震災異聞

阪神大震災逸話集
【第1集】 何が起きたのか
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   1 とんでもないことが起こった
 身体がぶっ飛ぶほどの爆発的衝撃だった。窓の外に青白い閃光が見えた。核戦争か、もうダメか、死ぬのかと思ったが、やがて揺れはおさまった。
 家はマンションの八階で一室でこわくて震えていたが、逃げなければと気を取り直して、真っ暗な屋外階段を手探りで降りて地上へ出てみると、隣の棟は一階のピロティが潰れて建物全体が傾いていた。それを見て急に腰が抜けた。
 明るくなって家に戻ると、家具が倒れて室内はめちゃめちゃで足の踏み場もない有様になっていた。
 バルコニーから見るとあたり一帯の家屋が潰れている。あちこちで火災の煙が立ち上るのが見える。
 後で分かったことだが、バスユニットの浴槽の蓋が見あたらないので、何の気なしに上を見ると、それが天井に張りついていた。
 ほんとうに、とんでもないことが起こってしまった。


   2 煙突直撃のこと
 古い洋館建ちの家屋である。地震の時、あまりの衝撃で何が起こったか分からなかった。家が傾いて、命からがら逃げ出した。
 明るくなって家を覗くと、煉瓦づくりの大きな煙突が、一階の床に突き刺さるように転がっていた。上を見ると空が見える。
 煙突は衝撃でいったん空に舞い上がり、それから弧を描いて爆弾のように落下して、屋根を突き破って一階まで突き抜けたらしい。

【余 談】
X上下動がすごかったな。
Y腰は抜けなかったが、しばらく呆然、だったな。
Zとにかく、みんな無事でよかった。


   3 生きたまま肉親を焼くこと
 地震後、急いで駆けつけると、母親は潰れた家の下敷きになっていた。
 幸いにも、まだ彼女は生きていて、声のみで姿が見えないが、たしかに助けを求めている。
 助けようとしたが、一人や二人の力では倒壊した家屋の屋根を動かすことはできない。重機(クレーン)が必要だが、そんなものはない。見ず知らずの人々も応援してくれたが、いかんともしがたい。
 母親を励ますのだが、いたずらに時が過ぎて、やがて街を舐め尽くしながら火の手が迫ってきた。
 気が狂ったようになって素手で掘り返そうとしたが、やがて母親の声は、
「ありがとう。わたしのことはもういいから逃げなさい、あんたまで死なせるわけにいかんから」と言った。
 火の勢いに押されながらじりじりとその場を後退し、そして火が家を包むのを茫然と見守るほかなく、申し訳ないと合掌するしかなかった。翌日鎮火して後、くすぶる焼け跡で骨を拾った。


   4 究極の選択に洩れること
 家族が生き埋めになった現場で救出しようとしていたが、通る人の誰も手伝ってくれる者がいない。
 警官が数人走って来るので、呼び止めて助けてくれるように頼むが、
 「生きているのか」
 「声が聞こえるのか」
と言うので、
 「分からない。大怪我をして声も出ない状態かもしれん」と答えた。
 すると、
 「悪いけどなあ、向こうに生存者がある。我々はそちらを優先する」
と言って、走り去ってしまった。
 その後も、声をかけながら何とか壁を壊し続けたが、潰れた家の中からは応答はなかった。疲れ果てて道に座り込んで、家を見守っていて、夜が明けた。

【余 談】
Zこういう話は山ほどある。山ほどあるが、どれもこれも悲惨な場面だ。
X無数の悲劇があった。喪失の問題。近親・友人の死亡。家の倒壊・焼失。喪失はいろいろだ。
Y喪失だけではない。その後に、ひどい罪責感情がやってくる。
X生き残ってしまったということ、ね。


