Cinema Review 2005


見た映画についての一言コメントです。以前のCinema Essayのようにまとめていないので、映画チェックしてない人には訳わからないと思いますが、独り言だと思って見てください。。。


2005年のREVIEWはこちらです


2006年12月30日(土)
硫黄島からの手紙  at ナビオTOHOプレックス

日本人の私たちもほとんど知らない硫黄島での戦い。それを人間的な視点からアメリカ人が制作したというのはとても意味のあることだと思います。
負け戦とわかれば自決を強いる空気が流れる中、自決することを禁じた栗林中尉の存在はすごいですね。自決の壮絶さもさることながら、頼るものが何もない島で勝つ見込みもないまま戦い続けることを選ぶなんて、あまりにも辛いことです。感動するとかそういうのではなくて、この事実をしっかり受け止める、そういう気持ちで観ました。

公式サイト → 硫黄島からの手紙

2006年11月29日(水)
父親たちの星条旗  at ナビオTOHOプレックス

あんまり戦争映画を観る気分ではなかったのですが、「硫黄島からの手紙」と合わせて日米両側から戦争を描いた企画というのに興味があったし、なんとなく見なきゃっていう気にさせられてしまいました。
いかにもアメリカ的な興味深いテーマではあるんですけど、ちょっと人物関係がわかりにくかったんです・・・。最初に戦闘シーンがいくつか映し出されるんですけど、どれが誰なのかわかりにくく、後にどうつながったのかがわからなくって、ちょっとこんがらがってしまいました。おまけに、席が画面から結構近かった上に、画面が揺れるので、ちょっと気分悪かったし、全然集中できなかった・・・。もう1回見よう・・・。

公式サイト → 父親たちの星条旗

2006年11月29日(水)
プラダを着た悪魔  at ナビオTOHOプレックス

ファッション誌の鬼編集長とそのアシスタントを描いた映画。結構面白かったです。どの登場人物にも共感できちゃうんです。自分の望む仕事へのステップとして頑張るアシスタントにも、彼女のファッションセンスをバカにしながらも指導する先輩アシスタントにも、何事にも仕事優先という姿勢に疑問を持つアシスタントの彼氏にも。そして、なんと鬼編集長にも共感できてしまうんですよねー。彼女は彼女なりの犠牲を払っているし、相当の覚悟も持っているんだなって。
もちろん、くるくる変わるみんなのファッションを見るのも楽しかった♪

公式サイト → プラダを着た悪魔

2006年11月22日(水)
麦の穂をゆらす風  at ガーデンシネマ

とても重く、辛く、厳しい、でも素晴らしい映画でした。これを見ると、テロ組織というものがどうできていったのかが少し理解できます。納得はできないですけど・・・。普通の人たちが自分たちを虐げる組織に立ち向かっていく、その姿には感動さえするのですが、友人や家族をも犠牲にするむなしい戦いということには変わりがないと思いますから・・・。理想のためか、自分の愛する人たちのためか、どちらも大切ですけど、この2つは両立できないことが多々あります。どちらを選ぶかは人それぞれ。この映画の登場人物たちの選択とその結果に、涙が止まりませんでした。

公式サイト→ 麦の穂をゆらす風

2006年10月4日(水)
フラガール  at TOHOシネマズなんば

時代に取り残されていく炭坑の町に新しい雇用を生みだそうと考えられたのが、温泉を活かしたハワイアン・センターの設立。寒い福島県でハワイアンなんて、すごい発想ですが、これが実話っていうのが面白いな〜と思って、興味を持ちました。
すごくいい映画です。お決まりの演出も多々ありますが、古い時代にしがみつこうとする人々と、新しい時代に希望を見いだそうとする人々、そして、東京からやってくるわけありのダンサー、それぞれの人間模様がコメディ・タッチの中にもしっかり描かれています。大好きなイギリス映画の「リトル・ダンサー」や「ブラス」なんかを思い出してしまいました。しずちゃんばかりが話題になっていますが、松雪泰子がめちゃくちゃカッコいいし、蒼井優もすごくいいし、岸辺一徳もいい! こんな日本があったんだ、と再発見できました。
ニュース番組で実際のハワイアン・センターやダンサーさん達を取材する特集がされていたのですが、今でも子どもが「大きくなったらあそこで踊る」って言っているなんて、素敵ですよね。
サントラも欲しいなぁ。


