・オルケステル・ドレイデル・
Orkester Dreydel
17世紀〜20世紀初めまで、中・東欧のユダヤ人の町や村で演奏されていた、哀愁たっぷり、
ユーモアもたっぷりの陽気な民族音楽「クレズマー」と、彼らの独自の生活言語「イディッシュ」で
唄われる「ドナ・ドナ」などの「イディッシュ民謡」の名曲を演奏しています。
東欧ユダヤ人の街に生まれた画家マルク・シャガールも、生涯にわたってこの伝統音楽を
芸術的霊感源のひとつとしましたが、第二次世界大戦中のナチによる
ホロコースト(ユダヤ人大
量虐殺)により、この音楽文化は壊滅的な打撃を受けました。
東欧やロシアから米大陸に渡ったユダヤ人演奏家たちにより、一度消えかかった「クレズマー」の灯火は
再び活気付き、戦後欧州でも様々な音楽と融合しつつ、盛んに演奏されるようになりました。
日本人の演奏家は残念ながらまだ多くありません。
ドレイデルって何?
「ドレイデル」はユダヤ教の祭事「ハヌカー(宮清め祭)」のときに子供たちが回して遊ぶ駒のことです。
「ハヌカー」は次のような故事にちなんだお祭りです。
紀元前136年、シリアの王アンティオコスはイスラエルの地でのユダヤ教信仰を法律で禁じ、
ユダヤ教の神殿に異教の偶像を設置してそれを崇めることを強制します。
これに対してユダヤ人はハスモン家を首領に蜂起します。戦いは3年続きユダヤ人が勝利します。
彼らはイスラエルからシリア王を追放し、神殿から異教の偶像を排除して清めました(宮清め)。
あるとき、イスラエルのハスモン家に不思議なことが起こります。
彼らは祈祷用の燭台「メノラー」用のオリーブ油が入った器を見つけます。
中にはわずかに1日分の油しか入っていませんでした。ところがこの油でなんと8日間も火は点り続けたのです。
この故事と奇跡を記念して「ハヌカー」では特別に8本に枝分かれした燭台「ハヌキア」に
毎日1本ずつ、8日間順に灯りを点していきます。
ところで「ドレイデル」の駒の4つの面にはそれそれひとつずつヘブライ文字が刻まれています。

ドレイデルの駒
(写真、右から順番に nun, gimel, hey, shin)
これはNes Gadol Hayah Sham =Great miracle happened there(偉大な奇跡がかの地で起こった)の4単語の頭文字です。
この文字のいわれを伝え聞きながら、子供たちは、ドレイデルを回して遊んだり、ラトケ(パンケーキ)を食べたり、
贈り物「マトネ」をもらったりします。そしてもちろん歌も歌います!
「ドレイデル」は伝統を楽しく伝えるための教育ツールなのですね。
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