UBC in Vancouver

Vancouverについて

カナダの西海岸で最大の都市で、観光地としても世界的に有名な街です。雄大な山をいただきつつ、海に面しているというのは、カナダではなかなか得難い組み合わせのようで、夏は涼しく、冬はあまり寒くならないという気候の良さも相俟って、冬の長雨さえ我慢できるのであれば、多くのカナダ人がいつかは住んでみたいものだと思っているとか。それを妨げているのが、地価の高さと割のいい働き口の少なさのようです。VancouverはVancouver市にだけを意味することもありますが、入り江のの向こう側のNorth Vancouver, West Vancouverの両市、南のRichmond市、東のBurnarby市など周辺の10ほどの市をまとめて、Greater Vancouverと呼ばれていており、Vancouverと単に言った場合、このGreater Vancouverを意味していることもあります。ここでもあまり区別せず使っています。

日本からの観光客、留学生、ワーキングホリデー、日系企業の駐在社員、移民してきた人など、滞在理由は様々でしょうが、Vancouverは日本人がカナダで最も多くいる街だと思います(ひょっとしたら、Torontoの方が多いでしょうか?)。とはいえ、中国系の人々の多さに較べると全く霞んでしまいます。香港が1997年に返還されるのを前にして、中国政府の支配体制下に入ることに不安を覚えた、香港の人たちが波のようにカナダに移民してきたそうです。Vancouverは気候の面、距離的な近さもあって住居先として人気が高かったようで、特にお金持ちの人はVancouverの屋敷を買ったようですが、とびきりそうでもない人は地価が手頃だったVancouverの南側のRichmondに家を買う人が多かったそうです。Richmondは過去10年で大きく変わって、中国系住人の多い街になったそうです。Vancouverで知り合った中国系の友人も多くがここに住んでいました。Richmondは、世界のそこかしこに(Vancouverのdowntownにも)あるチャイナタウンのような雑然とした雰囲気は持っておらず、外からみた街の雰囲気は普通のカナダの街です。違いは店の看板に漢字がよく目立つことでしょうか。ただ、この点についてはVancouverで中国人のことを考えずに商売する理由はないので、Vancouverでも程度の差はあれ看板や案内に漢字はよく見かけました。ここでは間違いなくフランス語よりも広東語の方が実際に使われているでしょう。

Vancouverには2年間住みました。住むとなると、大抵そうなるものでしょうが、観光地巡りには熱心ではなかったので、スタンレー公園やグラウス山など、有名どころを一通りまわった程度です。その代わり、Whistlerには2年間で夏、冬、春と2回ずつの計6回行っています。Vancouverからだと車で片道2時間は掛かってしまいますが、大阪から2時間ではせいぜい六甲の人工スキー場が関の山ですので、大きな違いと言えるでしょう。2年目には道具も揃えましたので、車さえ持っていれば、もっと頻繁に行っていた思うのですが、大学の近くの寮に住んでいたこともあり日常的には車があまり必要ではなく、保険料などの維持費を考えると大きな出費になるので、結局買えずじまいでした。

日本食レストランも多く、わけても寿司は非常に人気のある食事で、レストラン間の競争もあってか安くでそこそこのものが食べられます。なかにはC$20ぐらいで"all you can eat"といって、食べ放題メニューを提供している店もあります。このメニュー含まれる刺身や寿司ネタの種類はあまり多くないので、飽きが来てしまってそんなに多くは食べられませんでしたが。実は寿司ネタにも安くで提供できる理由があって、こちらでは政府の規制で刺身や寿司など魚を生で提供する場合、それは前もって一旦48時間以上凍らせないといけない、ということになっています。従って、その日の朝捕れて魚市場から入ってきた魚とか、生け簀から拾い上げてすぐの魚で寿司を握って貰うことは不可能となっています。ということで、こちらの人には、本当に美味しい寿司は食べていないんだよ言ってやってます。その代わりに、寿司ネタがあまり高くならないというメリットも出ているようです。鮭がこちらでは典型的な刺身&寿司のネタで、冷凍・解凍してもテクスチャが大きく崩れないからでしょうか、これが一番美味しく感じます。

中国人向けの品揃えをした規模の大きなスーパーマーケットも何軒かあり、いつもよく賑わっています。こういったスパーマーケットでは、扱っている商品の傾向が少し違っていて、日本人のハートをぐっと掴むような品物を見かけることもあります。自分が衝動買いをしたものに、ドラ焼き、天ぷら粉、山芋、秋刀魚、味ぽん、本わさび、などがあります。日本食が食べられなくて不自由をすることもありませんでしたので、Vancouverは日本人にとって非常に住みやすい街だと思います。

