21.11.8(日) 警官に正義を語らせない
              佐々木譲さんが語る警察小説の世界

 「市民の目フォーラム北海道」では、平成21年11月6日(金)の夜、札幌市北区の「札幌エルプラザ」3階大ホールで、11月14日から全国一斉に公開される映画「笑う警官」の公開を記念して、「笑う警官」の原作者佐々木譲さんを招いてイベントを開催した。
 佐々木譲さんの警察小説のベストセラー「道警シリーズ」は既に150万部を超えたとされるだけに、イベント会場には開場1時間以上も前に市民が駆けつけ、佐々木ファン約250人ほどが熱心に佐々木氏のトークに聴き入った。
 なかには「市民の目フォーラム北海道」へのカンパでプレゼントされた佐々木さんの書籍にサインを求めるファンの姿も見られ、同氏の人気の高さがうかがわれた。

 平成15年11月、北海道警から始まった平成の警察裏金疑惑は、平成21年9月の千葉県警まで16府県警察で発覚し、北海道警察の約9億6千万円を筆頭に約14億4千万円を国などに返還した。
 警察の裏金疑惑は、北海道警で発覚する以前にも、古くは島根県警、警察庁、警視庁、長崎県警、愛知県警、熊本県警、宮城県警、高知県警など多くの警察で発覚している。
 こうした実態があるのに、警察庁は「裏金づくりは、地方の警察の現場が勝手にやったもので、警察庁や上層部は全く知らなかった」とし、北海道警の内部調査等でも、約3億9千万円の使途不明金があるとされながら、私的流用は認められなかったとされ、上層部も刑事責任を追及されることもなく幕が引がれた。
 警察の腐敗は、東西冷戦の世界情勢のなか始まった55年体制のもとで、公安委員会制度をはじめとする警察の民主的運営を保障するシステムが全て形骸化され、キャリア官僚が人事・予算面で地方警察を支配する中央集権化が進められたことと無関係ではない。
 「市民の目フォーラム北海道」では、映画「笑う警官」の全国公開を前に、北海道から始まった警察改革の動きを風化させないために、このイベントを企画したものである。
クリックで拡大

 この映画は、北海道警の裏金疑惑を背景として、殺人事件の容疑者となった1人の警察官をめぐり、北海道警察本部のキャリア幹部と現場の警察官たちが対立するというものだが、イベントでは映画「笑う警官」予告編上映、その冒頭では北海道警のキャリア幹部が「道警には裏金などはない」と断言するシーンから始まる。
 「笑う警官」の著者 佐々木譲さんは「佐々木譲の警察小説の世界」と題して1時間の講演。
 同氏は「警察官をスーパーマンにしない、警察官に正義を語らせない、警察官は道徳を口にしない。」をモットーに警察小説を書いていると語り、警察官が準拠するのは法律であり、法執行のプロであることを求めていると話した。
クリックで拡大
 (警察官に正義を語らせないと話す佐々木譲さん)

 休憩をはさんで、「市民の目フォーラム北海道」原田宏二代表が、佐々木さんに質問する形でクエスチョンタイムを設け、「警官の誇り、現場の闘い」と題した雑誌での対談の話題などについて佐々木さんに語ってもらった。

 このイベントの様子は、近く、動画で紹介することにしている。


前のページへ

21.10.25(日) 「市民の目フォーラム北海道」
               中井国家公安委員長に警察改革の推進を要望

 臨時国会を10月26日に控え、「市民の目フォーラム北海道」代表原田宏二と事務局の斎藤邦雄が、10月22日、総理府大臣室において、約30分間にわたり、中井洽国家公安委員長と面談し、警察改革を推進するよう以下のとおり要望した。
 なお、この面談はこれまで警察の裏金疑惑をはじめ警察問題を追及してきた民主党鉢呂吉雄衆議院議員(北海道第4選挙区選出)の斡旋で実現したもので、面談には同議員にも同席していただいた。
             
