≪ウエスト症候群(点頭てんかん)

 west症候群は発作の抑制が困難で、知能障害、運動障害をともなう事が多い小児の代表的な難治てんかんで、
  症候性全般てんかんに分類されています。
                           

 west症候群は、乳幼児時期(好発年齢は、3〜6カ月頃)に種々の原因によって発症する、
  年齢依存性の難治性てんかんであり、特有な頻発するてんかん。

 ウエスト特有なヒプスアリスミア(多焦点性の波が重なっている非常に不規則な印象を与える脳波)。
 ヒプスアリスミアは基本的にはウェスト症候群の発作間歇期の脳波像であり、ウェスト症候群に特徴的な BNS発作の発作時には
 一時的にヒプスアリスミアが途切れ脳波像は脱同期を起こし抑制されるのが普通である。       
  シリーズ形成する点頭発作で、1シリーズの中で瞬間的に上肢、下肢を強直させて、
 頭部を前屈させる発作を数秒〜数十秒おきに繰り返して1日の発作回数が多いのが特徴です。
       ↑ヒプスアリスミアの脳波
 典型的な発作が出現してくる前に、
笑顔が少なくな ったとか、追視をしなくなったとか、
 首のすわりが悪くなったとか、いろいろな 発達の遅れや退行が先行する場合が多い事もあります。

 west症候群は、潜因性(発症前の発達が正常で検査しても原因がわからない)
 と症候性(脳の器 質的な障害や低酸素性・虚血性脳症などの周産期要因が原因している)に分類されています。
  
潜因性のwest症候群の方 が、症候性のものよりも、抗てんかん剤に対する反応もよく発達的な予後もよいと考えられています。

 west症候群の発作は、多くは両側性で対称性の首、躯幹、四肢の短い筋収縮ですが、
  屈筋か伸筋のどちらかが優位か、また関与する筋肉の分布や数、持続時間によって発作型が決まります。


 屈曲型は従来最も特徴的と考えられてきた発作型で、頭部、躯幹、四肢の突然の屈曲からなり、
 屈曲が強く上肢の外 転挙上が見られることもある。
 伸展型は、首、躯幹の突然の伸展が四肢の伸展外転をともなって起こります。
 屈曲ー伸展混合型は、最も多く見られる発作型で半数近くの症例で見られ、
 首、躯幹、上腕の屈曲と下肢の伸展あるいは稀では あるが逆に下肢が屈曲し上腕が伸展します。 
  発作の持続時間は、一般に数秒以内と短く、数回から数十回、5ー30秒間隔で群発しシリーズを形成する傾向があり、

 1日に1から10シリーズ以上の群発が見られます。
 
どの発作型も、覚醒直後か入眠前に多いのが特徴です

 発病してから治療を開始するまでの期 間が発達的な予後にも影響すると考えられています。
  点頭発作に気づかずに放置 していると、赤ちゃんの運動発達や精神発達の停滞や
  退行(今までできていたこ とができなくなってくる)が見られるようになってきます。

  国によっても、第一選択薬の違いがあり、潜因性と症候性でも、症例によって も、有効なくすりが違うことも あります。
  日本では、潜因性の点頭てん かんに対して、活性型ビタミンB6大量療法が第一選択として試みら れていますが、
  有効性は低く、約10%の症例で著効したと報告されています。

  抗てんかん薬としては、VPA(デパケン、バレリン)、CZP(リボトリー ル、ランドセン)、NZP(ベンザリン)、
  ZNS(エクセグラン)が第一選択 薬ないし第二選択薬としてあげられていますが、有効なくすりは症例によって異 なります。
  VPAとVitB6 大量療法の併用が有効という報告や、CZPとVPAの併 用も行われています。


 以上のような抗てんかん剤で発作のコントロールが難しい場合には、 ACTH 療法(副腎皮質刺激ホルモン)の適用になります。
 ACTH(コートロシンZ)を2週間連続注射、次の2週間隔日注射 その後漸減する方法で 6〜8週間の入院治療が必要になります。
  ACTH療法は有効性が高く、80〜90%の症例で発作が止まりますが副作用も多く
  最近では、ACTHの少量投与法が一般的になってきました。
  VitB6大量 療法とACTH少量投与の併用でよい成績がでたという報告もあります。
  抗て んかん剤で発作が止まらない場合には、早めにACTH療法を行う方がよいと考 えています。
   ACTH療法の副作用は、いろいろありますが、治療中、抵抗力がおちて感染 しやすくなること、
  CTスキャンでの一過性の脳の退縮現象(水分の減少)、食 欲昂進、不機嫌、その他があります。
  ACTHの投与量が多くなれば、効果も大きくなりますが、副作用も出やすく なるため、少量投与が選択さ れています。


 また、乳幼児期に再発しやすいという特徴があるのでやっ かいですが、再発したら、
 その都度ACTH療法を含めた適切な治療によって、 できるだけ早期に発作のコントロールをすることが大切です。

 

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