ページ内目次
睡眠時無呼吸症候群の定義(診断基準) 症状
検査  夜間酸素飽和度測定 簡易検査 精密検査
検査予約方法
治療  CPAP マウスピース 外科治療
検査・治療にかかる費用

睡眠時無呼吸症候群とは?

(注意)睡眠時無呼吸症候群は中枢性、閉塞性、混合性と分類されますが、このページでは
    頻度の高い閉塞性睡眠時無呼吸症候群についてご紹介します。


 睡眠中に空気の通り道である気道が塞がってしまい、呼吸ができず窒息状態に
 陥ってしまう病気です。睡眠中に低酸素状態となる睡眠時無呼吸症候群を放置すると、
 将来的な合併症として、心筋梗塞や脳卒中を代表とする血管障害の危険度が
 2~3倍にも増加します。また、交通事故を起こす危険性も7倍にまで上昇すると
 いう報告もあります。その他にも、集中力の低下による学習能力あるいは・仕事の
 能率の低下といった社会的な問題を生じることもあります。

 老若男女を問わず発症し、潜在的な有病率も高いことから21世紀の国民病と言われて
 います。診断には睡眠状態を調べるポリソムノグラフィーという検査が必要です。




睡眠時無呼吸症候群の定義

 一晩の睡眠中(7時間以上)に

  ・10秒以上の無呼吸が30回以上起こる
  ・睡眠1時間あたりに10秒以上の無呼吸が5回以上

 上記のいずれかを満たす場合に睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されます。
 また、「1時間あたりの無呼吸低呼吸」を AHI と呼びます。AHIは重症度の
 目安の1つとして考えられています。
  低呼吸:1回換気量が50%以下の呼吸

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睡眠時無呼吸症候群でみられることのある症状

 自覚症状による健康診断テスト(新しいページを開きます)

    日中の問題              夜間・睡眠時の問題
 1 起床時に頭痛がする(のどが渇く) 1 いびきがうるさいと言われる
 2 目覚めがすっきりしない      2 夜間に何度か目を覚ます
 3 記憶力・集中力の低下       3 夜間に何回もトイレに行く
 4 居眠りをよくする
 5 昼間いつも眠い
 6 いくら寝ても眠気を感じる
 7 精神的に不安定になる

 上記の症状のうち、日中・夜間の症状が3つ以上あてはまる方では
 睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。

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  初診時に一般的な検査(レントゲン写真・肺機能検査など)を行い、
  睡眠検査(簡易検査・精密検査)の日程を調整します。


 1、簡易検査

  簡易検査は気流(いびき)モニター・酸素モニター・体動計を内蔵した
  小さな検査器具を装着して就眠し、その結果を分析して無呼吸や低呼吸の
  状態を調べます。ご自宅で検査を行っていただきますので、日常生活に
  大きな影響を与えることなく、よりリラックスした状態で調べることができます。
  この検査で AHI が40を超えていると、CPAP療法に保険が適応されます。
  (40未満の場合、確定診断のためには精密検査を要します。)

携帯型装置による睡眠検査
左の写真のように、機械を装着して就眠します。
翌日に機械を病院に提出(郵送可)して検査が
終了します。

結果の判定には、2~3日間要します。

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 2、精密検査

  冒頭に記載しましたように睡眠時無呼吸症候群では閉塞型、中枢型など
  のタイプがあります。こうした病型分類・確定診断のためには
  精密検査が唯一の方法です。簡易検査だけで診断・治療方針決定が可能な
  場合もありますが、精密検査は簡易検査の項目に加え、脳波・心電図・
  眼球運動図などを装着して検査を行い、無呼吸の程度だけでなく眠りの
  深さなど、睡眠の質も評価します。
  この検査(PSG)において AHI の数値によって、以下のような治療を検討します。

    5以上・・・睡眠時無呼吸症候群(中枢型・閉塞型・混合型を判別)と確定
    5以上20未満・・・比較的軽症であり、経過観察あるいは状態に応じて
             マウスピース(保険適応)の検討がされます。
    20以上・・・CPAP療法が保険適応されます。

