魔除



知ってても知らなくてもどーにかなる、魔除データベース。
一番大切なのは、本人の強い気持ちだと心しておくべし。
道具はあくまで、道具でしかないのさーアハン♪
そのへんを分かってくれる人は、どうぞご照覧あれ。


※しばらくは日本の魔除を中心に更新予定。
なるべく身の回りにある物を優先します。
つーか人任せの友人よ、もうちょっと整理して情報よこせ。


名前 出典
日本
団扇 日本
日本
櫛(くし) 日本
日本
線香 日本
日本
日本





日本の道具
石は人類との付き合いも長い、とても古い道具の一つである。
生活の道具でもあれば、宗教や呪術にも広く取り入れられている。
おそらくは、石を使わない文化など、存在しないであろうほどに。

そんな石が持つ魔除けの力についてだが、性質的には結界に近い。
石は古来、神が天上より降り立つ場所や、旅する神の休憩場所であるとされており、 そのため神聖視された石が、依代としての機能を持つようになった。
つまり、神が降りる(宿る)物であるが故に、現世と異界との境目を示すようになり、そ れが結界としても用いられるようになったのだ。
こうした石は結界石や磐境(いわさか)と呼ばれ、神霊の降りる場所を意味する。故に あの世へ通じる力を持つとされるが、同時に通じた道を塞ぐ力を持つのだ。
今でもしかるべき場所に赴けば、石(岩)を祀る峠などがある。これは集落への通り道 に結界石を置き、祀る事で邪神や悪霊の侵入を防ぐのである。
後に道祖神や地蔵信仰となっていくものだが、これは神威をより認識しやすい形に置 き換えたもの、と考えていいだろう。

では、石による魔除けの実践について。
一抱えほどの大きさ(漬物石ぐらい)の自然石を用意し、これを一軒家ならば門と玄関 の間、門がなければ玄関の外、マンションならば玄関の中に置く。
その傍らに水や饅頭などをお供えし、外敵の侵入を防いでくれるように祈る。そうする 事で、石は自ずと結界としての機能を発揮してくれるだろう。
石を処分する時は、感謝の念を捧げて自然の中へ戻せばいい。



団扇 日本の道具
団扇は夏の定番であるが、涼むだけの道具に終わらない。
何故なら団扇には、神霊を招き、宿らせるという力が備わっているのだ。
儀式などに用いられる団扇は、神霊の力を奮い立たせ、その霊力を発揮させる。 そして風を起こす事から、もっぱら憑きものを落とす目的で用いられる。
そうした目的で用いる団扇は、なるべく自然の素材で作られた物を選ぶといい。

では、団扇による魔除けの実践について。
それ単体でも憑きものを落とす力を持つが、それだけでは弱い。自身が信仰する 宗教の真言を唱えながら、あるいは先祖の霊に祈りながら扇ぐといいだろう。
ただし、あくまで憑きものを落とす呪物なので、その点に注意してもらいたい。



日本の道具
鏡は見ているだけで、どこか異界を覗くような気にさせられる。
完全に同じでありながら、正反対の姿を映すという性質のせいだろうか。
いいや、あながちそれだけだとは言えない。古来より鏡は非常に強力な呪物の一 つとされ、様々な伝承や神話にもその姿を見る事ができる。
鏡には、映るものの真の姿を照らし出すという力がある。
よく鏡に霊が映るという話を聞くが、それも鏡の力によるものだろう。現世に存在 せずとも、そこに存在するものを、鏡は映し出しているのだ。
ただし、そうした鏡は九寸以上(約27センチ)でなければならないとされているの で、手鏡では少々頼りないところだ。

鏡には破邪の力などもあるが、特別な鏡である場合が多いので除外する。
魔除けとして使う際には、守ってくれるものではなく、この世ならざるものの接近を 教えてくれるもの、という程度の認識がいいだろう。
注意してもらいたいのは、鏡には人の魂を取り込み、異界へ誘う力もあるという事 だ。鏡は強力な呪物であるため、ともすれば使い手にも害となるのである。



櫛(くし) 日本の道具
言うまでもなく、髪を整えるための道具であり、髪飾りでもある物だ。
この櫛は神聖さを象徴する呪物としての力を持つだけでなく、日本人との付き合い も長い。当時は竹や木で作られていたものの、縄文時代には存在していたのだ。

櫛は神事の際に、神主や巫女が身に着け、神霊を降ろす依代としての機能も有し ていた。これは同時に、櫛を身に着けた者が器であると示す役割を担っていた。
また、櫛には様々な霊力が宿るとされているが、特に有名な逸話は古事記におけ る伊邪那岐神だろう。
彼は死した伊邪那美神を追い黄泉の国を訪れるのだが、ここで櫛の男柱を折り、 それに火を点して伊邪那美の体を覗き見る。果たしてそこには腐った伊邪那美の 姿があり、櫛と火が結び付く事により、真実の姿を捉えたのだ。
そして伊邪那岐は黄泉醜女に追われて逃げる事になるのだが、ここで髪に挿して いた櫛を抜いて投げると、櫛の落ちた場所に筍が生え、黄泉醜女はそれを食べる のに夢中となり、彼は逃げ延びる事に成功したのである。
また、伊邪那岐は禊(浄化)の起源のような存在であるため、彼の持ち物であった 櫛にも、当然のごとくそうした力が備わっているとされる。
これ以外にも櫛を扱った逸話は多くあるが、魔除としては護符と同様の効果を持 つという点が特徴である。

