自治体政策法務ぺーじ公用文の書き方等に関する内閣告示、諸通知
法制局総発第八九号
昭和二十九年十一月二十五日
            殿
法制局次長 林 修三
 法令用語の改善については、本年十月七日事務次官会議で、国語審議会の「法令用語改善についての建議」の趣旨をおおむね妥当とし、支障のない限り国語審議会の作成した「法令用語改正例」に準拠する方針を申し合わせたが、当局でその実施要領を検討した結果、今後次の方針によって実施することとしたから、御了知願いたい。
   法令用語の改正の方針

 国語審議会の作成した「法令用語改正例」のうち、別紙改正要領に記載したものは、法律については第二十回国会に提案するものから、政令については十二月一日以降の閣議に提案するものから実施することとし、別紙改正要領に記載してないものは、今後検討の上漸次実施する予定であるが、その場合は、改めて実施の期日を定める。


 実施の方法としては、新たに法律又は政令を制定する場合は、必らず別紙改正要領によるものとし、既存の法律又は政令を改正する場合において、改正が法令の相当な部分にわたるとき、改正の部分のみに改善すべき用語があるとき、その他大きい支障なしに別紙改正要領によることができると認められるときは、これによるものとする。

内閣法制局総発第142号
昭和56年10月1日
            殿
内閣法制次長
  茂 串  俊
   法令用語改正要領の一部改正について(通知)

 昭和29年11月25日付け法制局総発第89号の法令用語改善の実施要領の別紙「法令用語改正要領」の一部を、差し当たり、別紙のとおり改正し、昭和56年10月1日付け内閣法制局総発第141号の「法令における漢字使用等について」と併せて実施することとしたから、お知らせします。
 なお、「法令用語改要領」については、今後引き続きその改正を検討していく予定であるので、念のため申し添えます。