公式サイト → フラガール

2006年9月13日(水)
キンキー・ブーツ  at OS名画座

イギリスの職人気質の靴工場の再生を軸にしたお話。これ、実話が元になっているらしいのですが、紳士靴を製造していた会社が、会社再生のために目をつけたのは、なんとドラッグ・クイーン用のブーツだった!という・・・。
ドラッグ・クイーンの華やかな世界も出てくるのですが、映画自体が派手に明るくはじけないのはイギリス映画ならではなんでしょうか? こういうある意味、実直な感じ(?)のするイギリス映画が私は好きです。
会社をなんとか存続させようと踏ん張るちょっと頼りなさげな若社長、華やかでタフなショーウーマンでありながら、靴工場のある郊外での偏見に葛藤するドラッグ・クイーン、戸惑いながらも靴作りに取り組み、ドラッグ・クイーンのことも受け入れていく工場の職人さんたち、などなど、登場人物も魅力的でした。

公式サイト → キンキー・ブーツ

2006年9月13日(水)
紙屋悦子の青春  at テアトル梅田

第二次世界大戦中の鹿児島に生きる人の普通の生活を描いた作品。愛する人を親友に託し、軍に志願する青年、実はその志願兵が好きだったのにそのことを口にすることなく、その親友を受け入れる女性。ありがちっちゃありがちな設定ですが、すごく良かったです。
この映画の登場人物たちはあまり余計なことを語りません。口にしなければ伝わらないことももちろんあるのですが、口にしなくても伝わることもいっぱいあります。そういう口にしない部分、相手を思いやる気持ちから押し殺した言葉がそこここからにじみ出ていて、すごくきれいだなって思いました。とつとつとした会話、生真面目で不器用な人柄から出る可笑しさもこの映画にはあふれていてほほえましいです。
あの時代の結婚前の男女という設定にしては、キャストの年齢が高すぎる感じは否めないのですが、雰囲気はピッタリ合ってました。

公式サイト → 紙屋悦子の青春

2006年9月6日(水)
マッチポイント  at ガーデンシネマ

ウッディ・アレンらしくないウッディ・アレン映画。ストーリーはものすごく古典的ですが、主演の2人、スカーレット・ヨハンソンとジョナサン・リース・メイヤーズが演じることによって、ちょっと新鮮になってます。
映画の最後の方に大きな事件が起こるのですが、それまでもグイグイと引き込まれてしまうのは、さすがウッディ・アレンですね。イギリスの上流社会の雰囲気も味わえて面白かったです。
ところで、ジョナサン・リース・メイヤーズってホントに孤独顔。彼が思いっきり笑っていても幸せに見えなさそうな感じ。(^^;) 彼が演じるクリスは、同情の余地のない男ですが、それでも最後の最後の展開を見た時にはなぜかホッとしてしまう・・・そんな風に演じているのはすごいです。
スカーレット・ヨハンソンも、相変わらずいいですね。

公式サイト → マッチポイント

2006年9月6日(水)
トランスアメリカ  at ガーデンシネマ

目前に性転換手術を控えた男性ブリーの前に、息子が現れ、アメリカ横断の旅をともにするハメになってしまう物語。
このブリーがとても良識的で慎ましやかなところがすごくいいですね。ゲイっていうと退廃的だったり派手だったりっていうふうにイメージされがちですが、一生懸命手術費用をかせぐために働いている姿や、息子をしかる姿なんかが素敵です。
実はブリー役は(もちろん見た目はほとんど女性なのですが)女優さんが演じているのです! 大変だっただろうなぁ・・・。でも、オーバーになることなく、ちょっとコミカルなところもあって、いいさじ加減だなと思います。
一方、息子役のケビン・ゼガーズ、ハンサムで「リヴァー・フェニックスの再来」という声もあるようですが、『アナザー・デイ・イン・パラダイス』のヴィンセント・カーシーザーを思い出してしまいました。彼、どこにいっちゃったんでしょうね・・・?

