McMaster University in Hamilton

Hamiltonについて
(Official web site:City of Hamilton)

Ontario州にあるHamiltonはTorontoから車で南西に1時間ほど下ったところにあります。ここから東に向けてもう1時間ほどドライブすれば、Niagara Fallsに着くことが出来ます。HamiltonはOntario州でToronto, Ottawaに次いで3番目に多くの人口を擁し、2001年に隣接する2都市を合併したことで、City of Hamilton単独で人口50万人近くの都市になりました。周辺都市を含めての都市規模比較では、Toronto, Montreal, Vancouver, Ottawa-Hull, Calgary, Edmonton, Quebec, Winnipeg, Hamiltonの順となって、カナダ国内9番目に位置しています。因みにカナダ全体の人口は日本の1/4程度です。

Hamiltonは、StelcoやDofascoといった製鉄会社が製鉄所と本社を構え、「鉄鋼の街」としてカナダ人には知られており、それが"polluted city"のイメージに繋がっているようです。確かにOntario湖に面して街の北東には、お世辞にも美しいとは言えない大きな製鉄所がありますが、生活してみて特に問題を引き起こしているようには感じません。雇用面では大きく貢献しています。HamiltonからならTorontoへも通勤圏ということで、鉄道、急行バス、自家用車などでTorontoまで通勤している人は多いようです。TorontoはVancouverと並んでカナダ内で地価が高くなっており、こちらまで人が流れ込んで来ているようです。街の東側はあまり治安がよくないという噂を聞いたことがありますが、大学が位置する街の西側の治安は、カナダの都市一般と同様に良好です。女性が夜に一人歩きをしているのを見かけるのもそう珍しいことではありません。

気候は北米の東海岸北部の諸都市と同様で、冬はかなり寒くなり、雪も積もりますが、冬の間中ずっと雪に埋もれて暮らしている訳ではありません。ひと冬に一、二度stormがやって来て交通を麻痺させてくれます。雪のため大学の試験が延期になったことがありました。とはいえ、東北地方並の寒さ(東北からきた日本人談)と聞きましたので、おおかたの日本人に適応可能な寒さと思います。夏は一転してかなり暑くなります。でも、大阪に較べればかなりましです。

スポーツに関しては、BulldogsというNHLのminorのチームとTiger CatsというCFL(Canadian Football League)のチームがいます。ただ、自分の周りで話題になったのは、Bulldogsの客の入りが悪いから、Hamiltonから出ていくかも知れないという話が出たときぐらいでした。一方、TorontoにはNHL、NBA、BaseballのMajorのチームがいますので、スポーツ観戦が好きな人はTorontoにまで行って応援してくるようです。2001年のシーズンではMaple LeafsもRaptorsもplay-offに進出していました。RaptorsはNBA East Conferenceのsemi-finalまで行ったんですが、Philadelphia 76ersとの第7戦で1点差に泣いてしまいました。

Vancouverに住んでいたときは、学校からの帰り道にfood courtがあり、中華、和食、インド料理、韓国料理などが安い値段で食べられましたので、ここで済ますことも多かったのですが、Hamiltonに来てからは手軽に外食できるところが無くなってしまいました。代わりに徒歩圏内に食料品を扱うスーパーマーケットがあり、自分で夕食を作ることが増え、週に1,2度買い物に行っています。規模もそこそこ大きく、品揃えも豊富なのですが、流石に日本食の食材は殆ど売っておらず、手に入れたいとなるとTorontoにまで出向く必要がありました。幸い、最近Hamiltonのdowntownのshopping centreに日本の食材も扱う中国系の店ができましたので、少し便利になりました。

車があれば、Hamiltonでの生活はもっと便利になるのですが、維持費(gasは60c/liter程度ですが、保険料がC$2,500/year程度)ことを考えると引っかかってしまい、まだ車に手が出せていません。中古車ならC$3,000も出せばまともな車が買えるようですが。運転免許証はVancouverに居たときに、視力検査と大した額でない手数料で、日本の運転免許証&国際運転免許証との交換で入手しました。Ontarioなら日本の免許証は手許に残せたそうです。最近は、引っ越しや旅行でレンタカーを使いだしましたので、pubに入るときの年齢証明以外にも免許証を使う機会が出てきました。

カナダは人口あたりのドーナツの消費量が多い国だそうです。Tim Hortonsというカナダ全土に2000軒を越えてチェーン展開する、コーヒー・ドーナツショップがこの消費に大きく貢献しているのは間違いないでしょう。これは、NHLのスター選手だったTim Hortonが自分の名前をドーナッツショップに付けて始められたもので、1964年に第一号店がHamiltonに出されました。昔はドーナツしか売っていなかったそうですが、今はコーヒーやサブサンドイッチ等も売っています。流石に発祥の地だけあって、HamiltonにはTim Hortonsがそこかしこにあります(Hamiltonの人口あたりのコーヒーショップの数はカナダでtopだとか)。その影に隠れてしまいStarbucksは殆ど見かけません(Vancouverに居たときは逆でした)。Tim Hortonsは1995年にWendy'sと合併し(規模の違いから見れば吸収されたと言うべきかも知れません)、共同店舗を作るなどして、アメリカにも店を出しているようです。大学のカフェテリアにもTim Hortonsが入っており、自分のカップを持ち込めば、カップの大きさに関わらず、C$1.14でコーヒが飲めますので、お得です。因みに私が使っているカップの容量は500mlあります。最初は、Starbucksのコーヒに較べて豆の煎りが幾らか浅い気もしましたが、慣れたのでしょう、今は気になりません。

