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いろんなギター弦をウクレレに張ってみました
どんな音がするのでしょう?


1 はじめに

前回、ウクレレにチタンコートされたギター弦(ダダリオ t2)を張ってみて、ウクレレでも十分に使えることが分りました。
それから1ヶ月が経過し、ハワイのMATTさんから再びエアメールが届きました。
今度はかなりずっしりしています。早速、開封すると大量の弦が出てきました。

これらの弦は、クラッシックギターの高音弦です。ですから、1〜3弦用のプレーン弦が入っています。
いずれも、ドイツのHANNABACH製の弦で、E-1、H-2、G-3という表記があります。
Eが1弦、Hが2弦、Gが3弦という意味ですが、Hとは?
ドイツでは音階をCDEFGAHC(ツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハー、ツェー)と表します。ですからHはBのことです。

封筒には、さらに4種類の弦が入っていました。

これらは全てダダリオのクラッシックギター用の4弦です。
ウクレレでは、一般的にLow-G用にクラッシックギターの4弦を張りますが、詳しく調べたことがないので、今回は種類の異なる弦でどのような差が出るのか楽しみです。


2 使用ウクレレと録音方法

今回はコンサートウクレレ(VG-U05)にこれらの弦を張ってみました。
VG-U05は、ピックアップを搭載していないので、EDMのピックアップマイクを取り付け、プリアンプを経由してパソコンのオーディオボードにつなぎ、WINDOWS付属のサウンドレコーダーで録音しました。


3 高音弦 

(1)CARBON弦

この弦は、カーボンと表記があるので、「カーボン・ファイバー」と期待してしまいますが、MATTさんがHANNABACHに問い合わせたところ、カーボンファイバーでなく、カーボンの化合物ということです。

袋を開けると透明の弦が出てきました。カーボン・ファイバーなら黒です。
ウクレレの弦より硬くて太いので、ブリッジに巻きつけるのに苦労しましたが、無理なく張ることができました。
弦そのものが固い上にテンションが高いので、強くストロークをしないと指が弾き返されます。

音は大きいですが伸びがありません。特に高音は詰まった音になります。
高級ギター弦ですが、ウクレレには向いていないと思います。


(2) Goldin弦

この弦は、上のCARBONの上位に位置する弦で、すごく高い弦です。
材質はカーボン化合物ですが、「Super Carbon」の表記のとおり「超カーボン」とのことです。

弦の色は金色でゴージャスです。
先のCARBONよりは柔らかめの弦です。このため、かなり弾きやすくなります。
ストロークの時のコロコロとよく鳴ってくれます。

音は大きく、CARBONより伸びのある音です。ですから、ソロ弾きにも威力を発揮します。
見た目のゴージャス度とは違い、クリアで若干丸みを帯びた音です。
NYLGUTやフロロカーボンのゴージャスな音が苦手の方に向いているかと思います。


(3) TITANYL弦

この弦は、前回レポートしましたダダリオのt2と同様にチタンコートがなされた弦です。
袋を開けるとt2と同じような紫の弦が出てきました。

音は大きく、ゴージャスな音色です。
派手な音がお好みの方に向いています。


(4) 周波数分析

以上の弦の1弦で周波数分析を行ってみました。

どれもよく似ています。特にCARBONとGoldinは、ほぼいっしょですがGoldinの方が若干高域成分が多く出ています。
倍音の出方は似ていますが、音の減衰の仕方がGoldinの方が緩やかになっているので、音色に差が出ています。

TITANYLは他の弦と違って、2次倍音がしっかりと出ていることと高域の成分も高いので、よりゴージャスな音となっています。


4 Low-G弦

(1) J27H04(ハードテンション)

この弦は、ダダリオの普及品ランクの弦です。ごく普通の銀色の巻き弦です。
巻き弦は通常は柔らかいですが、この弦と次のJ2704は曲げにくく、ブリッジに巻きつけるのに苦労しました。

そして、チューニングをする時に、基音より倍音の方が耳につき、一瞬、3弦より上げてしまったかと勘違いしました。
音は、素っ気ない感じでサスティーンも短いです。


(2) J2704(ノーマルテンション)

この弦は、上のJ27H05よりゲージが小さくなったものです(0.76mm→0.74mm)。
しかし、この小さな差が音に大きな影響を与えます。弦自体は硬いものの、音力は丸くなりサスティーンも伸びてきます。

コンサートサイズの場合、J27H04より合っています。


(3) J3104(ハードテンション)

 

この弦は、上のJ2704と同じ0.74mmですが、さらに音色が豊かになり心地よい気分になります。
上のJ27たちと比べて、私にはこちらの方が好ましく感じました。


(4) J2904(FLAMENCO)

この弦だけ唯一紙のパッケージに入っていました。

そして、この弦だけフニャとしていてブリッジに巻きつけるのが楽でした。
音は4種の中で一番豊かに鳴ってくれました。テンションは緩すぎず、きつすぎずで丁度良い塩梅です。


(5) 周波数分析

これら4種の弦を順番に鳴らしてみました。J27H04→J2704→J3104→J2904の順番です。

何だか同じように聞えますが、微妙な差があります。実際弾いてみると、ボディやネックの振動にも違いを感じます。
それでは、周波数分析の結果をご覧ください。

結果は、ほとんどいっしょです。
ただ、上の3つと最後のJ2904は差が認められます。
J2904の2次倍音のレベルが基音と同程度になっており、その分、豊かな音色に聞えるのかと思われます。


5 まとめ

今回もMATTさんの御好意により、色々な弦を試すことができました。感謝申し上げます。

ただ、今回は客観的なデータで弦の違いを表現することが上手くいきませんでした。
データ的には似かよっていますが、実際の音には大きな違いがありました。

また、これらの弦は、クラッシックギターに張ったときに本来の力を発揮できるように設計されていますので、ウクレレに張ったときの評価とは当然ながら整合性はありません。

それから、ギター弦はウクレレ弦より太くてテンションが高いので、試される場合は丈夫なウクレレを選び、自己責任でお試しください。

 

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