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2006年8月30日(水)
UDON  at ナビオTOHOプレックス

めちゃ楽しかった! これぞ日本でしか作れないエンターテインメント作品て感じです!
中心は讃岐うどんブームなんですが、そこに夢や家族愛などをいい感じにからませてあるし、祭りの前・最中・後をうまく描いているなと思います。ユースケ・サンタマリアとトータス松本のコンビも最高ですねー。(「バンザイ」は反則や〜(^^;))
私自身が、映画で描かれているような讃岐うどんツアーをしたことがあるということもあって(さすがに何軒も回れませんでしたが)、讃岐うどんのお店を見ているだけでも面白かったです。いろんなうどんが映って、うどんが食べたくなるなる!

公式サイト
 → UDON

2006年8月30日(水)
ゲド戦記  at 三番街シネマ

なんとなく「風の谷のナウシカ」や「ラピュタ」みたいな感じを想像していたのですが、結構個人的なテーマで意外でした。
全体的には、正直物足りなかったです・・・。なんというか、吸引力が足りませんでした。特に前半は映画に入り込みきれなくて、少し退屈してしまったくらい・・・。もう少しキャラクターが描き込まれていれば、と思いました。
でも、あの街の風景なんかはジブリ印でいつも素晴らしいし、主題歌も素敵です。

公式サイト → ゲド戦記

2006年8月23日(水)
プルートで朝食を  at テアトル梅田
女性の感覚を持った男性、パトリックの、母親探し・自分の居場所探しの物語。舞台は60〜70年代のアイルランド&イングランドです。IRAのテロ活動など、深刻な時代背景もあるし、パトリックの境遇も結構悲惨だったりするのですが、全体のタッチはとにかくポップでキュート! パトリックがとにかくかわいいのです。他の登場人物もちょっと変わり者ばかりですが、優しくって素敵です。
こんな面白い映画がたった2週間しか上映してないなんて、勿体ないなぁ。。。

公式サイト → プルートで朝食を
2006年8月16日(水)
パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト  at ナビオTOHOプレックス

今、大ハヤリのパイレーツ・オブ・カリビアン。最初にパート2ができると聞いた時は、「ジョニーがパート2もの?」ってビックリしたんですが、すごく楽しめる作品になっていて、本人もすごく楽しんでたんだろうなぁという感じがしました。前作よりもちょっとオーバーにノリノリで演技してましたね〜。
正直、ストーリーは大したことないんですが、とにかく主演3人のキャラが立っているのが、この映画の勝因かなと思います。ジョニー・デップ然り、キーラ・ナイトレーとオーランド・ブルームもめちゃくちゃハマッてます。この3人と、脇を固めるベテラン俳優陣が自分のキャラを楽しんでやっている感じが伝わってきて、こちらもノセられてしまうのです。
最後のビックリ展開にもニンマリ。次が楽しみです!

