
演題「じんけん」
A「今日は人権について話そうと思います。」
B「わたしそれ得意です。さいしょはぐー。じゃんけんぽん。」
A「それは、じゃんけん。私のいっているのは、人権。」
B「人絹ですか。あれはいけません。私のおばあさんがスフ・人絹は戦争中使ったが、着心地が悪いし、すぐ破れるで苦労したといってました。」
A「いや、その人絹ではなく、私のいう人権というのは、およそ人間ならだれでも生まれたときからもっている尊いものです。」
B「そうですか。でも、私の弟は生まれたときに何ももっていませんでしたよ。あの子は、そそっかしいからひょっとしたら忘れてきたかもしれません。」
A「人権は手にもつものではないのです。人間の中に自ずから備わっている大事なものです。」
B「そうですか。でもそんなに、大事なものだと、盗まれたりしませんか。」
A「そうそれが、問題です。人権はしばしば、奪われたりしますから、奪われないように守ったり、奪った人から取り戻したりする必要があります。それをしているのが、アムネスティです。」
B「私アムネスティ知っています。アムネスティ大好きです。」
A「そうですか!」
B「私こうみえても紅茶友の会の会員です。アールグレイとか、セイロンティとか、ダージリンティとかありますけど、やはり、インドの高原でとれるアムネスティが最も味わいがあるんですよ。」
A「あなたのいっているのは、アッサムティでしょう!?」
B「そういっても間違いではありません。」
A「まあ、いいでしょう・・・。アムネスティは1948年12月10日に生まれた世界人権宣言を守るための組織です。」
B「はあそうですか。ところで、人権宣言というのは他にもありますか。」
A「世界でいうと、例えば、フランスの人権宣言とか、アメリカの独立宣言などが有名ですね。」
B「それなら、日本にも人権宣言はありますか?」
A「日本の人権宣言といえば・・・。ああ、1947年5月3日に施行された日本国憲法は、日本の人権宣言といってもいいですね。」
B「じゃあ、世界人権宣言と日本国憲法は同じ年に生まれた姉妹じゃないですか。憲(のり)ちゃんがお姉さんで、せっちゃんが妹ですね。・・・・。せっちゃん久しぶりね。妹なんだからお姉さんを尊敬しなければいけませんよ。」
A「はあ?」
B「せっちゃんももう50歳ね。せっちゃんは結婚していないの?50歳にもなって結婚してないとさびしいこともあるんじゃないの。これから高齢化社会に向かうことだし、私がいい人を探してあげるわ。」
AもついBのペースにのってしまう。
A「・・・。有り難う。でも、お姉さんも一人なんでしょう。今まで、つらかったこともあったんじゃない?」
B「やれ、家柄にあわないとか、押しつけられたとかいわれて、生まれてこなければよかったのにと思ったことが何度あったことか。親切な人も少しはいてなんとか死なずにすんだようなものよ・・・。そういうせっちゃんはどうなの。」
A「私の方も、人権宣言の50年は人権が侵害された50年なんていわれて・・・。お姉さんよりはましかもしれないけれど・・・・・。」
B「お互いに苦労したのね・・・。でもこれからは、姉妹助け合って、小さな町で穏やかに心楽しく暮らしていきましょうよ。」
A「お姉さん!」 (手を差し伸べる)
B「せっちゃん!」 (その手をしっかりと握る)
A、Bはっと気付いて離れる。
A「浅草軽演劇の人情芝居ではありません。人権の話でした。・・・・ところで人権といってもいろいろな種類があります。財産権、自由権、社会権・・。」
B「あ。私もいえます。選挙権、請願権、人格権、日照権、環境権、平和的生存権・・」
A「なかなかよく知っていますね。」
B「まだまだいえます。北極圏、青森県、秋田県、地域振興券、手裏剣、車検、馬券・・」
A「ちょっと待ちなさい!?馬券というのは勝ち馬投票券というのです。学生・生徒は法律上買えませんよ。いずれにせよ、けんがつけばいいというものじゃあない。」
B「見当違いでしたか。」
A「馬という言葉がでたところで、最近は人権だけでは足りないともいわれています。この地球の生きとし生けるものがそれぞれ大事にされるためには、人間だけが尊いという考え方も反省しなければならないようです。動物にも権利を認めるという立場もあります。」
B「はあ、そうですか?」
A「こういう話があります。」
B「どういう話ですか?」
A「昔ドイツのフリードリッヒ大王が広場に鐘を作り、権利を侵害されたものはこの鐘をならせというおふれを出しました。あるとき飼い主からこき使われたロバが鐘についたひもをひっぱったために鐘がなり、王様が事実を調べてロバを虐待した飼い主を厳しく罰したということです。・・・そのうち動物に権利を認めることから、動物が権利を主張するというところまで行くのかもしれませんね。」
B「それで分かりました。うちの犬はもうそうなっています。最近態度が大きくなり、鳴き声もクンクンから変わって、毎日『犬権(けんけん)』とないています。」