
社名を決める際に、創業者メンバーのゴードン・バウカーは、ハーマン・メルビル著の小説「白鯨」(モビー・ディック)に出てくる捕鯨船の名前「ピークォッド」(Pequod)にしようと考えていました。
しかし、友人でアーティストのテリー・ヘクラーに相談したところ、「pee」(おしっこ)の「quod」(刑務所)に聞こえるということで反対されました。
そこで、シアトルのあるアメリカ北西部にかかわる名前を探していたところ、テリー・ヘクラーはレーニア山に「スターボ」(Starbo)という採掘場が20世紀初めにあったことを見つけました。
レーニア山は、シアトルの南西80キロほどのところにある4392メートルの山で、国立公園にもなっています。
シアトルの日系人にはタコマ富士と呼ばれたりもする、ワシントン州のシンボル的な山のようです。おそらく日本の富士山のようなものでしょう。
さらに議論する中で、創業者メンバーのジェリー・ボールドウィンが、「白鯨」に出てくる捕鯨船「ピークォッド」の一等航海士がコーヒー好きで、しかも「スターバック」(Starbuck)という名前であることに気づきました。
それで、「スターボ」が「スターバックス」に変わり、社名になったのです。
スターバックスのロゴの女性は、「セイレン」(サイレン、seiren)というギリシャ神話などに出てくる二つの尾をもつ人魚です。美しい歌声で、船乗りを惑わせたとされています。
テリー・ヘクラーが、16世紀の北欧の木版画から見つけてきて、商標にしたものです。
当初のロゴは、現在のようなデザイン化されたセイレンではないうえ、全身が描かれていたものでした。
しかし、胸をあらわにして二つの尾を左右に広げている人魚の姿が、裸の女性が足を開いているように見えてよくないとの理由で、1992年に現在の上半身と尾の先だけのセイレンに変わったのだそうです。