公式サイト → パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト

2006年6月28日(水)
花よりもなほ  at ピカデリー

この映画、予告編を見た時に「あ、面白そう」と思ったのですが、予告編の最後に「監督:是枝裕和」と出てビックリしました。そう、「誰も知らない」の監督です。私はその前の「ディスタンス」も観ていて、どちらもすごく好きなんですが、とても明るい作品とはいえないですよね・・・。設定も現代的だし。そんな是枝監督の明るい時代劇ということで、ますます興味が湧いたのでした。
物語の舞台は貧乏長屋で、仇討ちをしようとしている宗左右衛門が主人公。ところが、この人、めちゃくちゃ弱くて優しいんです。武士らしい生き方とそうでない生き方の間で揺れ動くのです。
吉本芸人もいっぱい出ていて、今までとは雰囲気が全然違う作品でした。でも、登場人物の気持ちを優しく静かに追った内容はやっぱり是枝さん。好きだなぁ〜。時代劇の設定なのに、なんとなく時代劇ぽくない、というか、いつの時代でも通じる内容になっているのもさすがです。

公式サイト → 花よりもなほ

2006年6月21日(水)
ダ・ヴィンチ・コード  at ナビオTOHOプレックス

超話題のダ・ヴィンチ・コードです。面白かったです。でも、特別ではない感じでした。私は事前に“名画「最後の晩餐」に隠された謎”みたいな番組を観ていて、聖杯が何かとかを知っていたんです。だからだと思うんですが・・・。
映画のあらすじよりも、歴史ミステリー的な部分、つまり、私が事前にテレビ番組で観ていた部分の方が面白いんですね、たぶん。だから映画を観ても特別エキサイティングに感じなかったんだと思います。
事前知識なしに観ると難しいという人も多いようですが、私は何も情報を入れずに観に行くことをオススメします。

公式サイト → ダ・ヴィンチ・コード

2006年5月24日(水)
ロシアン・ドールズ  at 三番街シネマ

フランス人留学生がスペイン・バルセロナで多国籍な共同生活を送る様子を描いた青春映画(?)「スパニッシュ・アパートメント」の続編です。
今度は主人公のグザヴィエが、仕事もそこそこ、特定の恋人なし、という三十路男を演じてます。仕事への情熱も失い、心から愛せる女性も見つからず、でも、何となく何かを求めて過ごす毎日。彼の女友だちにも、似たような状態の人がいっぱい。自分と境遇が異なる部分はあるけれど、とっても共感できる映画です。
「スパニッシュ・アパートメント」同様、軽いタッチなので、すごく楽しく観れます。

公式サイト → ロシアン・ドールズ

2006年5月24日(水)
ナイロビの蜂  at ピカデリー

すごく壮大なラブ・ストーリーです。「イングリッシュ・ペイシェント」以来・・・かな、こんな映画を観たのは。
主人公の夫婦は、女性が動、男性が静、なんです。情熱的な活動家の妻テッサが夫に一切を隠して危ない橋を渡っていることに、初めは共感できないというか、そういう感じで観ていたんですが、だんだんと話が進むうちに、そういう生き方・愛し方もあるんだなってすごく感動しました。
アフリカの現状を考えさせられる映画でもあり、美しい映像を堪能できる映画でもあります。

公式サイト → ナイロビの蜂

2006年5月10日(水)
ブロークン・フラワーズ  at シネ・リーブル

正直に言いますと・・・、もひとつでした。(^^;) 評価はすごく高いんですけどね。
ビル・マーレイ演じる初老の男性が、昔の恋人から「あなたに息子がいる」という手紙をもらって、差出人を捜して昔の(複数の)恋人を訪ねていくというストーリー。ビル・マーレイは
おなじみの辛気くさいムードで、それがいい人なんですけど、今回はそれが強すぎたのか・・・。昔の恋人たちの現在も、それぞれはすごく面白いんですけど、なんか映画全体としては、少し物足りませんでした。
ジム・ジャームッシュ監督の映画の中で最高!という批評も多いですが、私はもう1本観たことがある「ミステリー・トレイン」の方が面白かったです。

