01

吾が空に 虹は架かるか 稀なると 人の言はれし 幸の如くと

あがそらに にじはかかるか まれなると ひとのいはれし さちのごとくと

02

なほ辛く 過ぐ今なれど 君想ふ 心は消えず 末まで居らむ

なほつらく すぐいまなれど きみおもふ こころはきえず すゑまでおらむ

03

 師走

寂しさも 忘れられるか 思ひてぞ 忙しく過ぐ 師にあらずとも

さみしさも わすれられるか おもひてぞ いそがしくすぐ しにあらずとも

04

大空

仰ぎ見る 君に続くは 空のみと なりたる今に 遥かなる君

あおぎみる きみにつづくは そらのみと なりたるいまに はるかなるきみ

05

我が内に 降りてや隠せ この心 白くぞ染めよ 降り続かなむ

わがうちに ふりてやかくせ このこころ しろくぞそめよ ふりつづかなむ 

06

我先に 逝くなら君の 元寄りて 後に向かはむ 自ら地獄へ

われさきに いくならきみの もとよりて のちにむかはむ みづからじごくへ

07

咲誇る 花とありたく 思へども 水注す者も 居らず枯れゆく

さきほこる はなとありたく おもへども みずさすものも おらずかれゆく

08

一日

君去りた 今日もぞ我は 想ひつつ 過ぐ一日も 去りてまた来る

きみさりた けふもぞわれは おもひつつ すぐいちにちも さりてまたくる

09

 夕闇

美しき 夕焼けの空 瞬きの 間に暮れてゆき 訪れし闇

うつくしき ゆうやけのそら まばたきの まにくれてゆき おとづれしやみ

10

 焚火

我凍え 君のおこしし 焚火にや 寄りて焦がれて 落ち葉燃え尽き

われこごえ きみのおこしし たきびにや よりてこがれて おちばもえつき

11

コスモス

揺れ靡く 可憐なれども 強く咲く 秋桜の如く 我も居らばや

ゆれなびく かれんなれども つよくさく こすもすのごとく われもおらばやびく

12

未来

いつまでも 続けと願ひし あの日々が 再びあれと 想ひ募りて

いつまでも つづけとねがひし あのひびが ふたたびあれと おもひつのりて

13

憂鬱

我飛べず 籠の中より 出れずとも 耐へ歌いつつ 幸の歌をぞ

われとべず かごのなかより でれずとも たへうたいつつ さちのうたをぞ

14

幾たびも 寄せて砕ける 白波も 遂には 凪ひで 泡と消えゆく

いくたびも よせてくだける しらなみも ついには なひで あわときえゆく

15

そよ風

頬濡らす 我に優しく そよ風の 吹き乾かすか 自ら拭はむ

ほほぬらす われにやさしく そよかぜの ふきかわかすか みづからぬぐはむ

16

太陽

温かく 照らし輝く 太陽も 遥か果て故 心は明けじ

あたたかく てらしかがやく たいようも はるかはてゆゑ こころはあけじ

17

媚びられず 我がままなれど 寂しがる 生まれ変わるは 猫にあらまし

こびられず わがままなれど さみしがる うまれかわるは ねこにあらまし

18

失恋

落つ涙 涸れることなく 過ぐ日々も 無駄にはせずと 我は歩まむ

おつなみだ かれることなく すぐひびも むだにはせずと われはあゆまむ

19

あの日々も 夢と思へば 覚めただけ 覚めれば独り それが現実

あのひびも ゆめとおもへば さめただけ さめればひとり それがげんじつ

20

君を待つ 小夜も終わらむ 決めてなほ 微かに望む 己もどかしき

きみをまつ さよもおわらむ きめてなほ かすかにのぞむ おのれもどかしき

21

閉ざしたる 我がこの扉 開けるは 鍵は唯一 君の優しさ

とざしたる わがこのとびら ひらけるは かぎはゆいいつ きみのやさしさ

22

愛情

自らも 去らむとせしも 消えずある 君に望まぬ 秘めて想ふは

みづからも さらむとせしも きえずある きみにのぞまぬ ひめておもふは

23

悪夢

悪夢から 目覚めてそこは 猶悪夢 今居るここは 悪夢の中か

あくむから めざめてそこは なほあくむ いまおるここは あくむのなかか 

24

丸まりて 針を立てつつ 守るのは 僅かに残る 己が心ぞ

まるまりて はりをたてつつ まもるのは わづかにのこる おのがこころぞ

25

出逢い

不思議なる 出逢ひゆゑにか 我占める 人の大きさ 君は気付かじ

ふしぎなる であひゆゑにか われしめる ひとのおおきさ きみはきづかじ 

26

彼の傍 行くことならず 遥かなる 人と知りつつ まだ想ひけむ

かれのそば ゆくことならず はるかなる ひととしりつつ まだおもひけむ

27

悩み

思ひ出に すぐ浸り居る 我なれば 憂しも去らじと それが悩みか

おもひでに すぐひたりおる われなれば うしもさらじと それがなやみか

28

明日

この我が身 まだ訪れしかぞ 君居らず 明日も憂きて 過ぐといふのに

このわがみ まだおとづれしかぞ きみおらず あしたもうきて すぐといふのに

29

誓い

約束と 思ひ信じし 我のみか 君の言葉に 想ひは無しかな

やくそくと おもひしんじし われのみか きみのことばに おもひはなしかな

30

彷徨ふは 行く先見えぬ 我なれど 心探して 旅は続かむ

さまよふは ゆくさきみえぬ われなれど こころさがして たびはつづかむ

 

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