
Starknight fencer
第19章 Fleet decisive battle
DDA「ゆきかぜ」艦内(ルーメン領内海域) 1700時
とりあえず「ゆきかぜ」に戻ったソルジャーに、いきなり通信が届く。
「こちらFF「くずりゅう」!被弾した!」
「何!?」
連合艦隊が航行中に突然の被弾・・・艦隊輪形陣左端のフリゲートだ。
どうも魚雷ではなかったようだが・・・すぐにルーメン公国海軍にソルジャーが通信を入れる。
「シェルディア海軍提督のソルジャーだ。機雷はどうしたんだ!?」
「・・・わかりません。ですが・・・この前巨大な航空機がこの海域を通過し投下したのは確認しました。機雷だとは思わず・・・」
「ちっ・・・」
ルーメンは潜水艦主体。水上の艦隊などめったに出撃することは無い。
だから対水上艦用の機雷に気づかなくても仕方ないのだろう。ということはこの海域を連合艦隊が通過することを見越して機雷を投下したことになる。
「艦長、連合艦隊が停止しました。」
「わかった・・ゆきかぜ、旗艦「そうりゅう」に要請。機雷を除去する。」
「了解。」
近接防空火器 迎撃ミサイル
「CIWSおよびRAM手動稼動、機雷をぶち抜け!」機雷めがけ20mmバルカンと小型ミサイルが発射され機雷をぶち抜く。
1つずつソナーやカメラで発見した機雷を除去する気の遠くなる作業。だが・・・そうでもしなければ艦隊の航行は不可能だ。
「何故これだけの機雷を・・・?」
カービィがいぶかしがっている・・・何かがおかしい。
「カービィ、どうかした?」
「見て、フィン・・・レーダーに敵影・・・」
「連合艦隊からの命令は?」
「無いけど・・・ちょっと待って。敵艦確認。ステルス艦だ・・・!」
そこから大量の揚陸艇が出撃、同時に敵艦が20cm砲を発射。
同時に駆逐艦「あきかぜ」が艦橋被弾、爆発する。
「IFFはサジテリアス!敵襲だ・・・!」
「総員戦闘配置!一戦交えるよ!」
「わかった、伝えてくる!」
クレアが船室に向かい、カービィとフィンは剣を抜く。
目標は敵ステルス揚陸艦。レーダーにノイズが映るほどの大きさだ。
「ね、カービィ!どうかしたの!?」
「あれを・・・」
クリスが双眼鏡を覗くと巨大な揚陸艦が・・・巨大すぎる。あれもおそらくは超兵器のようだ。
そして揚陸艦が発砲・・・火力は38.1cmクラス。旧世代戦艦の大型戦艦クラス。それでも駆逐艦や巡洋艦相手には致命傷を与えかねない。
「超兵器!?乗り込むつもりだよね・・・?」
「当然。あれが・・・サジタリウスの切り札だと思う。行くよ!」
揚陸艇を速射砲やCIWSで破壊しつつ「はやぶさ」は超兵器に接近する。
敵超兵器はロケットランチャーを発射するが、「はやぶさ」はすべて回避し敵超兵器の艦尾にあるハッチへと突撃する。
「・・・これでいいよね?クレア。」
「ああ・・・行こう。」
進路を上手くあわせ、射出される揚陸艇と逆方向に突撃。揚陸艇射出用のレールに乗り上げそのまま格納庫まで突っ込んでいく。
そして、数台の揚陸艇を巻き込んで停止・・・何とか無事のようだ。
「いたた・・・無茶しないでくれる!?だいたい何だってこんなことを!」
「フィン・・・ごめんね。だけど・・・」
カービィはミサイル艇から足場に飛び移ると、剣を抜く。
同時にサジタリウス兵が向かってくるが、カービィは剣で向かってきた4人をまとめて切り裂く。
「僕は許さないよ。仲間を奪った君達を!!」
「はいはい、わかったから行くよ!」
フィスカが真っ先に飛び移り、双剣を振るい敵兵を切り裂いていく。
遅れてレナも飛び移る・・・相変わらずの長剣で敵を丸ごと吹き飛ばす。
「・・・私も許さない。商売を何度も妨害されたし!まとめてぶっ飛ばす!」
「そうだったね・・・僕達自警団の敵でもある。だったら・・・!」
フィンも乗り込み、クリスも飛び移る・・・そして、クリスが振り向いて言う。
「クレアとはやぶさはここ守っておいて。いざとなったら脱出してね。」
「ああ。任せろ。」
クレアがうなずき、舷側にあるガトリング砲で応戦する・・・それと同時にカービィたちは扉を開けて艦内に突入する。