公式サイト → ブロークン・フラワーズ

2006年5月10日(水)
RENT [レント]  at 梅田ブルク

ブロードウェイで話題になっていた頃から、すごく見たかったミュージカルです。来日公演をやっていたのを知らず、日本人キャストによる日本公演にはあまり行く気がせず、でここまで来ていたので、映画化されると聞いてすごく楽しみにしていました。
で、観に行って見て・・・・・・もうRENT大ファンになってしまいました!
 最初の方は、役者とボーカルのテンションが合ってないところがあって、MTVぽく思えたのですが、とにかく音楽のパワーがすごい! オープニング、ピアノの印象的な伴奏で始まる「♪5,256,000 minutes」という曲(題名は「Seasons of Love」というそうです)、ここからもうステキで♪ ほとんど全編が歌なんですが、この映画はストーリーをとやかく言うより、貧乏、芸術家仲間、エイズ、麻薬といった要素と音楽があればもうそれで十分な気がします(もちろんいい意味でです)。ものすごくエネルギッシュで、でも切なくて、観ているこちらにも伝染しそうでした。出演者たちもみんな魅力的で、すごく愛おしく感じてしまう映画です。
なんと年末にまた来日公演があるそうです。絶対に舞台も観に行くぞ!

公式サイト → RENT

2006年4月12日(水)
プロデューサーズ  at ナビオTOHOプレックス

騒々しくって、ケバケバしくって、やたらハイテンションで・・・でも楽しい! 最初はあまりのテンションの高さにちょっと引いてしまいましたが、それも最初だけ。後は、完全にのせられました。
舞台と同じキャスティングのネイサン・レイン、マシュー・ブロデリックはもちろん、映画で加わったというユマ・サーマン、
ウィル・フェレルもみんながみんなすごいハマリ役です。監督の秘書役のカルメンとかも最高におかしかった〜。
マシュー・ブロデリックって最近映画ではイマイチだったけど、ブロードウェイで頑張ってたんですね。彼のタップダンスは余裕があって優雅で、「どうだっ!」て感じがしない。これが名人芸なんだな〜って思いました。

公式サイト → プロデューサーズ

2006年4月5日(水)
ブロークバック・マウンテン  at シネ・リーブル

アン・リー監督らしいやさしい映画でした。ゲイのカウボーイの恋愛映画と言ってしまうとそれまでなんですが、すごく情感にあふれていて・・・。実は、映画を見ている時よりも見終わった後から切なさがこみ上げてきたのです。主人公の二人を初め、それぞれの奥さんとかそういう人も含めて、きっちりと描かれているので、ずっと後まで余韻が長引くんでしょうね。南部の美しい自然風景も心をやさしく包んでくれます。
それにしても、ヒース・レジャー良かったです。それまで演技派の印象はまったくなかったけれど、寡黙に現実と折り合いをつけていこうと苦悩する姿がまさにイニスという感じでした。

公式サイト → ブロークバック・マウンテン

2006年3月31日(金)
リトル・ランナー  at ガーデンシネマ

ありえなーい!(^^;) そんな設定ですが、楽しくって清々しい映画です。
昏睡状態に陥ってしまった母親は「奇跡でもおきない限り目覚めない」と言われ、自分がボストンマラソンで優勝するという奇跡をおこそうと頑張る少年の話なんですが、この少年が面白いんです。仲間からいじめられているんですけど、決していじめられっこではなく、明るいし、お母さん思いだし、でも頭の中は性のことでいっぱいだし、というちょっとユニークな子。こんな少年が主人公なので、映画全体はコメディタッチ。でも、最後のマラソンシーンはありえないとわかっていながら、やっぱり一生懸命見てしまいました。
全体的にはちょっと軽めな印象かな。気軽に楽しめる映画です。

