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Leilani レポート
美しき小悪魔


1 はじめに

フルカスタムのマーメイド・ウクレレを手にしたことにより、私のウクレレ購入に「終止符」が打たれました。
しかし、それは長い長い「休止符」にすぎなかったのでした。

Leilaniというサウンドホールがイチョウの形をした高級ウクレレのことは、雑誌などの広告で以前から知っていました。きれいなウクレレだな、という印象だけで、価格も高価ですので、自分には縁のないものと思っておりました。

NUA(日本ウクレレ協会)の仲間の皆さんが、続々とLeilaniを購入されているのを聞き、「こんなに高いのに、よく買えるなぁ」と感心しておりました。2年近く、仕事の都合でNUA例会を欠席していましたが、2006年7月に久々に出席したところ、まわりにLeilaniがあふれかえっていました。何という人たちだろうか!!

実際目にしたLeilaniは、とても美しく気品にあふれ、高級ウクレレにふさわしい存在感を感じました。でも、「欲しい」という欲求は起こりませんでした。

昼休みに、SHU-SANのウクレレ ワークショップでおなじみのshu-sanが、建物の入り口でLeilaniを弾いていらっしゃいました。「shinfujiさん、弾いてみる?」と気軽に貸していただきました。
手にして構えた瞬間、体と一体になったようなバランスの良さに驚きました。ネックは細く薄く、手が吸いつくようです。左指は、弦を押さえるのではなく、弦の上に置くという感覚です。右手のストロークも引っかかることもなく、スムーズに掻き鳴らせます。

Leilaniの本当の魅力はここにあったのです。
1週間後、私はLeilaniのオーナーになっていました。


2 Leilani CON FKSL

私が購入したLeilaniは、コンサート・タイプのボディ材がコア、サウンドホールがシェル形の、ごくオーソドックスなLeilaniです。渋谷のクロサワ楽器「ACOUSTIC DESIGN」で購入しましたが、店に出したばかりということで、ボディに爪跡などまったくありませんでした。

コアの木目は大変美しく、トラ目も確認できます。FKSLのFKはフレイム・コアのことかな?SLはシェル(貝)のことかなと、勝手に解釈しております。

サイズは、コンサートですが、割とコンパクトです。我が家の他のコンサートと比べてみました。


左から、VGコンサート、Leilani CON、マーメイド

ボディの大きさは、VGコンサートとほぼ同じです。VGコンサートはどちらかというと小振りで、マーメイドが一般的なコンサートの大きさになります。また、Leilaniの方がネックが長く見えますが、VGコンサートは12フレットジョイントなので、ブリッジからナットの位置を上へ平行移動させるとLeilaniとほぼ同じ弦長であることが分かります。マーメイドは、テナーとコンサートの中間の弦長になっています。

次に一般的なスタンダードと比較してみましょう。

右側は、カマカです。スタンダードボディより若干大きいですが、厚みは、Leilaniの方が薄くなっています。
こんなに小さなボディで、しかも薄いでちゃんと鳴るのかと心配になりますが、私の所有するウクレレの中でLeilaniが一番大きな音量を出しています。
音質は、サスティーンの良く効いた、甘美なとろける様な音です。


3 ボディ

続いて、ボディのアップをご覧ください。

フレイム・コア単板で、左右対称の板を中央部で貼り合わせています。1枚の板の方が良いという意見もありますが、左右同じの材を使うことにより、響きを均一化させる効果があり、また、希少なコアを有効利用することにもなります。

表側は、ボディの周りとサウンドホール周りに、アバロンによる象嵌が施され、高級感を醸し出しています。
裏側は、バインディングもなく簡素ですが、中央の張り合わせ部分に、ウォールナット・メイプル・ウォールナットのラインが入っており、このラインはおしり部分まで続いています。

また、側板もフレイム・コアが使用されています。

おしりの部分より、上の方が薄くなっています。

次に、アバロンの象嵌のアップをご覧ください。

バインディング部分は、内側から、黒・白・黒・白・アバロン・黒・セルという細かい仕事がなされています。
サウンドホール周りは、内側から、黒・白・黒・白・アバロン・白・黒・白・黒と9層に分かれています。高級ウクレレにふさわしい精緻な造りです。


4 サウンドホール

Leilaniの最も大きな特徴は、このシェル型のサウンドホールの形状にあります。
最初、イチョウの葉だと思い込んでおりましたが、貝(シェル)の形だそうです。(ホタテかな?)