   5 遺体誤認のこと
 地震発生後、一人暮らしの母親の家に駆けつけたら、近所一帯の家が潰れていて、母親の家も全壊し屋根だけになっていた。
 警察の人が現場から遺体を掘り出してくれたが、損傷がひどくて目も当てられないほど無惨な死体だった。それでも気を取り直して翌日葬式を挙げた。
 しかし妹が、泣きながら、
 「あのお母さんが死ぬはずがない。生きているような気がする」と、しきりに言う。
 もうあきらめろ、と皆でなだめたが、どうにも彼女はおさまらない。
 その葬式の翌日、死んだはずの母親がひょっこり出てきた。助けられて近所で避難していたとのこと。皆は驚くやら泣いて喜ぶやら、ともあれ母親は無事だったのである。
 すると、
 「私らが葬式を挙げた人は誰や」
ということになったが、後で知れたのは、隣家にたまたま来ていたその家の親戚のオバさんだったということである。

【余 談】
Yこういう話もあった。隣家も自宅も崩壊して入り乱れていた。取り乱して、早とちりで他人の葬式をしてしまったという話。悲喜劇というべきか。
X悲喜劇というか、笑う元気があればいいのだが。


   6 心の余震のおさまらぬこと
 余震が続いている間はほとんど眠れなかった。
 揺れる度にパニック状態になる。十日たってようやく余震がおさまっても、悪夢のような瞬間が不意にやってくる。どこにいても地震の不安が首をもたげる。心の余震はおさまらない。
 寝ていると上からどっと押し潰されるような気がして、とても寝てはいられない。だから屋外にテントを張ってそこで寝ている。

【余 談】
Z揺れる度にパニック状態になる、というのは、誰も同じだが、とくにひどい人もいるなあ。
Y余震で心が揺さぶられる。余震は小さくなったが、心のパニックはどんどん大きくなる。見ていて、つらい。


   7 一家崩壊のこと
 爪に灯をともすように始末して、昨年ようやく父親が建てた、念願のわが家。そこに息子一家も呼び寄せて、三世代が同居して暮らしていた。
 その家が地震で全壊した。皆無事だったが、息子の職場が倒壊して、あっさり首を切られ失業した。嫁は子供をおいたまま、実家へ逃げてしまった。
 老いた父親は、精神に異常をきたし、「地震はなかった」と言い張っている。

【余 談】
X壊れたのは物理的なものだけではない。社会的なコンストラクションが壊れたし、心のコンストラクションも壊れた。
Zあまりのつらさに、心は状況を否認する。


   8 地震はなかったとすること
 震災後、地震はなかったと否認する者が、年齢を問わず多く発生した。
 避難所で、ある老人が、
 「みんな、どうしてこんなところにいるんだ、早く家に帰ろう」と言う。
 家は潰れた、と家族が何度諭しても聞かない。
 またある小学生は、
 「地震などなかった。あの朝、僕は確かにコンピュータゲームをして遊んでいた。家へ帰ってゲームをしたい」と言ってきかない。
 家は倒壊して全焼していた。その子は地震で、大事なゲームソフトをすべて失ってしまっていた

【余 談】
Yトラウマティックな事件、恐るべきリアルなものに遭遇して、心の防衛メカニズムが働く。で、「地震はなかった」ということにする。
Z災厄は快楽のイマジナリーな時間に置き換えられている。ファンタジーはいかにリアルなものの出現を隠蔽できるか、だね。


   9 記憶喪失のこと
 明石の駅前で、様子のおかしい女性が保護された。
 尋ねてみると、自分の姓名・住所も分からなくなっている。地震のショックで記憶喪失になったらしい。
 とりあえず病院に運んで保護しているが、誰か彼女を知る縁者からの届けを待っているそうな。


   10 心に重傷あること
 地震以来、心因反応を起こして、何ものどを通らなくなって、骨と皮だけになり、生命に危険なほど痩せてしまった人もある。食べさせようとしても吐いてしまうので、入院させて点滴で命をつないでいる。
 もっと重症なのは、ほとんど反応をなくし、人形のように無言のまま横たわっている患者である。本人は地震の時に被災地にはいなくて助かったが、家族が全滅したと知って、たちまちこういう状態になってしまったということである。

