秋の御在所雪の御在所鈴鹿の山々main menu
  

雪の御在所岳:表道
-白山、御嶽が美しい!-

upload 98. 4. 6

表道-山上公園-御在所頂上-峠道-武平峠

map

 前回の”雪の御在所”から10日後の2/11(祝)に、再び御在所に登ってきた。3,4日前に平野部でも少し雪が降ったのだが、山では相当降ったようで、雪まみれになりながらの雪山登山を楽しむことができた。表道から登るつもりだったが、スカイライン沿いのアプローチ道から早くも道に迷い、腰まで雪に埋りながら、なんとか登山口にたどり着いた。しかし、登山口には全く足跡がなく、初めてのコースなのに不安だったが、”まあ、行けるところまで行こう!”と出発。膝まで、時には腰まで埋る深い雪の中をかなりの急登が続き、湯の山を出てから4時間弱、表道登山口から2時間半かかって、ようやく山上公園に出ることができた。
 頂上からは、何と、真っ白な白山、乗鞍、御嶽、中央、南アルプスの山々を見渡すことができた。午前には富士山も見えたそうだ。いつも伊勢湾すらよく見えないのに、鈴鹿からこんな遠くの山々が望めるとは思いもしなかった。


  98. 2.11 超快晴

8:00 四日市発
8:40 湯の山温泉着
 またいつもの、スカイライン旧料金所裏の駐車スペースを目指して、旧道に車を走らせる。路上の積雪など全く予期していなかったのだが、路肩が雪で真っ白になっており不安が募る。ロープウェー駅近くまでたどり着く前に早くもタイヤが滑り始めた。急坂を登って旅館街に入ると道も真っ白になり、とてもノーマルタイヤではいつもの駐車スペースにはたどり着けそうもない。途中であきらめて駐車場を探した。旅館の駐車場に車を置き、旅館に駐車の許可を受けに行ったが、もう9時だ言うのに開いていない。そこでペンションのものと思われる別の駐車場に移り、駐車の許可を求めると、”そのうち、おばさんが管理に来るので置いて行けばいい。”と言われ、ようやく駐車場を確保。駐車料金の分からぬまま車を後にする。(ちなみに駐車料金の相場は、ロープウェー駅の1000円が基準となり、距離が離れる程安くなり、1000〜500円。冬期閉鎖中以外は鈴鹿スカイライン沿いに点在する無料駐車場が登山には便利。)
9:00 登山靴に履き替えて出発
 今回も前回同様、普通のソックスの上に登山用ハイソックスを履き、さらにその上に登山用極厚短ソックスを履く3重ソックス作戦で望んだ。
 まずはいつもの駐車スペースを目指し、旅館街を登って行く。雪化粧の旅館街の向こうには鎌ヶ岳が覗いている。いつもは車ですぐなのに、”900m先行き止まり”の標識が恨めしい。
 一の谷茶屋の前の道を突き当たった辺りに、表道、武平峠に向かうアプローチ道の入り口がある。民家の横をすり抜けて行くと沢沿いの道となる。早くも靴が楽に埋まる程の積雪で先が思いやられる。前を何人か歩いているようだが、皆、前の人の靴跡を歩くので、足跡は一人分しかない。初めて歩く道なので、”雪で埋まっているのによく道が分かるものだ。先に足跡がないと、とても一人では歩けない。”と感心していると、この足跡は皆、鎌ヶ岳の三ツ口谷の方へ向かっており、御在所の方向には足跡がなくなってしまって、さあ大変。遠回りだがスカイラインを歩けば良かったと思っていると、前方に、そのスカイラインの高架を発見。さらに少し行くと沢の対岸に鳥居を発見。鳥居があれば道があるはず、と強引に沢を渡ったが、ここでミスコースをしてしまった。実は、ここで表道に向かう道と武平峠に向かう道が分岐しているのだが、鳥居に向かって左手にしか道がないようだったので、左手に向かったが、これは武平峠に向かう道であった。正解は、鳥居をくぐって沢沿いに進み、スカイラインの高架をくぐるとすぐにスカイラインへ登る道がある。”鳥居をくぐると行き止まり”という固定観念が間違いの元であった。しかし少し歩くと、私の動物的直感が”このまま行くと武平峠に行ってしまう。”と知らせてくれたので、無理矢理山腹をよじ登りスカイラインへ出ることにした。ところが思いのほか雪が深く、腰まで雪に埋まって前に進めず、遭難したと言って差し支えない状態になってしまった。雪だるま状態でなんとかスカイラインにでると、丁度”表道”登山口下の近道入口近くであった。
