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ジュニアさんの弦
なるほど!


1 はじめに

猛暑の続いた2015年の夏。ちょっと涼しくなった8月の下旬、神戸のワースクリエーションの高橋さんから一通の手紙が届きました。
「ジュニアさんがプロデュースしたオリジナル弦をお送りしますので使ってください」という文といっしょにジュニアさんの写真入りのセット弦が同封されていました。

ジュニアさんといえば、ウクレレの世界ではハーブ・オオタ・ジュニアさんのことを指します。ここをご覧の皆さまには、もとよりご承知のことと思います。

ジュニアさんは、10年以上に渡りWorth Stringsを愛用されていて、その美しい音色をCDで聴かれた方も多いと思います。
そのWorth Stringsの真髄を理解されているジュニアさんがプロデュースされた弦とはどのようなものなのでしょうか。


2 パッケージ

ジュニアさんの写真以外は、いつものWorth弦のパッケージと同じです。63inchの長い弦ですのでテナーでも、たっぷりと2本分取れます。


3 ウクレレに張ってみました

ジュニアさんはテナーを弾かれていますので、私もテナーに張ってみました。
張るウクレレは、FGN AcousticのFUP-TTです。もともと、このウクレレにはWorth StringsのCFが標準で張ってありました。CFは「クリア・ファット」、ワース弦の中で最も太い弦です。しかし、他の弦を色々と試した結果、CI-LGが自分の好みでしたので、ずっと、この弦を張っていました。

CI-LG弦とは「山口岩男さんプロデュースLow-Gセット弦」です。奇しくも、現在の日米を代表するウクレレプレイヤーの弦です。

1弦から張っていきます。これは、IWAO弦と同じ感じかな?

2弦を張ります。これは、太いぞ。一気にEに上げるのは怖いので、とりあえずCあたりに置いといて。

3弦を張ります。ちょっと待て!これ、さっき張ったよな?ひょっとして2弦と同じでは?よーく見ても分からない。指の感覚で3弦の方が、ほんの少し太いかな?Cに上げてみると2弦とほとんど同じ。

4弦を張ります。これも、2弦と3弦と変わらないぞ!どうなっているのだろうか?

とりあえず、全弦を張り終わりチューニングをします。
4本の弦を見比べると、2、3、4弦がほとんど同じに見えます。

拡大してみます。

テンションは1弦と2弦は同じぐらいパンパンです。
3弦はちょうど良い感じで、4弦は若干緩めですが、ビビリもなく豊かな低音を響かせます。

そして、弾いていて気がついたのですが、こんな感覚、昔、経験したことがありました。
日本ウクレレ協会のMATTさんに「オオタさんは、タッチを同じにするために1弦から3弦は同じ弦を張っているんだよ」(4弦は金属巻き弦のLow-G弦)と教えていただき、4弦とも同じ太さの弦にしたことがありましたが、それと同じ感覚を味わいました。

親子で同じような弦の張り方をされているというのは、非常に興味深いです。


4 仕様

それでは、ここでジュニア弦とIWAO弦の太さを比べてみます。参考として標準的なCM-LG(クリア・ミディアム・Low-G)のデータものせました。

(単位:インチ)

種類 型番 0.0185 0.0205 0.0224 0.0244 0.0260 0.0291 0.0319 0.0344 0.0358 備 考
medium-LowG CM-LG   1     2 3     4  
Clear Ohta Jr. COJ     1     2 3 4   HD
IWAO-LowG CI-LG     1   2 3     4 HD

(HD:標準的な弦よりハードな素材でできています。)

ここで、気づくことは数字的にもジュニア弦の2〜4弦が近いということです。
2弦を1.000とすると、3弦は1.096、4弦は1.182になります。

1弦はジュニア弦、IWAO弦ともに標準の弦より硬い素材でゲージも太くなっています。
このため、テンションが上り、音がしっかりと前に出てくるので、メロディ弦として適しています。
欲を言えば、1弦も0.3インチ近くにされたかったのかなと思いますが、それだとテンションが上がりすぎて弾けなくなってしまいます。

一般的にウクレレの弦は、細い1弦、2弦のピッチが合っていても、太い3弦やLow-G弦はピッチが怪しくなるというのが常識で、ある程度は妥協しなくてはいけません。
しかし、このジュニア弦の12フレットでの実音とハーモニクスの音程は、私のウクレレではすべての弦で一致しています。

ジュニアさんは各弦のピッチの正確さを最優先にされたのだと思います。

音はIWAO弦と比べると中域の厚みがやや減るものの、繊細で上品な音色はまさしくソロ向けだと思います。私はストロークはIWAO弦、ソロはジュニア弦で使い分けていこうと思います。


5 おわりに

今回も素晴らしい弦を開発いただきました、ワースクリエーションの高橋さんに心から感謝申し上げます。
Low-Gの4弦を細くすることには勇気が必要だったと思いますが、ピッチがより正確になり、押さえやすくなったメリットが大変大きいと思います。

ジュニアさんのファンの方、是非、使ってみてください。
頑張って練習すれば、ジュニアさんのような音が出せるようになるかも知れません。

Worth Strings

 

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