工法の選択


(以下は施主の立場からみた私の個人的な見解であることをお断りしておきます。)

木造 or 鉄骨 or RC

まず構造材を木材にするか鉄にするかRCにするか?静岡大学の報告で、木と鉄とコンクリートの箱に入れたマウスの生存率が、木>鉄>コンクリートとなった という実験があるが、別に鉄骨やRCでも内装を木にすれば同じことなので、これは判断基準にはできない。RCの魅力は捨てがたいが、なにせ高いのと家全体 が重くなるというデメリットもあるのでチョット選択はしづらい。木か鉄かで重要な判断材料となるのは以下であろう。
1)熱伝導率の違い
木は鉄に比べ数百倍熱を伝えにくい。熱伝導率の高い鉄を構造材に選んだ時には、熱橋の問題をどう解決するか非常に難しい。つまり、外壁を構造材に支持する 金物があるため、冬場鉄の部分を完全に外壁から断熱するのが難しく、結露の心配が発生しやすい環境となってしまう。鉄は結露で腐ることはないが、まわりの 断熱材や木などにとって結露はいい事は何もない。ということで木の方が断熱の観点では優れている。
2)耐火性
木の方が一見燃えやすいが、着火時点からの強度変化という点では、鉄の方が早く強度が落ちていく。ニューヨークの911テロでビルが倒壊したのは火災によ り鉄の強度が落ちたためというのは記憶に新しい。


軸組み(在来) vs 枠組み(2x4, 2x6, 木質パネル)

木で構造を組む場合、その耐久性を高めることを考えると、主要構造材に耐朽性の低いものは使いたくない。枠組み工法は面で支えるため強度は期待できるが、 2x4などで主に使われるSPFなどは耐久性が低い木材である。その分安いというのであればまだ納得できるが、公庫の平均工事費を見ると、 むしろ軸組みより高いのが実情であり、まったく解せない。ならば、軸組みで主要構造材に耐久性の比較的高い木材を使用し、強度を得るために構造強化ボード を付加する方がコストパフォーマンスはよいのではないだろうか?


外張り断熱 vs 充填断熱

断熱方法だが、これは一長一短があるので何に重点を置くかで選択も変わるであろう。まず、繊維系の断熱材(グラスウール、ロックウール)などは安いが、基 本的に透湿性が高く、たとえ内側に完全な防湿施工をしたとしても(それ自身かなり大変であるが)、それでも夏型結露の心配は残る。2x4のR2000で有 名な鵜野さんも夏場26℃以下に冷房すると結露すると明言しており、29℃湿度50%程度ですごせと言う。プラスティック系の断熱材は高いが安心度は高 く、耐久性を確実に高めるためには有効であろう。次に外張りか充填かであるが、IV地区で寒冷地ほどの高断熱は必要ないので、軸組み工法の施工性を考える と断熱・気密の確実性を高めるためには外張りの方に分があるであろう。防湿・気密層が構造材の外側に来るため、構造材である木の調湿性を利用できるのも外 張りのメリットの1つである。ただ、外張りのデメリットである外壁支持の問題を考えないといけない。どうしても構造体から外壁までの距離が充填断熱に比べ 長くなるので、断熱性能の高い断熱材を使用し厚みを少なくすることと、外壁支持を釘ではなくビスで構造体に直接固定するような工法を選びたい。断熱材の外 側につけた縦胴縁に固定するような方法は避けたい。あと、駆体が変形することに対して断熱材、外壁材のずれが生じる可能性があるので、なるだけ駆体変形を 小さくするためにも構造強化ボードの付加が重要と思われる。


ダイライト vs TIP

構造強化にもいろいろ方法があると思うが、代表的なダイライトとTIPを比較すると、強度的には大差ないと思うが、TIPは手間がかかる分、割高ではない だろうか?あと、ダイライトMSは無機質で腐りにくく耐久性が期待できる。


高気密化

住み心地を追求するためには、温熱環境が安定してヒートショックなどの少ない家を、また耐久性・長期間にわたる耐震性を追及するためには壁内結露を抑える ことが必要となるが、これらのためには高気密化が必要というのが、近年の一般的な考え方であろう。つまり、隙間をなくして計画換気により経路が明確な換気 を24時間行なうことで、家の中で発生する水蒸気・VOC・二酸化炭素などを確実に排出し、室内空気環境を良くし、かつ冷房効率を上げるというわけであ る。そのためには防湿・気密層をどこかにしかも完璧につくらないといけないわけだが、これも色々なパターンがある。

最近の外張り断熱でも3パターンあり、(1)プラスティック断熱材の継ぎ目の外側に気密テープを貼る方法、(2)構造強化ボードに気密のとれるサー モプライ(4mm)を使い、その継ぎ目に気密テープを貼る方法、(3)構造強化ボードと断熱材の間にポリエチレンシートを使う方法、に分けられる。(1) については断熱材の隙間部分における気密層が外側にあるため、この部分が結露する心配が少しだけある。(2)についてはサーモプライが4mm厚までしかないため、ダイライ トよりは強度がとれなくなってしまう。(1)、(2)とも、テープや一部発泡ウレタンにて気密をとるため、c値の経年劣化が懸念される。ポリエチレンシー トについては、昔はスウェーデンにて報告されたように熱とアルカリによって劣化する可能性もあったようだが、最近の日本のものはこの心配はまずないらし い。3つの方法でコストは大差ないとおもうので長期間気密劣化しないと考えられる(3)を選びたい。



以上の観点に注意して選択したのが、イザットハウスのNew IBS工法。イザットハウスの決め手はこちら



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