廃鉱 廃坑道 地下 石切場

巨大螺旋隧道 − 地上から山頂までの不思議な隧道−(週末探険隊合同オフ)  その1

とある場所に存在した鉱山用大隧道。
採鉱中に崩落事故を起こしてしまい、その周辺の地盤の弱さが明らかになり危険と判断された為に
閉鎖したとも言われる。現在は離れた場所で別の坑道を使用し新たに採鉱を続けていると言う。

この場所は鉱石搬出坑道ではなく、機材搬入やメンテナンス、鉱夫人員用の隧道である。
頂上付近で採掘された鉱石は砕かれた後、立坑に放り込まれ200m下り、更に砕かれ立坑で200m、
また更に200m下る。合計600m下へ降ろされる。後に標高400m付近の別の坑道から搬出されていた。

この隧道を上へ上と目指す工程だ。所々多数開けられた通気坑道は多数存在し、
空気の流れは夏季と冬季で逆になる。通気坑道の先は断崖絶壁であった。



それでは出発。元々は車道であり、車での登頂が出来たはずである。
使われなくなった今ではガードレールを残し30cm〜40cmの深さがある地割れ状の
道を2km登らないといけない。この地割れ、降雨時には山からの水で川になるのだろう。
その結果侵食されてこの様になったと思われる。

 

そして1時間程、ようやく坑口に辿り着いた。

 

坑口写真と隧道名は掲載不可で願いたいとの事。

事故を起こされても責任は取らない、何かあっても
「勝手に入った為に事故死」
「結果、すぐ捜索は無い。」

言うシナリオも出来ているようだ。生還したから言える様なものだが。

入口付近には「593ML」と記載してある。
これは隧道の長さではなく現在地点の標高を指している。
この600m弱まで先ほどの山道を延々と登ってきた。

それでは状況開始

坑口付近には、天井より3mはある氷柱が出迎えてくれた。
そして足を入れた写真である。
氷柱の下は30cmはある大きな氷の塊も。
その後ろにも細長い物も見られる。

入坑から約150メートル、今まで5°程の傾斜の
直線であった坑道も螺旋のスタートを迎える。
そしてその結果、外のからの薄っすらとした光も
届かなくなった。
何時しか剥き出しの岩盤になり支保留柱は消える。

そして通気坑道の位置を表示した見取り図が現れた。
現在の隧道より、直角に斜面へと掘られている様だ。
「通気坑道210m」と記載してある。
通気方向は夏期は外→内 冬季は内→外へ温度差により変わる。
更に上部にも通気坑道があるのだろう。

 

そしてまもなく右手に見えてきたのが「通気坑道」である。

真上には上記の標識が。
現在標高627m 坑道出口200mとあるが
これはこの先200mで「出口」では無かったのだ。
入坑口からここまでが200mと言う表記で置き換え、
入坑した場所はこのパネルでは出口と言う考え方だ。

 

通気坑道の外はどうなっているか?行ってみよう。

 

ようやく辿り着いた。この日は生憎の曇り。
更にその標高により霧に包まれている。

さぁ!現在標高627mからはどんな光景が広がっているのか?

 

実に楽しみだったが、
曇りという天候、更に霧が多い事が悔やまれてしまう。

下を見ると崖である。本当に通気の為だけにあるらしい。

 

通気坑道を引き返し更に進んでみる。
またも行先看板が出てくる。
しかし右に傾いているではないか・・・。

 

固定してあったワイヤーが切れた為に右側に傾いている。
そして誤りに気がついた。
現在の坑道から左に道があるが、表示では右である。
訳は簡単である、ワイヤーが切れた際に回転しただけなのだ。
入坑口から280m地点。現在標高は639m

 

とりあえず左の坑道へ寄り道をしよう。

案内板では「中部電気室入口」と言う場所へ続くらしい。
ケーブルラックをご覧頂くと分かるだろう。
数多くあるケーブルのうち半分はこの方向へ向かっている。

 

100m位歩いたであろうか?左手に現れたのは
「地底廃墟」である。地下にある廃墟を我々は
「地底廃墟」と呼ぶ。
岩盤をくり貫いた場所に建物を詰め込んだ状態だ。
シャッターがあり大型の機材を搬入していたのか?
中に入って見よう。

 

電気室と言うことは間違いないであろう。左右を見渡すと分電盤や一般では見受けられないブレーカー
等の機器がならぶ。天井には屋根も付いている為か?比較的最近まで採鉱を続けていた場所と
言うこともあるだろう。やはり事故の結果閉鎖も考えられる。この様に並んでいる機械はかなり真新しさを感じる。

 

電気室から先にはまだ坑道は続いていた。その先に行ってみよう。

今まで様々な坑道を見てきたがこの様な人工物は初めて見た!