公式サイト → リトル・ランナー

2006年3月10日(金)
ウォーク・ザ・ライン  at テアトル梅田

ミュージシャン、ジョニー・キャッシュの伝記映画です。正直、ジョニー・キャッシュは「カントリーの歌手でしょ?」くらいしか知らなかったんですが、主演の2人--リーズ・ウィザースプーンとホアキン・フェニックス--に興味があったので観に行きました。
ミュージシャン映画って麻薬との戦いが多いんですけど、これも例にもれず・・・でもこの映画はジョニーと、同じ歌手であるジューンの愛の軌跡が中心に描かれています。このジューンがとても素敵な女性だったんです。華やかな世界に生きながら、母親であることも大切にしていて、麻薬にはまっているジョニーの求愛を厳しく拒みながらも、いざという時には親身に看病して・・・しっかり地に足のついた女性なんです。実は自分も恋愛には不器用でいろいろ悩みながらも、常に前向き。実際、ジューンを演じたリーズもこんな女性なんじゃないかと思います。普通にママさんしてはるらしいし、旦那さんも同じ俳優(ライアン・フィリップ)ということで悩みはいっぱいあると思いますが、すごく前向きなエネルギーを感じられて、好きな女優さんです。
それにしても、リーズ歌うますぎです。学芸会的なうまさではなくて、ホントに歌手になれますよ、あれは。ホアキンも低音が響いて、野性的かつセクシーでした。

公式サイト → ウォーク・ザ・ライン

2006年3月10日(金)
イノセント・ボイス 12歳の戦場  at ガーデンシネマ

エルサルバドルの内戦を11歳の少年の目から描いた映画です。先日観た「ホテル・ルワンダ」のような一斉に巻き起こった民兵による民族間大虐殺とは違い、エルサルバドルの場合は政府軍とゲリラが戦っており、人々は一応普通に生活をしています。が、この映画の舞台になっている町はちょうど政府軍とゲリラの境界線上に位置し、頻繁に銃弾が飛び交う状況なのです。さらにひどいのは、12歳になると政府軍に兵士として徴兵されるという現実。ゲリラが、というのは聞いたことがあるのですが、政府が子ども兵を徴兵しているというのは初めて知ったので、ショックでした。
映画は、現在はハリウッドで俳優として活動するオスカー・トレスの体験談に基づいており、来年12歳の誕生日を迎える少年チャバの目線で語られます。普通に生活することが困難な状況ながらも、家族の愛に支えられ、初恋や友情など、美しいシーンがいっぱいでジーンと来ます。でも、だんだん戦況がひどくなり、否応なく巻き込まれていく少年たちの目がだんだん少年ぽさを失っていく後半はとても切ないです。

公式サイト → イノセント・ボイス 12歳の戦場

2006年3月3日(金)
クラッシュ  at ナビオTOHOプレックス

ロサンゼルスの人種問題を背景に、人間の内面を描いた映画・・・と言ったらいいのでしょうか。登場人物の多いアンサンブル・ドラマですが、それぞれの人物の生活が短いシーンで雄弁に語られていて、すごくいろいろなことを考えさせられます。
特に、考えさせられたのは、善人・悪人という区別ができないこと、偏見の問題。すごく良識を持った人でも実は心の奥底にある思いこみからとんでもない事態を引き起こしてしまったり、または、卑劣だと思っていた人がすごい正義感を発揮したり。それぞれの登場人物の気持ちになってみると、押しつぶされそうになります。特に、サンディ・ニュートンが演じたクリスティンになるのは辛いですね。ぜひ観て感じてほしいです。

