XL500Rプロジェクト



1982年のXL500Sのモデルチェンジにより、500ccシングルは国内のライナップから消え、XL400Rとなりました。

70年代後半からのナナハンブームにより死亡事故が相次いだことにより、2輪車の免許に規制が加えられ、中型、小型限定の区分が作られました。そして中型は400ccまでとなったことにより、国内から500ccが消えたのです。

当時はこの小型中型の限定を解除することは至難の業で、東京の鮫洲試験場では毎日、午前2回、午後1回の試験で合計150人ほどの受験者がいたのですが、合格者が出ない日 が何日も続き、落とすために試験をしているとまでいわれたものです。

そんな時代に誕生したXL500R、国内にはまったくありません。

この1982年はホンダがパリダカールラリーでXR500を改造したマシンで見事優勝。それを記念してXL250Rパリダカが発売され、今でも人気です。


そんなXR500改に乗りたく、XL500Rプロジェクトがスタートしたのです。


XL500Rは国内にはほとんどないので、海外からの輸入という手がありますが、もう25年も前の旧車なので、まともな固体は期待できません。
であれば、国内で流通していたXL400Rを探してXL500Rを作ってしまおうというプロジェクトです。

しかし、今となってはXL400Rの中古車自体ものがありません。

完成はいつになるかわかりませんが、すこしづつパーツをそろえて長期プロジェクトになりそうです。


2007/11 XL400R 購入





もう二度と出てこないような程度のいい車体があり購入。距離10233Km。
パリダカフェンダーとキャリアが付いているほかはオリジナル状態を保っている。

フレームはそれなりに錆が出ているが、外装は一度交換されているのかわりときれい。タンクは再塗装したばかりででピカピカ。

あまりにオリジナルなので、改造することを躊躇してしまう。
車検を取得してしばらくはノーマルの雰囲気を楽しむことにしよう。

また計画が遅れそうだ。


2007/11/27

車検取得

さっそく車検を受けてきました。

今回は廃車車両なので、新規検査+名義変更になります。

用意した書類
@検査申請書(OCR第1号様式)
A自動車検査票
B手数料納付書(手数料1400円)
C自動車検査証返納証明書
D点検整備記録簿
E自動車重量税納付書(重量税5000円)
F自賠責保険証(25ヶ月加入)
G譲渡証明証
H住民票
I自動車税・自動車取得税申告書

廃車車両なので市役所で仮ナンバーを借りてきます。

前日にインターネットで予約をしてから出かけます。
途中、光軸調整のため、テスターのある整備工場に寄って調整してもらいます。

ユーザー車検窓口に書類を提出し、チェックを受けた後ラインに並びます。

外観チェック後、前後ブレーキ、光軸検査、すべて問題なくすんなりと終了し合格。窓口に書類を提出し、新しい車検証をもらい、ナンバープレートを購入してすべて終了です。


費用
自賠責保険(25ヶ月)20860円
重量税 5000円
検査手数料 1400円
光軸調整 2000円
仮ナンバー 750円
ナンバープレート 520円

合計30530円でした

帰り道は遠回りをして2時間ほど走ってみましたが、やはりビッグシングルのトルクはいいですね。
パリダカと比べるとタンクが小さいので、コンパクトで非常に軽く感じられます。


2008/1/22

燃費


アーシングとイリジウムプラグで電装系チューニング済み。

普通に走って、リッター30Kmほど走ります。
400ccとしてはかなり良いほうで、250並みですね。


2008/2/17

200Kmほどのショートツーリングに出かけました。

各部調子よし。

燃費はなんと36Km/L。調子の悪い250ccよりいいですね。


ヘッドカバーのデコンプレバーのオイルシールからオイルが漏れてきました。
早めの交換が必要だ。


2008/4/12

XL500Rエンジン


プロジェクトの第一弾として、まずはノーマルの400ccエンジンを500ccに排気量アップからはじめます。
もちろん最終的には公認を目指します。

FT500エンジンからクランクを移植してストロークアップで500ccにします。
これが本来のXL500Rの姿です。

部品取りのFT500エンジン


さっそくエンジンを分解し、必要なパーツを取り出します。

移植するパーツ
・クランクシャフト
・シリンダー
・カムチェーン
・カムチェーンテンショナー
・カムチェーンガイド
・シリンダースタッドボルト
・フロントバランサーウエイト



