〜 林道トレック 〜
ヌタヌタ&ガレガレの大見尾根に挑む

2005.11.29 京都市左京区花脊峠〜大原大見町







大見尾根

 「挑む」という表現は大袈裟なようだが、実際それほどの決心だった。その存在を知ってからずっと走りたかった反面、尻込みもしてた。「大見名物の大ヌタ場」とか「ガレガレの急坂」「笑けるほどハード」といった話を聞くにつけ、誰か経験者に同行願おうかとも考えたほどだ。

 でもそうこうするうちに秋は終わってしまいそうで、意を決して出かけた。花脊峠と大原大見の集落を結ぶ7.1kmの尾根道。普通に考えてクルマが入れる道ではないから、林道と云うよりは登山道と云った方がいいかもしれない。

 花脊峠(標高759m)から大原大見(同640m)までは基本的に下り。「花脊側から下る方が無難」「大見から上るとエンジンを焼き付かせるかも」という先達のアドバイスに従った。聞いた通りのヌタヌタ&ガレガレ、かなり愉快なルートだった。

鞍馬街道を行く

 花脊峠へは鞍馬街道を北上する。市内より風はかなり冷たいが、この辺りはまだ紅葉の名残がある。

 鞍馬へ行く叡山電車の鉄橋の前で一息。橋の錆び具合が石橋クンに馴染む(^^)

 足元に積もった赤や黄色の小さな落ち葉は、まさしく貼り絵のよう。





ここから大見尾根へ

 鞍馬寺を過ぎ、九十九折の坂を上り切ると花脊峠。左へとカーブし下って行くのが本線で、右の細い道が大見尾根への入り口だ。

 入ってすぐは舗装されているが、やがてダートになる。それでもしばらくはフラットで走りやすい。





冬枯れの情景

 さすがに山の上の木々は枝ばかり。もう少し早く来れば紅葉が楽しめたろうにと残念ではある。枯れた風景もそれはそれでいいのだが。

 京都の北山というと殆どが整然としたスギの人工林だが、ここは広葉樹も多く新緑の頃にもまた来てみたいと思う。





これが大見名物のヌタ場

 前途を予告する小さな水溜りやぬかるみをいくつかやり過ごすと、いよいよ大ヌタ場の登場。しかし下調べするのも良し悪しで、せっかくのドキドキワクワクを自ら放棄してしまったような気もする。一方でレインブーツにカッパという事前の準備が効果を発揮するのだが。

 いかにも真ん中を突っ切ったかのような写真はヤラセで、実際は右端の土手をエスケープした。それでもタイヤはドロドロ。水溜まりはかなり深くて、突入すると一人では抜け出せなくなることもあるらしい。ちなみにこのヌタ場は二番目の大きさだった。







三番目に大きいヌタ場

 ここも右側から抜けた。写真では全然平気そうだが見た目よりもヌタヌタ。しかもすぐ横は崖なのだ。しばらく雨が降ってないのにこれだから、まとまった雨の後などはかなり楽しい結果になりそうだ。

 実はこの後に大見尾根最大のヌタ場が現れるのだが、電化製品などが捨てられていて興が醒め、写真を撮るのを忘れてしまった。




ふいに差し込む陽光

 クマザサと落ち葉が輝く。




一列に並んだ石の結界?

 下りの勾配が急になり始めた辺りで「行くな」とでも云うように石が一列に並べられていた。ちょうど分岐で、右へ折れる道はバイク1台ほどの幅の急な下り。さてどちらへ行くべきか、しばし考える。

 結局この石の結界?を越えて前へと進んだ。

 後から調べてみると、どうやら右へ下りる細い道は旧道で、今回通った方は新しく出来た迂回路のようだ。もちろん旧道の方が険しい道らしい。


ガレガレ…

 けっこう急な下り坂で、しかも角ばった大きな石がゴロゴロしている。スピードが乗るが不用意に突っ込むとタイヤが切れそうで、リアブレーキを使いながら下る。ハンドルを押さえる腕に力が入る。

 周りがスギ林になると勾配もゆるやかになってくる。





道の傍らに小川が

 道を濡らしていた水が、溝になり、小川になる。やがて大見川、百井川、葛川、安曇川となって琵琶湖へと注ぐ。





まもなく大見へ

 再びフラットな道になると、まもなく大見の里。広がるススキ野原は、かつての田んぼか。





思子淵神社跡

 朽ちた鳥居は思子淵(しこぶち)神社跡。ちょっと不気味で手を合わせるのを躊躇する。大原地区には大見以外にも同名の神社が七つほどあるらしい。

※参考

「京都市の河童話」(カッパ研究会のページから)





大原大見の集落跡

 舗装された道が現れると大見の集落跡。「跡」と書くのは失礼かもしれないが、少なくとも現在、集落としての機能は失われているようだ。

 花脊峠からの所要は50分ほど。何度も止まって写真を撮りながらの時間だ。



 畑の世話をされている方をお二人ほど見かけた。ここに住まわれているのか、それとも通われているのか。会釈をして通り過ぎた。


尾見分校の校庭

 大見にある大原小中学校の分校は「尾見分校」という。明治34年の設置と歴史は古いが、昭和48年に「一時閉鎖」されてしまった。その校庭には朽ちた遊具や百葉箱が残る。



 赤サビ色のジャングルジムを貫いて生えるのはブナの木か。昭和48年(1973)からだと樹齢32年…



大見から百井へ

 大見川に沿って百井の集落へと向かう。途中の分かれ道にある「京都北山修道院」への案内板。気になる名称ではあるが、実際にどんな施設があるのか未だに知らない。

 道端で、土に覆われた軽トラが目に入った。秘密裏に建造された宇宙戦艦ヤマトが始動する場面を思い起こしてしまった(^^;





大原百井の里

 大見から9.2km、百井の集落には今も人々の暮らしがある。ここには地飼鶏料理で有名な「とり幸」 という料亭もある。

 百井からはカキの木の下を右へ折れ、国道とは名ばかりのR477を通って鞍馬街道へと戻る。スギ木立の中を通る、クルマのすれ違いもできないようないわゆる酷道だ。

 鞍馬街道へ出てからは再び花脊峠を越え、旧花脊峠から芹生、そして貴船を抜けて帰った。











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