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 曲に合うイラストを、と言う企画に参加して描いてみました。軍隊演舞曲→戦場で命を分け合う→白と黒の球、という感じでアイディアが広がりましたw
 
使用画材・鉛筆、Photoshop Elements 2.0


・小説、軍隊演舞曲 〜再会、白と黒の魂〜

俺は高校2年生、名前は拓斗だ。

夏休み前のテスト期間も終わって、ゲーム好きな俺は、久しぶりにゲーセンに行きたくなっていた、
「あの出来事」から数ヶ月経つ‥俺はそのおかげでゲームの楽しみ方が変わってきたみたいだ。
と、同時に授業や、普段の生活に対しても、意欲的になったと言うかな。とにかく俺は自分でも変わったんじゃないかと思っているのだ。


「よお、拓斗!テスト終わったし、久しぶりにゲーセン行かね?」
友人が話しかけて来た。
拓斗「おおっ、いいねえ。ゲームマスターの俺の力量を見せる時がやって来たな。」
友人「ゲームマスターって‥;」
拓斗「トグロも俺のゲームテリトリーの中には入れないからな!」
友人「トグロって誰だよ。」
拓斗「モンスターを集める方もやってるけどね、」
友人「もういいよ」
そんなこんなで俺達2人はゲーセンへと向かった。

そういえば、俺は友人には「あの出来事」は話してはいない。
別に隠しているわけではないが、胸の中にしまっておきたいという気持ちがあったからだ。
雑居ビルの2階、薄暗い空間の中に、雑然と並んだゲーム機がそれぞれけたたましい音を立てている。
友人が提案をしてくる、
「お前最近、弱くなってるから、格闘ゲームで対戦しようぜ。今なら俺も拓斗に勝てるかもな。」
拓斗「お前なあ‥;おとなしくなったとは言え、S級妖怪に、B級妖怪が勝てるわけ‥」「ん?」
拓斗はふと隣の台に目を止めた。見たことが無いゲームだ‥俺は全てのゲームをクリアしていると言っても過言ではない。その俺が知らないゲーム‥
何やら、好奇心と、獲物を見つけたような高揚感を感じていた。
拓斗が友人に告げる、
「悪りい、こっちを先にやらせてくれないか?」
友人「あ?ああ、」
やや不機嫌な様子だったが、納得してくれたようだ。
拓斗はゲーム台に座り込んだ、その刹那

「そこは対戦台だよ」
‥子供!?
拓斗が座った、向かい側の台に座っている。お坊ちゃん風の男の子みたいだ、小学生だろうか?
彼が喋り始めた
「この台とつながっているんだ。勝負するかい?」
拓斗「あっ、ああ‥」…どこかで合った気がするなと思っていると
子供がさらに発言してきた「退屈凌ぎにはしてくれよ。」
拓斗「なっ、何をっ!」
拓斗は荒々しくコインを投入した。

ゲーム台の上にいつのまにか「それ」はあった。
白と黒の球。
拓斗は動揺していた、(この球はまさか、あの時の‥)
しかし、動揺とは裏腹に、操られたかのように白と黒の球を見つめる自分がいた。
ゲーセンの雑音の中に混じって、その曲は聞こえて来た。管弦楽のような、行進のような、楽しげな円舞曲風のあの音楽だ。
黒い球から歪んだ空間が広がっていくと同時に、徐々に拓斗の頭の中で、あの時の曲が繰り返し再生されていく…
拓斗「うわああああああああ!」
拓斗はゲーム台のディスプレイに「軍隊円舞曲」の文字を見た気がした。


拓斗は荒野の中に立っていた。
「あの時のように異世界に入っちまったんだ‥。」
「おい。」
不意に後ろから声がして、拓斗は驚いた。「うわああっ!?」
拓斗「あれ?何で‥?」
友人が立っていた。「お前の前に現れた球を、俺も見ていたら、管弦楽のような音楽が聴こえてきて‥気が付いたらここに」
拓斗が答える「そうだったのか、、悪りいな、俺がやろうと言ったから‥。」「これは闇のゲームなんだ。」
友人「えっ!?デュエルのやつ?」
拓斗「じゃなくて;説明は難しいけど、白と黒の球を分け合って命を預ける。勇気と信頼が必要なゲームなんだ。」
友人「よく分からないけど、ただごとじゃあなさそうだな。」
拓斗「ああ‥多分あの子供を倒せばここを脱出できると思うんだけどな。」「そして向こうも同じように、こっちの命を狙って来ている。」

軍靴の足音がどこからともなく聞こえてきた。中世の兵士達がこちらに向かって行進して来ているではないか!
拓斗は叫んだ「何だこれはああああ!」
2人はとにかく逃げ出した。
気が付いたら二人は手に武器を持っていた、拓斗は短剣を、友人は槍を。
拓斗「やっぱ、これで戦えって事かよ‥」
友人「そのようだな‥」
剣を振りかざした兵士が、どこからともなく「湧いて」来た、友人に斬りかかってくる。
拓斗「危ねえ!」持っている短剣で、振り下ろされる剣を止めた。
拓斗「さあ、その槍でこいつを!」
友人「えっ‥さ「刺す」のか?」
拓斗「早くしろよ!」
友人「う、うわああああああああ!」
槍が、兵士の上半身を貫いた。藁人形に刃物を通すような感触に近いだろうか、、
兵士がゆっくりと崩れ落ちる。
友人「あ、ああ‥」彼は始めての感覚に、震えている。
拓斗「悪りい、こんなことをさせてしまって。」
友人「な、何なんだよ!ここは‥」
拓斗「‥何かここから学ぶべき事があるはずなんだ。俺達に…」拓斗はあの時の中年の男性の事を思い出していた。
友人「学ぶべき事って?」
「‥お前が変なゲームをやろうと言い出すから」
拓斗「そ‥それは。」「‥お前もゲーセンに誘ったじゃ」
友人「何を!」「俺はただ、格ゲーで対戦したかっただけなのに‥」
拓斗「お前の強さじゃあ、物足りないんだよ!」
友人「!?」