公式サイト → クラッシュ

2006年3月3日(金)
ホテル・ルワンダ  at ガーデンシネマ

たった10年ほど前のこと。自分もテレビや雑誌で見て触れていたルワンダの大虐殺ですが、こうして内部事情に迫って見てみると、本当に凄惨な出来事だったんだなと思いました。ずっと一緒に暮らしていて、普通に民族間で結婚している人も多いのに、何故こんな殺意が生まれるのか・・・。
これは、外資系ホテルの支配人であったポール・ルセサバギナ氏が、ホテルを核に人々を救った実際の出来事を描いた映画です。パンフレットを見ると、実際のルセサバギナ氏は結構ヒーロータイプだったみたいですが、映画では割と普通の人として描かれています。ホテルの支配人で、軍のお偉方とも関係があったりして、実際すごくエリートなんだとは思いますが。虐殺が始まっても、ホテルはホテルとしてお客様のためにきちんと運営していこうとする律儀な彼の姿勢から始まって、だんだんホテルがシェルター化していくんですが、その過程がすごく現実的で、よく理解できました。
ホアキン・フェニックス演じる報道カメラマンのセリフがすごく印象に残っています。「(虐殺の映像が世界のテレビで流れても)人々はかわいそうだねと言って、ディナーを続けるだけだ。」

公式サイト → ホテル・ルワンダ

2006年2月24日(金)
プライドと偏見  at 三番街シネマ

有名なジェーン・オースティン原作の「高慢と偏見」です。久しぶりにこういうクラシカルな恋愛映画もいいなと思って行ってきました。
爽やかで凛としたキーラ・ナイトレーは素敵でしたが、監督が「初めはキーラほどの美人を起用するつもりはなかった」と言っているのに少し同感です。どうしてもキーラだけが際だってしまっている気がして・・・。
後、もうちょっと“恋したいムード”が画面からあふれててほしかったなぁと思いました。そういう意味で、ずっと以前に観た「いつか晴れた日に」の方が良かったなと思って、パンフレットを引っ張り出してきたんですが、これも「SENSE AND SENSIBILITY」というジェーン・オースティン原作だったのです。監督は私の大好きなアン・リーで、脚本は女優でもあるエマ・トンプソンが担当。クオリティの高さにも納得、です。
ついでに、ウィノナ・ライダーが出ていた「若草物語」のパンフレットも引っ張り出してきたのですが、こちらも長女がおしとやかで次女が勝ち気というところが共通していて、面白いなと思いました。

公式サイト → プライドと偏見

2006年2月17日(金)
ある子供  at ガーデンシネマ

すごいです、この映画。ものすごくリアルで淡々とした描写。しかも、最後にクレジットが流れる時に気がついたんですが、音楽も一切なかったんですよね。それでも、最初から最後まで目がはなせない力を持っています。
映画の印象から、若い監督の映画だと思ったんですが、監督のダルデンヌ兄弟は二人とも50代。すごく新しい感性を持っていて、それもすごいなと思いました。
物語は、盗難をしてその日暮らしをしているブリュノに子供ができるところから始まります。母親の顔になっていく彼女のソニアと違い、親になったことを実感として受け止め切れないブリュノは、お金になると聞いて子供を売ってしまいます。それを知って失神してしまったソニアを見て、なんとか子供を取り戻したものの、それで事態は丸く収まるわけもなく・・・。
大人になれない、物事をきちんと受け止められない若者がどんどん悪循環に陥っていく姿を淡々と描きながら、最後のシーンでは希望の光を感じさせてくれます。

公式サイト → ある子供

2006年2月17日(金)
オリバー・ツイスト  at ナビオTOHOプレックス

ディケンズ原作の「オリバー・ツイスト」の何度目かの映画化になります。ディケンズは昔から興味があって、いっぱい読みたいと思いつつ、1冊も読めていません。(^^;) 映画で楽しむのもいいですよね。ちょっと意外だったけど、ロマン・ポランスキー監督というのも興味があったし。
もっと明るい物語なのかと思っていたら、結構ダークでした。主演のオリバー君はもちろんすごく可愛くてけなげで良かったんですが、他の登場人物もすごく個性が強くて、物語全体としてすごく面白かったです。19世紀ロンドンの雰囲気も味わえるし。
俳優では、ベン・キングスレーにビックリ! ベン・キングスレーと言えば、「シンドラーのリスト」や「ガンジー」の寡黙で生真面目な印象が強いので、あんなにおどけていて胡散臭い役がピッタリ合うなんて、ホントにビックリです。

