詐欺師の脅しが嘘ハッタリだと強く言い切れる理由
* * * 「経験値アップ」、「論理的・合理的なものの考え方」 のススメ * * *


 事例をご覧いただければわかるように、自分は2005年の6月に初めてワンクリック詐欺を踏みました。そして、その二週間ぐらい後には、自信を持って詐欺対策サイトの相談掲示板などで他の方の相談書き込みに対してアドバイスができる程度になりました。今では、相談書き込みにあるサイトを確認するために、恐れることなくワンクリサイトに踏み込んでいくだけの度胸もつきました。

 自分がなぜ、これだけのことができるようになったのか。そして、このページの標題にもあるように、詐欺師の脅しが嘘ハッタリだと言い切れるようになったのか。

 それは、実際に多くの詐欺対策サイトを回り、自分の手で情報を集め、さらに少し頭を働かせて、ワンクリック詐欺のシステムを自分なりに理解したからです。言い方を少し変えると、『経験値を積み』、『それを元に、論理的・合理的なものの考え方をしたから』です。

 詐欺対策サイトの掲示板を見ると、ワンクリック詐欺に初めて遭遇した方の相談書き込みが連日寄せられています。その中には、本来目を通すべき、対策サイト内のコンテンツやよくある相談集、掲示板利用のルールなどがまったく目に入らず、「怖いです。助けてください。」という書き込みに走る方も多いようです。まぁ、パニック状態になる背景は良くわかるんですけどね。自分もワンクリを踏んだ直後はそうでしたから。

 でもって、その書き込みに対して、たとえ、「支払義務はありません。以降こちらからコンタクトを取らないこと。相手からのコンタクトは無視すること。」とレスをもらったとしても、すぐには、「無視していれば何の問題もないのね。うんうん。」なんて完全に平常モードに移れる人は少ないと思います。と言うか、よっぽどアドバイザーの方がわかりやすい、説得力のある説明をしているのでない限り、100%信頼するのはある意味危険ですらあります(理由は後述)。まあおおかたは、「支払い義務はない。請求が来たからと言って恐がる必要もない。」と頭ではわかったとしても、程度の違いこそあれ、不安を抱えたままの方がほとんどでしょう。

 その証拠に、アドバイスレスに対するメッセージには、「頑張って無視します。」などのように、『努力する』というニュアンスが伝わってくるものが多いです。本当に不安がないのなら、頑張る必要なんてないんですから(同じ『頑張る』でも、『頑張って勉強します』 というのは非常に良いことです)。早い話、これだとまだ『経験値』が足りないんですね。

 そこで、「ワンクリック詐欺に遭遇したあとに残る不安」を完全に払拭するためにも、上に書いた、『経験値を積み』、『論理的・合理的なものの考え方をする』ことを、自分は強くお勧めいたします。

 「詐欺師の脅迫要素を一つ一つ叩き潰してみる」のページの3番目に挙げた、「『自宅や勤務先に回収』は99.999%ありえない」を例にとってみましょう。自宅に押しかけるかどうかはあくまでも詐欺師側が決めることであり、その後の説明にしても、あくまでも推論でしかありません。では、その真偽のほどを検証できる方法はないのでしょうか?

 いろんな詐欺対策サイトの掲示板、データベースなどから情報を集めます。すると、掲示板の相談内容などから、ワンクリック詐欺サイトのほとんどが、この「自宅に回収」っていうニュアンスを匂わせている、ということがわかるはずです。相談書き込みの量を考えると、ワンクリックを踏む人の数も、ナンボ少なく見積もっても日に3桁ぐらいはあるでしょう。でも、「家に回収に来ました」という書き込みは一件もないはずです(最近、『夢なら』様の相談掲示板に、架空請求業者が家に来たという書き込みがありましたが、自分はこれにはちょっと別の事情があると考えてます)。

 日々相当数の方がワンクリを踏んでいるにもかかわらず、「家に来た」という書き込みがない。『論理的・合理的にものを考え』れば、「家に来た」という事実があったら、必ず何らかのメディアに乗らないわけがない。そして、詐欺対策サイトの掲示板で反応がないわけがないんです。更にアドバイザーの方々も、レスにそれなりの配慮をするはずです。しかしながら、その形跡もなく、皆さん「100%ない」と言い切っています。その理由は? 実際に、『家まで回収に来たケースは今までにない』からだと考えるのが妥当ではないでしょうか。

 この例では、まず情報を集めるという作業を行っていますが、これが擬似的にではあるものの、『経験値を高める』効果があるわけです。また、求めていた情報が得られない(このケースでは、「家に来た」という情報が見つからない)ということも、一つの大きな情報です。

 ただ、情報源として掲示板でのやり取りを利用する場合には、注意しないといけないことがあります。掲示板というメディアは匿名性が高い上に、悪意のある書き込みを自動的に排除するシステムが存在しません。ワンクリック詐欺の相談に対して、悪意を持つ者が、「それはまずい。早く払わないとダメだ。」などと書き込んでも、管理人が削除するなり、他のアドバイザーが「この書き込みは間違っている」というメッセージを送らない限りは、その悪意のある書き込みは、れっきとした『相談に対するアドバイス』という形で残ってしまいます。

 もちろん詐欺サイトという形のものも存在するぐらいですから、たとえ掲示板でなく、サイト内のコンテンツであっても、そこに書いてあることが正しいという保証はありません。「公的な相談サイト」のフリをして、詐欺行為を幇助する記事を堂々と掲載している例(「悪徳○法相談室」なんていうのはその典型的なものですね)すらあります。

 多くの情報の中には、発信者の錯誤、過失、あるいは悪意によって、間違っているものが存在するということを忘れてはいけません。そして、それを見破り、「この情報は間違っている」と判断するのに必要なのが、『経験値』と『論理的・合理的なものの考え方』です。

 「真偽が不確かな情報に対して、もっと情報を集めるべき」と判断するのも、「そのための情報を集める手段を知っている」というのも、集められた情報そのものも、すべて『経験値』です。そして、その集められた情報の中から誤った情報を排除していくには、『論理的・合理的なものの考え方』が非常に大きな力を発揮します。

 経験値を蓄え、論理的・合理的なものの考え方を養っておけば、たとえまったく新しいタイプの詐欺行為が誕生しても、充分に応用が利くはずです。

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