アッガイ系MS

 MSM-03ゴッグに続くジオン公国軍の水中型MSとしてジオニック社で開発された機体。MS-06ザクシリーズとの部品共用度が高く、低コストで生産することが可能。そのため、偵察や水中型MS転換訓練機などの裏方的任務に使用された。
 コクピット内は広く、二名程度の乗員を乗せることが可能で、上陸艇的な役割も果たす。

 ゴッグに比べてビーム兵器運用能力が低いなどの欠点もあるが、水中での偵察任務や、偵察員の上陸艇代用としては高い威力を発揮した。特に敵地の海岸への上陸を秘密裏に行い、工作員を降ろし、あるいは収容させるなどの諜報活動では重宝されていた。
 ジャブロー侵攻作戦時には連邦軍MS工場の探索と破壊工作に従事したが、この作戦は失敗に終わり、作戦に参加した機体は全機撃破されてしまった。

 また、A型を基本にジャブロー侵攻作戦用の改良が施されたアッグ・シリーズなどの発展型も開発され、機体バリエーションも多い。格闘戦に特化したN型、砲撃戦に特化したG型、探査能力を強化したR型、掘削用特殊工作MSEMS-05などがそれにあたる。


 機種一覧

 MSM-04Aアッガイ
 MSM-04Bアッガイ
 MSM-04Cアッガイ
 MSM-04Gジュアッグ
 MSM-04Jジュアッグ
 MSM-04Nアックガイ
 MSM-04Sアックガイ
 MSM-04Rガネーシャ
 EMS-05アッグ


 MSM-04Aアッガイ

 一年戦争初期、宇宙国家であるジオン公国軍が地球侵攻作戦を実行に移す際、問題となったのが地球の表面の約70%近くを占める海上での軍事行動であった。
 大陸間の大量物資輸送は宇宙世紀の時代に入っても海上輸送が主力であり、大陸制圧後、大陸間でのシーレーンの確保と、それとは逆に敵軍の海上輸送の破壊、機能停止が最重要課題の一つとなっていた。
 また、インド洋ディエゴ・ガルシア島や太平洋ハワイ諸島、大西洋アゾレス諸島といった広範囲の海洋上に点在する諸島には連邦軍基地が必ずといっていいほど設営されており、これらの軍事施設を制圧するためにジオン軍も海軍戦力を持たなければならなかった。

 その中で、ジオン軍では早い段階より水中での行動が可能な水陸両用MSの基礎開発を続けており、MS-06M-2(MSM-01)水中型ザク、MSM-02コングを経てジオン軍初の本格水中用MS、MSM-03Bゴッグがロールアウトした。
 しかし、水中でのMSの操縦は宇宙、地上とも違う独特な機動・操作を行うため、水中用MS訓練機が必要となっていた。

 しかし、新鋭機であるゴッグの生産は開始されたばかりで、同機をベースとした教習機を同時に生産する余裕はなかった。ゴッグはすでに地球上で作戦行動を開始したジオン軍潜水部隊に優先して実戦配備を行わなければならず、訓練用として後方で遊ばせておくことはできなかったのだ。
 また、ゴッグはビーム兵器を稼動させるために機構が複雑で、生産性が悪いという欠点を持ち合わせていた。後方での訓練用にゴッグを量産することはまず不可能であった。

 そこで、ジオン軍上層部は生産性の悪いゴッグを補佐し、訓練機として活用できる簡易量産機の開発をジオニック社に指示した。宇宙軍、及び陸上部隊向けのザクの生産で手一杯だったジオニック社は、ジェネレーターや武装の一部にMS-05/MS-06ザクのパーツを流用することでコスト削減を目指した簡易量産型水中用MSを開発した。それがMSM-04Aアッガイなのである。

 ジオニック社では以前にも水中型ザクの開発に従事していたこともあって、水中用MSに関するデータをある程度蓄積しており、それらの資産をアッガイ開発に生かすことができたという。
 機体の姿勢制御を司るOSは水中型ザクから得られたデータを元にMSM-02コングMSM-03Aプロトタイプ・ゴッグでの運用テストで得られたノウハウがフィードバックされている。
 水中内での機動はより本格的な水中機であるゴッグより多少劣るものの、操縦訓練機としては最適な機体として完成している。