Hamiltonゆかりの世界的な有名人として、Dr. John C. Fieldsが挙げられます。彼は1863年にHamiltonで生まれています。誰それ?と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、数学のノーベル賞と呼ばれる、フィールズ賞(Field's Medal)の名前は聞かれたことがあるのではないかと思います(過去に日本人は2名受賞しています)。このフィールズさんです。カナダ人だったんですね、カナダに来て4年以上経ってから知りました。彼はUniversity of Torontoから数学でB.A.を取得した後、アメリカのJohns Hopkins UniversityでPh.D.を取っています。1902年にUniversity of Torontoに戻ってきてから1932年に没するまで、ここで研究・教育に携わったそうです。

City of Hamilton in summer
Sam Lawrence ParkよりHamilton北部を望む

McMaster Universityについて
(Official web site:McMaster University)

1887年創立の大学で、Macの通称で呼ばれています(でも大学ではWindows系のPCが中心です)。創立時はTorontoにあったそうですが、1930年にHamiltonに移ってきて今に至っています。Macは人文学部から医学部まで文系・理系それぞれ3学部を擁する総合大学ですが、法学部を持っていません。University of Torontoのfull-time student44,000人は別格としても、Macの14,500人からは中規模大学と言ってよさそうです。 Maclean'sという雑誌が毎年11月にMaclean's Annual Universities Rankingを特集します。そのランキングでは「最もinnovativeな大学」という分野で高い位置(47校中、3位)を占めてきており、大学側も枕詞によく使っています。2002年の11月出されたランキングではMedical/Doctoral categoryのなかの総合ランキングで15校中、前年の8位から10位にまで下がってしまいました。学内の新聞も大変遺憾であるとのコメントを出していました。この総合ランキングは多くの要素から構成され、Macの順位を低くしているのは以下の要因となっています。入学者の高校での成績の平均(81.9%となっています。こちらの高校は絶対評価のようです)が低いこと、クラスのサイズが大きい、州外からの入学者の割合が低い、図書館の本の数が少ないこと。その一方、巷(高校の進路カウンセラー、大学の代表者、企業の経営者やリクルーターに訊いているようです)の評判(National Reputational Ranking)の項目では、カテゴリ内で5位に、全体47校中の6位に付けており、カナダ国内では高い評価を得ています。このまま地盤沈下して、評判のランキングにまで影響を与えるようになる前に、なんらかの対策を講じて欲しいものです。

カナダの大学、特にオンタリオ州の大学にとって、double cohortが問題になっています。double cohortはとは高校の卒業生が倍になる現象です。これは今まで、オンタリオ州のsenior high schoolだけが他の州よりも1年長くなっており、これを段階的に他の州に合わせることになったためです。このため、卒業生の数が増え、大学も入学者の数を増やしたため、クラスのサイズが大きくなっているようです。

オンタリオ州のsenior-high schoolの最終学年は、他州の他州の大学一年の内容を勉強することになっており、このためオンタリオ州の大学は3年で卒業出来るようになっています。ただし、honours degreeというのがあり、これは4年間大学で勉強しないと取れないシステムになっています。honours degreeを取るために、もう1年大学に残るには一定以上成績を納めている必要があるようですが、かなり多くの学生がhonours degreeを取りますので、オンタリオ州の大学のhonours degreeは他州の大学のように、特に成績がよいことを示すのではないようです。

McMasterは工学部と医学部が有名なようで、Macの医学部で始められた教育システムがHarvardの医学部をはじめ、多くの大学が取り入れているというのが自慢のようです。また、実験用原子炉が英連邦の国の大学で初めて設置され、そこからの研究成果が工学部の声価を高めるに寄与したようです。また、Hamiltonが鉄鋼業の中心地である地の利を生かし、材料科学の分野でも優れた業績を上げているようです。キャンパスは街の西側に位置し、周辺環境も良好で工場の煙とは無縁です。downtownからは4kmほど離れており、バスで10分ほどで行けます。

中性子散乱を用いた物質解析方法を開発した功績によって1994年にノーベル物理学賞を受賞した、Dr. BrockhouseはMacの名誉教授で、1962年から1984年の定年までMacで物理学の教授を務めていました。1960年に設立されて、1995年に博士の名前を冠し名前を変えた、Brockhouse Institute for Materials Researchは材料科学の有力な研究施設として活躍していており、日本の大学からも客員研究者が来るなどの交流が行われています。 また、オプションの価格決定式である、Black-Scholes ModelのDr. Myron ScholesはMacの卒業生です('61 B.A. in Economics)。Dr. Scholesは、このモデル構築の業績で1997年のノーベル経済学賞を取っています。

University Hall
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