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マーティン・レポート
これって”なんちゃってマーティン”?


1 はじめに

ウクレレを弾くものにとって、マーティンは憧れのウクレレです。
オオタサンが使っているのもマーティンです。牧伸二さんが使っているのもマーティンです。
しかし、その値段を知ったとき、ため息が出てしまいます。
一番安いStyle-0でも30万円以上です。

そんな高嶺の花のマーティンですが、驚くような安さのウクレレが2000年に発売されました。
それが、これから紹介いたします、
Martin S-O です。


2 全体

ごく普通のスタンダード・ウクレレです。と、いうよりマーティンのこの形がウクレレの標準となったのだと思います。まさに、スタンダードの中のスタンダードです。

今回、私が手に入れたS-Oは、マーティンの正規輸入代理店のクロサワ楽器本店だけの限定版です。
なんと、高級クラッシックギターの塗装で使われる、セラック・ニスが施されています。
セラック・ニスとはインドやタイに生育するラック貝殻虫の分泌液が固まったものをアルコールに溶かした塗装剤で、薄くて堅い塗膜を作ります。
環境にも優しい塗料で、燃やしても水と炭酸ガスしか発生しません。

店には通常のS-Oも置いてありましたので、比べてみるとセラック塗装の方が若干渋い色です。
音の差は、残念ながらはっきり聴き分けられませんでした。
店の方は、セラックは「タイトな音になる」とおっしゃっていました。

セラック塗装のS-Oも通常のS-Oも表面の仕上げは同じで、ザラッとした感じです。
私は”光り物”が好みなので、ボディを銀クロスと金クロスで磨き上げ、光沢を出してみました。
グッと高級感が出てきました。


3 ボディ

ボディはすべてマホガニーの単板です。
しかも、表板、裏板とも1ピースです。側板は2ピースです。

注:光沢があるのは磨いたからで、オリジナルの状態では光りません(^^)

サウンドホールから中を見て驚きました。通常は側板と表板、裏板の間には補強のためのライニングがありますが、S-Oにはありません。
ですから、裏板をたたきすぎると、取れてしまう危険がありますので、ご注意を!!


4 ヘッド

ヘッドの上に燦然と輝く CF Martin & Co の金文字。
これが、本物のマーティンである証明です。
それでも、お疑いの方は、こちらをご覧ください。

ちゃんと、マーティンの保証書が付いています。
ですから、S-Oは”なんちゃってマーティン”ではありません(笑)
本物です。

ペグはご覧のようにグローバーの様なものが使用されています。
(グローバーかどうかは、はっきりと分かりません)


5 サウンドホール

サウンドホールからのぞくとラベルが見えます。
手書きでシリアル番号が書かれています。
そして、Made in Mexico の文字。そうです。S-Oはメキシコ製です。


6 ネック

ネックもマホガニーです。しかも、1本の材から削りだしてあります。
厚みは若干厚めで、YAMAHA YU-6とほぼ同じ感触です。
フレットは12で、12フレットでボディと連結しています。

指板はカタログには、インディアン・ローズウッドとあります。
ポジションマークが無いのが惜しいです。そこで、娘からコギャル用の星形の爪飾りをもらって、横に貼ってみました。

■追記

シールでは、見栄えが悪いので、小さいドリルで浅く穴を開けて、エナメルを流し込んでみました。


7 ブリッジ

ごく普通のブリッジです。材質はマホガニーです。
写真でお分かりのように、2弦と3弦の間が狭くなっています。何か意味があるのでしょうか?

また、溝の幅が広いので、1弦は玉を3重に作らないと抜けてしまいます。
そのかわり、LOW-G弦はすんなり入りそうです。


8 付属品

S-Oには、なんとソフトケースがおまけで付いてきます。

Martinのロゴ入りで、パットも十分入っています。背負いヒモが付いているので気軽にS-Oを外へ持ち出せます。
しかし、満員電車に乗るときはハードケースの方が安心ですね。


9 弦

弦は当然ながらマーティンのM600が付いています。
一応、他の弦も試してみました。ghsの黒弦とダダリオの白弦を付けてみましたが、やはりマーティンにはマーティン弦が似合います。コロコロと弾むような音が出ます。


10 他のウクレレとの比較

うちにある、マホガニー製のスタンダードウクレレとS-Oを比べてみました。

左から、FamousFU-250、Martin S-O、FamousNo.80(中西製)です。
FamousNo.80(中西製)はマーティン3Mのコピーですからほとんど同じサイズです。
FamousFU-250はS-Oより若干ボディサイズが大きいです。厚みもあります。

さて、音色ですが、FamousFU-250と比べると、さすがにオール単板の威力でS-Oに軍配があがります(FamousFU-250は表板のみ単板)。
FamousNo.80と比べると、S-Oの音色はまだ低音成分があまり出ていないので、音の厚みが薄く感じられます。

S-Oの音色はカラッとした明るい音です。音量も豊かです。


11 おわりに

はじめて、S-Oを弾いたのは去年のことですが、その時は安っぽい印象を受けました。
しかし、今回巡り会ったS-Oはしっかりと鳴ってくれます。
個体差もありますが、1年間店にぶら下がっているうちに乾燥が進んだものと考えられます。
今、購入してから1週間ですが、毎日、弾くたびに、だんだん音が良くなってくる気がします。
(錯覚かもしれませんが・・・)

定価は45,000円で、売値は、今までのマーティンの1/10の値段です。
メキシコで生産し、材質も落として、徹底的にコストダウンを図ったのだと思います。
しかし、基本設計にはマーティンの100年に渡るノウハウが詰まっているはずです。
今後、弾き込んでいくうちにどんなウクレレに成長するか、非常に楽しみです。

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