資料集
検証 創価の墓苑脱税問題
国会での審議記録






第4号 平成4年2月26日

第123回国会 大蔵委員会 第4号
平成四年二月二十六日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 太田 誠一君
   理事 井奥 貞雄君 理事 中川 昭一君
   理事 村上誠一郎君 理事 持永 和見君
   理事 柳本 卓治君 理事 小野 信一君
   理事 細谷 治通君 理事 日笠 勝之君
      浅野 勝人君    石原 伸晃君
      岩村卯一郎君    江口 一雄君
      衛藤征士郎君    狩野  勝君
      亀井 善之君    河村 建夫君
      久野統一郎君    小林 興起君
      左藤  恵君    関谷 勝嗣君
      戸塚 進也君    林  大幹君
      前田  正君    山下 元利君
      池田 元久君    佐藤 観樹君
      佐藤 恒晴君    沢田  広君
      仙谷 由人君    富塚 三夫君
      中村 正男君    早川  勝君
      堀  昌雄君    渡辺 嘉藏君
      東  祥三君    宮地 正介君
      正森 成二君    中井  洽君
      菅  直人君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 羽田  孜君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  村井  仁君
        大蔵大臣官房総務審議官    日高 壮平君
        大蔵省主計局次長       小村  武君
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        大蔵省関税局長 吉田 道弘君
        大蔵省証券局長 松野 允彦君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        国税庁次長   冨沢  宏君
        国税庁課税部長 坂本 導聰君
        国税庁徴収部長 中川 浩扶君
        国税庁調査査察部長      根本 貞夫君
 委員外の出席者
        国土庁土地局土地政策課長   板倉 英則君
        国土庁土地局地価調査課長   木村 誠之君
        文化庁文化部宗務課長     梶野 愼一君
        通商産業省機械情報産業局自動車課長     川嶋  温君
        自治省税務局固定資産税課長  堤 新二郎君
        参  考  人
        (日本銀行理事)福井 俊彦君
        大蔵委員会調査室長      兵藤 廣治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)
 法人特別税法案(内閣提出第四号)
 相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)


○渡辺(嘉)委員 
収益事業による所得額は、平成二年には千九百五十六億円とありまして、
昨年新聞、テレビで報道されました
創価学会が造成された墓苑の脱税の疑いで税務調査を行われたとあったのですが、
これは事実かどうか。
それからこの創価学会へのそれまでの税務調査は行ったことがあるのかないのか。
御答弁をいただきたい。

○坂本(導)政府委員 
一般論として申し上げますと、宗教法人を含む公益法人についても
実地調査を実施しているところでございます。
それも、先ほど申し上げましたように問題があるところを
重点的に取り上げて行っているところでございます。
御指摘の創価学会の件は、個別の件でございますので、
ここでは答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

○渡辺(嘉)委員 
もしここで調査なされて、脱税額があった、当然これは修正申告なり更正決定なり、
あるいはまたそのほかの――そのほかの措置はないか。
何らかの措置をとられるわけですね。
創価学会が昭和六十二年に当初申告されたのが収益事業としては
九十九億八百六万円なんですね。
これが修正申告をされて、八億九千三百九十七万円の修正で
百八億二百三万円になりました。
昭和六十三年は百億六千三百四十九万円、修正で六億百五十三万一千円を
上乗せして百六億七千八百八十万円。
元年は九十四億二千七百十一万円の当初申告に対して
修正は八億七千三百十三万円、合計百三億二十四万円となります。
平成二年は百四十億七千七百九十六万円の当初申告で、これは修正はなし。
ですから、修正額は三年間で二十三億八千二百四十一万円、
こういう修正申告がなされたわけですが、
この修正申告をなされたことは事実かどうか。
それから、これは墓苑収益の事業の脱落分であったのかどうか。

○坂本(導)政府委員 
お尋ねの件は個別にわたる案件でございますから答弁は差し控えさせていただきますが、
ただ、最近三年間の創価学会の公示所得で申し上げますと、
平成元年三月期分は百六億七千八百八十万円、
平成二年三月期は百三億二十四万円、
平成三年三月期は百四十億七千七百九十六万円でございます。