                      警察改革に関する要望
 私たちは、平成16年3月、北海道警察の裏金疑惑を告発して以来、平成19年2月、「市民の目フォーラム北海道」を立ち上げ、市民の方々と共に民主的な警察を実現するべく活動を続けています。
 我が国の警察は、昭和29年の警察法改正以来、55年体制の下で次第に腐敗し、自公民政権が誕生した平成11年にはその極に達しました。
 そのため、平成12年7月、警察刷新会議が「警察改革に関する緊急提言」を示しました。
 しかしながら、近年、警察の組織的裏金づくり、警察官による犯罪、冤罪事件等が相次ぎ、情報開示へ消極姿勢は改められていません。
 警察の信頼は、地に堕ちていると言っても過言ではありません。
 私どもは、民主党の中井洽代議士が党の「警察不正経理疑惑・警察改革推進本部」の責任者として、警察改革に取組んでこられたことを承知していますが、民主党政権がスタートし、中井洽代議士が国家公安委員長に就任された現在、ようやく、本格的な警察改革のときがおとずれたと考えています。 
 私どもは、平成21年7月、民主党政策調査会に対して、「警察改革に関する5つの提言」を提出したところです。その骨子は以下のとおりです。
@ 警察の地方分権化の推進
A 公安委員会制度の改革
B 「警察刷新に関する緊急提言」の検証
C 冤罪事件の根絶のための刑事訴訟法の改正
D 捜査費予算の抜本的見直し 
(資料 「警察改革に関する5つの提言」、「現行・警察法の運用実態検証」)
 私どもは、「市民の目フォーラム北海道」の活動を通じて、多くの国民から警察行政に関する苦情や要望も聞いております。
 また、警察の現場で勤務した経験のある者として、その実態をつぶさにみて参りました。
 国民生活の安全確保のため、一刻も早く、警察に対する国民の信頼を回復しなければなりません。
 つきましては、新「警察刷新会議」(仮称)を設けるなど、政治主導により、警察が抱える諸問題を的確に把握し、警察改革の方向性を明確にし、警察の抜本的な改革に取組んでいただくよう要望するとともに、その際、私ども現場の意見もお聞きいただけるようご配慮をお願いいたします。



前のページへ

21.9.25(金) 氷見事件国賠訴訟始まる
              「市民の目フォーラム北海道」も支援

氷見事件については、このホームページで
19.10.29(月) 富山のえん罪(氷見事件)無罪確定 警察・検察捜査を追認する裁判所
19. 7. 1(日) 富山県のえん罪事件(その2) 取調室はブラックBOX
19. 4.15(日) 富山県のえん罪事件で再審開始
と3回にわたって登載した。

氷見事件とは
 平成14年1月(既遂)と3月(未遂)、富山県氷見市内で発生した侵入強姦事件で、富山県警が同年4月15日タクシー運転手だった柳原浩さんを逮捕、富山地検は同年5月24日起訴、富山地裁は同年11月27日懲役3年の実刑判決を言い渡す。
 平成17年1月、柳原さんは仮釈放されたが、平成19年1月になって、真犯人が判明、富山県警が「誤認」と発表、6月20日再審裁判が始まり、10月10日富山地裁は柳原さんに無罪判決を言い渡した。

氷見事件国賠訴訟
 無罪判決を受けた柳原浩氏が、平成21年5月14日、国と富山地検副検事M、富山県と富山県警捜査第一課警部補Nを相手取って、違法な刑事処分により長期間にわたり身体を拘束され甚大な精神的損害をうけたとして1億440万3,952円の支払を求める訴訟を提起(訴状要約版はPDF参照)、その第1回口頭弁論が平成21年8月19日、富山地裁で行われた。
 第1回口頭弁論では、代理人弁護団を代表して前田裕司弁護士(東京弁護士会)が意見陳述、中西(金沢同)、竹内(東京同)両弁護士が訴状を陳述、柳原浩氏が原告の意見陳述を行った。その後、被告らが陳述を行った。
 前田弁護士は「この国の刑事司法にとってもこの裁判は重要であり、被告らは真相究明のためにも証拠を全面的に開示するべきである」と陳述、原告の柳原さんは「足利事件の菅家さん、志布志事件の中山さんも警察・検察が隠している証拠の開示を願っており、裁判所は私たち冤罪被害者の訴えを却下しないよう強く願います」と訴えた。