Stanley Park
Harbour CentreからStanley Parkを眺める

The University of British Columbiaについて
Official web site: The University of British Columbia

正式名称は定冠詞付きの長い名前なので、UBCの略称で呼ばれることが多い大学です。Vancouverの名前は聞いたことがあっても、British Columbia州(カナダではstateではなくprovinceが用いられています。中国との整合性を取るなら'省'を当てるべきなのかもしれませんが、日本では慣例で州と呼んでいるようです)の名前を聞いたことが無い人がいるのではないでしょうか。私は高校時代、地理は赤点さえとらなけらばよいという姿勢でしたので、留学先としてこの大学の名前が上がってくるまで、British Columbiaがカナダの州の名前であることすら知りませんでした。

そんな自分が、UBCに留学の機会を得ることができたのは、ひとえに社会人枠で入った立命館大学の交換留学制度のお陰でした。TOEFLの要求点数が580と他の提携校に較べると高かったものの、良い大学だよとの話はみんなが言っていました。応募時のTOEFLは550そこそこで、ちょっと無理かなとおもいつつ応募したところ、向こうに行くまでに580をクリアするようにとのコメント付きで、送り出して貰えることになりました。立命館の交換留学制度はUBCで出会った日本の他の大学から来ている学生の話を聞いてみて、flexibleなことが分かりました。まず、休学の必要が無く、留学先にいる間に学年が進み、単位の認定もなるべく認めるとの方針で、科目名の対応にはあまり厳密にはこだわらずに行う(学部間で程度に差は幾らかあるようですが)とか、4年次派遣でも、卒論を留学先で書いて提出しても受け取ってもらえていました。奨学金制度も用意されており、立命館は頑張ろうという学生をサポートしようとしているという印象を持ちました。

UBCは1908年創立の大学で、ここの名誉教授が1993年のノーベル化学賞を受賞し、1999年のノーベル経済学賞の受賞者がここの卒業生であるなどの実績を誇り、Maclean'sの大学ランキングではカテゴリー内で総合2位にランクされるなど高い評価を得ている大学といってよいでしょう。規模についても学生数、programの幅、キャンパスの広さどれについてもカナダにおいてトップクラスで、中でも、Anthropology(文化人類学)、Asian Studiesは世界的に有名だそうです。勿論、評判ほどではないと批判するひともいますが、やはり高い研究・教育水準を保有していると思います。UBCは留学生の多い大学で、日本人に限ってみてもDegree Programに50人ぐらい在籍していたと記憶しています。

Vancouverでは春から秋にかけて晴天の日が多いことと、アメリカに較べて人件費が安いことから、映像産業が拠点を置き、Vancouverの重要な経済活動の一翼を担っているそうです。UBCのキャンパスでは、映画、テレビ、コマーシャルの撮影クルーを学生数の減る夏期によく見かけました。映画のクルーは10台以上のロケバスを連ねて、数日に亘ってキャンパスに陣取ります。テレビを見ていると時折、UBCのキャンパスがドラマに使われているのを見たりします。

UBCはガイドブックでも観光スポットに上げられており、文化人類学博物館、新渡戸記念庭園などが挙げられています。リスがそこかしこを走り回る広大なキャンパスには緑が多く、四季の移ろいを直に感じることができます。建物は古いものから新しいものまであって、統一感の無さはやや興ざめの向きがあるかもしれませんが、学生にとって大事なのは建物の中身です。

私が主に勉強していた、商・経営学部(Faculty of Commerce and Business Administration)の建物はキャンパスの中央に陣取ってでかい面をしていましたが、古さは容易に見て取れました。教授陣はカナダ、アメリカの一流大学の出身者が多くを占める陣容です。この学部のundergraduate programはcommerce programと呼ばれ、2年次からスタートします。主に、Faculty of Arts(文学、心理学、経済学、政治学、音楽学など幅広いprogramを持った学部なので、適切な訳語が見つけにくく、敢えて訳すなら教養学部となります)や理学部(Faculty of Science)などにいる学生が2年生に上がる際に、commerce programに入るのが選択肢の一つになります。就職に有利という面からcommerce programは人気のあるprogramのようで、1年目の成績が良くないと入れないという状況のようです。undergraduateのcommerce programで3年かけて勉強する内容と、普通のMBA programで2年かけてやる内容は、MBAがcommerceやbusinessの学士号を前提にしていない設計上、大きく違うわけではないことがわかりました。勿論、要求水準や密度が異なるのは、学生にとっては大きな違いとなるのは間違いないでしょう。