えんとつからおちたふくろうのこ

 

此れは四年前に出版した絵本ですが、今は
絶版になったため、ご希望の方にお見せし様と
ホームページに、載せることにしました。

写真も上手くなく、リンクも何故か出来ませんで
とてもお見苦しい所がありますが、何れ改善して
いこうと思いますので、暫くお待ち下さい。

色々申し訳無いことですが、お許し下さい。




 ポルトガルの田舎にこれに似たほんとうのお話がありました。
 村の外れの野原には、沢山の動物たちが棲んで
 います。 兎やリスや鳥たちが、茸や木の実を食べ
 仲良く暮しています。

 野原は森に続いています。 その森の大きな木に、
 ふくろうのお母さんと、2羽の赤ちゃんふくろうが、
 棲んでいました。
 
 木には大きな穴があいているのです。
 ふくろうの赤ちゃんは、未だ産まれて1つきも経たないので
 白い産毛にくるまれ、羽も生え揃ってはいません。

 昼間は何時も、親子で抱き合ってしあわせそうに、
 ほこらの中で眠っています。


 四月を過ぎようとしても、今年はとても寒い日が続きます。
 ときには北風さえ吹いてきます。

 雨も多いので、ふくろうの子は、お母さんの羽のしたに
 もぐり込みました。

 それでもまだ、「さむいよう…」「さむいよう…」とふるえています。

 それは彼らがうまれてから、初めてであった一番さむい
 夜 だったからです。
       
 この森の近くに一軒の小さな古い家があります。
 この 家には、お婆さんと、ドーラと言う女の子が二人ですんで居ます。
 女の子 の両親は、遠い北の国、ベルギーで働いているのです。

  「北の国はまだ寒いだろうね…」
  「早くお前のお父さんとお母さんにセーターを編んで送らなければ」

 お婆さんは独り言を言いながら、久し振りに火をもやした、ダンロの
 前でセッセと編み棒を動かしています。白いセーターです。

 灰色猫のガチーニョも、ダンロの側で、ゴロゴロ喉を鳴らして寝そべって
 います。 マダマダ寒い夜でした。
 その寒い夜、お母さんふくろうは、煙の消えたあとの煙突を
 見つめていました。 夜がふけると共にますます寒くなります。

  「あの家のえんとつの上に、子供たちを連れていったら、
  さぞ あたたかいだろうな〜〜〜」
 と考えて居ました。 「そうだやってみよう!」

 一羽の子を、えんとつの上にはこんでいき、もう一羽を、連れにいこう
 とした時です。  「あっ、たいへん!」

 ふくろうの子はもっと温かい中の方に、もぐりこもうとして、
 えんとつの中に、おっこちてしまったのです。

  さあ、大変なことになってしまいました。


 あくる朝のこと、ダンロの中に落っこちている、かわいいふくろう
 のこを見つけた、お婆さんは、

  「おやまあ!ふくろうの子がダンロの灰のの中にいるよ!」
  「かわいそうに…落っこちたのかねー」
 と ドーラにむかって叫びました。

 おそうじの御手伝いをしようとしていたドーラ と ガチーニョは、
 もう おおさわぎです。

  「火を消しておいて、よかったねえ!」
  と ドーラとお婆さんは言いました。
 白くて丸いふくろうの子は、系とだまの入って居るかごのなかで
 暮らすことになりました。

 「夜になって、お母さんふくろうが探しに来たら、帰してあげようね。」
 とお婆さんは、ドーラにいいました。

 夜になると、お母さんふくろうは、ほんとうに自分の子をさがしに
 来ました。 そして 窓の外から、ふくろうの子が毛糸だまそっくりに
 体を丸くして、かごの中にいるのを見付けました。

 でもふくろうの子の方は、気がつきません。

 お母さんふくろうは、窓の外で、「ホウ!ホウ!」と小さく呼んで
 涙を ポロリ とこぼしました。






 お父さんも、お母さんも遠くにはたらきに行き、兄弟もいない
 ドーラは、何時もがチーニョだけが 遊び仲間なのです。
 
 ふくろうの子がかわいくてたまりません。
 お母さんふくろうが探しに来ているのを知っていましたが、
  帰してあげるのがさびしくてたまりません。

 「ずっと飼ってはいけないの?」
 とドーラは、お祖母さんに聞きました。

 「お母さんがどんなに心配しているだろうね…
 それになんにも食べようとしないじゃないか。」

 「そうだよ、森に帰しておやり!!」
 とガチーニョもにくらしそうに言いました。





 又一日過ぎた夜のことです。
 もうお祖母さんと、ドーラはぐっすり眠っていました。

 「  どうしてもあの子を、とりもどさなくては!」
 とうとう意を決したお母さんふくろうは、えんとつ の穴から
 もぐりこんで、 飛びこんできたのです。

 せまくて暗い、えんとつの中を飛び下りながら、お母さんふくろう
 はもう夢中でした。

 「バサバサバサ、キーッ!」

 と、それはもう、ものすごい音がしました。
    


 
 ビックリした、ガチーニョが、ダンロのそばにかけつけて、
 「フーッ」 とからだ中の毛をふくらませて、にらみつけました。

 しかし、お母さんふくろうは、わが子を守ろうと、しっかり子ふくろうを
 だきよせて、羽でかくしています。
 それに、 黒いすすのたまった えんとつの中に飛び込むなんて
 とても勇気のいることです。

 そのようすを見て、 ついに ドーラ も、ふくろう親子を
 森に返して上げることにしました。



 森の 大きな木のほらあなに、子供をつれてもどった
 お母さんふくろうは、とてもしあわせそうでした。

 「もう寒くても お前たちを 穴からつれだしたりはしないよ」
 
 とお母さんふくろうは、 やさしく子供たちを抱きしめます。

 ドーラもガチーニョも、森で又暮し始めた 親子をみて、
 良かったなあ…と思いました。
 時々そっと、森にのぞきに行くことも有ります。

 ドーラもあんなふうに お母さんに抱かれる日をゆめみています。 





  もとの平和な、森にもどりました。 良かったね