○渡辺(嘉)委員 
そうすると、私が申し上げた額と同一ですね。そういうふうに理解していいわけですね。

○坂本(導)政府委員 
私が申し上げたのは公示所得金額でございます。

○渡辺(嘉)委員 
一般企業が墓苑を造成いたしまして販売するということはまずあり得ないわけですね。
なぜかといえば、これは宗教法人が一応やっている。
墓をつくるということについては特別な許可が要りますから、
一般だれでもやるというわけにはいきません。
しかし、墓石を売るということは事業ですから、これはだれでもできるわけですね。
ですから、その意味で今度の税務調査が行われたのは、この墓石の部分、
その他の収益があったかどうかの部分、
そういうところに当然調査をされたと思うのです。
そこで、まず、今お話がありましたような百億を超える収益事業の
所得申告がなされたといたしますると、
平成二年に百四十億七千七百九十六万の申告をされた創価学会、
私は御立派なものだと思うのですが、
これがもし三〇%の寄附控除後の申告だとすれば、もとに戻ると、
もとは二百一億一千万円となるのです。
三〇%の寄附は六十億三千万円、これを差し引いて
百四十億が課税所得として公示価格にのってくるわけです。
といたしますると、この二百一億の所得があった場合でも三〇%の寄附をすれば、
この法人は四十五億八千七百八十五万円の税金で、
国税、地方税、全部あわせて済みます。
もし一般法人がこの寄附金の限度計算等を行うことによりますると
二億五千三百七十五万円、
これは資本金を二十億とみなします。
そうすると、片一方では六十億三千万円の寄附金が無税、一方では二億五千万円、
こういうアンバランスが出てくるわけですね。
この結果、納税額は法人所得でいきますと、宗教法人の場合には四十五億八千万円、
普通法人でいきますと八十九億八千万円、倍の税額となるわけですね。
私はこれが不公平だと言うのです。
先ほど主税局長もおっしゃったように、同じ仕事をやっておる、
同じ収益を上げておる、同じ事業をやっておる。
片一方は二七%であり、寄附金控除その他をずっと認めてくるから四十五億で済む。
一方は八十九億の納税をする。
どう考えてもこれは公平を欠くのじゃないか。
同じ事業なら、同じことをやっているのならば、公益法人であろうと――
公益法人は本来営利を目的としないのですから、
営利を目的としないところが営利が上がったら一般法人と同じように
納税させるのが正しい税のあり方だと私は思うのですが、どうですか。

○濱本政府委員 
確かに渡辺先生御指摘のように、同じ事業を別の主体が営んだからといいまして、
事情が同じであれば同じ税負担を生じて当然であるという考え方は
そのとおりだと存じますけれども、ここに一つの事情がございますのは、
公益法人が一般的に収益事業を営まれますケースとしましては、
収益事業で上がった収益を公益のために使いたい、
そういうお考えのもとに営まれるケースが多い。
もう少し別の言葉で言えば、より一般的であろうかというふうに
観察されるわけでございます。
結局、法人が支出しました寄附金の扱いになりますけれども、
一般法人の場合の寄附金の損金算入割合に対しまして、
そういった事情から、公益法人の場合にはより有利な損金算入割合を
認めておるという事情がございます。
これが最終的な税負担の違いに響いてくるということは起こり得るわけでございますが、
先ほど来の御指摘もそうでございますが、公益法人のこういった
税制上の取り扱いはこれでいいのかということは
かなり前から政府税制調査会でも意識され、それから与野党間の
いろいろな税制協議でも取り上げられたところでございまして、
私どもとしましても、ここに問題があるということにつきましては
たびたび教えていただいておるという感じがするわけで
ございますけれども、一体、この問題をどういうふうに解決すればいいか、
公益法人のあり方をどう考えていけばいいかというのは
なかなか容易な問題ではないという感じが正直に申しましていたしておりまして、
今後引き続きこの問題を問題として考え続けていきたいというふうに思っております。