  実際の治療方針については検査結果だけでなく、日常生活への影響を含めて
  総合的に検討する必要があります。

 費用:入院検査を行った場合の平均的な費用を示します。
    持病によって、血液検査などに追加があるため均一ではありません。
    実際の入院費用(防府市内の病院での実績です。)


脳波を含むPSG(ポリソムノグラフィー)
簡易検査の内容の他、更に脳波測定図などが
組み込まれています。
結果判定には約7日間を要します。
実際の検査では、以下の写真のように各種の
センサーを取り付けて一晩休んでいただきます。
PSG(ポリソムノグラフィー)の実施

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 3、夜間酸素飽和度測定のみ

  夜間に酸素飽和度測定を行うことで睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング
 (ふるいわけ)が保険制度上認められています。しかし、職場検診など、ご本人の
  意思とは無関係(強制的)に行う場合には、見落とし例が多く存在します。

  (例)職場検診
   検査で疑いがあると、治療するまで業務に支障をきたす(職場で仕事を
   止められてしまい、経済的にも困る)という理由から、あえて眠らずに検査。
   覚醒しているので、低酸素状態に陥ることなく検査終了。問診表には
   「ぐっすり休んで検査を受けた」と記載。
  → 酸素飽和度測定検査では「正常」と判定。
    ところが後日、居眠り運転で事故をして精密検査を受けたところ、重度の
    睡眠時無呼吸症候群と診断。

  こうしたことを避けるため、当科では原則として酸素飽和度測定だけを用いた
  スクリーニング検査は勧めていません。集団検診あるいは経済的な理由などで
  この検査単独でスクリーニングを行う場合には、疑いが強いかそうでないか、
  という判定に留めます。

 判定例:睡眠時無呼吸症候群の・・・
     疑いあり(要精密検査)、経過観察、今回の検査では異常所見を認めず、など。
    「疑いなし」とは記載できません。


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睡眠時無呼吸症候群に対する治療


1、持続的陽圧呼吸(CPAP:シーパップ療法)

  (閉塞型)睡眠時無呼吸症候群では、睡眠時に気道閉塞を伴っています。
  機械によって、圧力をかけ続けることで気道閉塞を解除するのがCPAP療法です。
  多くの方はこの方法によって治療が行われます。

  最も確実な治療ですが、根本的な治療ではなく対症療法です。
  (肥満が原因であれば、この方法以外の治療は難しいかもしれません。)

  治療期間には決まりはなく、生活習慣を改善しながら経過観察を行います。
  現実には、長期間(年間単位)の治療を要することが多いです。
  治療効果として、直後あるいは数日で自覚症状の改善のあるケースも多いですが、
  無呼吸そのものは抑えられているにも関わらず、自覚症状には目立った変化の
  ないケースもあります。そうした場合であっても、同居するご家族のお話を
  伺うと、「いびきがなくなった(静かになったので、周りの家族もよく眠れる
  ようになった)」ということがあります。

  ただし、治療費が月に約5,000円(保険適応3割負担の場合)と高額に
  なってしまうことが欠点です。(検査・治療にかかる費用


CPAP

睡眠時にこのような機械を装着します。 


   CPAP治療  CPAP療法
          (使用時)           (模式図)

  CPAPの機種やマスクも様々です。職業運転手さん(特に夜間を含む長距離移動)に
  向けた、車のシガー・ソケットを電源にしたタイプの車内でも使用可能な機種
  扱っています(目覚まし機能もついています)。

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 2、マウスピース
マウスピース

睡眠時に左の写真のようなマウスピースを使用します。
軽度から中等症までの睡眠時無呼吸症候群に有効な
ことがあり、コンパクトで持ち運びも簡単なことも
メリットです。

  マウスピースに関しては、当院では作成できませんので、歯科開業医の先生方に
  ご協力をお願いしています(作成費用の目安)。

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 3、外科的治療(UPPP:口蓋垂軟口蓋咽頭形成術など)

