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ウクレレマンの弦
IWAOさんとWorthの夢のコラボ


1 はじめに

2009年の短い夏も終わりかけた9月、神戸のWorth Creationの高橋さんからメールが届きました。

当社では、ウクレレプレイヤーのIWAOさんに、2年以上にわたってWorth Strings弦を使っていただき、御要望に合わせて色々とゲージの調整を行ってきました。その中で数多くの試行錯誤がありましたが、今回、満足の行く商品が出来上がりましたので、IWAOさんセレクトのWorth Stringsとして発売する事になりました。」
 ・・・「その中から、CIとCI-LGの2種類のセットをお送りさせていただきました。」

IWAOさんといえば、日本を代表するウクレレ・プレイヤーです。
今や日本で「ウクレレマン」といえばIWAOさん、というのが常識となっています。

2008年にはNHKの趣味悠々「すぐに弾ける!楽しいウクレレ」の講師を務められ、最近ウクレレを始められた多くの皆さんがお世話になったと思います。
私がウクレレを始めた1999年頃は、高木Booさんが、NHKの講師を務められていましたが、そこにもIWAOさんが出演されていました。

私のマーメイド・ウクレレを造っていただいた、M's CRAFTの森さんは、以前、IWAOさんの教室でウクレレを習っていらっしゃいました。森さんの話によると、IWAOさんのテナーにはすさまじいテンションの弦が張ってあったそうです。

また、フロロカーボン弦が、まだ上州屋でないと手に入らなかった頃、当サイトで「釣り糸弦レポート」を発表しましたが、IWAOさんの教室の方から「IWAOさんも上州屋へ通って色々なフロロカーボン弦を試しています。上州屋ではカジキ釣りの漁師さんだと思われているようです」というメールをいただきました。

ウクレレマン、IWAOさんがセレクトした弦とはどのようなものなのでしょうか。期待が高まります。


2 CIとCI-LG

メールをいただいた2日後、Worthさんから封筒が届きました。中には2セットの弦が入っていました。

もう少しアップにします。

左がIWAO-LowG(型番CI-LG)、右がIWAO-standerd(型番CI)です。
「CI」は、「クリアゲージIWAO」という意味なのでしょう。「LG」はLowGです。

ここで気になるのが、

For All 4 String Ukulele

  • Soplano
  • Concert
  • Tenor

の表記です。つまり4本弦のウクレレなら、ソプラノからテナーまで何でもOKということです。
ということで、うちの3本のウクレレにこれらの弦を張ってみました。

左から、ソプラノ(Famous No80)、コンサート(VG)、カスタム(コンサートとテナーの間、M's CRAFT)です。
今回の弦も63インチあり、コンサートで3本分、テナーでも余裕で2本分張れます。
Worth Stringsの弦は、一見高そうに見えますが、長さがあるので2〜3本分取れます。複数のウクレレを持っている人には、むしろ安いと思います。


3 Worth Stringsのラインナップ

さて、Worth Stringsのラインナップは多すぎて、何を選んでいいのか分らない、とお悩みの貴兄も多いかと思います。実は、数種類のゲージの組み合わせで成り立っています。

クリアフロロカーボンの一部のラインナップを表にしてみました。「0.0185」などの数字は弦のゲージ(太さ)を表し単位はインチです。また、分りやすいように、1弦、2弦、3弦、4弦、Low-G弦で色を変えてみました。

標準となるのが、上から2番目のCM(クリア・ミディアム)で、これはどんなウクレレにも合います。後は好みによってゲージを選んでいきます。
前回、レポートしましたファット弦(CF)は、CMに比べると思いっきり太いことが、ご理解いただけると思います。

また、同じクリアフロロカーボンでも、下の3つは材質が固い「ハード」弦です。
標準のCMとハード弦のCDは、ゲージが同じですが、材質が違います。

種類 型番 0.0185 0.0205 0.0224 0.0244 0.0260 0.0291 0.0319 0.0358
Light CL 1 4     2 3    
Medium CM   1 4   2 3    
medium-LowG CM-LG   1     2 3   4
Extra CE   1   4 2 3    
Fat CF       1 4 2 3  
Fat-LowG CF-LG       1   2 3 4
Tenor CT     1 4 2 3    
Tenor-LowG CT-LG     1   2 3   4
Heavy CH     1   4 2 3  
Heavy-LowG CH-LG     1     2 3 4
Hard CD   1 4   2 3    
IWAO-standard CI     1 4   2 3    
IWAO-LowG CI-LG     1   2 3   4