 アプローチでかなり消耗してしまったものの、無事登山口下にたどり着き、”我ながら素晴らしい直感だ”と喜んだが、スカイライン上にも近道口付近にも足跡が全くない。どうやら、私が今朝1番乗りのようだ。
 工事現場の様な所の横を登って行くと、向いの崖を伝い落ちる水がツララになっている。スカイラインをショートカットして登山口に到着。振り返ると、足跡の全くない、真っ白なスカイラインが見える。(先のアプローチ道から、鳥居をくぐって沢沿いに進み、写真のスカイライン高架を潜ってからスカイラインへ登るのが正解です。)
10:10 ”表道”登山口
 やはりと言うか、当然と言うか、登り口には足跡が全くない。初めてのコースなのに、雪で道が分からないのは不安であるが、足跡は残るので迷ったら引き返せば良い。行ける所まで行ってみよう!
 とは言うものの、登り始めてすぐにコースから外れているようであった。一応最も”道らしい”所を選んで登っているつもりなのだが、登山口からほぼ一直線に直登している。雪がなくても手を使わないと登れないと思える程の急登だ。その上雪も深く、当たり前のように膝まで埋まってしまう。
10:30 百間滝が見える所で休憩
 コースをそれて、がむしゃらに直登してきたように思えたが、不思議と道らしき所に出てきた。林の中を急登が続き、景色を見る余裕はなかったが、右手が大きく開けた大きな岩の前に出てきたので小休止。真っ青な青空を背景に雪で白くなった頂上部がまぶしい。岩に登って谷を覗いてみると、東多古知谷の百間滝と思われる白い滝のようなものが見える。水はなく、白い筋が垂直に延びている。雪の中を1時間半も歩いたのでゆっくり休憩したいところだが、雪で腰を降ろす所がないので、立ったままで休憩。
 道は、大きな岩や木の根っこなどで段差があっても雪で埋まってなだらかに見えるので、突然岩につまづいたり、雪の深みにはまったりと、文字通り平坦ではない。つまづいて雪の中から出てきた岩に赤丸マーカーを発見したりするのがおかしい。
 真っ白な雪の上を独りで歩いていると、国語の教科書に載っていた高村光太郎の詩を思い出した。”僕の前に道はない。僕の後には穴ボコができる。
 まるで積もりたてのように柔らかでサラサラの雪の上を歩くのは非常に気持ち良いが、膝が埋まるような雪の中を1時間以上も歩いていると、足への負担も大きい。後ろ足を雪から引き抜く時に思いのほか力が必要で疲労が速い。
 木々の隙間から鎌ヶ岳の特徴的な三角形の頂上が見えるようになると、急登も一段落、トラバース気味の道となる。道は斜面をトラバースしているようなのだが、雪で道は隠され、ただの斜面に見える。
 風の音しか聴こえない静寂の中を、道かどうかわからない雪の中を独りで歩いていると、”道に迷っても引き返せるが、滑り落ちて動けなくなったら誰も見つけてくれない。”という不安を感じることがあった。御在所でも、1月末に豊田市の方が、遭難して凍死されたので、これだけの雪の中、動けなくなったら何の装備もなく一晩耐えることはできない。自分には家族もないので、帰ってこなくても、誰も届けてくれる人もない。第一、捜そうにもどこへ行ったか誰も知らない状態だ。独りで行く時は、ホームページに登山届けをuploadして行こうかと思っている。これが放置されていたら、誰かが警察に連絡してくれるのでは? しかし、その頃にはおそらく手後れなのだが...。
 高度が上がるにつれて雪も深くなり、腰まで埋まる事もある程になると、急な斜面では”雪崩れ”も起きるようになる。”雪崩れ”と言うと大げさだが、小石くらいの雪の固まりが上方からいくつも転がってくる。転がりながら大きくなり10cmをこえるくらい大きくなるものもあった。上手に転がると、バームクーヘンの様に綺麗にロールされながら大きくなる面白い光景を見ることができた。この”雪のカタツムリ”の動きはとても速かった。