 

巨大な円柱状の柱があったのだ。
岩盤が脆い、この場所の空間が広いと言う事もあるのだろう。
しかしこのような巨大な柱を作ってあるのはあまり見かけない。

すぐ左側に見える鉄板の下は立坑のようだが
塞がれたのはかなり前のようである。
この先坑道は採鉱を続ける気配はあるのだが、すぐに
中止したと見られる。岩盤を見ると確かに色がおかしい。
違う種、もしくは低品位なのだろう。
この辺りではなく頂上付近に堆積している鉱石が
良質である。

それではまた元の分岐点に戻るとし更に上を目指そう。
しばらく進むと土嚢により塞がれた坑道がある。
立坑だったのだろうか?この場所からと推測すると
ズリ捨て用の立坑なのかも知れない。
何時しかコンクリートで舗装された床面はあの登山道の様に
水が流れた溝が見る限り3本出来ている。左側には排水溝が
あるのだがあまり意味をなさないようだが・・・。
しかし降雨時には通路以上に流水が多いのだろう。
排水溝の溝やその周りには土砂が見当たらない。
相当な水流が流れるのだろう。
どれくらい登ってきただろうか?
ずっと同じ光景が続くと気が滅入る。。。
看板や構造物と分かるものがあれば良いのだが。
RPGゲームの無限ループに入り込んだ錯覚さえ起きる。
まぁ、ある意味やってる事はリアルRPGみたいなものなのだが。

 

そして・・・左手に現れたのは?

 

建物が見える!

地底廃墟があったのだ。
(実際地底ではなく山の中を上へ登っているのだが・・・)

 

岩盤をくり貫いて作られた空間にプレハブ小屋が建てられている。

ドアの上には電灯、窓も完備されている。
お邪魔してみよう。

地底廃墟とは?分かりやすく資料としておいて置こう。

上司にカツアゲされているのか?お茶買ってこいと言われているのか分からないが、
地底廃墟の現役時代の状態を復元した物である(マインランド尾去沢にて撮影)


写真提供:週末探険隊なかてぃ氏

室内はご覧の有様である。
断熱材は剥がれ落ちカビなどが繁殖している。
テーブルなのか?棚であったのか?それともパーテーションか?
木材で作られた物は既に朽ちており、何であったかは分からない。
建物裏手にはトイレが設置してある。
トタン屋根にはタイヤが載っている。
これはトタン屋根を押さえる為か?ある程度小規模の崩落の
衝撃緩和の為か?

トイレの右手からは光が差し込んでいる。
半透明のトタンで坑口を覆っているようだ。

半透明のトタン手前には指向性を持つ八木アンテナが。
テレビの受信用か?本部と連絡を取る為の無線用か?

そしてこの右手には・・・

ドアです。ドアがあります。。。
今までのパターンを思い出すとゲンナリすると思われる。
しかし扉があるとするともしかしたら?

「どこかに通じるかもしれない!」
「この地点に何か遺構が残っているかもしれない」

心を動かされてしまう!


写真提供:週末探険隊なかてぃ氏

では「オープーン!!!」

この降り注ぐ光の先にはどんな光景が!


写真提供:週末探険隊なかてぃ氏

 

び、微妙・・・。天気が良ければ見渡せたのであるが、
生憎の天気・・・。2m先は崖である。多少緩やかではあるが。
この周りを見渡すが、崖伝いに通路などは無く本当に
ただ単に通気目的としか無いようだ。いつも岩盤ばかりなので
開け放つ事により目の保養にでもなるのか?

 

地底廃墟を後にしよう。

電気機器の放熱で室内は暑くなるだろう、
冬季は吹き込む風で寒くなるだろう、
休憩時には作業着を脱いで落着きたいだろう、
年間通じて一定の涼しさを持つ坑道だが
建物にはクーラーの室外機が付いている。
 
坑道に戻り通路を歩いていたところ。右のような昆虫が。
パッと見シロアリみたいに見える。しかしなぜか大きさは5cmを超える。
「いやに大きい・・・」
目もあり機能していると思うがなぜ坑口付近ではなく
坑道奥地に。。。もしかすると迷い込んでしまったのではないか?
そして通気坑道があるのでまたも寄り道。
まぁ、どこも景色は変わらないと思うが
万が一何かあるかもしれない。
先ほどとは違う坑道形状。
綺麗な長方形を描いている。
3m位の崖の下はなだらかな斜面が。
雪の無い岩肌だけのゲレンデとイメージすると分かりやすい。
標高が高いため薄っすらと雪が残っている。
戻る際に見えたもの。
巨大なグリーンの三角コーンが落下していた。
これだけの大きさならば巨大なダンプや巨大な
重機があるのではないか?
大きな重機を操縦中でも見やすい様に、上に残る広大な
平面の敷地でも分かり易いように
この馬鹿でかいコーンを用意していたと思われる。