【余 談】
X震災によって、身体的な負傷はなかったものの、心に深い傷を負った人が少なくない。
Zこのトラウマ、どうすればいいんだ。
Y治せる人手も足りない。


   11 死んで妻の元へ帰った男のこと
 地震後次々に死者の姓名が報じられた。身元不明者も多くいたが、中には死んではじめて縁者に所在が知れた人もある。
 その死体は、ほとんど焼けていて腹部だけで本人と確認できたような有様であるが、それでも死亡者リストに登録され広報された。夫の名を、死亡者リストからたまたま見つけた人が、妻に知らせてくれた。
 夫は四半世紀前に家を出たきり、その間失踪し「蒸発」していた。妻は夫の不在の間、自力で生計を立て、子供を育てて成人させた。夫は、かくも長き不在の後、骨になって帰宅した、というわけ。


   12 夫が愛人の元に走ること
 神戸に愛人がいた夫は、地震が発生した朝、神戸震度6という報知をテレビで確認すると、妻の制止を振り切って、すぐさま車で家を飛び出し、東へ走った。
 神戸の町は、地震直後のことで、火災はまだ大規模化しておらず、災厄の不気味な静寂が支配していた。道路はいたるところで陥没していたが、彼はどうにか、愛人が住むマンションにたどりついた。
 建物は倒壊していた。それでも彼は、瓦礫の山から女を救出し、西にとって返すと、その日のうちに新しくマンションを借り、彼女をそこに住まわせ、そしてそのまま、そこで同棲生活を始め、家に帰らなくなった。
 妻は、そのため身体にヒステリー症状が出てきた。

【余 談】
X震災によって、家族の本質が露呈した。
Yこういう話も、けっこう多いね。それまで隠蔽されていただけだ。危機はつねにすでに内在していた、というわけだ。
Z震災のおかげで、ということは、おおむねマイナスの意味だが、こういう複雑な効果/結果をもたらす場合もある。


   13 運不運のこと
 地震の数日前、交通事故で追突されて負傷した人があった。
 救急車に乗せられて、たらい回しにされたあげく、運び込まれたところは、自宅から30キロも離れた神戸の市立病院だった。
 妻の実家は、たまたまその病院の近所にあった。だから幸運だったかもしれない。
 しかし地震が起きると、この病院は中間階部分が押しつぶされた。彼が収容されていたのは、潰れた階だった。押し潰されて死んだ患者も出た。それでも彼は、かろうじて命は助かった。
 とはいうものの、彼は病院でひどい重傷を負ってしまった。交通事故に遭遇したのは、たまたま神戸に所用があったためで、救急車に運ばれて病院に収容されてしまったから、ようするに地震に遭いに行ったようなものである。
 神戸から離れた自宅の方は無事だったが、妻の実家は被災した。地震後、妻は大急ぎで自分の両親と犬を救出しに行き、無事彼らを自分の家に避難させた。
 知り合いから、
 「それで、ご主人は?」
と聞かれた彼女は、そのときはじめて、夫が実家の近所の病院に入院中だったことを思い出した。
 それでも両親が「行くと危ない」というので、安否確認だけで、見舞いもしなかったところ、遠方から夫の母親が来て、神戸の被災病院に駆けつけ、その日の内に、息子を故郷の病院へ移した。後遺症の心配ありとのことである。
 後日談がある。その後、夫の実家から離縁の話が出てきた。それに対し彼女は、離婚届に判を捺すより先に、見合いをして次の夫を決め、離婚の条件として家を取り、震災後だから高く売れるというので、それを早速売り飛ばすらしい。
 交通事故・震災・後遺症・離婚と、たしかに運の悪い男だが、それでも命が助かったし、このさい悪妻を厄介払いできてよかった、という人もある。