ストロークが長くなるのでスタッドボルトを入れ替え、腰上をそっくり入れ替えます。
500ccとなって振動のバランスも変るのでバランサーも500cc用は違ってきます。

ピストンは400ccのものをそのまま使用すれば、圧縮比10.5のハイコンプ仕様となる予定です。
ノーマルの圧縮比は400、500ともに8.6。

エキパイやキャブなど500用のパーツは米のオークションサイトで徐々に揃える予定。


2008/4/20

XL400Rエンジンチェック


今回ストロークアップして500ccにするXL400Rエンジン。



非常に調子のいいエンジンでもったいないのですが、500ccになってもらいます。

さっそく分解して各部のチェックから始めます。
まずはヘッドカバーをはがすためヘッド上部のボルトを緩めたところ、排気側の2本のボルトが固着していて、根元から折れてしまいました。



25年前のエンジンで、さらに長期保管だったらしく、ボルトが固着していたようです。

ボルトの抜き取りは無理をせず、プロにお願いすることにします。

ヘッドカバーが剥がれたところで、カム、ロッカーアームの点検です。
ロッカーアームスリッパー面は当りが強いが、大きな傷もなく良好。



カム チェーンテンショナーを外し、カムも外します。
カムは山に若干キズがあるようですが、大きな問題はないようです。



ヘッド側の カムジャーナル受け部分には少し大きな傷があります。



燃焼室を見るとIN側のバルブがオイルで湿っています。
バルブステムシールからのオイル漏れで、若干のオイル下がりのようです。
バルブステムシールは交換することになります。

燃焼室は カーボンの付着は少なめで、燃焼状態は悪くなかったようです。

シリンダーには縦傷が少しだけありましたが、ピストンは特に問題なし。
クロスハッチもしっかり残っていて、走行の少ないエンジンのようです。



400ccのピストンは、トップが盛り上がり、スカート部分は軽量化のため肉抜きしてあります。



KB8がXL400Rの証

500ccのピストンはトップが平面なのでこのピストンで高圧縮となります。

シリンダー交換のため、スタットボルトも500ccのものと入れ替えるのですが、スタットボルトが1本だけ抜けませんでした。



無理をして折ってしまっては後が大変なので、これもプロにお任せしてヘッドの折れたボルトと一緒に抜いてもらいます。

クランクシャフトの比較、左が500cc



ロアケースにセットして回してみたところ、ケースに当たることもなく、予想通りそのまま交換すれば問題なく500ccとなるようだ。


2008/5/3

ピストン


昨日、ヘッドの折れたボルトの抜き取り修理が終わりました。

近くのボーリング屋さんにお願いしたのですが、ヘッド2箇所、クランクケースのスタッドボルト抜き取り、いづれもヘリサートでネジ山の修正がしてあります。

料金は全部で13650円でした(高い!)。



いよいよエンジン組み立てに入りますが、じつは部品取りのFT500から出てきたピストンがXR500用の高圧縮タイプのオプション品だということがわかりました。

左がXR500、右がFT500



スカート部分の形状やピストンピンのオイル経路も違います。




XR500用ピストンは、ピストンヘッドはフラットですがFT500より1.5mmピン上が高くなっています。
計算ではピストン容量1.5mm分で燃焼室容量が9.3cc少なくなり、圧縮比は9.8くらいになるようです。

このピストンの使用も選択肢となったので重さを計ってみました。

XL400R=490g
FT500=490g
XR500=515g

ピストンピン、リング込みの重さです。

XL400Rのピストンでの圧縮比は正確に測定していないのでわからないが、軽いほうがいいので予定通りXL400Rのピストンを使用することにする。ピストントップの盛り上がりからして10前後だと思う。