○渡辺(嘉)委員 
私は創価学会だけにターゲットを絞っておるわけではなくて、
余りにも突出して大きいから一つの例として言っておるだけです。
悪意も他意も全くありません。
ただ、創価学会系の墓苑が非常に多いのですね。
私の調査によれば、
東北池田記念墓地公園は宮城県の白石市に一万九千七百基、
はるな平和墓苑が群馬県榛名市に二万五千基、
富士桜自然墓地公園が富士宮市に五万二千基、
中部池田記念墓地公園四万八千基、
そして北海道の厚田村にある厚田墓苑が三万五千基。
関西池田記念墓地公園が現在までに六万基、
この四月にはあと一万基がオープンする――オープンというのが適当かどうか、
すると言われております。合計いたしますと、
この一万基の夫オープンの分は除きましても二十三万九千七百基ある。
これは悪い言い方ですが、仮に一万円の利益があっても二十三億。
これは幾らで売り出しておるかということですが、七年前の北海道の
厚田墓苑の当時で一基約五十万円だそうです。
はるな墓苑については七十二万円だそうです。
そして関西の池田墓苑については九十万円だったそうです。
今売りに、売りにというか、これは、オープンに出しておるのは一万基、
現在は百万円だそうです。
こういう大変な量のものなんです。
だから仮に、まだできかけのものその他を除きましても二十三万基ということになると、
そうすると、平均七十万円の値段であったと仮に計算いたしますと
千七百億ぐらいの大事業なんです。
大収益なんです。大収入なんです。
課税の計算をどのようにおやりになったのかわかりませんし、
帳簿をどのようにお調べになったかわかりませんが、
聞くところによると、帳簿というものは出てきたり出てこなかったりいろいろあったそうです。
 そこで、国税庁としてはどういうふうにおやりになったかは、これは私が推測します。
平均で七十万と見て、墓石がまず三十万。土地が造成等含めまして三十万、
土地も何も大きいのをつぶすんじやありませんから。
しかしそれでも三十万。そうすると残金が十万円。
この中から経費その他が出てくるんじゃないか。
こういうふうに計算いたしできますると、課税を二分の一、
非課税を二分の一、そして割りますと三十五万になる。
三十五万ずつから、課税の三十五万から三十万の墓石を引くと
五万円の利益が、収益が残ります。
その中から一般経費諸掛かり費を引く。こういうふうに善意に見ても、
半分それを見ても収益として残るのは二万五千円。
二十万基でも五十億、こうなるんです。これの修正申告等から考えまして、
調査あるいはまた修正申告は三年で打ち切っておられるように思われるんですが、
時効は七年ある、調査の時効も五年はあるんです。
私は何も七年金部とかいろんなことは言いませんが、少なくとも私は、
三年で打ち切った理由はなぜか。
これは余りにも金額が大き過ぎるからなんです。
本来の事業の収入は、当然これは非課税ですから、ここには入りません。
しかし、本来の宗教事業としての非課税になっております部分もかなりある。
私が聞きましたところによると三百億ないし五百億は年間あると言われております。
そのほかいろいろ多くの疑問を私は感じましたし、不審な点も見ましたもので、
これはこれ以後、きょうは時間がありませんのでこの一つだけ聞いておきますが、
逐次聞く予定ですけれども、いずれにしても本来の教義のための事業と
そしてこういう収益事業とが会計上本当にきちっと分かれているかどうか、
ここまで突っ込んで調べであるかどうか。
私は、日本の国税庁には、本当にすばらしい能力と努力を
日ごろ敬意を表して見ております、これは欧米に比べたら格段の差なんです。
こういうような意味で、この点について承りたい。

○坂本(導)政府委員 
一般論として申し上げますと、例えば宗教法人につきまして
調査をするときに当たりましては、
収益部門と公益部門というものを明瞭に区分して処理、
調査をするということをやっております。
例えば神社で駐車場を経営していて、そこで駐車場の造成の費用がかかり、
一方で神社自体の修繕を行うというような場合に経費が一体とされていないかどうか
、その辺は収益事業たる駐車場部分と神社の修繕費、公益事業部分とを明瞭に分けて、
区分経理をするようという観点から調査をしております。

