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カマカ・コンサート レポート
奇跡のウクレレとの出会い


1 はじめに

2011年の暑い夏の日、地元のウクレレサークルの新しい仲間から、「池袋にスゴくマニアックなウクレレの店があるんですよ」という情報を得ました。
「金属でできたウクレレや曲がっていて巨大なウクレレもあるんです」
「ホームページを見たと言えばコーヒーがサービスです」

もう、行くしかありません。
ネットで店を探して、いざ池袋へ。東武側の北口からレンガが敷かれた平和通りを進むこと約10分。
この通りは初めて歩きましたが、まるで中華街のような様相で、中国系の店舗が多く営業しています。
高速道路が見えてきて、もうすぐ通りが終点になる所を左折すると、目的のマニアックなウクレレ店です。

その名も「Ukulele Mania」。
店に入ると、外国の男性と日本人の女性の二人がいらっしゃいました。
「結構、遠いですね!」と話しかけると、外国人の男性から「最初は遠い、でも、次からは近いよ」という流暢な日本語で返事がありました。これで少し安心。日本語が通じます。

「暑かったでしょう。コーヒー淹れますね」と、日本人の女性にチョコレート味のコナ・コーヒー(注:粉コーヒーではありません)を淹れていただきました。

外国人の方が店長の「ディーンさん」、女性の方がスタッフの「のりちゃん」です。
来店前にカマカのゴールドラベルがあるかメールをしておいたので、早速、金カマカを出してくれました。
そして、ホワイトラベルも含めて、オールドのカマカを並べて試奏していたら、ディーンさんが奥のガラスケースから1本のウクレレを持ってこられました。

「これ、ハワイに行ったとき、仕入れてきた。ホワイトラベルのコンサートのカマカ、珍しいよ」
なんと、カーリーがバリバリの超美人のカマカです。
「傷は全くない。前のオーナーは弾いてなかったのかな」という言葉のとおり、新品かと見間違えるほどの状態で、爪跡ひとつもついていません。

手に取ると、綿のように軽く、抱えると何十年も連れ添ったかのように実にしっくりします。
一発Gをきめると、ボディのみならずネックもヘッドも鳴らしながら、大音量の音が出てきました。
乾ききったオール・ハワイアンコアのウクレレから生み出される音色は、あくまでも軽く、それでいて中低音に芯のある、これぞウクレレという音です。

もう夢中で弾きました。「テキーラ」を弾き始めたら、ディーンさんが「それ知ってる」と言って竹のサックスのような笛を吹き始め、二人で暫しの間、セッションを楽しみました。

というわけで、帰り道はカマカと二人連れになりました。


2 全体

まずは、全身の姿から御覧ください。

なんともセクシーなボディラインです。ボディ表板のカーリーが美しいです。
ネックとの調和も見事で、持ったときのバランスが素晴らしいです。


3 ボディ

なで肩でセクシーなボディです。
表板は、2ピースのカーリー・ハワイアンコアで、その虎目の出方が尋常ではありません。
カーリーと呼ばれていても、実際は光の当たり方で、見えたり消えたりするものが多い中、このカマカはどんな角度でもバリバリに見えます。

裏板も2ピースのカーリー・ハワイアンコアですが、表板ほどくっきりとは出ていませんが、行儀の良い模様が出ています。

側板は2ピースのハワイアンコアでおしりの箇所で接いであります。側板にはカーリーは入っていません。


4 ラベル

サウンドホールの中をのぞくとホワイトラベルが貼ってあります。
MADE IN HONOLULU,HAWAII,U.S.Aの文字があることから1970年代の製造と思われます。


5 ネック

フレット数は全16で12フレットでボディとジョイントしています。
指板もハワイアンコアで、しかもカーリーが入っています。

裏側を見ると、ネック本体もハワイアンコアでうっすらとカーリーが入っています。
ヒールの部分は2ピースになっています。

ネックの横には7フレットの位置に1箇所マークが入っています。
ネックの厚みは薄く、また、平べったい形状です。

私は薄いネックが好みなので、相性が抜群です。


6 ヘッド

ウクレレの顔とも言えるヘッドの表には、KAMAKAのデカールが貼ってあります。
形状は今のカマカ・コンサートと同じく、左側がとがっています。遠くから見てもカマコンだとすぐに分ります。
表、裏ともに薄いカーリーが入っています。

ペグはシャーラーがついていますが、私は、このペグが嫌いです。
細かな調整がきかないので、チューニングがやりにくいです。でも、これも含めてカマカなのですから、受け入れようと思います。

そして、唯一の傷が1弦用のペグの表側にあります。同心円型に傷跡がありますが、おそらく一時はペグを交換していたものと思われます。たぶん、グローバーに交換したのだと思いますが、前のオーナーは、ろくに弾いていないのに何故ペグを交換したのか疑問です。

今のカマカのヘッドの表側には、突き板が貼ってありますが、無垢のままです。


6 ブリッジ

ブリッジもハワイアンコアです。
溝も弦の交換はほとんどしていないのではないかと思うほど綺麗なままです。

表板の落ち込みもほとんどなく、新品同様です。


7 新しいカマカとの比較

うちには、2001年製の新しいカマカのスタンダードがあります。
新しいといっても、すでに10歳になっています。

新しいカマカは指板とブリッジがローズウッドになっています。また、ヘッドの表面はコアの突き板が貼ってあり、マークも新しい方はデカールではなく、貝が埋め込まれています。

また、塗装も新しい方がピカピカのグロス仕上げであるのに対し、オールドの方はサラサラのサテン仕上げです。

2台を並べてみましたが、ボディの厚みは左のコンサートサイズの方が若干深くなっています。

ネックの太さを比べてみました。新しい方が厚みがあり、形状も丸みを帯びています。


8 ケース

このカマカにはオリジナルと思われるチップボードのケースがついてきました。
金具は錆びだらけで、ふたは潰された跡があり、家へ持って帰るまでに空中分解しないか心配でした。

案の定、家に帰って、ケースから取り出そうとしたら、ネックを支えている部分と側面を押さえている釘が抜けました。

ウクレレのことを知らない嫁は、
「中古? どうして、そんなボロボロのウクレレを買うの? シマシマだし、首は黒カビ?」

そこで、amazonで適当なケースを探して購入しました。

誂えたように、カマカがピタリと収まりました。
木製のハードケースのため重たいですが、ウクレレのまわりを木で囲むことにより、湿度環境が良い状態で保てるのではないかと期待しております。


9 おわりに

今回、とびきり美人の貴婦人に奇跡的に出会うことができました。
年齢的には貴婦人ですが、箱入りだったため、少女のようなウクレレです。

40年近く弾かれずにいたにもかかわらず、良く鳴ってくれます。
これからは、十分に弾いてあげて、さらに鳴るように育てていきたいです。

 

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