掲示:2006年6月19日 最新更新:2014年2月22日  

「菊と刀」と日本人

 サイトマップ  次ページ  ノン・フレーム対応

「菊と刀」と日本人  (フレーム対応)


フレームに対応されていない場合は、「菊と刀」と日本人(ノン・フレーム対応)へお移りください。
季節の花々
「花素材と花図鑑」より

ようこそ いらっしゃいました。
ルース・ベネディクトの「菊と刀」は、日本人および日本文化について、鋭く調査・分析を行なっております。
しかし残念なことに、それらの調査・分析結果の解釈については、かなりの偏りが見受けられます。
そこで本ページは、「菊と刀」の鋭い分析・指摘に対し、被分析者側からする異議申し立てを行ないます。
またそれと併せて、これまでにない新たな観点からする日本人論を提起します。
本ページへのご意見は、メールで連絡先までお寄せください。芳見録で紹介させていただきます。

 1946年(昭和21年)に出版された米国の文化人類学者ルース・ベネディクトによる「菊と刀」を読んだ。
 この書は副題が示すように「日本文化の型」についての研究で、外国人でありながらよくぞそこまでと思うほど、日本人に関する調査・分析が行き届いている。また、日本人自身があまり気付いていない事柄についても、鋭く指摘している。これらの点については、実に高く評価することができる。
 しかしながら、それらの調査・分析結果の解釈に関しては、少々表面的であったり、的外れであったり、かなり問題があるように見受けられた。
 そのことは外国人である著者の責任と言うよりも、当時、著者の周囲にいて、その観察対象となり、また意見を求められたに違いない日本人たちに責任があるように考えられた。
 ただ、著者にあっても、事前になにがしかの予断をもって仮説を形成したうえで、調査に臨んだのではないかと思われる節がある。そして、調査・分析した事実をその仮説に沿って配列し、解釈を付したのではないかと感じられる部分が間々見受けられた。そのことは、著者が「菊と刀」の第一章で次のように記していることからも(うかが)い知ることができる。
 アメリカ人はアメリカ人の意見を投票によって調査し、かつその結果を理解することができる。しかしそれはその前に、あまりにもわかりきったことだから、誰も口に出す人はいないが、もう一つの段階があればこそできることなのである。
 すなわち、アメリカ人はアメリカにおける生活の営み方を知っており、それを当然のこととして仮定しているのである。世論調査の結果は、すでにわれわれが知っている事柄について、さらに、それ以上の知識を与えるにすぎない。
 他国を理解しようとするに当たっては、その国の人たちの習慣や仮定に関する質的研究を組織的に行なった後にはじめて、数量的調査を有効に利用することができるのである。
 慎重に標本を取ることによって、世論調査は、政府を支持する人と反対する人とが何名ずついるか、ということを発見することができる。がしかし、彼らが国家に関してどういう観念を抱いているか、ということがあらかじめわれわれにわかっていなければ、そういう調査によってわれわれはいったい何を学ぶことができるだろうか。(p31-32)
 「菊と刀」は勝れた著作であるけれども、反面、言わば被告として取り上げられた日本人にとっては、納得(なっとく)の行かない記述が散見される。もし実際の日本人を全く知らない外国人がこれを読んだとしたら、そのまま信じてしまうのではなかろうか。
 諸外国人から、日本人とはこのような民族であると思われたままでいいとは、とても思えないのである。
 そこで、本ぺージでは「菊と刀」について問題提起を行なって、なぜ著者の指摘するような行動を多くの日本人が取るのかと言う点を主眼に、考えられる事柄を記すこととしたい。底本として、長谷川松治訳による講談社学術文庫版「菊と刀」を用いた。
 第一部では、「菊と刀」に対する問題提起を行なう。最初に、底本の各章ごとに問題と考えられる諸点を引用する。次いで、それらに対する考えを記す。
 第二部では、新たな観点からする日本人論を提起する。
 項目Ⅰでは、一般的な人間社会および人間の行動規範について、それらがどのような発展を遂げて来たかについて記す。
 項目Ⅱでは、日本社会および日本人の行動規範について、それらがどのような特徴ある発展を遂げて来たかについて記す。
 項目Ⅲでは、日本人の行動原理について概観することとしたい。
 項目Ⅳでは、日本人の特徴的な行動について概観することとしたい。
 第三部では、文明と文化の定義について記したのち、日本文明の成立環境とその特長について記す。
 補遺は、その後の補遺となる項目事項について記す。

