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Tenor-Stick レポート
Uke-Stickの兄貴分の登場です


1 はじめに

Uke-Stickの登場は、センセーショナルなものでした。
斬新なデザイン(まるで布団たたき)に本格的ピックアップの内蔵で、驚くほどの低価格。
また、アンプにつながないと、音はきわめて小さいため、夜中でも受験生のいる家庭でも、気兼ねなくウクレレの練習ができるようになりました。
まさに、日本の住宅事情に応じた、革命的なウクレレです。

サイズも通常のウクレレと比べて、ぐんと小さくなったため、出張のお供に最適です。
これで見知らぬ土地での夜も寂しくありませんし、おねぇちゃんのいる高い店で酒を飲む必要もなくなりました(笑)。

そんな、優れもののUke-Stickに兄貴分が加わりました。
Tenor-Stick(テナー・スティック)です。

今回、ドイツのRISA社の第1回生産分のロットが日本へ上陸しました。
どのようなウクレレなのでしょうか?期待が高まります。


2 全体

ご覧のように、今までのUke-Stickとほぼ同じ姿です。
しかし、色は茶色でフレットのポジションマークがパネル状になっています。

はじめて、このTenor-Stickを渡されたときは、本当にこれがテナーなの?と思いました。
最初にケースの大きさをご覧ください。

左から、Uke-Stick、Tenor-Stick、スタンダードウクレレ、コンサートウクレレ、テナーウクレレのケースです。
Tenor-Stickのケースの長さはスタンダードウクレレとほぼ同じです。
それでは、それぞれのウクレレをケースから出してみます。

なんだ、スタンダードウクレレと同じ大きさではないでしょうか。Tenor-Stickは本当にテナーなのでしょうか?
こんどは、アップでご覧ください。


左のUke-Stickはペグを交換し、弦もWorthStringsのハードゲージに交換済み

Tenor-Stickの大きさは、従来のUke-Stickより3フレット分長くなっています。
一番右のスタンダードウクレレとほぼ同じ長さです。

それでは、テナーウクレレと比べてみます。

左上の写真のように、ブリッジからナットまでの弦の長さは同じです。Tenor-Stickはまさしくテナーサイズのスケールを持ったウクレレです。
しかし、右上の写真のように、テナーウクレレと比べると、ずっとコンパクトになっています。

テナーウクレレは大きすぎて、立って抱えて演奏するのは困難ですが、Tenor-Stickだとストラップをつけると、子供でも演奏できます。

Tenor-Stickを製造している、RISA社のホームページのデータによると、重量は400gで、従来のUke-Stickとほぼ同じ重量です。軽いので、長い時間演奏していても疲れません。


3 ネック

ネックはボディと一体化しており、指板はありません。
厚みは端で1.7cmと少し分厚い感じがしますが、握りやすい形状をしています。
ナットはなく、0フレットがナットの役目をしています。このため、弦高が低くなっています。
ですから、スケールはテナーサイズなのでテンションは強いですが、非常に押さえやすく、ハイポジションのセーハも無理なくできます。

フレットは17フレットまであり、ボディが小さいので、17フレットまで無理なく押さえられます。
また、ポジションマークがパールのような非常に美しい大きなパネルになっており、見やすく、デザイン的にも優れています。
もちろん、サイドにもポジションマークが入っていますが、こちらは、茶色のネックに黒のドットになっていますので、暗いところでは見えにくいと思います。

ネックの裏の上の方に穴が空いており、ここから弦を差し込み、弦を結んだ玉でとめます。
これは、Uke-Stickと同じ形式です。

弦は、GHSのテナー弦が使われており、3弦がアルミの巻弦になっています。


4 ペグ

ご覧のように、ボディにペグがついています。
ブリッジをとおった後、溝のついたアルミの円柱で弦が反転し、ボディ上部のペグで巻き取ります。

Uke-Stickのペグは安っぽいのがついていましたが、Tenor-Stickはグローバー製と奢っています。
しかし、弦をアルミの円柱を介しているので、巻き上げ時はスムーズですが、緩めるときはペグを緩めてもすぐに音程が下がりません。チューニングは、大きく緩めてから少しずつ巻き上げる方法で行います。