また、オーソドックスな丸いサウンドホールをお好みの方には、ラウンド・ホールのタイプも用意されています。

ラベルはカラフルな花模様の中にLeilaniと簡素なデザインになっています。
ラベルの周りにご注目ください。塗装が施されています。Leilaniは、ボディの内側にも塗装が行われています。何という仕事の細かさでしょうか。


5 ネック

次にネックをご覧ください。

指板部分は、ココボロという聞き慣れない材が使用されています。
ローズウッドの仲間で、メキシコ南部などの中央アメリカに産する材です。色は黒い縞を伴った深い茶褐色でで、美しさや音質は、幻の材であるブラジリアン・ローズウッドに似ています。高級ナイフや万年筆にも使用される、美しく高価な材です。

ネックの裏側のアップをご覧ください。縞々になっています。左側から、マホガニー・ウォールナット・メイプル・ウォールナット・メイプル・ウォールナット・マホガニーがサンドイッチ状に7層積み上がっています。この多積構造により、反りやねじれに強い強固なネックに仕上がっています。

ヒール部分をご覧ください。この多積構造を斜めにカットすることで、美しい模様が現れています。


6 指板

shu-sanに教えていただいたことですが、Leilaniの弾きやすさの秘密が、この指板にあります。

分かりますか?よくご覧になってください。
下側のフレットが指板の端まで出ていません。紙一重の箇所で指板の内側に収まっています。

今度は横からご覧ください。

フレットがはみ出ていないのがご確認いただけるでしょうか。フレットを打ち込むために切られた溝には、外側から埋め木が行われ、左手を動かしてもフレットの端が絶対に当たらない構造になっています。
反対側をご覧ください。

こちらは、ごく普通の端末処理となっています。


7 ヘッド

ヘッドは小振りで、バランスがいいです。小さいですが、ペグを回しにくいということはありません。
表側には、フレイムコアの突板が左右対称に貼ってあります。ヘッドにロゴはなく、シンプルなデザインです。

裏側は、ネックからの多積構造が続いています。
ペグは、Gotohと思われます。スムーズな動きは、チューニングにストレスを感じさせません。


8 ブリッジ

ブリッジにもココボロ材が使用されています。
弦を留める仕組みは、クラッシック・ギターと同じ形状です。

サドルはぎりぎりまで低く、弦高は低く設定されています。このため、ハイポジションでも押弦に力が必要なく、押さえるというより、「置く」という感覚です。今まで押さえるのに苦労したフォームでも難なく抑えることが可能となりました。

材質は、牛骨と思われます(ナットも同じ)。


9 塗装

塗装は、高級塗料であるニトロセルロースラッカーが施されています。薄く吹き付けては乾かして研ぎ、再び吹いて乾かして研ぐといった、気の遠くなる作業を繰り返します。安価なポリウレタン塗装とは、一見して違いが分かります。

写真では、とても伝えることができないのですが、まるで水を張ったようなしっとりとした潤いの中に、コアの模様が立体的に浮き出ています。まるで、しっとりと濡れた美女の瞳を見るようです。

このニトロセルロースラッカーは、木に最も馴染み、最高の音を生み出すと言われています。


10 おわりに

Leilaniは、美しい姿、甘い音色で、人を呼び寄せます。そして、抱いた瞬間に、その見事なまでの肌触りに、虜(とりこ)になってしまいます。まさに、魔性のウクレレです。

楽器店に行っても、見るだけにしてください。試奏したら、もはや逃れることはできません。こんなウクレレを家に持って帰ったら、奥さん怒ります(いろいろな意味で)。

この「美しき小悪魔」Leilani。
貴方も魅入られてみませんか。


ACOUSTIC DESIGNでは、ホーナーのケースをつけてくれました

 

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