 登り始めた頃は、マーカーが全く確認できずルートを外れているのではと思っていたが、この辺りからは時折、木の枝にマーカーが確認でき、ちゃんとルートを歩いているようであった。道脇の木々がきれて、鎌ヶ岳の全容が見渡せる所に出た。
11:20 鎌ヶ岳をみながら休憩
 鎌ヶ岳を正面に見ながら休憩。ここは、鎌ヶ岳が最も美しく見ることができる場所ではないだろうか? 美しい三角形の姿と後方に連なる鎌尾根。非常にバランスが良い。
 あまり美しいので休み過ぎたようだ。ここまで誰もいない表道を独占してきたのだが、どうやら追手が迫ってきたようだ。あわてて出発したが、先頭で雪をラッセルしながらではペースが上がらず、たちまち追い付かれてしまった。できれば頂上まで独力でたどり着きたかったので、追い付かれてからもだいぶ頑張ったのだが、ピタリと背中に付かれたのでついにgive up! ここで無理をして下山の体力を失っては何にもならないので道を譲ることにした。
 追い付いてきたのは何度か表道から登っているベテラン氏であった。ベテラン氏は”雪の中は2番目を歩くのが一番楽なんだけどな〜。”と言いながら渋々先頭交代、ピッケルで雪の深さを測りながら進んで行く。もっとも、ピッケルはすっかり埋まってしまって雪の深さは分からないのだが...。
12:25 ”ロープウェー駅まであと5分”の指道標-沢渡り
 広い雪溜りに出てきた。辺りを見回すと、”ロープウェー駅まであと5分”の案内板が見つかった。ベテラン氏によると、雪の下は沢になっており、コースはこれを渡るのだそうだが、かなり雪が深そうである。正直にこれを渡るか、それとも雪の少なそうな林に分け入って少し遠回りするか迷っていると、ここで第3番手登場。表道は初めてということでずっと3番目につけていたおじさんが、ここで果敢にも先頭を切って、沢渡りに挑戦。腰まで雪に浸かりながら道をつけてくれた。振り返ると鎌ヶ岳が広がっている。
 少し登ると、南〜東方向の視界が大きく開けて鎌ヶ岳、入道ヶ岳、雲母峰が見渡せるようになる。空は真っ青で本当に天気が良い。”今日は遠くまで良く見えるなあ。”というベテラン氏の言葉は、頂上に登って実感することになる。
 しばらく景色を楽しんだあと、さらに登り、林の中から分け出ると、山頂へ向かう山上公園の遊歩道にでてきた。
12:45 山上公園
 ここで3人は別れ、私は頂上の方へ向かう。ロープウェーが運行しているので山上公園は結構人が多い。遊歩道も柵の上近くまで積雪しており、クロカン用の細いスキーで滑っている人までいる。遊歩道から頂上への最後の登り坂を登って行くと、両脇の木々は、樹氷で真っ白になっている。
12:55 御在所岳頂上(1210m)
 前回は寒くて人も全くいなかった頂上だが、今日は天気がいいので人が多い。頂上で初めて北〜東の視界が開けると、樹氷の向こうに雪化粧した鈴鹿の山々が広がり、さらにその向こうには真っ白な山影が見える。白山だ! 東の方へ目を移すと遥か彼方霞みの中に白い山影が連なっている。ようやく、300mmズームレンズの出番がきた。いつも持って歩いているのだがやっと出番がやってきた。300mmズームレンズで見ると竜、藤原のすぐ向こうに白山が広がり、ほんのり赤味を帯びて美しい。...白山がこんなに近くていいのか? 東の方の山々は、北アルプスに御嶽中央、南アルプスであろうか? 午前には富士山も見えたらしい。頂上に着いたのが昼を過ぎてしまったので景色には期待していなかったのだが、1時を過ぎても空は真っ青、雲1つない。いつもは伊勢湾すら見えないのに、名古屋を越えて日本アルプスの山々が見えるとは思いもしなかった。
望湖台
