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コードネームは”マロニー”?! |
1 はじめに 最強のフロロカーボン(Worth
Stringsのフロロカーボン・ヘビーゲージ弦)について、BBSで皆さんと話し合っていたところ、 そんな折り、Worth Stringsの販売元のワースクリェーションの高橋社長から手紙が届きました。 まだ、サンプルということなので、ここでは”マロニー弦”と呼んでいきます(^^) 2 マロニー弦
Worth Stringsの弦は、すべて100%フロロカーボンでできた弦です。そして、使用目的やウクレレの大きさに合わせて、ゲージ(太さ)と材質を変えて、4種類のラインアップがあります。 0.91mmとは、どのような太さなのでしょうか? これは、期待が持てます。 3 今までのLOW-G弦 低音を出すには、弦の単位長あたりの質量を増やす必要があります。 このため、太さを大きくしないで、質量を稼ぐために、ナイロンの周りに金属の素線を巻き付けた、いわゆる巻弦を4弦に張って、低音を出してきました。 巻弦だけ、他の弦とは鳴りが違います。ボヨ〜〜ンとした音が、他の弦の小股の切れ上がった音から遊離して、やけに耳に残ります。 このようなことから、LOW-Gチューニングでは4弦のコントロールが難しく、無用に響かさないように、そしてフレットノイズを出さないように弾くには、相当のテクニックが要求されました。 また、弾き込んでくると、錆びたり、フレットに当たる部分の素線が切れてきたりして、寿命も通常の弦よりずっと短いのがネックでした。 4 マロニー弦を張る マロニー弦をスタンダードウクレレに張ろうと玉をつくりブリッジの4弦の溝へ押し込みます。 ということで、今回はこれまで・・・ジャンジャン。石が飛んできますね(^^) また、ナットの溝にも無理なく乗せられます。ペグを巻いていくと、最初はどんどん伸びてきます。 12フレットにおいて、ハーモニクスに比べて実音が+10セントだけシャープします。ですから、オクターブピッチは、ほぼ問題なしといっていいでしょう。 5 マロニー弦と巻弦の比較 今まで張っていた、巻弦との音の差を計測してみました。 マロニー弦と巻弦の仕様
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★マロニー弦は63inch(160cm)で400円ですから、3本分は楽に取れます。1本あたり133円です。
まず、波形を測ってみました。データは、次のとおりです。 |
フロロカーボン製のマロニー弦は自然に減衰していますが、巻弦はいったん減衰した後に再び鳴っています。 これが、いわゆるボヨ〜ンとしたゆらぎのある音です。 |
(2)周波数特性 続いて、周波数特性を計測しました。 |
一目瞭然ですね。 マロニー弦は巻弦より、第2次、第3次の成分が大きく出ています。 このことは、マロニー弦の方がゴ−ジャスな音であることを示しています。 |
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(3)フレットノイズ 今までの巻弦の最大の弱点が、指が弦の上を移動するときに発する、フレットノイズです。 まず、巻弦で、Dm→C→Bb→Aとセーハで降りてくるパターンの演奏をお聴きください。 ★巻弦の演奏(MP3 106KB) フレットノイズが気になりますね!! ★マロニー弦の演奏(MP3 106KB) はい!ノイズがありませんね(^^) 6 おわりに ウクレレにLOW-G弦を張って、ソロに挑戦したいと思っていても、従来の巻弦の欠点(ボヨ〜ン、鳴り過ぎ、フレットノイズ)を克服するには、高度なテクニックが必要でした。 現在(2002年10月26日)、まだ、この弦は商品化されていません。1日も早い発売が待たれるところです。 最後に、このような画期的な弦のモニターをさせていただきました、ワースクリェーションの高橋さんに感謝申し上げます。 ■追記 なんと、Worth Stringsさんで、マロニー弦が発売になりました(2002.10.28)。 ■追記2 スタンダードへもブリッジの溝を広げずにマロニー弦を張ることができました。 スタンダードでは、少しテンションが下がりますが、ビビリもなくちゃんと使えます。 マロニー・あるでんてに続く |