【余 談】
Zこれは、すごい。ドラマティック。
X運の良し悪しは、一概には言えないものだ、という話。


   14 車を家とすること
 家が潰れて一家4人避難所に行ったが、遅かったので避難所からさえあぶれてしまった。
 避難所を3つ回ったがどこも満員で、結局最初の夜は学校の廊下に寝た。あまり寒かったので次の日から車の中で寝ている。
 震災のとき、あんがい車というものが役に立った。車でどこへ行くというのでもないが、マイカーがマイハウスになった、という次第である。
 避難所ではプライバシーが守れない、といって出ていった家族も多い。避難所よりも車の方がマシだというのである。

【余 談】
Yあんがい、車というものが役に立ったな。車でどこへ行くというのでもないが、マイカーはマイハウスになった、というわけ。
X避難所の雑居生活ではプライバシーが守れない、といって出ていった人たちも多い。避難所では私的空間が維持できないということ。


   15 高層マンション投げ売りのこと
 正直言えば、金もできたし、ステイタスシンボルとして高層マンションの最上階の住居を購入した。そこに住んで嬉しそうに下界を見下ろしていたが、今回の地震で、エレベーターが使えず住めなくなった。
 電気は復旧したが水はなく、一回だけポリタンクの水を何十階の階段で運んで、へとへとになって懲りた。以来、そこには帰っていない。
 もう高層マンションには絶対住まない。この物件は誰かに売りたいがどうだろう、とのこと。

【余 談】
Z住人の足腰の鍛錬になるのがメリットだが、しかし、アスレチックが目的の施設ではないのだから、これは不可。値下がり必至だが、買い手はなきにしもあらずか。
Xというわけで、高層マンションに投げ売り物件が多く出たな。


   16 ふりだしに戻ること
 震災後、避難所にいたが、夫の実家で苦境を気にかけて、来いと言ってくれたので、一家でそちらに疎開させてもらった。
 同居は、はじめのうちはよかったが、日が経つにつれて、何かぎくしゃくしたものが出てきて、やがて口をきいてくれなくなった。
 息が詰まるようなので、疎開先からまた神戸の被災地に戻ってきた。ふりだしに戻ってしまって、どうすればいいか分からない、とのこと。

【余 談】
Xこのケースでは、たとえ夫の実家であっても、長期にわたって寄食させる余裕はない。田舎の許容量は昔と違って小さくなっている。
Zそのように疎開できないほど田舎の許容量を小さくしてしまったのは、人情の問題ではなく、純粋に経済的問題だ。
Y田舎でも、食糧材料のほとんどを自前で作らず買う時代、戦前の疎開のような具合にはいかなくなった。


   17 日本壊滅?のこと
 東京でも、海外の関係者から「日本は大丈夫か」という電話FAXが殺到した。海外のテレビ報道では、まるで日本列島全体が被災したかのようである。
 グローバルな視点から見れば、たしかに日本は小さい国である。東京も関西もごく近いような地理的イメージである。
 狭い国だが、実は広いのだ、とかなんとか、要領の得ない説明をしていた。


   18 外国紙嘲笑のこと
 地震で多くの建造物が倒壊した。それによって土木建築技術の安全神話も倒壊した。
 それまでは、日本の建築関係者は、諸外国の地震被害を指して、
 「日本では絶対にあんなことは起こらない」と笑っていたのである。
 ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト等、海外紙の阪神大震災に対するダイレクトな反応は、一言でいうと、
 「それみたことか」という論調だった。
 カリフォルニアの震災に対して日本側から、アメリカの耐震基準はなっていない、それに引き替え日本の建造物は絶対安全だ、という話が何度も繰り返された。今回はそれへの逆襲のようなものである。
 論調が揶揄から救援に変わったのは、彼らがひとしきり「それみたことか」をやった後である。

