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大杉谷

upload 97. 6. 7

大杉谷-日出ヶ岳-大台ヶ原(東大台)
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 ゴールデンウィークに1泊2日で、三重県の秘境”大杉谷”へ、いつもの職場の同僚と行ってきました。澄んだ深い緑色の水、沢を埋める巨大な岩石、垂直に切り立った絶壁、壮大な滝、そして静寂。荒削りの自然の渓谷を上流へ登っていくこのコースは、ちょっとした”探検”気分を満喫できました。頂上を目指すばかりではなく、谷歩きの面白さを知ることができた美しいコースでした。
 交通の便が悪いのが難点ですが、夜中に車でアプローチして、朝一番から行けるところまで行って、お昼を食べたら引っ返してくるという日帰り作戦もいいかも知れません。堂倉滝までは無理かも知れませんが、七つ釜滝までなら行けるのではないでしょうか。


97.4.26
7:40 四日市-(近鉄特急)-松阪 8:20
 予報通り、天気も良い。わざわざ特急に乗ったが、後のバスの待ち時間が長かったので急行でも間に合ったのでは?と後悔。
9:00 松阪-(三重交通バス)-大杉 11:00
 大杉行きのバスは一日3本位しかなく、この9:00発が最も早い。これに乗り遅れたらその日の登山はあきらめなければならない。
11:20 大杉発
 大杉からは船で登山口近くまで行くはずであるが、池の水量が少なく登山口のはるか手前(第4乗船場:登山口まで45分)までしか船が行けないという。パートナーは「登山口まで車でも行けるのにバスが行かず船に乗り換えなければならないのは、納得いかない。」と憤慨し、船には乗らず歩いていくことになった。
12:40 六十尋滝(昼食)
 大杉から登山口までは舗装路だが、歩いて2時間、船に乗っても1時間以上は要するので、公共交通機関を利用しては午前中に登山口にたどり着くのは不可能である。地図のコースタイムでは登山口から桃の木小屋まで5時間弱。「このままでは小屋到着は7時近くになってしまう。」と多少焦りながら、滝の縁で昼食をとった。
 道から少し入った所にあるこの滝は、小さな滝だが、丁度12時過ぎに通ることになるので昼食をとるのには絶好の位置にある。
13:05 昼食を終え出発
13:35 登山口
 昼食を挟んで約2時間平坦な舗装路を歩き、ようやく発電所にたどり着いた。発電所の横をすり抜けると、いよいよ山道に入る。いきなり、絶壁を削りとったような水平道が現われ驚かされる。
 次に驚くのが、谷を塞ぐような巨大な岩石。どこから転がって来たのか数メートル級の巨大な岩石があちこちに鎮座している。そして澄んだ深い緑色の水が神秘的で不思議な魅力を秘めて静かに流れている。
15:00 千尋滝
 さほど勾配のない谷沿いの道を2時間近く行くと、左手、山の上から水が流れ落ちているのが見えてくる。水量は少ないが、高い山の上から流れ落ちることから”千尋滝”との名がついている。ちなみに1尋は約1.8mだから”千尋”だと日出ヶ岳の標高より高くなってしまう。実際の落差は百尋弱の140m程度らしい。
 滝の正面には休憩所まで設置されている。ベンチだけで充分なのに、屋根までついているので、せっかくの滝が良く見えないのは余計なお世話である。
15:50 猪ヶ淵
 ここは、大杉谷の魅力を凝縮したような所。切り立った崖に囲まれ、生い茂る木々の緑から漏れる光と陰のコントラスト、そして静寂が幽玄の世界に誘う。私の写真では分かりづらいが、奥にはニコニコ滝が顔を覗かせている
16:15 ニコニコ滝
 猪ヶ淵のすぐ隣にあるこの滝は、千尋滝よりも落差が大きく、このコースで見られる滝の中では最も大きい滝だ。
16:30 平等ぐら
 まるで削ったように垂直に切り立った岩の壁。ここまで来れば、桃の木小屋はもうすぐだ。
17:00 桃の木小屋到着
 ここは、山小屋では珍しく風呂がついている。今日の疲れを癒したいところだが、人が多く、ゆっくりとは入っていられない。川の水質保全のために石鹸やシャンプーの使用も禁止だ。それでも少しさっぱりすることができた。

