ぺるけさんの FET差動 ヘッドフォンアンプ内臓 プリアンプ

(秋月パーツによる 更に廉価実験版)




漢は黙って緑LED。


〜常用設備にもう一台〜


 以前製作した、ぺるけさんのヘッドフォンアンプ+プリアンプ12V版 を貸し出しているため、

 貸し出し&実験用とは別に、もう一台作ってみました。

 そのうち家族や友人用にも作ってあげたいので、使い勝手の面と手抜き、妥協点を掴む為にも?

 実験というか、まぁそんな感じで作ってみました。



 さて、いざ完成してみると、「じゃあ、オリジナルはどんななんだろう?」 と興味が出るのは多分自然な事でしょう。

 下手に手持ち部品があると、全てをオリジナルに忠実に作るというのは逆に難しいわけですが、

 ぺるけさんが用意してくださっている、部品配布コーナー等を利用させて頂けば、さしたる問題もなく、

 設計者であるぺるけさんが作られたものとほぼ同じものが使用出来るわけで、

 自力で二台目を作ってみた現在、オリジナルの音は勿論、

 回路図通りの動作をする教科書(お手本)という意味でも、よりいっそうオリジナルを作りたくなりました。

 

 

〜コンセプトは使いやすさ〜


 さて、今回は二台目と言う事もあり、前作より更に廉価部品を使い、大げさに仕立て上げてみました。

 まず、前回製作した 「FET選別冶具」 を使い選別したFETを使用。

 ただ、BLランク指定のところにGRランクを使った事もあり、仕上がりのバイアスも浅い。


 抵抗も当然、金属皮膜  推奨なのですが・・・

 作り手に聞き分けが無いので秋月のカーボン抵抗100本から選別。

 結果から言うと、 思うようにキッチリした抵抗値は、案外数多くは得られない ようです。

 

 目標の仕様は?

  ・ 電源に同じ12Vのスイッチングアダプターを使い、プリアンプとヘッドフォンアンプの二つが内蔵されている事

  ・ プリアンプは単体でスイッチで消音出来るようにする

  ・ バスブーストをつける事

  ・ 出来ればヘッドフォンアンプにもバスブーストが欲しい

 

 

 まず使用したFETのランクが違う事と、厳密に選別したとは言え、元々5%偏差のカーボン抵抗ですから、

 例えば、2.2kΩが必要なところに、2.2kΩの袋を空けて選別してみても、ほとんどがそれよりも低い数値を示します。

 勿論、100本入りなので、何セットも同じ抵抗値は見つけることが出来ますが、±5%ですから、

 約2.3kΩ〜2.1kΩ までばらつく事になります。当然ながら、マニュアル通りの動作とは行かなそうです。



 ただこれでもきちんと音は鳴るわけで、各ポイントの電圧等を調べてメモしてみています。

 色合いや配置デザインがちょっと好みとは違ってしまいましたが、まぁ蓋を閉めてしまえば見えません。

 数々のミスと数えきれない妥協を乗り越え、二台目のヘッドフォンアンプの完成となりました。

 



こういう見た目が好き。 四角いスイッチもアルパインのjubaみたいでいいでしょ? 
でもちょっと配置がね〜。どうせなら右側に6個 無意味につけても良かったかな。

 



フロントパネルにある二つの四角いモーメンタリスイッチは小電力用。

左側のスイッチは通常時をバスブースト状態とし、これを押してバスブーストをスルーするバイパスボタン。

右側のスイッチは、外部へのラインアウト出力のみをカットする、ミュートボタン。

ヘッドフォンアンプ単体用のバスブーストの回路を作ってはみたものの、どうもうまく働かないので、

安直に、プリアンプ出力をヘッドフォンアンプの入力に繋いでしまいました。一応これでヘッドフォンアンプのバスブーストも可能に。

ボタンを押す事でストレートな出力になるので、「シグナル・ストレートモード」(アルパインjuba参照)みたいで格好いい。

(後にLEDを消灯するスイッチもふざけてつけようかと思ったけれどやめておいた)

ミュートスイッチは、ヘッドフォンのみで使用したい時、

TVの映画を見ているとき、CMになったらすかさず押すなど、(←これでTV観賞など勿体無いよね)

色々な場面での使い勝手を考えて付けました。

 

 

それでは。

アッー!