「フィンとレナはこっちに来て!クリスはフィスカと1階を!」
「りょーかい!ティトとシエル呼んで置くね!」
クリスはそういい・・・カービィはフィン、レナと一緒に階段を上がっていく。
階段を上がると廊下、船室から敵兵が槍を持って向かってくるがレナが弾き飛ばしすかさず一閃・・・あっさりと倒す。
「レナ、伏せて!」
「っと!」
すかさずフィンが自動小銃を構えレナの後ろにいる敵兵をぶち抜く・・・スピードがかなり速い。
敵兵はあまり多くない・・・それに安心し3人は飛行甲板へと出る。
そこには大量の戦闘機が配備されている・・・そして、戦闘ヘリが4機離陸する。
「や、やばくない!?」
「うん・・・!」
レナは長剣をしまって弓矢を出すと、すかさず戦闘ヘリに狙いをつけて発射するが・・・はじかれてしまう。
「・・・レナ、弓矢じゃ無理だよ。対戦車砲でもないと・・・クリスでもいなきゃ。」
「じゃあ、どうするって言うの?」
「・・・逃げよう!」
カービィたちが戦闘機の間を抜けていくが、戦闘ヘリは機銃を容赦なくぶち込んでくる。
出口の階段をロケットランチャーで戦闘ヘリが破壊・・・逃げられない。
「く・・・!」
「カービィ、支援して!」
いきなりフィンに自動小銃を手渡され、カービィは戸惑ってしまう。
「支援って、どうするのさ!」
「とにかくぶっ放してよ!!」
狙いもつけずにカービィが自動小銃を乱射。戦闘ヘリはそれに気づきカービィに機銃を発射してくる。
すばやくカービィが交わす・・・敵戦闘ヘリは機銃の命中率を上げるためかなり高度を落としてきた。
「貰う!これでも喰らえっ!!」
戦闘ヘリの操縦席めがけ、戦闘機の主翼からフィンが跳び剣で一閃・・・ものの見事に操縦席を真っ二つに切り裂く。
すぐにレナが着地際を受け止める・・・怪我をしなくて助かったようだ。
「危ないんだから、まったく・・・」
「ごめん、レナ・・・でも、これで上手くいったはず・・・」
その途端に2機目の戦闘ヘリが飛来・・・明らかにこっちを狙っている。
「・・・たくさんいるんだよね。当然ながら。100機くらいいると思う。」
「え・・・・」
カービィがそういうと、すぐに3人は戦闘機の裏に隠れる。
「安請け合いしちゃったかな?」
「ま、いいじゃない!ぶっ殺せるだけさ!!」
フィスカが次々に双剣で敵兵を切り裂き、突き飛ばすと銃を撃ち敵兵を倒す。
右から来た敵にクリスが対応。小銃を連射し倒す。
「・・・相手を殺すことに快感を感じてるわけ?フィスカ。]
「そーそー!こういうの大好きでさ・・・っと!」
双剣を敵兵に突き刺し、フィスカはすかさず引き抜くと左からの敵に銃を撃つ。
敵兵が倒れる・・・本当にフィスカが嬉しそうな表情だ。
「そういう性格なんだ?危なっかしい。」
「大丈夫。一般人はぜーったい殺さないんだから。ね?」
「・・・はいはい、わかったよ。」
クリスはすかさず小銃をぶっ放して敵兵を吹き飛ばす・・・振り向いて銃剣で敵兵を引き裂いていく。
敵兵はかなり多い。だが突破は出来る・・・手榴弾を敵兵に投げ込んでから2人は階段を上がっていく。
複雑な構造で迷ってしまいそうだが、何とかなるとは思う・・・下の階で爆発が起こり、敵兵はもう負ってこない。
「・・・危ないなぁ。フィスカ。」
「いいじゃん。人生は全部楽しむためにあるんだし。」
「あのねぇ・・・」
あきれながらもクリスは階段を上がっていく・・・こういう極端な考えと言うのも珍しいとは思う。
でも、それだけじゃない。それだけじゃ・・・
「まだ来る!」
「・・・こんな!」
レナが囮になっておびき寄せて、カービィとフィンが戦闘ヘリを切り裂いている。
が・・・5機切り裂いてもまだ出てくる。カービィが持っているハンドガンでは貫通力が弱すぎて戦闘ヘリの弾薬をぶち抜かないと無理のようだ。
「まだくる!今度は4機!」
「嘘・・・!」
いくらなんでもレナでは限界がある。ふぅとため息をつき3人は戦闘機の裏に隠れる。
銃弾が戦闘機を壊し、カービィたちは次の場所に隠れる・・・するともう1機がここに銃撃を加えてくる。
「わぁぁ!!」
その途端に何かが空気を引き裂いて飛来、急激に戦闘ヘリを撃墜してしまう。