 アッガイは先の水中型ザクと比べ、人形から離れた有機的なフォルムとなっているのが最大の特徴と言える。これは先述のゴッグシリーズや後発のMSM-07ズゴッグと同様、ビーム兵器や魚雷などの武装を全て機体内に内装していることや、水中航行時の整流効果、ジェネレーターの複数搭載等を含めた結果である。

 また、有機的なラインは水中を探索する連邦海軍の潜水艦のソナーや、ドン・エスカルゴ哨戒機の電子の眼を誤魔化し、鯨などの大型の海洋生物に誤認させるという副次的な効果ももたらした。

 生産性を徹底的に上げるために、頭部モノアイは全周回式とし、首は胴体に固定、回転しない形となった。モノアイが360度回転するため、首の回転が必要なしと判断されたための処置だが、これは可動部を減らし、生産性を上げると同時に水中航行時の整流効果の向上を狙ったものと思われる。

 初期生産型はA型と呼ばれ、完全な訓練機として完成した。武装は一切装備されておらず、サイド3の海洋型リゾートコロニーを改装した軍用コロニーにおいて水中用MS訓練に供されていた他、一部の機体は地球のカリフォルニア・ベースに下ろされ、海洋上での実地訓練にも活用された。

 アッガイは水中用MSの機種転換訓練機として貢献したが、少ない廃熱量と有機的なフォルムが、水中でのステルス性に優れていることが判明し、訓練用MSから偵察、隠密行動用MSとして実戦投入されることが決定された。

 MSM-04Bアッガイ

 B型はMSM-04Aアッガイにビーム・ガンを装備させたタイプで、Eキャップ稼動テストに用いられた機体である。水中は常に天然の冷却剤が存在する環境下にあることから、早い時期から水中型MSはビーム兵器の搭載に成功していた。本格的な水陸両用機であるMSM-03Bゴッグは水冷式エンジンを生かしてメガ粒子砲を二門搭載、上陸時の奇襲能力が大幅に向上していた。

 B型はゴッグ開発から得られた技術をフィードバックし、テスト途中であったEキャップを導入してビーム・ガンを搭載させた機体である。ビーム・ガンは両腕の先端に一門づつ装備されている。
 ゴッグがロールアウトした時点ではジオン軍側ではEキャップ技術がまだ発達しておらず、ジェネレーター直結式のビーム砲を採用していた。ジェネレーター直結式のビーム砲は火力こそ絶大だが、ビーム発射時の廃熱が問題となり、上陸時でのビーム砲射撃には制限がついていた。
 これは廃熱システムを水冷式に頼ったが故の弱点でもあり、結果としてゴッグは陸上での活動時間を縮めてしまう欠点を抱えた。ゴッグが湾岸・港湾地区の奇襲攻撃用に用途が限定されている理由はここにあった。
 根本的な解決はEキャップシステムの導入によって、ビーム砲射撃時のジェネレーターの過剰な負担を減らし、冷却システムを水冷式と空冷式のハイブリッドとすることにあった。

 こうして、ビーム装備化とジェネレーター依存のビーム兵器からの脱却を目指して開発されたのがアッガイB型である。カリフォルニアベースにおいて、試作機としてA型から数機が改装された。

 しかし、先述の通り、ジオン軍のEキャップ技術は連邦側に比べて遅れており、搭載されたEキャップもジオン内では発展途上の技術でジェネレーター本体からの電力供給を補佐するには至らなかった。そのため、ビーム射撃回数はゴッグ以上に限られており、MS-05/06ザクシリーズのジェネレーターを二基搭載し、ビーム発射に必要な電力を供給可能であってもビーム兵器の稼動には技術的に難があったようである。

 開発陣ではEキャップと廃熱システムの改良作業を続け、その後は数度のビーム砲の射撃に成功した。このB型で得られたデータは後発機開発のためにフィードバックされ、MSM-07ズゴッグやMSM-03Cハイゴッグなどのビーム兵器搭載機に活かされたという。

 MSM-04Cアッガイ

 アッガイシリーズの中での最多生産機がC型である。武装を両腕のパイスクローと機関砲、及び頭部の四連装機関砲などの武装を施した機体で、アッガイシリーズでは初の実戦型である。
 本来、アッガイは水中用MSの操縦訓練用として開発された簡易量産機であったが、MSM-03Bゴッグより高いステルス性が買われ、隠密用の特殊作戦用MSとして採用されることが決定された。