5 ボディ

ボディはUke-Stickとほぼ同じ大きさで、幅は約8cm、厚みは約3cmとコンパクトです。
材質は、クルミ材が使われています。硬くて丈夫です。


6 ブリッジ

アルミのブリッジの上にプラスチックのサドルが乗っています。
Uke-Stickのサドルは何故かアールがついていましたが、Tenor-Stickでは水平に改善されました。

このサドルの下に、パッシブタイプのピエゾピックアップが入っていて、サドルに伝わる音を電気信号に変換して、ボディ下部のジャックから出力します。Tenor-Stickでは、新しいピックアップが採用されています。

このジャックの位置が微妙に不便で、座って弾くとひざにプラグが当たります。立って弾く分には問題ありません。


7 ケース

標準で、ご覧のキャリングケースがついています。
緩衝材も入っていて、デザインもスッキリしています。素材は丈夫なナイロンだと思われます。

そして、素晴らしい点が、この肩掛けベルトです。ボディのピンに止めると、ストラップに早変わりです。この点は、Uke-Stickの便利さを受け継いでいます。
また、この肩掛けベルトは脱着式ですので、出張用のカバンへ入れるときは、邪魔なので外しておきましょう(^^)


8 音

アンプにつないで音を出してみました。
Uke-Stickと比べると、より自然な暖かい音が出ます。これは、ピックアップの差によるものが大きいと思います。

また、スケールがテナーサイズになったので、ピッチがより正確になり、サスティーンの効いた音になります。

それでは、ここで、Tenor-Stickの演奏をお聞きください。

  1. tenor.mp3(53KB)

これは、Tenor-Stickの出力端子から直接パソコンに取り込んだもので、リバーブ等のエフェクトは一切かけていません。


9 Tenor-StickとUke-Stickの比較

RISA社のホームページのデータから両者のスペックを比べてみました。

Specification Tenor-Stick Uke-Stick
Size 54×11×3cm
(52.5×8×2.8cm:突起除く)
46.5×11×3cm
(45×8×2.9cm:突起除く)
Scale 17” (432 mm) 14.2” (363.5 mm)
Tuning GCEA GCEA or ADF#B
Color Natural, satin finish Natural, satin finish
Frets 17 14
Neck, Body Walnut, 1 piece Maple, 1 piece
Neck width Zero fret 1.5” (38 mm) Zero fret 1.65” (42 mm)
Fingerboard inlays Pearloid block inlays -
Strings Black Hawaiian, GHS -
Pickup Passive piezo, Shawdow Passive Piezo
Bridge Aluminium Aluminium
Tuners Non-geared, Grover Non-geared
Weight 400 g 380 g
※以前は、Uke-Stickの材質はAlderと記述されていました。


大きさと色以外の大きな改良点を以下にまとめてみました。

  1. 材 質 : カエデ → クルミ
  2. ペ グ : 安物 → グローバー
  3. ピックアップ : パッシブピエゾ → より上等なパッシブピエゾ
  4. フレット数 : 14 → 17
  5. サドル : アール → フラット
  6. ポジションマーク : ドット → パネル
  7. 弦 : ノーブランド → GHS

値段は、Tenor-StickはUke-Stickの約倍になっていますが、ペグとピックアップの単価アップ分がほとんどを占めていると思います。

それでは、どちらを選べば良いのでしょうか?
ソロを弾かれる方は、絶対にTenor-Stick、ガンガンに弾き倒すならUke-Stickです。
でも、両方弾かれる方は、結局2本あった方がいいでしょう(^^)


10 おわりに

今回、まだ世界で100本しか出回っていない貴重なTenor-Stickをお貸しいただいたMATTさんに御礼申し上げます。

MATTさんの情報によりますと、次回の生産は2003年の春頃だそうです。

【参考】:Uke-Stickレポート

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