○渡辺(嘉)委員 
国税庁は常に個別案件は答弁しないということで私どもには明らかにされませんので、
後日また聞くといたしまして、きょうはこの程度にしておきますが、
文部省来ていらっしゃいますか。
 文部省にお伺いしますが、この創価学会等の宗教法人、
これの所轄庁は都道府県並びに都道府県にまたがるときには文部省、
こうなっておりますから文部省にお聞きをいたしますが、
この宗教法人法によりますと、宗教法人が公益事業以外の事業をやってもいい、
こうなっておりますから、だからこういうことになってくる。
ただしその収益は、これはこの宗教法人の本来の目的に使うべきなんだ、
こういうことになっておりますが、
そういう点、きちっとそこまで見て指導をしていらっしゃるかどうか。
いま一つは、この創価学会の設立目的は、
「日蓮太聖人側建立の本門戒壇の大御本尊を本尊として日蓮正宗の教義に基づき――中略)
公益事業、出版事業及び教育文化活動を行う」こういうふうに書いてあるわけです。
ところが、ここに大日蓮という名のもとに破門通告というのがあるのですけれども、
この破門通告を読んでおりますと、そうすると、創価学会に対して
日蓮正宗としては破門をしたよ、これは十二月七日付なんです。
その前には、十一月七日付には解散の勧告をしたよ、こういうことになっておるわけですね。
私は聞いたんです。なぜ解散の勧告をされましたか、
こう聞いたら、教義の逸脱、社会的な問題、何ですかと聞いたら、
ルノワールの問題、補てんの問題、脱税の問題等々いろいろおっしゃった。
はあ、そうですか。
これは聞いたとおりを申し上げただけです。
こういうふうになりますると、そうすると日蓮正宗の本山は大石寺であると
私ども、これは常識的に思っておるわけですね。
だから、文部省としては、これに対しては都道府県で東京都がやっておるから
文部省としては知らないというお話でしたけれども、
しかし、こういう解散勧告が来たり破門通告が来るというようなことになると、
これが宗教団体なのかどうなのか。
教義はこれなんだ、そしてこれから破門したんだ、
解散させたんだということになると宗教団体でなくなりはしないのか、
宗教法人でないのではないか、そうすると税法上の取り扱いもまた変わるわけなんですね。
この点についての御見解を文部省、お知らせください。

    〔柳本委員長代理退席、委員長着席〕
○梶野説明員 
たくさんのお尋ねをいただきましたけれども、まず最初に、
創価学会の所轄庁でございますが、
創価学会は、これは単立の宗教法人、もう少し申し上げますと、
ほかの宗教法人と包括あるいは被包括の関係にない、
教派とか宗派、教団というようなものを持たない単立の宗教法人でございます。
そして、そういった場合には事務所のございます都道府県の知事になるわけでございます。
この場合には都知事でございます。
逆に申し上げれば、宗派などの都道府県をまたがる被包括法人を
持っているところは文部大臣が所轄庁になるわけでございますが、
これは東京都の所轄に属する法人ということでございます。
それから次に、公益事業以外の事業を宗教法人法でも規定があるということで
ございましたけれども、
これは先生御指摘のように、宗教法人法の六条で、まず第一項では、
「宗教法人は、公益事業を行うことができる。」で、
第二項におきまして「宗教法人は、その目的に反しない限り、
公益事業以外の事業を行うことができる。
この場合において、収益を生じたときは、これを当該宗教法人、
当該宗教法人を包括する宗教団体又は当該宗教法人が援助する
宗教法人若しくは公益事業のために使用しなければならない。」
 これについて、ではどういう使途といいますか、
使用ということの実情はというお尋ねでございますけれども、
宗教法人法ではこのほか憲法で定める信教の自由や
政教分離の原則というのもございまして、これにのっとりまして、
宗教法人の管理運営につきましてはできる限り行政庁の関与を少なくしております。
したがいまして、宗教法人の管理運営は自主的、
自律的に行われることを原則としておりまして、
こういった場合の所管庁が調べるというようなことを予定していないわけで、
特に所轄庁には宗教法人の財務運営の状況を調査する権限も与えられておりませんし、
また宗教法人にはこうした所轄庁に対しまして財務状況などを
報告する義務もないというところでございます。
それから三点目に、今、他の宗教法人との関係の途絶といいますか、
破門ということですが、宗教法人として設立いたす場合には
宗教法人法に基づきまして要件が定められておりまして、
先ほどから申し上げております単立宗教法人の場合で申し上げますと、
その要件が、宗教の教義を広め、儀式行事を行い、
及び信者を教化育成することを主たる目的といたしまして、
そして礼拝の施設を有するということでございます。
一般的に申し上げれば、こうした宗教法人としての要件を具備しておりますならば、
他の宗教法人との関係が途絶いたしましても存立は可能でございます。
創価学会に関して申し上げれば、新聞などに報道されております今回の破門によって、
今申し上げました宗教法人としての要件に何らかの変更があったということの報告は、
所轄庁である都道府県からは受けていないというところでございます。
 以上でございます。

○渡辺(嘉)委員 
では、質疑時間がないそうですから、今いろいろまだ合点のいかない答弁を、
腹の膨れない答弁もいただいておりますので、これはまた逐次それぞれにお聞きをするとして、
きょうはとりあえず以上で終わります。ありがとうございました。