平行してヘッドのオーバーホールも進めます。


2008/5/6

XL500Rエンジン組み立て


クランクケースのスタッドボルトの修理も終わったので腰下の組み立てを始めます。

スタッドボルト抜き取りとヘリサート処理でケースは金属粉だらけです。
パーツクリーナーで入念に金属粉を吹き飛ばし、きれいにします。

あとは500用クランクを使って元どおりに組み立てるだけです。



この時点で、クランクシャフトを回しながら1〜5速までスムーズにシフトできるか確認しておきます。
ケースを閉めてからちゃんと回らなかったり、シフができないと二度手間ですからね。

アッパーケースのフロントバランサーも500用と交換します。
500用のバランサーは倍くらいの大きさで重くなっています。

合わせ面はオイルストーンで面だししておきます。

液体ガスケットを塗り、バランサータイミングを合わせ合体。



規定トルクでボルトを締め付け、 腰下まで完成です。

最後にもう一度バランサーのタイミングがズレていないか確認しておきます。


2008/5/17

パーツ購入


500cc化に伴って購入したパーツです。

・XL500S用デコンプケーブル
・バルブステムシール
・エキパイ用スタッドボルト
・クランクケース左右ガスケット
・XR500用キャブレター
・XR500用カムシャフト
・XL500R用キャブレターインシュレーター
・XL500R用エキパイ
・XL500R用エアクリーナーBOX
・XL500R用エンジンハンガー

XL500R、XR500用パーツは国内では流通していないので、いづれも海外から輸入。


2008/5/24

XL500Rエンジン腰上組み立て

ヘッドのオーバーホールは燃焼室とバルブのカーボンを落とし、ポートの段差が滑らかになるように削り、バルブのすり合わせをして終了。

シリンダーと左右クランクケースカバーはサンドペーパーで下地を整えつや消しブラックで塗装しておきます。



IN側のバルブがオイルで湿っていたので バルブステムシールを新品に取り替えて、オイル下がり対策も万全。
排気側のスタッドボルトも抜けていてなかったので新たに購入。ネジロックを塗って取り付けます。





オイル漏れ対策としてすべてのあわせ面に液体ガスケットを薄く塗っておきます。

ピストントップはシリンダー上面よりかなり盛り上がっています。



ヘッドを載せ、カムを取り付け、タイミングを合わせて、ヘッドカバーを取り付け。

タペットクリアランスを調整して完成です。





2008/6/1

デコンプケーブル


デコンプケーブルはXL500Rのものがホンダ販売店で購入することができましたが、取り付けてみるとヘッド側の取り付け位置がぜんぜん違っていて付きません。



XL500Rはキック連動デコンプと一緒に手動デコンプケーブルも付いているので、デコンプケーブルの取り付け位置が違っていたのです。



2段になっている上のケーブルが手動デコンプケーブル。


デコンプケーブルレシーバーはホンダ販売店で調べてもすでにご相談パーツ。カナダのCMSにも在庫はありません。

ないものは仕方がないので自分で作ります。

オリジナルは2.6mm厚でできているが、ちょうどいい鉄板がなかったので2.3mmの鉄板から切り出します。



叩いて曲げて形を整え塗装します。



ちょうどいい位置に取り付けることができました。



これで、残りの足りないパーツはエンジンハンガーと、キャブとエアクリーナーを繋ぐチューブだけとなりました。


2008/6/21

エンジン乗せ換え

エキパイとエアクリーナーBOXが届いたので、さっそくエンジンを載せ換えます。

エキパイはニュージーランドのパーツショップから購入。
中古だが錆はまったくなく、程度極上。

エアクリーナーBOXは米のオークションで購入。
キャブとエアクリーナーBOXを繋ぐチューブだけ必要だったのだが、BOXも一緒についているのでBOXごと交換します。

エンジンの背が高くなっているので、キャブのスペースが非常に苦しくなりましたが、なんとか取り付けも終了。
キャブはXR500用で加速ポンプのないシンプルな作りのもの

エキパイは問題もなく付き、マフラーとの接続もスムーズ。


電気配線コネクターを繋ぎ、 ガソリンをハイオクに入れ替えてキック!