「市民の目フォーラム北海道」も支援
 「市民の目フォーラム北海道」は、これまでも氷見事件訴訟を支援してきたが、この度、弁護団から原田代表に対して、今後の訴訟対策の参考としたいので、警察の犯罪捜査の実態等について話して欲しい旨の要請があった。
 これを受けた原田代表が、9月17日、東京都内で氷見事件捜査の問題点、自白偏重の刑事司法と警察捜査、警察の取調の実態、組織捜査とその弊害、目に見えない警察の論理、国賠訴訟にみる問題点等について講義した。

(講義する原田代表)
 当日は、国賠訴訟の原告の柳原浩氏のほか、氷見国賠弁護団の弁護士、富山冤罪国賠を支える会のメンバーなどが集まり、原田代表の説明を熱心に聞いた。
 なお、第2回口頭弁論は、11月20日(金)11:00〜12:00の予定で富山地裁民事部で行われる。


前のページへ

21.9.6(日) 全国市民オンブズマン岡山大会
            「地域住民の情報主体性こそが警察を更正させる」

 平成21年8月29日(土)・30日(日)の両日、第16回全国市民オンブズマン岡山大会が岡山大学創立五十周年記念館(岡山大学津島キャンパス内)で開かれ、全国の市民オンブズマン等約300人が参加した。
 市民オンブズマンは、情報公開により税金のムダづかいをチェックするなど、行政・議会・外郭団体などの改革を進めているが、今年の大会では「おえりゃあせんのう、地方財政!」というメインテーマのもと「地方財政改革」が取り上げられた。
 第一日目は、「地方財政」の全体報告が行われた後、片山善博氏(前・鳥取県知事、慶応大学教授、岡山県出身)が「末期的な自治体財政から真の地方分権を考える」と題して記念講演、片山氏は「地方財政が悪化した責任は第一に議会にある」と指摘し、議会が執行部の承認機関になっているとして、「議会が本来のチェック機能を果たしていない」などと語った。
 講演終了後、オンブズによる道路予算調査の発表が行われた後、監査委員・地方財政・談合・情報公開・初めての市民オンブズマン・議会制度・住民訴訟セミナーの各分科会が開かれた。
 情報公開分科会(警察の情報公開)では、パネルデイスカッションに先だって、今年3月愛媛県警を退職した仙波敏郎氏が「現場警察官からみた日本警察の実態」と題して講演した。
 パネルデイスカッションは、市民オンブズマン等約50人を前に「明るい警察を実現する全国ネットワーク」代表の清水勉弁護士(東京)の司会で「地域住民の情報主体性こそが警察を更正させる」と題して進められた。

 パネリストは、いずれも警察OBの仙波敏郎氏、黒木昭雄氏、原田宏二の3人で、警察の情報公開は、これまでの日本のマスコミが如何に警察の実情を報道していないか、そのために現場の警察官も、警察の不当捜査に巻き込まれた一般の人々も如何に酷い目に遭わされているか、という実情を3人がそれぞれの体験を通じた考えを述べた。
 当フォーラム代表の原田宏二は、翌日30日の衆議院選挙で民主党の優勢が伝えられるとして、民主党に対する「警察改革に関する5つの提言」について説明した。
 司会で「明るい警察を実現する全国ネットワーク」の清水勉代表は、「警察の現実を多くの人に知ってもらうことが、現場の警察官にとって働きやすい職場になり、地域住民にとっても本当に頼りになる警察になるという観点から、警察の現実に関する情報提供をしてゆきたいと思います。」と締めくくり分科会は終わった。
 二日目は、全体報告「監査委員の評価」・各地の報告などが行われ、最後に第16回全国市民オンブズマン岡山大会の大会宣言として「市民のための地方分権を」を採択し終了した。