 訓練用から転用する際には、機関砲を両腕と頭部に装備させて対応した。当初はB型に続いてビーム・ガンを装備させ、ゴッグ並みの火力を付加させることも検討されていたが、ビーム砲を搭載することによって廃熱量が上がりステルス性が失われることや、ビーム兵器運用に欠かせないEキャップ技術がまだ未熟だったこともあり、ビーム兵器装備は見送られ、代わりに実体弾を装備させた。
 両腕にはバイスクロウが装備されたが格闘性は高くなく、潜水艦攻撃や軍事施設破壊を想定した装備である。

 また、工作員を運搬するためにコクピットの他に待機室が設けられ、パイロットと併せて三名程度の定員を乗せることが可能である。これはアッガイのボディが複数のジェネレーターと武装を全て内装し、人型から離れた形状だったことから機体内部に余裕ができたために実現したものである。
 アッガイはジェネレーター複数搭載や武装を全て内装させたことで機体が若干大型化しているが、機体重量は軽量化されており、陸上では素早い動きを示すことが可能だったが、軽量化と生産性を追及した代償として防御力はゴッグやズゴックなどの他の水中型機と比べると貧弱で、機雷による爆発には弱く、ゴッグやズゴックなどの護衛を受ける場合も多かった。

 しかし、ゴッグに比べて対MS戦能力が低く、火力も貧弱だったが隠密作戦用の上陸艇を兼ねた機体として使用されるため、問題とはされなかった。また、ゴッグなどの生産数が少ない機体の補助機としても最適であり、ゴッグとの連携作戦においても投入され、海中での戦闘では、ゴッグに率いられる形でアッガイが水中を航行する場面も見られた。

 0079年11月末に発動したジャブロー攻略作戦では基地内のMS工場を捕捉し、破壊するために工作員を降ろしているが、作戦は失敗に終わり、隠密部隊のアッガイは全機、防衛戦に投入されたRX-78-2ガンダム、RGM-79Aジムの混成部隊によって撃破されている。

 しかし、その他での隠密作戦ではC型は目覚まし活躍を示し、深夜の敵地への上陸や偵察、上陸部隊の支援、工作員や特殊部隊の潜入支援任務や連邦側の要人誘拐などに活躍したという。

 MSM-04Gジュアッグ

 ジオン公国軍は地球連邦軍の参謀本部が置かれ、軍の中枢として機能していた南米アマゾンの秘密基地「ジャブロー」を陥落させるために、専用MSによるジャブローの侵攻作戦が立案された。

 ジオン軍はジャブローの詳しい位置や出入り口すら把握しておらず、推定された地区への定期的な空爆を行っていた程度であったが、ジャブロー基地の正確な位置を探索させ、隠蔽された艦隊や航空機の出入口を発見するためにそれらの痕跡の発見と、基地内部への侵入、破壊工作を行う隠密作戦が提案され、それらの特務MSに以前から諜報任務などに使用されていたMSM-04アッガイシリーズをベースに機体の開発を行うこととなった。

 これらのジャブロー秘密工作機は「地下水路からの侵入も考慮に入れて水中型MSであること」が必須の条件とされ、特務機として成果を挙げていたアッガイをベースに、いくつかの試作機が開発された。G型もそのうちの「ジャブロー」作戦機、すなわちアッグ・シリーズの一機種である。

 ジュアッグは頭部モジュールをレドームを内装させた大型のものに換装し、両手には三連装バズーカを装備するなど、重火力をメインとした改良が施されているのが大きな特徴である。このことから分かるようにアッガイ等で構成された潜入部隊の後方砲撃支援、及び基地周辺に配置されたトーチカや戦車部隊の破壊を主任務としていることが分かる。
 頭部のレドームはトーチカや対空砲などを察知するためのものと、砲撃戦をサポートするためのセンサー類が内装されている。
 
 当初の計画では胸部に四連装式のビーム・カノンの装備化が予定されていたが、予定以上の出力が得られず、装備を断念した。もし、ビーム兵器の装備が実現していたら、重トーチカ的な存在として期待されていただろう。