接近してきた艦船がいる・・・イージス艦「ゆきかぜ」と「ゆきなみ」だ。
「今行くよ!」
途端に防空火器をすり抜けてヘリが揚陸艦に着艦、ソルジャーとゆきかぜや他の海兵隊員が降りてきて戦闘を開始する。
「遅くなって悪かったな・・・」
「ソルジャー・・・ありがと!」
「例は後回しだ。ぶっ飛ばせ!」
ソルジャーが榴弾砲を向けると戦闘ヘリを叩き落す・・・やはり重火器があれば心強いのは確かだ。
「・・・艦橋に行こう。そこに敵将がいる。」
「了解っと!」
レナに言われてフィンも付いていく・・・カービィも危ないと感じたのかそのまま向かっていく。
艦橋にいるのは敵将。かなり強いはず・・・万が一フィンとレナで歯が立たなかったらどうしようもないからだ。
「・・・行こう!」
カービィも艦橋へと入っていく・・・敵兵はいない。好機と思いすぐに階段を上がっていく。
そして扉を開けると・・・敵将校3人くらいがいる。他の水兵は我先にと逃げ出してしまう・・・怖いと思ったのだろうか。
「・・・イリア!?何で貴方が・・・」
レナが驚いているが・・・イリアと呼ばれた敵将は槍を構える。
「レナ、フィン。言葉は不要だ・・・戦ってもらう。」
「どうして!?」
「今は敵だ・・・何も言うな!」
すかさずカービィがイリアの槍を受け止める・・・そして、はじき返すとそのまま切りかかっていく。
「・・・カービィ、とどめはささないで捕まえて。」
「うん、わかった。」
何か理由がある。カービィはそう感じてレナの言葉を信じる。
「・・・サジタリウスの首領がどうしてここに?どうして僕たちを・・・」
「あいにくと、海上集落などの略奪行為は私たちじゃない・・・私達の侵した罪ではあるが。」
「どういう意味!?」
「あいにくと、弱者に語る言葉は持ち合わせていない!」
すぐにカービィが交わした途端、イリアの槍が艦船の計器を刺し貫いている。
イリアはすぐ引き抜き、再び槍を突き出す・・・カービィはそれを受け止め、はじき返すと一気に切り込んでいく。
「弱者・・・?」
「私に勝てないなら・・・・な。」
カービィの剣をイリアが寸前で受け止め、そのままはじき返す。
同時に横になぎ払ってきた・・・カービィはかがんで交わし、剣を突き出す。
「ほう・・・!」
最低限の動きでイリアが交わすが・・・交わしきれず髪の毛が落ちていく。
後退し槍を構えなおす・・・そして艦橋にある艦船の制御版をはさんでにらみ合う。
「君は・・・それほど悪い人には見えない。どうして・・・!?どうしてヴェルガンドと!?」
「存在しない第4の国。その民を養うには並大抵のことでは不可能。私はルーメン公国海軍しか襲撃はしていない。私の部下も。」
「どういう意味・・・?」
「勝て。話はそれからだ。」
いきなり制御版越しにイリアが槍を突き出すと、カービィもすぐにそれを交わす。
逆にその上に載りカービィが剣を振りかざす・・・・イリアは槍の穂先で受け止めると、そのまま制御版の上に載る。
「ふ・・・ただの雑魚ではない。そのことを感謝しなくては。あの高名なるリシュア殿の弟子とは。」
「君はリシュアを!?」
「ああ。彼女が不老不死と言うこともとうに知っている。いい人だ。」
それはカービィも感じている・・・と言うことは、彼女もそれほど悪い人ではないらしい。少なくとも・・・自分たちの海上集落に略奪を行う人では。
明らかに違う・・・武器を交えてもそんな感じがはっきりと伝わってきた。
「あっちゃー・・・もう終わり?」
クリスとフィスカが階段を上がってくると・・・既にシェルディアの輸送ヘリが着艦。あちこちを占拠している。
この超兵器をルーメンに運び込んで修理でもするつもりだろうか。
「終わったね・・・まったく。」
戦闘は終わり・・・あとは艦橋の制圧だがカービィたちが予想外に苦戦しているらしい。
まぁ、いずれ決着は付くだろう。クリスはゆきかぜ・・・らしい少女に話しかける。
「ねぇ、ゆきかぜ。」
「わっ・・・だ、誰?」
「誰って、クリスじゃん。何目の前に小銃突きつけられた顔してるのさ。」
すると、ゆきかぜが向かってきた・・・一対何のつもりだろうか?