   扁桃腺、アデノイドなどのリンパ組織が肥大しているために睡眠時無呼吸
   症候群を合併することがあります。小児でも見られることがあります。
   この場合、外科的にUPPPと呼ばれる手術をすることで症状が改善する
   ことがあります。術式には様々な種類があり、外科治療の場合には
   耳鼻咽喉科で専門的に診療をしていただく必要があります。

   理学所見や検査結果などから外科的治療が相応しいと考えられる場合や、
   セカンドオピニオンをご希望される場合には耳鼻咽喉科にご紹介させて
   いただきます。

   外科手術前    外科手術後
        (術前)                  (術後)
    ※ 写真は当院での治療例ではありません。メーカーより提供いただきました
      素材をそのまま用いています。

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 4、その他

  ・睡眠薬
    睡眠薬を服用されている方では、睡眠薬そのものが原因となることも
    あります。睡眠時無呼吸症候群に影響の少ない睡眠薬に変更することで
    改善効果が見られる場合もあります。

  ・ダイエット、生活習慣の改善
    睡眠時無呼吸症候群を治療することの目的は、日中の眠気などを抑えると
    いった日常生活の質を向上させるだけでなく、将来的な合併症(脳卒中・
    心筋梗塞など)を予防することにあります。重症度に関わらず、生活習慣の
    改善は最も基本的かつ大切な治療法です。

    また、就寝前の飲酒は寝つきを良くしますが、同時に眠りを浅くしてしまい、
    全体的にみると睡眠にとっては悪影響を及ぼします。飲酒後は少なくとも
    3時間以上(個人差がありますが、できれば6時間以上)経ってから横になる
    ようにしましょう。

   睡眠時無呼吸症候群には至っていない状態の「いびき」を改善するためには、
   鼻の通りを改善するテープ(鼻腔拡張テープ)など、様々な治療が考案されています。
   当院では睡眠時無呼吸症候群に対しては、主にここに記載した方法による治療を行って
   います。
   (いびきの対策法の1つであるポジショニング法についてはこちらをご覧ください。)

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   検査の予約方法 検査のご予約について

    下記の医療機関で診療を行っていますので、受付時間内にご連絡ください。
    電話での検査予約も可能ですが、詳しく説明をお聞きになりたい場合には
    松本外科病院・ひよしクリニックの受診をお願いします。


     松本外科病院
      電話番号 0835-22-1592
      受付・・・月~土曜日
      検査日(簡易)・・・常時(ご自宅で行っていただきます)
      結果説明・・・月~金曜日


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  検査にかかる費用の概算(初診料を含めた3割負担額の場合:若干の誤差がある可能性があります)
              2010年度

   初診時:3,710円(レントゲン写真・肺機能検査などを行います)

   再診時(検査実施日)いずれの検査も、結果説明時に更に340円ほどかかります
    簡易検査:2,760円 ・・・(血液検査を要する場合には4,530円)
    精密検査:12,270円・・・(血液検査料込)

   治療にかかる費用(外科治療を除く)
    軽症例~中等症
     ・マウスピース(歯科に依頼):約15,000円
      作成には、一般的に3~5回の通院が必要です。
      作成後も、6~12ヵ月毎に経過観察を行います。
    中等症~重症
     ・CPAP治療(月1回の通院):毎月4,720円

   精密検査の費用は、ざっと約25,000円+個室料・差額ベッド代(1泊2日
   入院の場合)ですが、睡眠検査を外来検査として行う場合には
   初診料を合わせて約16,500円です。

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直線上に配置

  写真資料提供:フィリップス・レスピロニクス合同会社山口営業所睡眠センター
         帝人在宅医療株式会社

筆者:白鯨の健康日記 吉國友和


          ひよしクリニック(防府市)

睡眠時無呼吸症候群を治療して目覚めすっきり!
睡眠時無呼吸症候群