 また、頭部前面から伸びる象の鼻に似た形状の廃熱ダクトは頭部レドームに内装された電子機器から発する熱を排気するもので、機体下部に廃熱を逃すことによって、アッガイ系MSの長所であるステルス性を高く保つことに成功すると共に、コクピットを保護する防御壁としての役割も果たす。
 また、ダクト先端には対地センサーも配置され、地表部の索敵にも使用される。

 こうして、アッガイの重砲撃支援仕様として完成したジュアッグであったが、両腕の三連装バズーカと頭部のレドームを全て20mクラスの機体に内装させたが故に、機体バランスを崩す要因ともなった。
 特に三連装バズーカは砲撃時のバランスが悪く、なおかつ弾装スペースを腕部に設けなければならず、肩部から腕部にかけてのレイアウトの整理に苦心したようである。

 ジュアッグは0079年晩秋にカリフォルニア・ベースにおいて試作機が三機製作され、その後、ジャブロー侵攻作戦時にMSM-04Cアッガイなどの潜入部隊のアシストのために一機が投入されたが、作戦途中で中破し、連邦軍に捕獲されるという失態を演じた。
 その後、戦況の悪化などの理由によってジュアッグの開発は中断されている。

 MSM-04Jジュアッグ

 MSM-04アッガイを始祖とする「アッグ」シリーズのうち、中距離支援仕様として開発されたG型の発展型で、三連装式機関砲を装備した腕部を通常型のマニュピレーターに換装し、汎用性を向上させた機体である。

 アッガイシリーズは元々腕部のオプション化が進んでおり、機関砲タイプ、バイスクロウタイプ、ビーム・ガンタイプなどのアームが用意されていたが、ジュアッグも腕部を換装することで各戦局に対応したものと思われる。また、両腕でそれぞれ違うタイプのアームを装備させることも可能で、三連装式機関砲と通常型マニュピレーターの双方を装備してテストも行われた。

 J型は陸戦を重視した形態だが、作業性を持たせたマニュピレーターはむしろEMS-05アッグのアシストを行うための性格が強く、アッグとの連携を目的として開発されたことが分かる。

 MSM-04Nアックガイ

 アッグ・シリーズの一機として試作された機体で、MSM-04CアッガイMSM-04Gジュアッグとの連携戦を想定して開発された。アックガイは格闘戦に特化した機体で、腕部にはヒートロッドと機関砲を内装したものを装備する。
 ヒートロッドは片腕に二本、計四本が装備されている。中央にはアッガイ同様、機関砲が内装され、アッガイとアッグ、ジュアッグ等で構成された潜入部隊が敵部隊と遭遇した場合の火消し役としての期待がかけられていた。

 頭部はジュアッグ同様に大型化され、大型モノアイが装備された。森林地帯や暗い地下水脈での索敵・探索のために大型のモノアイが装備され、索敵や遠距離での敵部隊の早期発見を目的としている。レドームを装備したG型R型とは対照的で、これらの電子戦能力の高い機体との連携に期待がかけられていたことが分かる。
 この複眼はMSサイズのモノアイとは違って大型で、本来はMA用として開発されていたものをテストを兼ねて転用したものと思われる。
 
 しかし、高い格闘戦能力とは裏腹に、片腕に二本装備されたヒートロッドはMS-07Bグフが装備するタイプよりも扱いにくく、実用性に欠けていた面も見受けられ、結局は通常のパイスクローを装備させたS型装備も開発された。

 試作機は三機が製作されたが、ジャブロー戦での投入は確認されておらず、実戦投入は見送られていたようである。

 MSM-04Sアックガイ

 MSM-04Nアックガイの腕部をMSM-07ズゴックと同様、バイスクロウに換装させたタイプ。ヒートロッドアームの扱いには難があり、こういった通常武装も考えられていた。
 しかし、より高い格闘戦能力を持ち、対MS戦能力が付加されたMSM-07ズゴック・シリーズがロールアウトすると、アックガイ開発は中断された。

 MSM-04Rガネーシャ

 MSM-04Gジュアッグをベースに、より偵察機能を強化させたタイプ。水中に潜み、水上の索敵を行うのが目的で頭部レドーム部を独立させ、水面上に浮かばせて本体は水中に潜み、水上の偵察を行うことが可能である。

 連邦軍ジャブロー基地の出入り口を探索するために開発された機体で、アッグシリーズの一種と言える機体と言えるが、R型は他にも連邦海軍のドン・エスカルゴ哨戒機の早期発見にも期待されていた。

