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KoALOHAレポート
あこがれのロングネックです


1 はじめに

今や、カマカと並んでハワイのウクレレを代表するウクレレになったKoALOHAは、日本においても絶大なる人気があります。私の周りでも、多くの方がKoALOHAをお持ちです。
そんな、KoALOHAの人気の秘密は何でしょうか?
今回、KoALOHAのロングネック(KS02)を手に入れましたので、KoALOHAの魅力をレポートいたします。


2 全体

ご覧のように、スタイル抜群のスラッとした美人です。この姿に一目ぼれしました。
どうして、このような美しい姿なのでしょうか。
ここで、通常のスタンダードとコンサートと比べてみました。


左から、VGコンサート KoALOHA KAMAKAスタンダード

ボディの大きさは、KAMAKAのスタンダードとほぼ同じです。弦のスケールはVGのコンサートとほぼ同じです。
すなわち、スタンダードのボディにコンサートのネックが付いたのが、このロングネックの大きさです。

ボディが小さいので、立って弾くときも楽に抱えられますし、ネックが長いのでハイポジションでも、ちゃんとフレットの間に指が入り非常に弾きやすくなっています。


3 ボディ

ご覧のように、とてもきれいな木目です。そして、ボディは表板、裏板ともに、1ピースのハワイアンコアで作られています。
ハワイアンコアが貴重となった現在は、板を2枚に分けて中央部で張り合わせるブックマッチが主流となっており、1枚の板だけを使用していることは、贅沢なことです。

【参考】
ブックマッチは木目が左右対称になり、見た目がきれいになることと、ボディの左右がほぼ同じ性質になるので、構造的、音響的に安定したウクレレを作ることができるという利点があります。

さらに、KoALOHAは側板も1枚でできています。通常はボディのお尻の部分で2枚の板を張り合わせていますが、KoALOHAには継ぎ目がありません。


4 ヘッド

KoALOHAの最も特徴的な点は、このヘッドの形状にあります。
ツンツンと尖った形がなんとも可愛く、KoALOHAのマークがヘッド中央部に彫り込んであります。
このヘッドを見れば、どんな遠くからでも、「KoALOHAだ!!」と分かります。

この、ロングネック用のヘッドは、スタンダードのヘッドより短くできています。そのため、ヘッドの重量が軽くなり、長いネックにもかかわらず、立って演奏する場合においてもバランスが良くなっています。

しかし、小さなヘッドに、でかいシャーラー製のペグが付いていますので、少し回しにくいです。

このシャーラー製のペグを軽くて回しやすいグローバーかゴトーに替えようかと思いましたが、KoALOHAのマークが付いていますので、しばらくはこのままにしておきましょう。

なお、ナットは高級仏壇で使われる、硬くて重い、エボニー(黒檀)でできています。


5 ネック

総フレット数は16、ボディとは13.5フレットでジョイントしたロングネックです。
指板もコアでできています。指板のサウンドホール側は、ヘッドと同じ形状をしています。

ポジションマークは、5,7,10,12フレットの指板上とネックの側面に施されています。白くて大きいので、暗いところでもハッキリと分かります。

ネックの幅は細く、ナットの部分で1弦と4弦の距離は26.5mmとなっています。ちなみにKAMAKAは28mmです。
また、ネックの厚みも薄く握りやすい形状をしています。右上の写真で分かるように、なぜか7フレット付近で厚みが一番薄くなっています。

KoALOHAのネックで特筆すべきことは、フレットの両脇の部分の指板を面取りしてあることです。ですから、フレットの角に左手が当たらず、スムーズなフィンガリングができます。

また、ヒールも特徴的な形をしています。9フレットあたりからふくらんできています。できれば、11フレットあたりまで平坦な方が弾きやすいかな、と思います。でもネックが長いため強力な弦のテンションに耐えるには、やむを得ないことなのかも知れません。


6 弦

オリジナルな状態では、黒いナイロン弦が張ってありました。おそらく、ghsだと思うのですが、コロコロと良く鳴っていました。でも、もっとカラリとした音にしたくて、色々と弦を交換してみました。
その結果、私には、WorthStringsのフロロカーボン弦が最もこのウクレレに似合うと感じました。

張ったのは、ブラウンカスタムです。この弦はライトとミディアムの中間に位置する弦で、長いロングネックだと適度なテンションが得られます。色がブラウンなので、今までの写真でお分かりのように、コアの色に似ているので、何も張っていないように見えます。

また、ゲージが通常のナイロン弦より細くなりますので、オクターブピッチが非常に正確になり、3弦の12フレットにおいても、ハーモニクスと実音の差は、ほとんどなくなりました。