使用部品は概ね秋月部品。その他は 2sK170 とアルプスのボリューム、安価なフィルムコンデンサ位。

トランジスタは全て 2sC1815/2sA1015。ヘッドフォンアンプの定電流部分のみYランク その他は全てGRランク。

(注:ぺるけさんは定電流回路にYランクを推奨しています)

 

部品配置は大失敗。中途半端に良く並ぶと余計にダサい。萌えない。

バスブーストの定数は実際に聴きながら決めました。ソケットを採用して交換可能にしました。

バスブーストの定数は、ON/OFF 1段階しかないためかなり迷いました。

 

大きな0.47uFのコンデンサーは安価なポリエステル。生で見るとやたらデカくて面白いです。

その他のコンデンサーは 「頑なに」 秋月のパナソニック製を使用。

実は製作中、他社製の小さくて大容量のコンデンサーにものすごく交換したかったけれど我慢し続けました。

ここは16V耐圧を使って、同じ大きさでも1500uFある とかそういうものがいいと思います。

 

配線がちょっと汚いですね。 まぁここらへんが限界なんです。

 

この手のアンプにシールド線はあまり意味がない と、ぺるけさんも仰っていましたが、なんとなく配線同士が近いこともあって、

シールド線をモチーフに、片側無接続のGND線を一緒に寄ったりしたのですが、これがまた物凄い手間で嫌になりました。

(なんとなく始めてしまったら最後まで揃えたくなってしまった)

工作そのものは嫌いじゃないけど面倒でしかたがないという、なんともひねくれた性格です。

ライン入力、出力部分。今回もやはりシンプルになりました。(相変わらずお金かかってませんね)

 

あやめアンプと合わせて
ディスクリートとIC。なんとも、異色の組み合わせ。

 

〜感想〜 バスブーストが便利すぎる!

 

 前作が現在手元に無いのですが、音は若干違うと思います。

 しかし、聴いていてさしたる不満が出てこないのは前作と同じです。

 詳しい比較 (するの?) は、そもそもオリジナルの感じを知らないためになんとも言えませんが、

 そういう部分を抜きにしても、はまってしまう音です。

 加えて、バスブーストスイッチも良い感じです。

 以前のプリアンプを使用している時よりも数段? スピーカーで音楽を聴くのが楽しくなりました。

 うちのスピーカーは低音が軽めですが、理想的に補ってくれています。

 ヘッドフォンにいたっても、不満なく、聴きなれた音ではありますが、

 そもそも低音が軽めのヘッドフォンなので、それを補うに十分。これは本当につけて良かったです。

 うちの機器は全部低音がプアなのでしょうか。

 

 先に書いたように、今回も指定のパーツを使用していないため、相変わらずオリジナルからはかけ離れたものになってしまいました。

 加えて、あらためてオリジナルが良く考えられている事が分かりました。

 まずは、「ラグ板を使い、大きめのケースを使い、余裕を持って作る事」 でしょうか。

 これは相当に重要に感じます。気持ちよい完成への早道ではないでしょうか。



 ・ラグ板ってすごい

  ちょっと試してみましたが、とにかく作りやすく、ユニバーサルならば面倒な、仕様変更や部品交換、配線の付け足し 等でも、

  サーッと3分 コテをチンすれば出来上がり。 玄関空けたら2分であー柴付け食べたい

  頑丈なので何度コテを当てようと、何度部品を交換しようと大丈夫、裏表も無いので構造がすぐわかる と良い事尽くめ。

  薄々気が付いてはいましたが、ユニバーサル基板は実装密度を上げるのは得意ですが、試作用途では使いにくいです。

  確かにケース等も小さく作れるメリットはありますが、部品交換に手間や気力が必要なのがネックです。

  こういう仕様は、「作りっぱなし」 の原因になりやすいです。 全て私の話です。

  加えて、常用だけに的を絞って作りっぱなしであるならば尚更、

  抵抗などもケチらず、使用部品はきちんと精度の高いものを使用した方が良いと思いました。

さて、一先ず完成となりました。 今回もまたまたぺるけさんに感謝です。


 

〜今回のもの 私的メモ〜 (いい加減な内容なのでよいこは真似しちゃダメ) 

何かアドバイス、ご指摘等ありましたら、掲示板にてコメントして頂けると嬉しいです。勉強します。

 

各部分の部品 オリジナル 実測値 

ヘッドフォンアンプ、プリアンプ共に大体同じ構成。

 

ドレイン部分 2.2k → 2.159k

ゲート部分 4.7k → 4.638k


2sK170 

BLランク Vgs -0.17V-0.31Vの範囲

→ GRランク 0.164V、0.164V、0.169V、0.168V、の4本 のセット
         0.144V、0.144V、0.144V、0.140V の4本 のセット

 

定電流部分 10k → 9.98k

        150 → 147.2

Yランク 2sC1815 hfe 258 + 268 の組み合わせを2セット

 

トランジスタ初段 1.5k → 無いので1.2kを使用 実測 1.17k

            82 → 無いので51を使用 実測 51.45

 

2sC1815 hfe 255 4本  266 4本

2sA1015 hfe 234 4本  235 4本

 