 

97.4.27
6:35 出発
6:55 七ツ釜滝
 桃の木小屋を出るとすぐにこの七ツ釜滝に到着してしまう。休憩所が設置されており、まだ出発したばかりだが、せっかくだからコーヒーを入れて早くも大休憩。
 名前の通り7つの滝が連続しいるスケールの大きな滝であるが、休憩所から見えるのは3つ位でかなり下流まで数えないと7つにはならない。
 この後、滝を巻いて滝の上まで登っていくのだが、滝に見とれて転落しないよう注意が必要だ。
7:40 光滝
 巨石で埋った沢の淵を歩いて行く(写真沢の左肩が登山道)と、急に視界が開け、光滝が姿を見せる。この滝の名の由来は、滝壷がなく、岩に落ちた水の飛沫が光りを受けて虹をつくるからだそうだが、この日は水量がなく力なく伝い落ちる様な状態であった。道はこのあとこの滝の上へと登っていく。
 光滝と堂倉滝の間に、隠滝、与八郎滝と2つの滝があるはずなのだが見逃してしまった。隠滝は隠滝吊橋のすぐ近くのはずだが、死角にあるのか見えなかった。しかし、吊橋からは幽寂な谷を見渡すことができた。
8:20 堂倉滝
 この滝は、落差はあまりないが水量が多く豪快だ。滝壷が大きく、夏は泳ぐと気持ちがよさそうである。
 これで大杉谷の滝めぐりはおしまい。この後は日出ヶ岳頂上まで約3時間、ひたすら登りが続く。結構堪えます。
9:40 粟谷小屋
 堂倉滝から1時間位登ると、突然林道にでくわす。林道で登山道が寸断されているために、登山道を見失ってしまう。林道沿いに少し歩いて、ご利益のありそうな水場を見つけたら、そのすぐ脇に登山道が発見できるはず。粟谷小屋まで行ってしまったら、行き過ぎである。
 日出ヶ岳頂上はまだまだ遠い。
11:35 日出ヶ岳頂上 1695m(昼食)
 途中、へばりながらも、なんとか頂上に到達。普通なら、頂上に到達した満足感、充実感に救われるはずだが、ここは大台ヶ原駐車場から30分程度の所。登山者より、”行楽客”であふれており、感慨もひとしお少ない。釈然としない気分で、”展望台”に登ってみる。好く晴れているのだが、弥山や大普賢岳など大峰の山々がかすんで見えた。
 実は、東大台をまわるために、もう一泊を覚悟していたので、昼食をまだ2食分持っていた。これを”処分”するため、一気にカレーライス、釜飯を平らげた。私には少し苦しかった。
12:50  帰りのバスの時間まではたっぷり時間があるので、すっかりくつろいでしまった。
 行楽客で賑わう東大台の散策コースに向けて出発。おなかが重い。
13:20 正木ヶ原
 頂上から少し下ったあと再び緩やかに登って行くと、晴天の青空を背景に、トウヒの倒木や立ち枯れが独特のシュールな世界を形成する正木ヶ原に入っていく。でも、どうしてこれらの木々は枯れてしまっているのだろう?
 山中によほど食べるものがないのか、人気の多いコース沿いに鹿の姿を多く見かけた。
 正木ヶ原を過ぎると尾鷲へ降りる道と分かれる(尾鷲辻)。この道はかなり荒れていて迷いやすいようで、「尾鷲に向かう人は◯◯へ届けて下さい。」と注意書きが立てられていた。
13:30 牛石ヶ原
 唐突に神武天皇の像が建っていたのがいかにも不自然であった。 正木ヶ原に比べると倒木も少なく、木にはちゃんと葉がついていた。
13:40 大蛇ぐら
 尾根から少し突き出した小峰の先にある大蛇ぐら。転がり落ちそうで少し足がすくむ。本当に転落してしまわないように、安全柵が設置されている。横には絶壁がそびえ、正面には大峰の山々が彼方にかすむ。
 ここまでは、比較的平坦であったが、コースはこの後シオカラ谷へと下っていく。日出ヶ岳の登りがかなり堪えているので、あとの登りが恐い。
14:20 シオカラ河原
 久しぶりの水場でしばし休憩。帰りのバスの時間を調整する。
14:50 大台ヶ原駐車場到着
 桃の木小屋の案内板でバスは、14:30,15:30,16:30の3本と記憶していたので、15:30に合わせて到着したのだが、何と15:30のバスなど存在しなかった。どうやら、15:30のバスは夏休みの期間限定便のようだ。ゴールデンウィークくらい走らせてくれればいいのにと思うが、行楽客は皆、車で来るので、バスに乗るのは登山者のみという状態ではそうもいかないのか?
 と言うわけで、売店前のテーブルで1時間以上、生ける屍と化す二人であった。
 なお、先着順に整理券を配布しているので、いくら時間が余っていても駐車場に着いたら、まず、バスの切符を買おう。でなければ上市までの2時間を補助席で我慢しなければならなくなるかもしれない。
16:30 大台ヶ原-(奈良交通バス)-近鉄上市 18:30
 ようやくバスに乗り込むが、早く帰りたいのに、なぜか途中で、ホテルの土産物屋の前で休憩を取らされてしまう。定期便なのにこんなことがあっていいのだろうか?
18:40 近鉄上市-橿原神宮-八木-(近鉄特急)-
21:30 近鉄四日市駅着