別紙
   法令用語改正要領
昭和五六年一〇月一日改正
第一  同 音 語
(A) 次のものは一般に用いられるものだけを残し、一般的でないものは、今後他の表現を考える。
遺棄
委棄(用いない。)
会議
開議(用いない。たとえば、「会議を開く」とする。)
開示
戒示(用いない。)
看守
監守(用いない。)
技官
技監(用いない。)
不正
不整(用いない。)
(B) 双方ともよく用いられてまぎれやすい次のものは、そのうちの一方または、双方を一定の形に言いかえて用いる。
解任
改任→改めて任ずる、交代
看護
監護→監督保護
看守
管守→保管
干渉
管掌→つかさどる
管理
監理→監督管理
起因
基因→基づく
規定
規程→規則
詐欺
詐偽→偽り
商標
証票→証明書、証片、証紙
証標→徴票、印
証憑→証拠
正規
成規→所定
調整
調製→作成
表決
評決→議決
報奨→奨励
報償
法令
法例→準拠法令、法令の適用関係
保佐人
補佐人→補助者、補助人
(C) 次のものは、統一して用いる。
改定 改定
改訂
干渉 干渉
関渉
関与 関与
干与
干預
規制 規制
規正
規整
規律 規律
紀律
経理 経理
計理
交代 交代
更代
作成 作成
作製
参酌 参酌
斟酌
主管者 主管者
主幹者
消却 消却
銷却
状況 状況
情況
(常況→常の状況)
侵害 侵害
浸害
提示 提示、示す
呈示
提出 提出
呈出
定年 定年
停年
統括 統括
統轄
配布 配布
配付
破棄 破棄
破毀
表示 表示
標示
総括 総括
総轄
和解 和解
和諧
(D) 同音語でも、意味のまぎれるおそれのない下記のようなものは、そのまま用いる。
継続
係属
広告
抗告
債券
債権
障害
傷害
第二 似た意味のことば
次のことばは、統一して用いる。
改定 改定
改訂
交代 交代
更代
更迭
左の 左の
次の
趣意 趣旨
旨趣
趣旨
正当な理由 正当な理由
正当な事由
証拠 証拠
証徴
憑拠
証憑
第三 意味の通じにくい、むずかしいことば
(A)  次のことばは、表現が簡単すぎてわかりにくいから、一般に通じやすい表現に改める。
医籍→ 医師名簿
勧解→ 和解勧告、和解を勧める
監護→ 監督保護
毀棄→ 損壊又は廃棄
漁撈→ 水産動植物の採捕
誹毀→ 名誉損傷
蚕蛹→ 蚕のさなぎ
臨検→ 立入検査
(B) 次のことばは、似た意味の漢字を重ね合わせてしいてむずかしく作られているから、それぞれわかりやすい日常語に改める。
遺脱→ (判断を~)し忘れる
違背→ 違反
拐引→ かどわかす
開披→ 開く
希求→ こいねがう
具有→ 有する
戸扉→ 戸
枝条→ 枝
思料→ 考える
尽了→ 終わる
成造→ 作る
送致→ 送る、送付
蔵匿→ かくまう
盗取→ 盗む
房室→ 室、部屋
申述→ 述べる、申立て
諭示→ 示す、諭す
擁壁→ 囲い
(以下は、常用漢字表にはずれた漢字を用いたことば)
隠蔽→隠す
湮滅→無くする、隠滅
汚穢→汚れ
灰燼→灰
扞止→(土砂~)止め、防止
毀壊→損なう
欺罔、欺瞞→だます
狭隘→狭い
驚愕→ 驚く
掘鑿→ 掘る
懈怠→ 怠り
喧騒→ 騒がしい、やかましい
溝渠→ 溝
誤謬→ 誤り
鎖鑰、鑰匙→かぎ
鬚髯→ ひげ
焼燬→ 焼く
牆壁→ 仕切り
塵埃→ ほこり
塵芥→ ごみ
齟齬→ 食違い
隊伍→ 隊
堆積→ 積もる
祀→ 祈り
紊乱→ 乱す
憫諒→ 哀れむ
編綴→ とじる、とじ合わせる
包裹→ 包み
踰越→ 越える
湧出→ わき出る
宥恕→ ゆるす
壅塞→ ふさぐ
襤褸→ ぼろ
漏泄、漏洩→漏らす
歪曲→ ゆがめる
(C)  次のことばは、わかりやすい外来語に改める。
堰堤→ ダム
汽鑵→ ボイラー
空気槽→ 空気タンク
骨牌→ かるた類
酒精→ アルコール
檣頭→ マストトップ
船渠→ ドック
端舟→ ボート
油槽→ 油タンク
(D)  その他、次のような漢語の使用は、できるだけ避けて、それぞれ他のわかりやすい表現に改める。
永期→ 長期
解止(用いない。)
加功(用いない。)
河津(用いない。)
行用→ 行使
賜与(用いない。)
成丁者→ 成年者
窃用→ 盗用
代務者→ 代行者
通事→ 通訳人
売得金→ 売却代金、売上金
配賦→ 割当て
版図→ 領域
没取する→国庫に帰属させる
満限に達する→満了する
輸納→ 提出
第四 常用漢字表にはずれた漢字を用いたことば
(A) かな書きにしても誤解のおこらない次のことばはかなで書く。この場合かなの部分に傍点をつけることはやめる。
強姦→ ごうかん
芥溜→ ごみため
昏酔→ こんすい
屠殺→ とさつ
賭博→ とばく
煉瓦→ れんが
猥褻→ わいせつ
罠→ わな
賄賂→ わいろ
煙草→ たばこ
以て→ もつて
此→ この
之→ これ
其→ その
為→ ため
等(ら)→ ら
 かな書きにする際、単語の一部分だけをかなに改める方法は、できるだけ避ける。
あつ旋→ あつせん
と殺→ とさつ
 ただし、漢字を用いた方がわかりよい場合はこの限りでない。
あへん煙
あて名
ちんでん池
ほうろう鉄器
(B)  次のものは、常用漢字表にはずれた部分を、
それぞれ一定の他の漢字に改めて書く。
慰藉料→ 慰謝料
苑地→ 園地
外廓→ 外郭
吃水→ 喫水
饗応→ 供応
魚艙→ 魚倉
繫留→ 係留
繫船→ 係船
繫属→ 係属
闕席→ 欠席
交叉点→ 交差点
扣除→ 控除
雇傭→ 雇用
弘報→ 広報
撤水管→ 散水管
醇化→ 純化
障碍→ 障害
→ 侵食
訊問→ 尋問
洗滌→ 洗浄
疏明→ 疎明
定繫港→ 定係港
碇泊→ 停泊
顚覆→ 転覆
破毀→ 破棄
蕃殖→ 繁殖
抛棄→ 放棄
輔助→ 補助
緬羊→ 綿羊
落磐→ 落盤
剰す→ 余す
(C)  次のものは、それぞれ他の一定のことばにいいかえる。
印顆→ 印形、印
淫行→ みだらな性行為
曳船→ ひき船
捺印→ 押印
穏婆→ 助産婦
瑕疵→ きず、欠陥
牙保→ 周旋
陥穽→ 落し穴
涵養→ 養成、育成
毀損→ 損傷
覊束→ 拘束
義捐→ 救援、援助
救恤→ 救援
橋梁→ 橋
牽連→ 関連
股分→ 持分
鑿井→ 井戸掘り
卸任→ 解任
首魁→ 主謀者
唆功→ 完成
傷痍→ 傷病
塵芥焼却場→ごみ焼場、ごみ焼却場
神祠→ ほこら
蔬菜→ 野菜
稠密→ 周密
貼付→ はり付ける
牴触→ 触れる、抵触
堤塘→ 提
塡補→ うめる
顚末→ 始末、事の経過
売淫→ 売春
播種→ 種まき
彼此移用→相互移用
彼此流用→相互流用
匕首→ あいくち
封緘→ 封
瘋癲者→ 精神病者
俘虜→ 捕虜
輸贏→ 勝敗
烙印→ 焼印
鄰佑→ 隣人
狼狽→ ろうばい、慌てる
(その他今後用いないもの)
氵益水
瘖啞者
澣濯
膠沙
出捐
鍼盤
僣窃
梳理
攀越
(D) 常用漢字表にない漢字を用いた専門用語等であって、他にいいかえることばがなく、しかもかなで書くと理解することができないと認められるようなものについては、その漢字をそのまま用いてこれにふりがなをつける。

砒素




 こ
禁錮
第五 常用漢字表にあっても、かなで書くもの
おそれ
恐れ
且つ→かつ
従つて(接続詞)→したがつて
但し→ただし
但書→ただし書
外→ほか
又→また
因る→よる