出力抵抗 10 → 10.1

 

電源部分 4.7 → 無いので10を使用 実測 10.1

       33 → 無いので51を使用 実測 51.05

 

バスブースト定数 0.01uF + 470k

 

ソース部分電圧 0.18〜0.3V → 実測 再測定中 ちょっと覚えてる測定値間違えてたかも

あー恥ずかしい。 

その他まだ計測中。

続く。 2007.10.12


続き。

本来の仕様よりもバイアスが低いため、

FET選別冶具を使用して、IdとVgsの関係をちょっと見てみようと、

VRを回して定電流値を可変させながら、とある、K170 GRランク のバイアス特性を実際に調べてみた。

Id (mA) / Vgs (V)

2.0 / -0.135

1.9 / -0.143

1.8 / -0.148

1.7 / -0.154

1.6 / -0.160

1.5 / -0.165

1.4 / -0.173

1.3 / -0.180

1.2 / -0.188

1.1 / -0.194

1.0 / -0.203


続く。2007.10.12


続き。

ヘッドフォンアンプ各部の電圧を計測。

アダプタ 12V → 10Ω → 9.79V → 51Ω → 8.64V (+B電源)

-C電源 -1.495V

あれまぁ。+B電源が 9Vを下回ってる。

 

→ ドレイン抵抗を通ったところ (ドレイン電圧) 4.024V

ソース部分電圧 L / 0.162V
           R / 0.160V

 

1815/1015 部分

+B電源 8.64V → 1.2kΩ  4.854V (終段1815ベース電圧)
       1.2k →  51Ω  4.697V (前段1015エミッタ電圧) 

     E 0V → 1.2kΩ 3.393V (終段1015ベース電圧)
       1.2k →  51Ω 3.252V (前段1815エミッタ電圧)

 

出力抵抗 1815エミッタ部分 3.915V

       1015エミッタ部分 4.146V

出力部分電圧 4.029V

 

 

プリアンプ各部電圧

アダプタ12V → 10Ω → 9.79V → 180Ω →B電源 8.87V (←あれまぁ)

ドレイン抵抗後(ドレイン部分)電圧 4.2V

ソース部分電圧 0.139V ← 低いですね

 

バランスをセンターに合わせておいても、バスブーストをつけると低音が左に膨らんで音像が斜めに歪んじゃう。

続く。


2007.10.16 

ヘッドフォンアンプ、プリアンプ 定数変更 調整 と、

WaveSpectra WaveGene を使って特性を観測してみた。

 


ユニバーサル基板、狭いケースはいじりにくい!

 

 

〜オリジナルの定数に極力近づけるよう、手持ち部品でやってみた〜

総じて思ったのが、オリジナルのぺるけさんが公開していらっしゃる方法通りに作る事が最良だと痛感。

作りやすく正確な動作、きちんと考えられていて言う事なし。

推奨されてる部分にはきちんと意味がある。

それを守らないで作った上でつじつまを合わせようとすると、今回の僕のように四苦八苦してしまうんだなぁ。

「次作るならば、絶対に金属皮膜を使い、ラグ板を使おう」 と、心に誓う。

 

 +B電源の電圧降下が著しいので、消費電流の激しそうな部分を調整。

 

  ・ 電源 突入防止 10Ω に、10Ωを並列で追加 → 5Ω

    出力 9.79V が 10.32V まで回復。

  ・ デカップリング 51Ω に、100Ωを並列で追加 → 33Ω

   

LEDのの消費電流が結構あるらしく、LEDの並列を一つずつ外していくと少しずつ電圧降下も低減。(当前)

ついてるもの光らせたいし、適当な抵抗を並列にしていたけれどちょっと暗かったので、

最終的には2.2kΩに220Ωを並列追加して200Ωとした。LEDは直列に繋いだ。

若干電圧降下は増えてしまったけれど、それよりもトランジスタバッファ前段の消費電流が激しい影響が大きいと思うのでこのままに。

お陰で明るく綺麗に光り、それはまるでアルパインの名機Jubaのような雰囲気。(そうかな) 緑LED好きだなぁ。

 

 

いよいよ問題のトランジスタバッファの定数を変更。

手持ちの抵抗でなんとかやりくり出来ないか計算したら意外にピッタリと事が運んだ。

 前段 バイアス部分

 1.5kΩ部分 (手持ちが無いので1.2kΩにしていた部分)

  ・ 2.2kΩ (実測2.17kΩ) と 5.1kΩ (実測5.02kΩ) を 並列にしものに交換 → 1.517kΩ

 82Ω部分 (手持ちが無いので 51Ωにしていた部分) 

  ・ 100Ω と 510Ω を並列にしたものに交換 → 83Ω

 

