朝日新聞 2001年12月15日
      クラシック視聴室

  鈴木俊哉リコーダーリサイタル (ミュージックスケイプ MSCD0006)

  20世紀後半の玄妙な音世界を駈けぬける鈴木のデビュー盤。尺八に
似た息音からすばやい装飾句まで、超絶技巧の生み出す力強さは比類 が
 無い。 白石美雪
レコード芸術 2002年1月号
特選盤 鈴木俊哉リコーダーリサイタル


推薦  佐野光司

 これは6人の作曲家による、リコーダーのための9曲の作品がおさめられた、鈴木俊哉のアルバムである。
バロック時代の楽器リコーダーは、その響きの牧歌的な明るさのためか、ロマン派の時代にはほとんど顧み
られることが無く、原形のまま残された。
 だが、鈴木俊哉のリコーダーの演奏は、現代リコーダーの先駆者ブリュッヘンとも決定的に異なる。ここ
の半数近くはフルート作品からの編曲であるが、それでもファーニホウの<インヴェンションの牢獄 IIb>
(1986/97)におけるリコーダーの演奏は、従来のリコーダーへの認識を一変させるに十分である。ファーニ
ホウによれば、この作品は鈴木俊哉自身の編曲であるというが、もはやリコーダーの牧歌的な、穏やかな響
きは影をひそめ、ピッチの安定した尺八か、と思わせる表現力の豊かな音楽になっている。
 ベリオの<ジェスティ>(66)は、リコーダーのオリジナル作品であり、この作品が書かれた60年代の
中葉以降、リコーダーなどの古楽器を現代作曲家が手がけるようになった。ルカ・コーリ(64- )の<2つ
のソプラノリコーダーのための「D」>(93)は、一人で2本を同時にくわえて吹くのであって、二人のリ
コーダー奏者によるものではない。これを聴くと鈴木俊哉の超絶技巧ぶりが諒解されよう。細川俊夫の<リ
コーダーのための「垂直のの歌1b」(95/96)もオリジナルはフルートだが、単なる編曲の域を越えたリコ
ーダー音楽であり、重音奏法を含むその奏法の多彩さは、細川の音楽というより鈴木の音楽になりきってい
る。また伊藤弘之<ソプラノリコーダーのための「サラマンダーII」(95)はこのアルバムの圧巻である。
他の諸作品においても、鈴木俊哉の演奏からは従来のリコーダーからは想像もつかない音楽が生み出されて
いる。 

レコード芸術 2002年1月号

特選盤 鈴木俊哉リコーダーリサイタル

推薦 船山隆

素敵なCDだ。CDを入れるケースも洒落ているし、出し入れがしやすい。解説は英文と日本語の両方が一冊に 印刷されている。解説書の文章も、テニヲハさえまともでない文章が多いなか、めずらしくしっかりしている。 つまりこのCDの製作にあたった人々は、心を込めて丹念に製作に取り組んでいるということだろう。いや、そ んなことよりも、演奏家の演奏と作品がとびきり上等だ。  鈴木俊哉は1961年生まれのリコーダー奏者で、すでに世界各地で現代作品の演奏活動を展開している。 鈴木のリコーダーの腕のたしかさは、このCDのどの作品をとってみても即座にわかると思う。私はリコーダー の世界をよく知っているわけではないが、鈴木と並ぶのは、オランダのフランス・ブリュッヘン(1937−)し かいなのではないだろうか。  このCDの9曲の中で、細川俊夫の<笙とリコーダーのための「鳥たちへの断章IIIb」>(1990/97)と、ブリ ュッヘンによって初演されたルチアーノ・ベリオの<ジェスティ>(1966)の2曲から特に強い感銘を与えら れた。鈴木によってリコーダーは、無限の響きを生み出す楽器に変貌した。

STEREO 2002年1月号 

リコーダーリサイタル           
鈴木俊哉(リコーダー) 宮田まゆみ(笙)

リコーダーといえばバロックのオリジナル楽器として知られているが 本アルバムは
楽器の新しい可能性を追した現代音楽バージョン。秩父ミューズパークのアコーステ
ィックを忠実に醸し出し、その中に自然 な距離感でリコーダー音像をクッキリと映し
出す立体感溢れた好録音。 現代音楽に大切な微細な部分までスポットしている。
mus仔 vol.33
バイヤーからのおすすめCD
             NEUE MUSIK           
 現代リコーダー名曲集 鈴木俊哉(rec) 宮田まゆみ(笙)
 [MUSIC SCAPE] 
「聞いてビックリの現代リコーダー作品集。小学校でイヤイヤやらされたつまんない
  オモチャなどと思っておられる向きは、悔い改めていただかなければなるまい。フラ
 ッタータンギングやら重音奏法やら超絶技巧あたり前の、プロフェッショナルな世界 
  なのだ。ファーニホウ、ベリオ、細川等6人の作曲家の作品を全9曲収録。おそらく
 この演奏家はある意味世界一の”笛吹き野郎”でしょう。(渋谷店 関根大輔)

De Vorkskrant (The Netherlands) 28 Feburuary 2002

[Tosiya Suzuki: Recorder Recital:werk van
Ferneyhough, Hosokawa,Berio, Nakamura,Cori en Itoh. MusicScape]


Frits van der Waa
Blokfluitist Tosiya Suzuki is er eentje uit de Nederlandse School, 
want hij gestudeerdbij Walter van Hauwe. Negen stukken omvat deze
solo-cd, waarin de geneugten van het moderne blokfluitspel tamelijk 
uitputtend aan de orde komen. Zo opent Suzuki zijn reciet met het 
oorspronkelijk voor dwarsfluit geschreven Carceri d'invenzione IIb
van de hyper-complex componerend Brian Ferneyhough. Het is dat 
Suzuki zijn ritsels, ploppers en meezingers zo fantastisch beheerst,
anders was het hier en daar niet to harden. Speel de plaat ook niet
af in aanwezigheid van poezen, die worden daar heel ongelukkig van.
  Ook Salamander II van Hiroyuki Itoh en Locus Solus van Luca Cori 
zijn stukken waarin het aangenaam toeven is, doordat deze componisten 
terughoudend omspringen met buitensporige tehnieken en effecten, en 
een organisch verloop weten aan de brengen in hun expos.

閑古鳥 2001年12月

ブリュッヘンなどの路線を継承して、現代リコーダー演奏の極に挑む鈴木俊哉待望のソロ・アルバム。至難曲に聴かれる超絶技巧と緊張の連続。でも最初の驚愕は、次第に集中力に変わる。身近な楽器が遠くなったり近くなったりだが、いずれにしても迫真の演奏に手に汗握る小一時間である。とにかく、この楽器の可能性を信じるひとも信じないひとも、まず耳を傾けてごらんという感じだ。