5回くらいで何の問題もなく始動しました。


パイロットスクリューを回し、アイドリングを調整します。

エンジンハンガーがまだ届いていないので、無理な運転をしないよう近くを走ってみます。

しばらく慣らしが必要なので上までは回しませんが、すごいパワーとトルクです。



エンジンは背が高いのでヘッド上のクリアランスがほとんどありません。


2008/6/23

XL500R完成

エンジンハンガーが届いたのでさっそく取り付けます。



エンジンハンガーは400と比べるとずいぶん短くなっています。
当然ですがピッタリと付きます。

エキパイのヒートガードは400Rのものは形状が違っていて合わないので、500Rのものを用意しなければならない。

とりあえず、この状態でXL500Rは完成です。距離11120Km。



1時間ほど走ってみましたが、当然ですがパワー、トルクともに400とはずいぶん違い、かなりパワフルです。
エンジンの熱的にもかなり熱いようです。

残りは、リアスプロケットの歯数変更とヒートガードと500Rステッカーを用意するだけとなりました。
もうひとつ、マフラーもXL500R用は違うようなので抜けが悪いと思われる。これも何とかしないといけません。

今後は公認車検へ向けての準備に入ります。

次は「XR500改パリダカ仕様」へと進化する予定?


2008/7/2

XL400RとXL500Rの比較

海外のサービスマニュアルを見てみると、両車の乾燥重量はXL400Rが138Kg、XL500Rが139Kgと、1Kgの差しかないことになっています。
全長もXL500Rが45mm長くなっています。

400→500のエンジンの重量差は、持ち上げた感じでは1Kg以上あるように思われるのだが、他にどこが違うのだろうか?

エンジン内部はクランクウエイトが大型になり、フロントバランサーも重くなっているのと、シリンダーの高さがある分重くなっている程度。
エンジン積み替えのときに持ち上げた感じでは1Kg以上の重量差があるようだが、いづれエンジン単体で重さを計ってみたい。


その他は、パーツリストではフライホイールとCDIも型番が違うようだ。
タコメーターのレッドゾーンはXL400R=7250rpm、XL500R=7000rpm。
エンジンの回転数にあわせて、XL400Rはフライホイールが軽量で、CDIも高回転型なのか?
XL500Rのフライホイールは手元にないので不明。しかし、同じ系列のFT400、FT500では両パーツとも共通部品だ。


2008/7/13

チェーン交換


500ccの排気量にあわせてスプロケットとチェーンを交換します。

チェーンは元から錆びてボロボロ。
シームレスチェーンで、つなぎ目がないので純正品のようです。

前スプロケットにはゴムのガイドのようなものが付いています。

走行距離から判断しても、前後スプロケットとチェーンは新車から付いているもので、26年間一度も交換されていないようだ。

交換するチェーンはRKの520サイズ、100リンクちょうど。

スプロケットはAFAMのXL500R標準サイズ。
前 20500-15
後 11304-41


交換前は400の設定だったため、すぐに5速までシフトしていたが、交換後は3速から4速で走れるようになり、とても走りやすくなりました。

500cc本来の性能を発揮してくれています。



2008/12/2

キャブセッティング

購入したXR500用キャブには、メインジェット148が付いていた。

そのままでも普通に走るのだが、プラグは真っ黒で明らかに濃い。

145、140、135へと順番に落とし、135でちょうどいい感じのプラグの焼け具合となった。

慣らしも終了し、レッドゾーンまでストレスなく回り絶好調。



パリダカ仕様へ

パリダカタンクを取り付けるために必要な部分を採寸します。
タンク取り付け部前後長とシート長はXL500Rと250パリダカではまったく同じ。

取り付け部の大きな違いはタンク後ろ側のネジ止め部分。
XL500Rは水平に置き、マウントボルトはセンターにある。一方パリダカは斜めに角度が付いており、マウントボルトは右側にオフセットしている。

幸いXL500Rは後部マウントステーが着脱式のため、パリダカタンクに合わせてマウントステーを作成することにする。

2mmの鉄板から上下2枚に分けてステーの形状を切り出します。



角度を調整して合体し、溶接。塗装をして完成。右500Rのノーマルブラケット。



こんな感じに付きます。



タンク前下のステーも加工して取り付け、振動対策も万全。



XL500Rパリダカール仕様完成。




2009/5/9

オイル交換 12000Km



2010/8/2

XR500マフラー
メインジェット140

 

2011年10月
以降、ブログで継続しています。
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管理人:ロンリーライダー
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