「お互いを信頼できないと、真実に辿り着く事はできない」
そこにはあの子供が立っていた。
突然の出現に、2人は驚く
人を刺してしまった恐怖感と、口論による興奮とで、友人はとっさに槍を凶器として使った。
「うおおおおおおおおおおお!」
槍は命中し、子供は簡単に倒れる。
友人「ははっ、これで元の世界に帰れる…」

2人の背後から声がする
子供「それは、許す事であり、足並みを合わせる事である。一人だけが出来ても意味は無い。」
子供が無傷で立っているではないか
友人「なっ;」

気が付けば弓矢部隊に周りを360度囲まれていた、紛れも無く2人を狙っている。
弓矢が発射された、拓斗の右腕をかすめる。
拓斗「痛!?」
友人「ああっ!もう駄目だ‥」

何故かこの状況の中で、拓斗の頭の中は不思議と冷静だった。
(信頼、許す事、足並みを合わせる事か‥)
拓斗「ここから、一緒に出よう。」
友人「えっ!?」
拓斗「俺が身勝手だった、済まない…少し俺を信じて、手を貸して欲しいんだ。」
友人「てっ、手を貸すって‥?」
拓斗「武器を捨てて、あいつらに進んで行こう!」静かだが、力強い調子でそう呟いた。
友人「なっ、、何を言っているんだ!?」
拓斗「信じられないかも知れないが、あいつらは全て幻なんだ。しかし意思の力はここでは唯一の真実となる」
「間違っていたら、ノートに俺の名前を書いて、手柄にしてくれて構わないから。今は信じて欲しい。」
友人「‥こんな時に何を;分かった、分かったよ。お前を信じるよ!命を預けたぞ。」
くだらない冗談で、逆に普段の平常心を取り戻したようだ。

2人は武器を捨てて、弓矢部隊の方向に歩いて向かっていく、
拓斗「一緒にここを出ることだけを考えよう」
友人「ああ。‥俺も悪かったよ、つい全部お前のせいにしてしまって。」
拓斗「コーラ1本な」
友人「ここで言うのが凄いな‥;」

兵士が弓を構えて、友人に放ってきた。
友人「うわああああああああ!」友人は覚悟をしていた、しかしその中には拓斗を信頼出来たので、どちらの結果になろうと悔いは無いという気持ちが確かに存在していた。
友人「!?……‥」「痛くない‥」
(確かに自分の体に刺さっているが、痛みを感じない。本当に幻なんだ、、)
そして刺さった弓が、段々と透明になり消えていくではないか。
友人「消えていく‥」
いつの間にか、2人の手のひらには白い球があった。
拓斗「お互いの歩調を意識し、合わせる事によって大事な事が見えてくるんだ。
相手の目線に立つ事や、相手の立場で物事を考える事が許す事につながるのではないか、、
共に考えて、学んで行こう・・・」
拓斗はそう呟いた。
そうすると、白い球から光の空間が出現し、2人を包み大きく広がっていった。


……気が付いたら、俺達はゲーセンの台の前にもとどおり座っていた。
2つの球が台の上に転がっている‥

そして、対戦台の向こう側には、「あの時」の中年の男が座っていた。
拓斗「あれ?あなたはあの時の、渡辺‥さん?」
渡辺は静かに口を開く「ゲームクリアだ。。おめでとう」
拓斗「あの子供はあなただったのか‥」
渡辺「あれから私も気になっていてね、、様子を見に来てみた訳だ」
「君たちは、お互いを信頼して、ここに無事戻ってくる事が出来た
人はつい自分中心な考えに流されてしまう時がある。その時に冷静に相手の立場に立てずに、破綻してしまう人間も多い‥
相手を思いやる気持ちが、信頼や幸せな未来に繋がって行く事を覚えていて欲しい。
君たちの人生のゲームを遠くから見守らせてもらうよ‥」

渡辺は立ち上がると、ファントムのようにすうーっと姿を消した。
拓斗「渡辺さん!あな‥」
「‥…ありがとう」



ーそれからー
あれから、相変わらず俺はゲームセンターに通っている、
最近は色んな人と対戦する事に凝っているかな‥お互い次の手を読みあうのが面白いんだ、ハンデは付けるけどね。
世界観や、人物像、それにゲームを通して触れ合う奥深さを楽しめるようになってきたかな、
色んなことがあったけれど、俺、やっぱりゲームが好きです。
実は部活や、バイトも始めたいと思ってるんだ、
人生というゲームをもっと楽しんでみたい、なんてね。


ーEndー


自分のイラストから、いかじゅう様がさらに小説を付けてくださいました。
こちら 音楽を絵にする企画作品(小説:軍隊円舞曲〜白と黒の魂)
その小説に感動して、続編?なるものを書いた次第です。w
元々の話の流れを大切にしながら、信頼というキーワードに焦点を当ててみました。
後は微妙な笑いの要素なども足したりしましたwイラストの中の手前の人物が拓斗で、奥の人が渡辺です^^;
イラストや小説の元になった、軍隊円舞曲という音楽作品はこちらから試聴出来ます。怪しいMP3曲集
情景を思い浮かばせてくれる、素晴らしい曲なので是非聞いてみてください。