人物と坑口と見比べると大きさが分かるであろう。

通気坑道を後にする。

 

そしてまたもや坑道は分岐する。
しかし今までの「通気坑道」ではなく、
「〇〇ベンチ通気坑道」となる。
90mだ。たいした距離ではない行ってみよう。

そして通気方向は先ほどと変わり
「夏期は内→外 冬季は外→内」になる。
季節の関係により、冷えた空気と暖かい空気により対流が変わる。
坑道探険が好きな方なら見たことはあるだろう。
坑口から空気を吐き出すタイプの坑道、空気を吸込むタイプの
坑道がある事を。季節を計算すると上部に別の坑口があるか?
下部に別の坑口があるか?も一目瞭然で分かる。

 

まもなく出口が近い。→ しかし崖ではないようだ。今までと違う
開けた場所だ。まさか頂上か!→
その場所に何があるか!

 

しかし
坑口横は急な崖になっている。
まだ頂上ではないようだ。
そして下の景色は?
やはり見えない。霧と雨の為崖の下も見ることは出来ず。
それでは主坑道に戻ろう。
さてこの辺りまで来ると坑内の足場は急激に
悪くなっていた。更に緩やかであるとは言え
傾斜のある坑道はさすがに疲れてくる。

先ほどまでのコンクリートの路面はもとより
土砂により排水溝まで埋まってしまっている。

 

そして通気坑道も今まで伏せていた
隧道名の後、「ベンチ通気坑道」から
隧道名が消え、「中央ベンチ通気坑道」となる。
現在の標高は710m
入坑口からは720m歩いたことになる。
主坑道より通気坑道出口までは25m

 

先ほどの広場の様な場所に出る。
しかし前回の広場よりも規模は狭い。
崖の下のフロアにはタンクが見える。

 

それではまた主坑道に戻ろう。

 

そしてこの後終わりのない隧道に疲れとつまらなさが
滲み出てきたと思われた。

しかし実際のところ疲れはあったようだが、
つまらなくはなかったらしい(笑)
私は先が見たいが、仲間の体調のこともある。と思っていたが
心配は要らなかったようだ。
一緒に来たのが週末探険隊メンバーでよかったぜ。

正直この頃から目に写る物は岩盤だけであり
写真を撮っている事はせずとにかく一気に登ってしまおう
と思っていた。

 

そして更に歩き
現在の標高は769m 入坑より1150m
「NO1通気坑入口」と表記も変わる。
そして標高がこの辺りまで来ると通気方向は
夏期・冬期変わらなくなる。
標高が高い分、冷たい上空の空気が坑内へ
入り込むのみになるのだろう。夏期だろうが
この標高では空気は冷たい為だ。
NO1(第一通気坑道)の外で一休み。

 

周りを見渡すと結構目新しい箱が。
爆薬「アイレマイト」と書いてあり、ダイナマイトの仲間?と思われるが、
ある意味そうである。しかし「アイレマイト」とは商品名であり
実際はスラリー爆薬という、水分を含んだゲル状の爆薬であり、
水分を含むことから安定性が高く、衝撃を与えようが、火に投げ込もうが
爆発はしない。起爆には電気雷管や伝爆薬が必要となる。

鉱山関係では他にANFO(硝安油剤爆薬)と言われる
硝安(硝酸アンモニウム)と軽油を配合したこれまた安全な爆薬が使われる。
補足だがこの「硝安」、実はポケットクーラー(中の袋を割ると冷える奴)
に入っている白い潮解性の粒がそうである。しかしこの硝安を起爆させるのは
容易なことではなく、普通の雷管では起爆は出来ない、爆速が極度に
高い起爆信管や伝爆薬を使用しないと起爆しない。まぁ、入出し易いが悪さは出来ないのである。

 

そして主坑道を更に1km以上歩いた。すると様々な機械類が現れる事となった。

 

「通気坑道」ではなくなり、「16BC入口」と表記されている場所に出た。
現在の標高は950mであり、入坑から2360mの位置まできた。
ベルトコンベアーがあり、この場所から鉱石を落とす立坑が見られた。
細かく砕かれた鉱石はここまでコンベアーで運ばれ立坑に落ちる
仕組みである。
恐らくこの立坑は200m以上あり、落下するものと思われる。
そして主坑道の行き止りの場所である。
これは事故ではなく、意図的に塞がれたと思われる。
山頂へ出れるルートと思われるがこれ以上進めない。

しかしこの閉塞点の手前には驚くべき光景が待っていた。

 

その場所とはこの「破砕室入口」とある向こうである。
標高975m
入坑口より2580m地点である。

 

その驚くべき光景とはこれである。崩落事故があったとあるがこの事をさしているのだろう。

 

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