以上の調整により、

 電源電圧 10.2V

+B電源電圧 9.32V と、ほぼオリジナル通りに。 

 

以上を行った後のメモ。(今時点の仕様)
(デカップリングコンデンサー等、書き忘れあり)


これはヒドイ (汚い)

 

そもそも、1%級の金属皮膜抵抗を使っていればこういう工程は必要ないわけで・・・

一袋100円か、300円か、の違いなので、行く行くは揃えたい。

 

〜抵抗器の雑音〜

抵抗器の雑音の面で、どちらを使わなければならないかは、いまひとつピンとこないけれど、

ぺるけさんの 「平均プロジェクト」 のページの一文にもあるように、

カーボン抵抗と金属皮膜抵抗は雑音レベルの違いがあり、一般的に金属皮膜を使う方が有利だそうです。

 

〜休憩〜


「お兄さんなにしてるの?」


プリアンプ部分の調整、変更

 

・ プリアンプの左右の音量レベルが違うので、帰還抵抗を微調整。

 

   抵抗で厳密に揃えるも、左右で利得が違うので、ならば地道に抵抗値を左右で変えて揃えようと思い、

   46.1kΩのLchに対して、音量の小さいRchの帰還部分の接地抵抗をほんの少しだけ値の大きなものに交換。

   使っているのが 5%精度のカーボン抵抗 なので、そのバラつきのお陰で選び放題ではあった。

 

  Lch 46.1kΩ → そのまま

  Rch 46.1kΩ → 46.5kΩ 

 

   確認は大体を耳で行って、厳密な確認、調整には後述のフリーウェアソフトを使用してみた。

   読みが良かったのか運がいいのか、数回でしっかり揃ってくれた。

 

以上を行った後のメモ↓(今時点の仕様)


ノートを手に持って書いたからまっすぐ線が引けてない。

 

〜休憩〜


「ふ〜ん。そうなんだ〜。」(全く興味なし)

 


〜WaveSpectra WaveGene を使ってみる〜

以上を WaveSpectra、WaveGeneを使って調整、測定してみた。このソフトすごい。

おかげで下らないチョンボも発覚。

 

・ ケースのアースが取れていなかったため、色々な部分を触ると低域にノイズが盛大に出てるようだ。

→ きちんとアース端子を作ったらいくら触っても大丈夫になった。

 

さて改めて今回のアンプは、

・ 20〜20kHzまで±0.2dB程度と分かった。
 (実はぺるけさんオリジナル+きちんとした測定ではそのレベル差さえもなくフラットだったらしい。)

・ L/Rch での差も無いに等しい。 出力レベルも厳密に揃ってくれたので嬉しい。

・ ヘッドフォンアンプに限っては帰還部分の可変抵抗器で厳密に調整出来た。

 

最初、各周波数やホワイトノイズを聴きながら、耳でここら辺がセンターだろうと揃えてみたら、

小数点レベルで合っていたのでちょっと驚いた。いやどうかはしらないけど。

(一先ず自分の耳も少しはまともなのかもと思いホッとはしたけれどかなり半信半疑。)

 

何よりL/Rバランスが良い感じに調整出来たのでそれが一番嬉しい。

そうそうこれこれ。やっぱり良いんだなぁ〜きっとこの回路。

ブースト時の音像の斜めゆがみも無くなった。

 

ただ特性はフラットでも、クラシックギターなんかは、枯れた乾いた音がするのと、少々ナローレンジっぽいのは、

もしかしたらコンデンサーの色付けなのかも知れないなぁ などと根も葉も無い事が浮かんできたので、

これも安価なものでいずれ交換してみようかな、


2007.10.18

と、思っていたんだけどWave〜を走らせたら、もっと大きな問題があるのに気がついた。

 

・ 今までのように、あやめアンプの上に設置してる時

 

・ 机の上に単体で置いて走らせた場合

 

物凄いトランスの影響を受けていた事が分かった。

低い周波数を走らせながら、ヘッドフォンアンプを手に持って、

あやめに近づけたり離したりすると体感的にほんの若干だけど音が変わる。

試しにインナーイヤータイプで聴くとしっかりとハムノイズが聞き取れる。

これは設置場所をどうにかして解決。ちなみにTVの近くもダメだった。

 

 

さて、音はというと、今回のものも、やはりオペアンプ系とは違うベクトルです。

これを一度体験すると、オペアンプ系の音には戻れない人や、ハマって二台目を作ってしまう人が多いのは大きくうなずけます。

何が違うのか真剣に考えると、「こちらは気持ちが良い」 という事に尽きます。聴いていて楽しい。

緻密なのに、柔らかさも合るし、ソースの雰囲気通りで、なんてオールマイティーなアンプなんだろうと改めて思いました。