 文化の型について論じる場合には、古今・未来および東西に亘る諸文化のなかでその文化がどのような位置に存在するのかを問う手法もあり得たであろう。しかし、著者はその手法を採用せず、専ら彼女にとっての原理原則であるアメリカ文化に則って分析・指摘を行なった。「菊と刀」の副題は「日米文化の比較」がより相応(ふさわ)しかったであろうし、「菊と刀」は一面、「ミッキーマウスとイーグル」でもある。
 とは言っても、私自身、著者の洞察にはむしろ敬意を抱いている。「菊と刀」の出版前年の1945年(昭和20年)、著者は「日本人の行動の型」という報告書を米国務省に提出している。著者はこの報告書中で、日本人を侮辱する行動をとってはならないこと、天皇陛下の責任を問うのではなく、実際に戦争責任のあった軍部を裁くことなどを提言しているという。そして、これらの提言が連合国軍総司令部の判断に影響を与えた可能性があるという。
 なお、本ページは、今後「菊と刀」に対する揚げ足取り的な記述に満ちて行くこととなると考えている。けれども、それらは言わば検事の鋭い論告求刑に対して、辛うじて被告側が行なう異議申し立てであるに過ぎないことを、どうかご理解賜わるようお願い申し上げたい。

凡例
 濃緑色字  :「菊と刀」からの引用部分。
           各段落ごとの (p○○) は、講談社学術文庫版の
           「菊と刀」のページ。
 青字下線付き: 通常のリンク。クリックで、その箇所へジャンプ。
 濃茶色字   : クリックで、右下部フレームに解説表示。
           JavaScript有効の場合は、カーソル接触のみで
           解説表示。

