カネに縁ナシ樋口一葉、
なぜかお札の顔になる
〜樋口一葉その1〜

今回は新五千円札の顔になる人に来てもらいました。
樋口一葉さんです。
りょうこ
ギャラは出るんでしょうね?
このインタビュー。
樋口一葉
ギャラ?そんなん出るわけないっしょ。
だって伊塚校長(このHPの管理人)、ビンボーだもん。
りょうこ
・・・・・・ノーギャラか・・・・・・
じゃ帰る。
樋口一葉
ちょちょ、ちょっと待ってよ。
せっかく来たんだから色々話していってよ。
りょうこ
仕方ないね。手短に頼むよ。
なんたってアタシゃ「ビンボー暇なし」なんだから。
樋口一葉
一葉さんビンボーなんですか。
同情しますよ。
りょうこ
同情するならカネをくれ!
樋口一葉
すさんでますね・・・・・・
どうしてビンボーになっちゃったんですか?
りょうこ
ビンボーの原因はアタシのオヤジ(則義)さ。
樋口一葉
一葉さんのオヤジさんってどんな人?
りょうこ
オヤジは山梨県の百姓だったんだけどね。
武士になりたくって江戸に出てきて、
「武士の身分」をカネで買ったのよ。
樋口一葉
え!「武士の身分」って、おカネで買えるの!?
へー、知らなかった。
りょうこ
「系図買い」とか「株を買う」とか言うんだけどね。
まあ詳しく知りたかったら自分で調べてみな。
それより、その時買った「武士の身分」のカネを払うのに、
オヤジのヤツ、なんと50年ローンを組んじまったのさ。
樋口一葉
50年ローン!?
ひえーーー、気が遠くなりますね。
りょうこ
だろ?
このオヤジのアホな返済計画が、
アタシのビンボーの始まりにつながっていくのさ。
それでオヤジ、念願の「武士」になれたのはよかったんだけどな、
武士になったとたん、徳川幕府がつぶれちまって
「武士」なんて存在自体がなくなっちまった
つまり「武士」になった意味がなくなって、
50年ローンの借金だけが残ったわけだな。
はっはっは(笑)。
樋口一葉
笑ってる場合じゃないでしょーに!
それにしてもツイてないオヤジさんですね。
同情しますよ。
りょうこ
同情するならカネをくれ!
樋口一葉
それでその後どうなったんですか?
りょうこ
まあ、なんとか食いつないでいたらしいけどな、
そのビンボー生活の中でアタシが産まれたのさ。
明治五年(1872)五月二日のことで、
アタシは「なつ(奈津)」と名付けられた。
樋口一葉
元祖「なっちゃん」ですね。
今は3代目になってるらしいですけど・・・・・・
りょうこ
何それ?
意味わかんねーよ。
樋口一葉
わからなくてもいいですよ。
ところで、一葉さんには兄弟がいると聞いたんですが・・・。
りょうこ
男が二人、女が三人の五人兄弟さ。
まったくオヤジの奴、
ビンボーのくせに子供だけはいっぱい作りやがって・・・・・・
樋口一葉
まあまあ、オヤジさんの話はちょっと置いときましょうよ。
えーと、それで一葉さんは次女なんですね?
りょうこ
そうそう。
でもアタシが子供の頃に姉貴(ふじ)は嫁に行って
次男(虎之助)は
陶芸家の家に住み込み
で働きに出ちゃってたから、
家には長男とアタシと妹、
そしてオヤジ、オフクロの五人が残ってたんだわ。
樋口一葉
それでも五人家族ですか。
うーん、まだ生活は苦しそうですね。
りょうこ
そうだな。
でもこの頃オヤジが隠居して、
長男(泉太郎)が家を継いだんだ。
そのおかげで、ビンボーの「どん底」から、
ビンボーの「並」くらいに変わる事ができてたんだぜ。
樋口一葉
うわあ、そりゃ良かったですね。
りょうこ
ありがとよ。
それでな、アタシもその頃学校で勉強しててな・・・・・・
自分で言うのも何だけど、けっこう成績が良かったんで、
いい学校に進学して、もっと勉強したいなー
なんて、ささやかな目標を持ってたんだ。
その目標が、ビンボーの「どん底」から「並」に変わった事で、