7 サウンドホール

KoALOHAを特徴づけるもうひとつの因子が、このサウンドホールの形状です。
年代を経るにつれ、円、楕円と変化してきましたが、今ではこの「おむすび形」になっています。

写真でもお分かりのように、ラベルまで塗料がスプレーされています。普通のウクレレだと、サウンドホールに布などをつっこんで、内部に塗料がかからないようにするのですが、これもまた、何か意味があるのかも知れません。
長い年月が経つと、ラベルが変色して茶色く焼けてきますが、塗料でコーティングされていれば、いつまで経ってもきれいなままです。

塗装の話がでましたので、ついでですが、ウクレレ全体から溶剤のにおいがします。ネック側のブロックに製造年月がJUN 2003とスタンプされていますので、完成してからまだ2ヶ月も経っていません。ですから、塗装は完全には落ち着いていないと思います。
ということは、塗装が完全に乾けば、もっと音が良くなるかも知れません。


8 ブリッジ

ブリッジの素材もハワイアンコアです。形状は溝に弦を引っかける通常のタイプで、KAMAKAのブリッジによく似ています。
両脇に丸いマークが入っているのが特徴的です。

サドルは、ナットと同じくエボニーでできています。

■追記(ゲストブックにMATTさんから情報をいただきました)

  • トップの裏側には一般のウクレレのようなブレーシングはありません。わずかにブリッジの裏側にブリッジと平行に板を貼っています。

  • ブリッジの左右をセルフタップで止めるているのですが、そのネジがこの裏側の板まで届き、しっかりとブリッジが固定されるのです。

  • もちろんブリッジの裏側には木工用の速乾ビニール・エマルジョン系接着剤をはみ出さないように塗布してありますので、これだけでも十分に弦の張力に耐えるのですが、念のためここをネジ止めしているのです。

  • ネジ止めしたあと、この穴にシアノアクリレート系接着剤を流し込んでプラスティックの丸棒を差しこみ、上端をニッパーで切断、そのあとをサンダーとバフで仕上げます。つまりこの白丸は飾りではなく木ネジのアタマを隠すものなのでした。


9 内部構造

中の仕上げはどうなっているのだろうと思って、サウンドホールから内部をのぞいてみました。
すると、ライニングがありません。強度的には大丈夫なのでしょうか?
今度は、下の方をのぞいてみました。

なんと、上の力木が下の力木がつながっています。まるで、枠のようになっています。
これで、ライニングがなくともボディの強度を保っているようです。

以前、NUA(日本ウクレレ協会)の勉強会において、なみきさんが魂柱の講義をされました。
ヴァイオリンは、表板と裏板の間に柱(魂柱)を立てて、表板の振動を裏板へ伝えます。
もしかしたら、このKoALOHAの枠状の力木は魂柱の役割も兼ねているのかも知れません。


10 面取り

このウクレレは、角という角にすべて面取りがなされています。
面取りとは、大根やジャガイモを煮るときに煮崩れないようにする丁寧な包丁技です。

物には必ず角があります。そして、その角度が鋭いほど衝撃により簡単に壊れてしまいます。
面取りとは、その角を削って、角度を鈍角にする手法です。壊れやすい角がなくなるため、壊れにくくなります。


面取り

それでは、KoALOHAの面取りをご覧ください。

左側は分かりにくいですが、ボディの角はすべて面取りされています。
また、左はヘッドの先ですが、大きく面が取られ、ツンツンした突起を壊れにくくしています。


11 音

KoALOHAの音の特徴は、乾いたコロコロとした音色と大音量です。
今回レポートしておりますロングネックはスタンダードのボディにかかわらず、コンサート並みの音量が得られます。

同じコアのKAMAKAと比較した場合、KAMAKAが中低音の成分が多い厚みのある音に対し、KoALOHAは高音成分の多い軽やかな音になっています。
特に、WorthStringsのフロロカーボン弦にしますと、弦を張り替えたばかりのアコギのように、シャリシャリとした心地よい音になりました。


12 まとめ

「ハワイ製のウクレレは、音は良いが作りが雑である」という常識を覆したのが、このKoALOHAです。
Okamiファミリーが丹精込めて作ったこのウクレレは、細部に至るまで丁寧に仕上げられています。

貝のインレイの入った美しいウクレレも魅力的ですが、KoALOHAは素材の良さと心のこもった技術で、素肌美人のウクレレになっています。

さて、ようやくKoALOHAのオーナーになれました。HAMOさんのウクレレGANGANの「みんなのKoALOHA」に登録できるようになりました。

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