公式サイト → オリバー・ツイスト

2006年1月14日(土)
キング・コング  at ナビオTOHOプレックス
すっごいハラハラして楽しめました!最後、キング・コングがエンパイア・ステート・ビルにのぼる場面はすごく有名ですよね。それがすごく臨場感あって、「落ちる!危ない!」ってずっと心の中で叫びながら見ていて、ふと気がつくと、手が汗でびっしょり。こんなに必死(?)に見たのは初めてかも。途中、沼で変な生物に襲われる場面もホント気持ち悪くって、とにかく迫力満点でした。
ナオミ・ワッツ演じるアンとコングの交流も自然に描かれていて、感情移入することができたし、さすがピーター・ジャクソン(「ロード・オブ・ザ・リング」の監督)だなぁと思いました。エイドリアン・ブロディがタフな脚本家というのはちょっと意外でしたけど。

公式サイト → キング・コング
2006年1月8日(日)
ニュー・シネマ・パラダイス  at ガーデンシネマ
あの名作のデジタル・リマスター版が500円(会員特別料金)で見られるとあって、行ってきました。かなり前にテレビでやっていたのをチラッと見た程度だったので、ぜひ見直したいと思っていたのです。
キスシーンが流れるラストシーンを知っているだけに、最初から一場面一場面が感慨深かったです。イタリアに暮らしたこともないし、あの時代の映画を知っているわけでもないのに、郷愁あふれる感情が巻き起こります。あの頃は本当に映画が生活に密着したみんなの娯楽だったんだなぁ。人々が映画に抱く想い、その背景にある生活の厳しさなどに想いをめぐらせながら、映画って本当に素晴らしいものだなぁと想いながら見ました。
そして、エンニオ・モリコーネの音楽の魔力!テーマが流れるたびになんともいえない感情があふれかえってきます。公式サイトでもたっぷり聴けますよ。

公式サイト → ニュー・シネマ・パラダイス
2006年1月6日(金)
ロード・オブ・ドッグタウン  at シネ・リーブル

70年代に新しいスケボースタイルを確立してスターになったZ-BOYSの栄光までの道のりを描いた映画。私ははっきり言ってエクストリーム・スポーツやそのカルチャーには興味がないのですが、この映画はもっと一般的な目線で見れそうだったので、興味が湧いたのです。
いやーもう“青春!”って感じでパワーをいっぱい感じられて良かったです。Z-BOYSの出身地は貧困地区。そこでサーフィンやスケボーに明け暮れる少年たちは、暴力や盗難、家宅侵入など、やりたい放題。でも、スケボーに対する気持ちはホンモノで、中心となる少年3人の選ぶ道はそれぞれ違うけれど、自分の望むものに対する真っ直ぐな姿勢が、見る者を熱くさせます。
それにしても、エミール・ハーシュってジャック・ブラックにそっくり〜!


公式サイト → ロード・オブ・ドッグタウン

2006年1月6日(金)
歓びを歌にのせて  at ガーデン・シネマ

病気で音楽界を引退した世界的な指揮者が、田舎のアマチュア聖歌隊の指揮を任され、指導していくうちに愛と本当の音楽を見いだすというストーリー。昨年のアカデミー外国語映画賞にノミネートされていたそうです。
私も歌をやっていますが、本当にいい歌を聴いた時って身震いして涙が出そうになるんです。この映画でもそんな瞬間がいっぱいあって、声だけで涙があふれてしまいました。
もちろん、ドラマの方にも引き込まれました。教会の禁欲の概念と音楽の快楽って相反するものととらえる人たちがいるんですよね。新しい指揮者によって音楽の本当の楽しさを知った人たちと、古い価値観に縛られる人たちの軋轢とか、聖歌隊員それぞれの家庭事情、人間嫌いの指揮者が心を開いていく過程などが丁寧に描かれていて、本当に感動しました。


公式サイト → 歓びを歌にのせて