かなえられそうになったんだよ。
樋口一葉
やった!
これでやっと一葉さんにも運が向いてきたということですね。
りょうこ
それがな、
今度はオフクロがアタシの進学に反対しやがったのさ。
女は勉強なんかしなくていい!
とか言ってな。
樋口一葉
ありゃりゃ。
「勉強しなくていい」だなんて・・・・・・
今の教育ママとは大違いですね。
りょうこ
ま、当時は「江戸時代」が終わったばっかだったからな。
勉強して役に立つ、なんてのは男だけだった・・・・・・
そういう時代だったのさ。
だからオフクロの言い分ももっともなんだ。
樋口一葉
そうですか・・・・・・時代が悪かったんですね。
一葉さんに同情しますよ。
りょうこ
同情するならカネをくれ!・・・・・・というわけでな、
アタシは進学をあきらめて、
家のために結婚することにしたのさ。
樋口一葉
家のためにって・・・・・・
結婚って、相手を愛したからするもんでしょ?
りょうこ
だから、
当時はそんな恋だの愛だので結婚する時代じゃなかった、
っつーの!
もっともアタシゃこの時はまだ「婚約」だけで、
結婚まではしてなかったんだけどね。
樋口一葉
ふーん、で、いつ結婚したんですか?
りょうこ
それがよ、アタシが婚約してまもなく、
長男(泉太郎)が死んじまったのよ。
それでアタシが家を継ぐことになっちまって
結婚どころじゃなくなっちまったんだ。
樋口一葉
あれま、それは大変。
りょうこ
それでな、よしゃあいいのに、
隠居してたオヤジがまた商売を始めて、
これが「あっ」という間に倒産して、
アタシんちは完全な破産状態
さ。
借金が借金を産んで、もーどうにもなりません、ってなもんよ。
はっはっは。
樋口一葉
またオヤジさんですか・・・・・・心から同情しますよ。
りょうこ
だから同情するならカネをくれ、っちゅーの!
そんでアタシたちに残された道は、もう夜逃げしかないやね。
借金取りから逃げるためにあちこち引っ越して、
次男(虎之助)の所にころがりこんだりしたんだけど、
その間にオヤジも死んじまったのさ。
樋口一葉
え?とうとう死んじゃったんですか?
オヤジさん。
りょうこ
とうとう死ぬならカネをくれ!・・・・・・って、ちょっとはずしたな。
ま、それはともかく、こんな状態になったアタシら一家だけど、
まだアタシが結婚したら希望も出るんじゃないか、という事で、
婚約者の家を訪ねてみたんよ。
助けてくれるかな?と思ってな。
樋口一葉
当然相手の婚約者は一葉さんのこと助けてくれたんでしょ?
りょうこ
それがな、
樋口家が借金取りに追われるようになったときいたとたん、
婚約者、なんていっても冷たいもんだよ。
助けてくれるどころか、一方的に婚約を破棄しやがったのさ。
まったく、「渡る世間は鬼ばかり」とはこの事だぜ。
はたして今後、ズンドコまで落ちた樋口一家はどうなる!?
ってトコだな。はっはっは。
樋口一葉
笑い事じゃないっしょ。
じゃあ話が長くなってきたので、
続きはまたこの次の「その2」でお聞きしますね。
ところで一葉さんって、小説家だってきいたんだけど・・・・・・。
全然小説の話が出てきませんでしたね。なぜ?
りょうこ
それも次回のお楽しみ、っつうことで。
はたして樋口一葉はいつ小説を書くのか?
楽しみにしてくれ!!
樋口一葉
それでは「樋口一葉その2」、
また読んでね!
りょうこ

ひのもとあや先生の一口寸評

樋口一葉さんはとにかくビンボーでした。
でもビンボーなわりには明るく生きてらっしゃるようですね(笑)。
ホント、いつ小説を書くんだろう?と思うんですが、
その謎は次回の「その2」で解かれるようです。
ということで、次回も読んでくださいね!

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