締まりもやや甘く、外面に例のシワが発生しています。


この2点は、第1回焼成品を焼き直したものです。窯尻とはいえ、さすがにそこそこ焼け締まっています。真っ黒ですけど。
おまけ
 位置による焼け具合の変化がよりわかるように、型つくりの地蔵を16体一列に並べて置きました。そのうちの6体を抜き出したもので、右端が焼成室前部、左端が窯尻になります。ただし、この土は通常の粘土ではなく、瓦用の土、すなわち砂が4割ほど混入された粘土を使っています。そのため、焼け締まり具合を、他の焼成品と比較することはできません。
前部に置いたものは銀色の光沢を放ち、中位置はいぶし瓦のような風合い、後部は真っ黒でシワが生じています。

窯内の位置、焼け具合にかかわらず、底部は灰色で、還元雰囲気を維持するという目標が達せられました。


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