 いつものように望湖台に行ってみる。恰幅のよい雨乞岳が迎えてくれる。西からの風が吹きつける望湖台付近はエビのしっぽのような樹氷で真っ白。岩にまで樹氷(”岩氷”か?)が着いている。見下ろすと日陰の斜面の木々は樹氷がびっしり。日向の木々も、白い斜面に黒い影のコントラストが美しい。
 もちろん、望湖台からも鈴鹿の山々やその向こうに白山、御嶽を見渡すことができた。
14:10 休憩を終え出発
 いつまでも、この素晴らしいパノラマを見ていたかったのだが、そろそろ下山しなければ、下山路にも困難が待ち受けているかも知れない。後ろ髪を引かれる思いで出発。
 下山は、前回と同じ”峠道”で武平峠に降りる。迷う心配のないスカイラインまで最短で降りられるからだ。
 山頂から旧ユースホステルに向かう道は、やはり膝まで雪があるが、足跡が複数あり、少し安心する。”もう昼過ぎなのに誰も通ってないなんてことはないはずだ。”と思っていたが、峠道に入ってすぐに、その足跡の主に追い付いてしまった。先行する2人は、丁度間違った道へ入り込んだ所で、正しい道を教えてくれた。と言う訳で、下山も新雪(深雪?)の中を先頭で歩くことになってしまった。
 峠道の前半はV字溝の中なので覚悟はしていたのだが、腰を越える深い雪に立ち往生。足が完全に埋まっては前に進めない。雪まみれになってなんとか前進するが、一向に雪の深みから抜け出せない。もがくばかりで前に進めなくなる度に”引き返して人の多い中道から降りようか?”と考えたが、少しずつ前進、なんとか溝状の箇所を脱出、尾根に出ることができた。
 真正面に鎌尾根を広げた鎌ヶ岳、右手には雨乞岳を見ながら尾根道を下る。尾根道に出ても安心はできない。途中、尾根道のすぐ横から崩れている所が何箇所かあるので、雪で道が見えないと危険だ。雪庇を踏み抜いたりして滑落する恐れもある。しかし、幸い尾根にはあまり雪が着いてなく、危なげなくガレ場を通過することができた。ガレ場を過ぎると、まもなくスカイラインに到着。しかし、ここから先がまだ長い。
15:10 スカイライン武平峠
 もちろん、スカイライン上も雪が深い。ここにもクロカン用の細いスキーの跡が見られた。朝はスカイラインには足跡一つなかったのだから、今日やって来たものだ。意外とクロカン人口は多いようだ。鈴鹿市から来たという、尾根道から一緒に下って来た学生風の青年は、ザックの両サイドに短いスキーを付けていた。聞くと、”中道から登って、しばらくスキー場で滑ってきた”という。圧雪していないと短いスキーでは埋まってしまって滑れないそうだが、”せっかくだから”と、彼はスキーを試してみることにした。しかし残念ながらスキーはうまく機能しなかったようだ。私は先に歩いて行ったのだが、スキーの彼に追い抜かれることはなかった。
15:30 表道登山口通過
 表道登山口からスカイラインを離れ、山道を歩くことにした。山道の方がずっと近道のはずだ。沢沿いに降り、スカイラインの下を潜ると、朝、道を間違えた例の鳥居を潜って進む。何人も人が通ったようで、道の雪がずいぶん溶けている。靴の中が冷たくなってきた。一の谷茶屋の前の鋪装路に出ると、ここもずいぶん雪が溶け、ノーマルタイヤでも走れるくらいになっていた。
16:00 湯の山温泉に帰着
 武平峠から1時間近くかかってようやく湯の山の旅館街にたどり着いた。駐車場には私の車1台だけが残っていたが、駐車場前の小屋でおばさんがしっかり店番をしていた。親切にも私の帰りを待っていてくれたようだ。駐車料金800円也を払うと、おばさんは小屋を閉めてさっさと帰っていった。
 今日はずっと深い雪の中を歩いたり泳いだりしたので、足への負担が大きく、かなり疲れた。それでも、足跡のない新雪の中を雪まみれになりながらも頂上まで登ることができて、充実感を伴う心地よい疲労であった。とは言うものの、登山靴を脱ぐ時に足がつってしまった。
17:20 四日市帰着


page top秋の御在所雪の御在所鈴鹿の山々main menu

アンケートにお答え頂ければ幸いです。