
PHOTO by Lucyさん (只今、休止中)
ぼく ここにいるよ
一服しようと内ポケットから
机にタバコとライターを、放り投げる
ふいに箱から アイツが顔を出した
目をこするが消えない
なんか 笑いかけられているようだ
タバコの箱を見ながら
机をコツコツとたたく
メガネをはずして ハンカチで拭く
いつからこんな幻影が見えるようになったんだろう
あのサイトをのぞいた日からだろうか
同僚などに言ったら マジな顔で
精神科に行けと 言われるのがおちだ
けして人に言えることではない
俺はそのままタバコを内ポケットにしまいこみ、
PCのキーをたたきはじめた
2002.8.24
彼は見られていた
彼のはす向かいにすわっていた
女は、書類に目を通すふうでいながら
その様子をすっかり見ていた
放り出したタバコを見ながら
微笑んでいたかと思えば
何やら大切そうにタバコを
内ポケットにそっとしまいこんでいる
彼は私と話すときに
いつもメガネの奥から
つきとおすような冷たい視線で見る
私はそのたびに視線をはずしてしまう
私はいつも「ペコちゃん」状態になってしまっている
そういうヤツが最近はPCの画面を見ながら
なにやら微笑んでいたりする。
PCにいつもニガイものでも食べたような顔して向き合ってる
ヤツがそんななのは気味の悪い情景である。
・・・こんど部内の飲み会があるから、白状させてやるか。女はそのかわいげのない、社内でも有数のコンピューターお宅のボサボサ頭に視線を送った。
2002.8.27
「最近、タバコすわないね
この間は、タバコの箱見ながら
ぼーっとしてたけど、どーしたの
何かヘンだよ」
今夜の彼女は
ベージュのノースリーブと
シンプルなよそおいだが、
よく似合っている
俺は俺で、サラダの間から、
アレが顔でも出してきたら
どうしようかと
溶けたウイスキーのグラスを相手に
時間をつぶしている。
部内のおもしろくもない、飲み会に
つきあわされるのも、毎度のことながら
かったるいことである。こんなことなら、
部屋で”ルナちゃん育成げーむ”でもやってる
ほうがよっぽどいい、と思っていたら
めずらしく、彼女が寄ってきた
と思ったら、なんてこった、
誰にも気付かれていないと、思っていたのに・・
目を泳がせながらも
「いやっ、ちょっと禁煙してるんだ」
「ふぅーん]と、全然信用してない
顔でのぞきこんでくる。
「何か困ったことがあったら、
お姉ーさんに相談するのよぉ」
いつから、君はお姉さんになったんだ
「あぁ、よろしくな」
「ウィスキー、それとけちゃってるじゃない
あたらしく作ってあげるね」
彼女は、科学の実験よろしく作りはじめる。
なんか、いつもと違うなぁ。
俺は
きゃしゃな指先に視線をとられながら
どこか、安堵を感じていた。
※「ルナちゃん育成げーむ」は、存在しません。
2003.3.27
なんとなく様子が気になるので
彼がぼーっとしているときには、声をかけるようにしている。
ある日の、もうすぐお昼かなぁっていうとき、
「おい、昼飯つきあえっ」
(それが、女を誘うときの、ことばぁ)
「おごってくれるなら、つきあってあげてもいいわよ」
「いくぞっ」と、えばって勝手にずんずん前に行ってしまったので
しょうがない、あたしはちょろちょろとあとをくっついていった。
ビルの一角にある小洒落たレストランのテラス席、
やわらかい日差しが木々の間をぬってそそいでいる。
どうも、妙なんだな。彼は食事の間も、サラダの葉をのぞきこんだりしている。
こんな妙なのを、ほったらかしにすることは、あたしはできない。
こんなやつを、私以外誰が看てやれるでしょう。
わたしは、けっこうやさしい女なんだ。 2005.2.13
第三話 終章
200X年5月 都内某ホテルのパーティ会場では、一組の
結婚披露宴がおこなわれている。
暗い会場にライトアップされたウェディングケーキ
今まさに入刀が行われようとしている
そのとき新郎である彼は、目を疑った。
真っ白な羽根を、はばたせながら、アイツが
ウェディングケーキの上を走り回っている。
ときどき、ころんで、おでこや
ほっぺに白いクリームをつけて
彼に、Vサインまで おくってくる。
「君のおかげだよ」
彼は、小さくつぶやいた
そっと ふたりで ケーキにナイフを入れる。
高らかに、ファンファーレが鳴り響き
二人は歓声とフラッシュにつつまれる。
「チリリッ」
・・なんでベルが鳴るんだ
「チリリッ チリリン」 うっさいなっ
ん?明るい まぶしい 朝ッと
あ゛ー 夢!!
それにしても、彼女は・・ アノ娘だよなぁ おわり
2003.4.24
〔この言葉たちはLucyさんのサイトのPhotograph Kewpie 32からのイメージです〕
http://babu.com/~bar/
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Lucyさんのサイト訪問から生まれた言葉達「第三弾」です。