注:クリアフロロカーボンのLow-G弦には、EX(エクストラ)弦とHD(ハード)弦のバリェーションがあります。


4 IWAO弦

IWAOさんがセレクトした弦は、固いHard弦を基本としています。
上表でお分かりのように、CI(IWAO-standard)は、基本のCDの1弦をワンランク太くしています。

これは、メロディー弦である1弦のテンションを上げることで、メロディラインを明確にする効果があります。
また、CI-LG(IWAO-LowG)は、4弦だけをLowGに変更してあります。上表でテナー用のCT-LGと全く同じゲージになっているのがお分かりだと思いますが、IWAO弦は、素材が「ハード」ですので、文字どおり「ハード」な予感がします。

(1)ソプラノ(スタンダード)の場合

Famous No80に、CI(IWAO-standard)を張ってみました。

昭和の名匠、中西さん作のこのウクレレは、細身の外見ながら、非常に丈夫にできています。でも、心配なので少しずつペグを締めていきました。
特にウクレレは悲鳴を上げませんでしたが、テンションが高いためペグのおしりのネジを若干締めました。

IWAOさんのセレクトだから、もっとガチガチなものを想像していましたが、思ったよりはソフトなテンションです。感覚的には、前回レポートしたファット弦より柔らかいです。

音は、・・・デカいです。そして、抜けるような透明感あふれるヌケの良い音は、まさに「快晴」です。1弦のテンションが高いので、アップストロークの時、1弦が気持ちよく鳴ってくれます。
高速でストラムを行うと、弦がコロコロと鳴り、とても気持ちよいです。

(2)コンサートの場合

VG コンサートに、CI-LG(IWAO-LowG)を張ってみました。

スケールが長くなるので、さらにテンションが上がるので、これまた慎重にペグを回しました。
このウクレレは弦高が低いので、テンションが高くても、難なく押弦できます。

このウクレレの場合でも、音がデカいです。また、LowGの響きが裏板を力強く振動させるので、腹にガンガン響きます。
スタンダードと比べた場合、さらに音量がアップするとともに、サスティーンが伸びます。

(3)カスタムの場合

M's CRAFTのマーメイドです。これには、CI(IWAO-standard)を張ってみました。

このウクレレは、弦長をコンサートとテナーの中間で造ってもらいました。
ギアペグなので、どんどん巻いていきます。

チューニングが定まり、一発Gを決めると、今までこのウクレレからは発したことのない、パワーあふれる音が出てきました。
弦長が長いと、柔な弦だとストラムの際、指にまとわりつく感覚がありますが、このIWAO弦は、速い指の動きを確実に受け止めてくれます。

音質は、スタンダードやコンサートと比べると、ヌケの良さと透明感がさらに広がります。サスティーンもさらに伸びます。
テンションは高い方ですが、ほどほどで、バレー時に指がつるようなことはありません。

ひとつ、困ったことがあります。地元のサークルで、今度、音楽祭に参加するのですが、このウクレレを持って行く予定です。アンサンブルで第2パートを弾くのですが、このウクレレの音だけ目立ってしまいそうです。


■閑話休題

「フロロカーボン弦の小ワザです」

フロロカーボン弦は、最初の内はどんどん伸びるので、普通のナイロン弦のように巻いていくとペグの首が巻き足りなくなります。
通常は、ペグの穴に弦を通して2cmぐらいバックさせてから巻いていきますが、フロロカーボン弦の場合、1弦と4弦は穴に通したらそのまま巻いていき、2弦は5ミリ、3弦は10ミリバックさせると、ちょうど良く巻けます。

また、弦を取り替えた当初は、落ち着くまでGCEAより1/4〜1/2音ぐらい高めにチューニングした方が、弦が早く安定します。


5 まとめ

今回のIWAOさんとWorthさんのコラボは、大成功だと思います。

中級以上の方で、自分のウクレレを最大限に鳴らしたいと思っている方に、ピッタリの弦だと思います。
でも、この弦を張ってもIWAOさんの様に弾ける訳ではありません。IWAOさんのように弾けるようになるには、才能と努力が必要です。

また、5弦用のIWAO弦も発売されています。詳しくは下のバナーをクリックしてください。

Worth Strings

 

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