【余 談】
Zたしかに日本の耐震基準は世界中で最強の水準で、世界一般基準の四倍程度の力に耐え得ることを要求するきつい基準。今回の地震は、その最強水準を嘲笑するかのように、多くの建造物を倒壊させた。破壊状況をみれば、今回は関東大震災どころの地震ではなかったようだ。
Y建物の壊れ方を見ると、たしかに途方もない力が作用したことが知れる。建築屋の話では、とくに垂直方向と水平方向の大きな力が同時に作用して、信じられないような壊れ方をしている。これまで見たこともないような壊れ方もある。それは建物の中間階が潰れるという壊れ方だ。これは垂直方向に巨大な力がかかったためである。こういう力の作用は耐震設計には織り込まれてはいない、というがね。
Xたとえば、芦屋浜の高層住宅。4500トンの引張力に耐えられる鋼鉄主柱が、スッパリ切断されているのを見るとき、設計家たちは、そこに作用した力の大きさに戦慄し魅惑される。この魅惑は、想像を超えるものの出現に捕捉されているということだよ。


   19 大規模破壊実験のこと
 阪神大地震で最も興奮した種族は、土木建築関係者である。現実の百万都市を舞台にして壮大な破壊実験が行われたようなものだから。
 「これは、これは」
 「かっこうの大規模破壊実験だな」
 ヘルメットをかぶり、感動の面もちで被災地を徘徊し、カメラで破壊現場を撮影しまくっていたのは彼らである。

【余 談】
Y震災は彼らを狂喜させたようだね。破壊のさまを、うっとりと恍惚の眼差しで見つめる連中がいた。こういう技術的な関心の前では、被災の社会的問題は色あせてしまうな。
Z技術者のこの熱狂は、ほとんど野放し状態だった。まさに千載一遇のチャンスなんだよ。
Xこれが確率の問題で、百年に一度か千年に一度か、の経験値があれば、公的施設は千年基準、民間施設は百年基準とする振り分けが可能だが、大地震はそいう経験値を無効にする。確率は千年に一度でも、2年続けて起きることを排除するものではない。いつ起きても不思議ではない、ということでしかない。今回の震災などは狭い地域なのに被害状況は一律ではなく、ほぼ偶然に左右されている。
Zではどうするか。そういう偶然性を統御しうる論理もテクもない。今回の震災ではあらゆるものの脆弱さが露呈した。


   20 明石大橋記録更新のこと
 明石海峡またいで建設中の本四架橋は、世界一の吊り橋である。
 今回の地震で橋台が一メートル以上も動き、橋のスパン(橋台間の距離)が拡がってしまった。竣工以前に自己の世界記録を更新してしまったという、わけのわからない話。
 メインケーブルを張り終えていたので、それに引っ張られて二つの主塔も西へ傾いてしまった。ミリ単位の精緻な建設技術が売り物だったが、メートル単位でズレてしまったのである。大丈夫なのか。
 加えて、この橋の基礎工事が地盤を刺激して、今度の地震となったのでは、とは素人の疑惑。

【余 談】
X明石海峡大橋の橋台が動いたとすれば、橋塔の立場が変わった。メインケーブルを張ったままだから、相当な内部応力、ストレスが発生しているだろう。明石大橋は歯を食いしばって耐えている。
Z人間も同じで、関係のしがらみの中で立場が変わるとストレスが起きる。その関係のしがらみは、吊り橋のケーブルのようなものだ。それが断ち切れないまま変位して動くからストレスが起きる。身軽な人は簡単に動けても、関係の絆に緊縛されていると動くのも変わるのも大儀になる。
Y明石大橋は吊り橋だから、バランスをとって立っている。ケーブルのテンションを調整するなりして、よけいな応力を取ってやらねばならない。怪物的なスケールの橋ではあるが、他人事ではないよ、というアレゴリカルな話。
Zそんな力学のアナロジーで、心理学は成立しているがね。


   21 眩暈する街のこと
 街はいたるところで建物が壊れ、傾いている。歩いていると、何だか気分が悪くなった。
 建物や電柱が傾いてしまっているので、垂直方向が定まらず、平衡感覚がおかしくなったらしい。
 眩暈がして立っておれず、しゃがみ込んだが、吐きそうになった。

【余 談】
Xいまだに、そうだね。町の風景に慣れることはできない。
Z平衡感覚が失われる感じがする。




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