「私の妹に何か用でも?」
「あれ?ゆきかぜが2人・・・」
「違う!こっちはゆきなみ・・・私の妹なの。」
あぁとゆきかぜはうなずく・・・身長も1cmくらいしか違わないし服が少し違う。ゆきかぜは軍服にコートだがゆきなみは白のロングスカートに普通の服か。
少々紛らわしい・・・良く見るとゆきなみの武器はソルジャーよりも砲身の短いバズーカ砲2丁。これで相手を殴りつけるつもりか。
「よ、よろしくね。」
「こっちこそ。」
クリスがゆきなみと握手を交わす・・・仲間とわかれば、仲良くするべきだろう。
「・・・強い!」
「ふん・・・剣では槍に勝てまい!」
鍔迫り合いの後、カービィは空中に吹き飛ばされてしまう・・・すかさずイリアは槍を構えて突き出す。
その槍はカービィの頬をかすめ天井に突き刺さる・・・血が出てきた。かなり深く傷をつけられている。
「・・・やるじゃん。」
「終わりだ・・・次の一撃を交わせるのか?」
「交わす。仲間の為に!」
槍を何度も振り回すと、イリアはすかさず突き出してくる・・・カービィは右に交わし、剣を鞘にしまう。
そして、イリアの方を向くと剣の柄に手をかける。
「居合い、か・・・危うくカウンターで喰らっていたところだな。」
「わかってるじゃない・・・」
「そのようだ。私も覚悟を決めよう・・・」
槍を両手で構え、鋭い視線でイリアはカービィをにらみつける・・・こうなれば一瞬で勝負を決めるしかない。
イリアが一歩踏み出した途端、2人はすさまじい速度ですれ違った・・・互いの武器からは血が滴り落ちていく。
「・・・ふ。私の負けか。」
「らしいね・・・」
カービィは右腕に傷を・・・だが、イリアは首筋に軽い傷を負っている。
明らかに首筋の傷は手加減している・・・それをわかっているから負けといったのだろう。
「・・・負けだ。好きにしろ。」
「わかった・・・きついのは我慢して。」
後ろ手にイリアを縛る・・・敵将はイリアがやられたのを見て戦意喪失、逃亡してしまう。まぁ、どうせつかまってしまうだろうが・・・
「・・・好きにしろ。だが、言いたいことは山ほどある。」
「わかった。僕達のミサイル艇に連れて行くよ。」
「ありがたいな・・・」
フィンはイリアを連れて行くと、そのまま艦橋から海に飛び降りる。
「あ・・・って、大丈夫か。」
カービィはフィンが人魚だから大丈夫だと思った・・・シェルディアの提督に見つかると厄介だからあえてそうしたのだろう。
やれやれといい、カービィは艦橋の屋上へと上がっていく。
そして・・・シェルディア海軍の旗をくくりつけるとそのままロープを引っ張って揚げていく・・・途端に歓声が上がる。
「・・・やれやれだね。ま、超兵器を鹵獲できたから言うことなしかな。」
「同感。これでちょっとはシェルディアも楽になるじゃない?」
「そうだね。まぁ・・・僕達の手柄かな?」
「そういうこと。」
艦橋の真上から2人が飛び降りる・・・すると、ソルジャーとクリスが駆け寄ってきた。
「よかった・・・あれ、フィンは?」
「負傷して先に海から離脱した・・・敵将にも逃げられたよ。」
カービィがそういうとクリスもうなずく。まぁ、仕方ないかといった表情だ。
「まぁいい・・・敵将を見つけたら言っておいてくれ。しかし・・・サジタリウス軍とは危なっかしいな。こいつらが本隊だとは思うんだが・・・」
ソルジャーはそういいながら立ち去る・・・まだ戦いはこれから。シェルディア本土を開放し、ヴェルガンド軍を討伐するまで終わらない。
これからが正念場・・・レナとカービィは同じ事を考えていたようだ。
続く