 ゴッグ、アッガイ導入後も連邦海軍の哨戒部隊はジオン軍の潜水部隊にとってまさに天敵であった。水中航行時にドン・エスカルゴのソナーブイに引っかかり、機雷を撒布されてMSM部隊が撃破、全滅してしまうという事態が度々発生したのだ。
 ゴッグにはフリージヤードという機雷無力化システムが装備され、周囲の海水をゲル化し、接触型の機雷を無力化させることができたが、アッガイには生産コスト削減のために装備が省略され、連邦海軍が敷設した機雷に接触して大破し、その損害は決して無視できなくなっていた。

 そこで、ドン・エスカルゴを早期発見し、対策を練るのがガネーシャの役目である。後に強力なビーム兵器を搭載したMSM-07ズゴックや、対空ミサイルを搭載したMAM-07グラブロなどが実戦配備されたが、依然としてドン・エスカルゴ機はジオン軍の水中型MSにとって侮りがたい強敵であった。

 ガネーシャは兄弟機であるジュアッグと違い、水中での偵察を行うため、廃熱システムは水冷式に依存している。ジュアッグの特徴的な形状であった象の鼻のようにレドームから伸びる長い廃熱ダクトも短縮された。
 また、コクピットも副座化され、操縦要員の他に電子戦担当官が搭乗し、索敵能力が向上した。

 ガネーシャはジュアッグ同様、試作機が三機製作され、そのうち一機がジャブロー戦においてG型と共に投入されたという。ジャブロー戦ではMSM-10ゾッグと共にジャブロー基地の出入り口を探索し、その発見に貢献したが、アッガイとジュアッグで構成された部隊が全滅すると撤退している。

 残りの二機はMSM-03ゴッグやMSM-07ズゴックなどの連携戦で活躍したが、いずれも連邦軍との戦闘によって失われたようである。

 EMS-05アッグ

 ジャブロー基地探索のために開発された一連のアッグ・シリーズの中では唯一の特殊工作機である。元々はジオニック社で開発が続けられていた小惑星掘削用の民生作業機をベースとしており、ジャブロー基地への侵入口を掘削、あるいはMS部隊の進入に邪魔な鍾乳洞を排除するために生み出された機体である。

 開発当初は空気のない小惑星(アステロイド)の掘削作業での使用を想定していたため、ジャブロー侵攻作戦に転用する際には生命維持装置を撤去し、姿勢制御用のバーニアも省略された。
 そして、ジェネレーターやパーツをアッガイと共通化し、生産コストと出力強化を施している以外は民生機仕様との違いはまったくなく、両腕に掘削用ドリルとレーザートーチ、肩部にはカッターなどの掘削用装備を有する。
 腕部はミサイルランチャーへの換装も可能だが、これはあくまで自衛用の装備であり、泥縄的な装備と言える。

 脚部は歩行能力を失い、ホバリングシステムを内装した箱状のものに換装された。従って、移動は全てホバーによって行われる。アッグ・シリーズの中では唯一、アッガイ系MSからの出自ではない機体だが、ジェネレーターや一部のパーツはアッガイと共用するため、アッガイ系のバリエーションに分類される。
 脚部の歩行機能を省略しているため、生産コスト自体は安上がりで済んでいる。元々が民生用の掘削作業機であるため、パーツの大半も流用品が大半だったのも、コスト削減に成功した一因ともなっている。

 アッグはアッガイジュアッグアックガイなどの護衛を受けつつ、ジャブロー地下施設への侵入口掘削を行うことが主任務だが、実際にはジャブロー周辺にある天然洞窟の鍾乳洞や岩石を排除し、MS進入口を確保するための機体として使用される予定だったようである。

 実際のジャブロー侵攻作戦では、艦船用の出入り口の発見に成功したため、アッグ投入が見送られたものの、複数の試作機が製造され、ジオン軍の基地拡張工事などに活用されたという。
 このうち、大戦後、連邦軍に接収されたアッグがジャブローやキリマンジャロなどの拠点の拡張工事に使用された記録が残っている。

 このことから分かるように、ジャブローへの侵入口を掘削するためだけに開発されたアッグであったが、戦後は土木作業機として活躍し、連邦軍の基地拡張工事などに活躍の場を見出したのである。