サイトマップ   (赤字最新更新個所
 項                目  項       目       明       細
「菊と刀」と日本人 
第一部 「菊と刀」への問題提起
 1.第二章 戦争中の日本人 階層的秩序樹立の戦い 世界中の眼 皇室制度 日本兵俘虜の対敵協力
 2.第三章 「各々其ノ所ヲ得」 各人がふさわしい位置を占める 文明の輸入 いわゆる鎖国令・奢侈禁止令
 3.第四章 明治維新 明治維新 議院内閣制 成金 植民地と同化政策
 4.第五章 過去と世間に負い目を負う者 恩 皇恩 最高の長上 親の恩 懸かり合い お礼の言葉 一銭五厘の氷水代
 5.第六章 万分の一の恩返し 恩返し 恩の反対義務 仁と易姓革命 扶養・教育の義務 姑と嫁 遵法精神
 6.第七章 「義理ほどつらいものはない」 憂き世の義理 忠節・復讐と義理 義理を知らぬ人間 海老で鯛を釣る 義理の返済
 7.第八章 汚名をすすぐ 名を惜しむ 自己防御 競争 仲人 不誠実 辱め 復讐 傷つきやすい日本人 機を見、変に応ず
 8.第九章 人情の世界 肉体的快楽 一霊四魂 放縦と不品行の哲学 幸福の追及
 9.第十章 徳のジレンマ 原理原則 軍人勅諭 誠意 感情の露呈 不当な利潤 社会的地位と家柄 恥の文化、罪の文化 他人の判断
洗練されたなれなれしさ
 10.第十一章 修養 アメリカ人の訓練 家族の扶養 人並みの幸福 涅槃 無我・無心の境地 死んだつもりになって
 11.第十二章 子供は学ぶ 生活曲線 子供のしつけ 身内びいき いじめ 幼児期の経験 鏡よ、鏡 自己犠牲 行動の幅と偏り
自重する人間
 12.第十三章 降伏後の日本人 背後の勢力 合議制と独裁者 旅順とコレヒドール 天皇陛下の人間宣言 著者の予言
第二部 日本人とは
 Ⅰ.人間の社会と行動規範
   1.人間の社会 人間社会の拡大 国の誕生 経済的諸集団の誕生
   2.人間の行動規範 行動規範の形成 宗教の誕生 各行動規範の特徴 善と悪 私と公 全体主義と個人主義
 Ⅱ.日本人の社会と行動規範
   1.日本人の社会 僻地育ち 気心社会 集団への帰属 ネオテニー セロトニン遺伝子
   2.日本人の行動規範 世の習い 価値観の同質、行動の同質 隣り百姓 先例重視 遵法精神 なぜ人を殺してはいけない 武士道
 Ⅲ.日本人の行動原理
  1.状況対応 非原理原則 建て前と本音 嘘 外圧頼み なあなあ あるがまま 漸進的改良主義 一隅を照らす
  2.情緒的思考 非論理思考 言うにゃ及ばぬ 思いやり 人情 甘え 弱みを見せる
  3.集団志向 全体と個 戦後における公の軽視 和の重視 協調性 人並み・世間並み 他人の迷惑 減点主義 付和雷同
  4.自己主張と自省 日本人の自我 沈黙は金 皆様のお陰 自省能力
 Ⅳ.日本人の行動
  1.日本人の一般行動 自然との共生 機を見るに敏 熱しやすく、冷めやすい 話し合い合意 日本人は内気 会話中の視線
水に流す 過ちは犯しません 裏切り 武士は食わねど高楊枝 ウチとソト
  2.日本人の宗教 宗教心 言霊信仰 怨霊信仰 宗教の伝来 神は死んだ
  3.日本人の文化 察する文化 日本人の美意識 美意識の形成 オノマトペ 縮み志向 外来文化のいいとこ取り
  4.日本人の政治 成功した社会主義国 政治的無関心
  5.日本人の経済 契約社会と気心社会 労働観 職業観 会社は社員のためにある 改善・改良活動 非ヨコ社会
  6.日本人の対外行動 外国人との付き合い 気心差別と人種差別 国際性 泣く子と地頭には勝てぬ 世界の一等国民
反省ということ 窮鼠猫を噛む
第三部 日本文明とは
 Ⅰ.文明と文化
 Ⅱ.日本文明の成立環境
 Ⅲ.日本文明の諸様相
  1.不文律の文明
    成文律の文明
人間の行動規範 日本人の行動規範 成文律至上主義
  2.原始信仰の文明
    宗教重視の文明
宗教の誕生 日本人の信仰
  3.状況対応の文明
    原理原則遵守の文明
日本人の状況対応 明治日本の近代化
  4.漸進的改良志向の文明
    革命志向の文明
日本人の漸進的改良 社会改良志向と権力奪取志向
  5.世間並み志向の文明
    個性重視の文明
世間並みと他者からの優越 「自我」の主張 紛争の歴史の終わり
補遺 日本国と日本人 知らしむべからず、依らしむべし 東京大学医科学研究所の情報秘匿 非核三原則と憲法第9条 日本人と民主党政権の対決 他人の目 「なぜ日本人は中国人を嫌うのか?」 NHKは不要 客観的報道記事と社説 日本放送協会は偏向している 侵略戦争・自衛戦争 日本人の経済、政治、外交 研究開発と用途開発 食の安全保障 自虐史観 人間不信の文化・人間信頼の文化 押し付けられた憲法 内政干渉 日本人の謝罪 沖縄戦での集団自決 要求する親▽問われる教師 住基ネットと戸籍法
補遺 日の丸と君が代 日の丸と君が代(5) 日の丸と君が代(4) 日の丸と君が代(2) 日の丸と君が代(1)
補遺 民主党 民主党の人権救済法案(3) 民主党の人権救済法案(2) 民主党の人権救済法案(1) 民主党の人権委員会設置法案 民主党の人権救済機関設置法案 人権侵害救済法案 危険な民主党政権(2) 危険な民主党政権(1) 革命政権の危険性 日本国の基盤の解体 仙谷官房長官が日本人・先人の行動を非難 無害な政権を 「子ども手当法」は亡国の法 「子ども手当法」は平成の「生類憐みの令」 民主党政権は日本をどうするのか 「事業仕分け」の問題点 マニフェストは絶対か? 鳩山次期首相の愛国心
補遺 外国人 多文化共生の現実 外国人参政権隠し(2) 外国人参政権隠し(1) オランダの移民受け入れ ドイツの移民受け入れ 外国人選挙権法(2) 外国人選挙権法(1) 外国人住民基本法の危険性 外国人参政権法の危険性
補遺 領土問題 竹島領有権問題の提訴 竹島領有権、当面提訴せず 尖閣諸島問題の経緯 尖閣問題で妥協案 竹島問題の経緯 領土問題についての政府批判声明 国際司法裁判所での応訴義務(2) 元内閣官房長官の売国的発言 国際司法裁判所での応訴義務(1) 日本外交の怠慢 領土問題、為すべきことを為せ 尖閣諸島・北方4島の国際司法裁判所提訴 日本海・竹島キャンペィンの必要性 中国漁船衝突事件のヴィデオ 中国漁船のヴィデオ公開 尖閣問題の国際司法裁判所提訴 中国人船長の釈放と大津事件 
補遺 韓半島 日韓併合前夜と同様 暴力団と韓国 韓国からの宣戦布告 在韓日本人らに対する注意喚起 危機に瀕する日本:日韓紛争概説 第2巻: セックスと嘘と従軍慰安婦 危機に瀕する日本:日韓紛争概説 文化略奪と歴史歪曲に関する一考察 韓半島人は日韓併合を再び希望するか。日本人は再び応じるか。 菅首相談話 日韓併合100周年 日韓歴史共同研究委員会(2) 外国人選挙権法(2) ペンネーム・雅号・芸名・IDネーム・偽名・通名 気に障ることはしないで欲しい  名を惜しむ 日韓歴史共同研究委員会(1) 
補遺 その他 売買春について 従軍慰安婦問題について、河野官房長官談話の見直し 捕鯨、イルカ漁 NHKの坂の上の雲 過ちは繰返しませぬから なぜ、人は人を殺せるのか インターネットは世界を変える 「私よりも公」と社会の安定 いじめや 死刑執行命令書
その他 アクセスありがとうございました ゴムひも症候群
芳見録 
掲示・更新の履歴ページ 
リンクページ 菊と刀 日本人

Yahoo!検索


 サイトマップ  トップページ  次ページ  ノン・フレーム対応 杉井昭夫 ez-HTML