 
¥¥¥御参考まで¥¥¥(97.Apr.)
四日市-(近鉄特急)-松坂 特急料金 \870 \800
近鉄松坂駅-大杉(2時間) 三重交通バス

\2,150

大杉-第4乗船場(20分) 宮川ダム観光船 \700
桃の木小屋 1泊2食付 \7,300
大台ヶ原-近鉄上市駅(2時間) 奈良交通バス \2,030
上市-橿原神宮-八木-(特急)-四日市 特急料金 \1,280 \1890


Caution

 大杉谷というと、新聞に行方不明や転落事故の記事がよくでるので整備のされていない本当の秘境なのかと思っていたが、行って見ると一般ルートでは道に迷う心配もなく、剣岳の”カニの横這い”の様な恐ろしい所もない、よく整備された安全なコースに思えた。ところが、現実に事故はよく起こっている。96年は事故7件で4名が亡くなっているらしい。確かに谷沿いのコースなので、うっかりつまずいたり、足を滑らせると不運にも転落してしまう危険がある。しかし、事故が起こるのはちょっとした不注意や偶然だけではないようだ。『このコースは大台ヶ原から下るのが一般的。「登るより下った方が楽」と思えるのだが、日出ヶ岳からの下りの連続はかなり足、特にヒザに負担が掛かる。桃の木小屋で一泊すると回復するどころかかえって足が固まってしまう。このため、つまずいたり足を滑らせ易くなり、またバランスを崩しても踏ん張れなくなる。』というのが、このルートの下りも経験しているパートナー氏の分析です。安全のためにも、このコースは下るのではなく、大杉から登ることをお勧めします。桃の木小屋から大台ヶ原まではのんびり登っても16:30の最終バスには充分間に合う。登っても、下っても帰りの交通の便の悪さは変わらないが、下って何もない大杉でバスを待つよりは、大台ヶ原に登った方が時間をつぶし易いという利点もある。
 ゴールデンウィーク中も猪ヶ淵近くでの転落事故の記事が新聞に載っていた。「足元に充分注意して」としか言えませんが体調充分で登山に望みましょう。




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