THE Münch (ザ・ミュンヒ


珈琲仙人と私が勝手に名付けた田中完枝(カンジ)さんのお店( THE Münch )は、大阪府八尾市の住宅街の中にある。








スペースは狭いものの駐車場も一応隣接している。

いただいたパンフレットの8ページ目に【当店独自の本当の珈琲店の条件】が載っていた。





1981年の開店、現在のような珈琲だけのスタイルの店となって、今年(2005年)で20年目を迎えた。

このコーヒーだけのスタイルがまたすごい。

メニューによれば、全部でコーヒーが80種類を超える(ストレートから田中氏の創作コーヒーまで幅広く、メニューが5ページにも及ぶ)

まず、「マニア向き」と「一般向き」に分かれ、「マニア向き」のコーヒーを希望する場合、

「急がれる方は電話で予約をしてください」
との注意書きが書かれている。

抽出はすべてネル出しだが、特にデミタスコーヒー(約30ml~60ml)で提供されるこの「マニア向き」の創作抽出コーヒーには、提供されるまでの予定時間が記入されていて、早いもので20分くらい、時間がかかるものは50分くらいとある。

残念ながら私は予約なしで伺ったので(マニアでもなんでもない、いちコーヒー・ファンなので)一般向きの創作抽出コーヒーである【スパルタン】をいただいた。


 器は古伊万里。


この創作抽出コーヒーなるもの、どのようにつくられるのかというと以下のとおりである。

① 珈琲豆を1人分35~60g使用。

② それを細挽きにする。

③ ネルを用いて、80~85℃のお湯を使う。

④ 15~50分かけて点滴抽出する。

というもの。

普通の珈琲店でこんなに気の長い抽出をしていたら、客の回転が悪く経営ベースに乗らないのは明らか。


で、実際に飲んでみると、

① 珈琲のエキスを飲んでいる感じがする

② エキスにとろみがあって(原液を薄めずに飲んでいる印象)

③ 濃厚なエキスからも珈琲の甘みを感じる

とまあ、これまでの常識を覆すコーヒーなのであった。

もちろん、砂糖やミルクなどはなしで提供される。

中でもこのスパルタンは特に、1kgの豆を使用しながら抽出量はたったの100mlのみ。

出てきた器にはシングルで20mlしか入っていない(因みにこれはヤクルトの容器の3分の1以下である)

そして価格は1200円。

器はグラスはバカラ、陶磁器はマイセンを使用している。


 水出し珈琲器具が4台並ぶ。

店内には日本に1台という名車、THE Münchが展示されている(勿論完動品)

また、オーディオもluxmanのアンプを中心に凝ったコンポーネントである。

因みに私が伺った時にお客は私だけ。

相手をしていただいて1時間30分以上お話をした。

その中で、あまたある珈琲店の方針と一線を画す経営哲学を感じ、共感するものがあった。

それは、一般家庭にも普及しているレギュラー・コーヒーの極致を目指しながらも、唯我独尊に陥らず、コーヒーだけで商売として成り立っている点にある。

家庭では実現し得ないコーヒー=わざわざ足を運ぶ価値のある店

としての矜持をひしひしと感じた次第。

もはやここのコーヒーは仙人の域である。

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基礎データ

店名:THE Münch(ザ・ミュンヒ)

場所:大阪府八尾市刑部2-386

電話番号:0729-96-0300
(予め電話をしてから伺った方がよいと思います。)

アクセス:近鉄大阪線高安駅下車、玉串川沿いを曙橋まで南下し、右折西行き。