では、櫛による魔除の実践について。
何かこの世ならぬものが現れたのなら、それに向かい投げるといいだろう。
魔除のお守りとして用いる場合は、なるべく身内の女性が日常的に使っていた櫛 を持つといい。特に母親の櫛は、所持しているだけで強い魔除となる。



日本の道具
これは簡単に解説してしまおう。
鈴の音色は神を喜ばせるものであり、鈴の音は神を呼ぶ。またその音色自体に 浄化の力があり、場の穢れを祓い清浄なるものとする。この祓いの力は、悪霊す ら退けるという。
呪力を持つ鈴は、過去に装身具として用いられ、凶事を防ぐお守りとしての機能も 有していた。現在でも伝統的な子供の衣装に、鈴の飾りを付ける事があるのは、 子供を守るためでもあるのだ。

では、鈴による魔除の実践について。
身に着けているだけでも効果はあるが、最も効果的なのはやはり音色である。
場の浄化、あるいは場に存在する何者かを退ける事を目的とする場合は、鈴を鳴 らし、その音色を絶やさぬようにすればいい。



線香 日本の道具
お墓参りの必需品でもあるこの線香。
イメージとしてあるように、魔除の力を持っている。
まず線香は、神霊を運ぶ物であると考えられていた。香りには霊威が宿るとされて いたが、そこに煙の漂う姿から、線香にはそうした機能があると考えられたのだ。
古典には煙に乗って、空を飛ぶ仙人の話などもある事から、香りと煙はそれぞれ 単体でも呪物として機能するが、組み合わさる事によって、より強い力を発揮する ようになるのではないだろうか。
少し話は逸れてしまうが、海外ではハーブにも魔除の効果があるとされ、文化圏 は違えど、香りや煙には力が宿るという共通認識がある。
また、精霊迎えのように、線香は依代としての側面も有している。
仏教においては心身を清め、仏に供養するものとされている。つまり線香には浄 化の力があるという事だ。
そして上記の役割や機能から、仏など神霊の霊威を運び宿らせ、場を浄化する強 力な浄化力を持つ呪物であると言える。
葬儀の場で線香が焚かれるのも、供養のためだけではない。死者を供養し、あの 世へ送り、死の穢れを居合わせた生者から浄化するという役割があるのだ。

では、線香による魔除の実践について。
室内をなるべく密室状態にし、焚いた線香の煙を充満させるとよい。これだけで浄 化、即ち魔除としては充分だが、それ以上を求めるのなら、仏教系の真言を唱え るといい。言うまでもないが、真言は統一するように。



日本の道具
色々と種類は豊富だが、清掃の道具である。
西洋では魔女の乗り物というイメージから、現代では日本でも悪いイメージを持つ かもしれないが、日本では身近な道具である同時に、神霊の依代や神そのものと して、祀られる物でもあった。
道具としては掃き集めたり、掃き出したりする物だが、これは呪物としての力にも 共通する。詳細は省くが、箒は神の座の標識としての機能を持ち、そこから箒に は神霊を招く=神霊を集める、という呪力があるとされ、様々な儀式の場で用いら れてきた。
また、逆さ箒という、客を早く帰らせる時にするまじないがある。これは箒を逆さに 立て、掃き出す呪力によって客を帰らせるというものだ。

では、箒による魔除の実践について。
上記の逆さ箒をするだけでも効果はあるが、それよりも単純に、箒で家を掃き清 める方がいいだろう。掃除と同時に清浄ではないものを掃き出す事によって、家を 浄化された場にする事ができるからだ。
浄化された場というものは、それだけで悪霊などを寄せ付けない。
どうでもいいが、便所掃除で金運アップという話もある。



日本の道具
箸は「生命の杖」と呼ばれる事もあり、霊的な力を持つ神聖な道具だという意味が 込められている。
特に箸は食物を口に運び生命を維持する道具でもあるため、神と人が食物を共 食する呪物として機能する。

利用法としては、いわゆる一本箸というものがある。
山盛りにしたご飯に箸を立て、死者の枕元に置く枕飯が身近なものだろうか。
これには死者の魂を呼び戻す呪力があり、そのため日常で一本箸を行うと、仏箸 として忌み嫌われるのだ。
つまり凶事の作法であるものの、元々は神霊との交信手段で、特別に不吉なもの ではなかった。
依代としては基本的なものであり、箸を神木などに置き換え、それを立てる、とイメ ージすれば分かりやすい。
昔は神に食物を捧げる飯盛神事にて、盛ったご飯に斎串(いみぐし)を刺す事が 行われた。
この斎串こそが神霊の宿る呪物であり、これはやがて形を変え、新しい箸を削っ て神と食事を共にする風習となる。
正月に新しい白い箸を用いるのは、年神を箸に宿らせるためであり、その起源は 一本箸の呪力にある。
そのため一本箸は、現代では忌み嫌われているが、実際には神聖なものでもあ る。

また、箸始めと呼ばれる儀式もある。
これは新生児の生後百日目に行うもので、あの世とこの世の境界に浮かぶ赤子 の魂を、この世に呼び寄せて定着させるというものだ。
この時に使用する箸は、赤子の魂を呼び寄せて宿らせる目印であり、さらに赤子 へこの世で生きるための生命力を与えるという呪力を持つ。
さらに箸はお守りとしての機能も持ち、厄除けや開運などの効果を持つ。
ただし付喪神となる例もあるので、長年使った箸は無闇に捨てず、供養してやる のがいいだろう。