大会参加雑感(原田宏二)
 これまでも、各地の市民オンブズマン全国大会には何度か参加してきた。
 最初は、平成16年8月の第11回全国オンブズマン函館大会だった。
 この時のテーマは「行財政の密室に光をー警察ウラ金から巨大ダムまで」という幅広いものだったが、当時は北海道警察の裏金問題が発覚し、静岡県警、宮城県警、福岡県警、高知県警等でも警察の裏金疑惑の追及が進んでいたこともあって、参加者は500人以上、マスコミ関係者やテレビカメラが並び場内は熱気にあふれていた。
 分科会(警察裏金問題)には、150人以上が参加、各地のオンブズマンから取り組み状況の報告が行われ、活発な議論が展開された。
 最後に「捜査報償費に対する全国一斉の情報公開請求と統一弁護団の結成。内部告発する警察官やOBの受け皿として全国的なネットワークをオンブズマンにつくり、オンブズマンと良心ある警察官でよい警察をつくろう。」と今後の活動への提起がなされた。
 この提案が、後に「明るい警察を実現する全国ネットワーク」の結成となった。
 それに比べると、今年のテーマは「地方財政改革」だったこともあって、警察の情報公開分科会への参加者は、僅かに50人程度だった。
 警察の裏金問題は、一部で関係の訴訟が継続しているとはいえ、既に峠を越したこと思えば当然のことだともいえる。
 警察問題は、裏金問題に限らず、警察官による不祥事、違法な取調べと冤罪事件等々と様々な問題がある。
 それぞれの問題は、オンブズマン活動とは必ずしも直接的にはマッチしない面もあることも事実だが、そこに共通しているのは権力の腐敗である。
 今回分科会でテーマとして取り上げられた「警察の情報公開」は、オンブズマン活動との接点を考えるとき妥当なものだったが、現状の指摘はよく理解できたが、警察の隠蔽体質を改めさせるための具体的な活動の在り方に触れられなかったのは残念だった。


前のページへ

21.8.15(土) 連続シンポ CHENGEは北海道から始まった
             「構造改革」の真実は その真相を検証する

 フォーラム時計台フォーラム神保町の共催による"《連続シンポジウム》日本を変えよう〜北海道から始める第一歩〜の第2夜"政治を変えなきゃ生きていけない!"が8月12日 札幌市中央区北4条西1丁目共済ビル8階 共済サロン 芙蓉の間で開かれ、約250人の市民が各パネラーの主張に耳を傾けた。
 当日のパネラーは、魚住昭(作家)、佐藤優(元外交官・文筆家)郷原信郎(弁護士・元検察官)、原田宏二(元北海道警釧路方面本部長)の各氏。

(右から、原田、郷原、佐藤、魚住、山口の各氏)

 パネルディスカッションは、山口二郎(北海道大学大学院教授)の司会で以下の論点で進められた。
○ 西松建設事件等を巡る検察捜査の在り方
○ 警察・検察の裏金疑惑
○ 警察・検察の政治的中立
○ 政治と官僚
○ 冤罪事件は何故起きるのか
○ 刑事司法の何処を変えるべきか
等のテーマについて、各パネラーが意見を述べた。
なお、シンポジウムの詳細は近く動画で登載する。


前のページへ

21.8.1(土) 民主党に対する「警察改革に関する5つの提言」

 「市民の目フォーラム北海道」は、民主党に対して、以下の「警察改革に関する5つの提言を行った。

                    
平成21年7月31日

民主党政策調査会 御中
市民の目フォーラム北海道
代表 原田 宏二

「市民の目フォーラム北海道」は、警察改革に取り組んでいる市民団体です。
これまでも、平成19年11月16日 民主党政策調査会に対し「警察法の改正」及び「裏金処罰法(仮称)の制定」について要望しました。
また、平成20年10月には、各政党に対して、刑事司法制度の改革、公安委員会制度の改革、「予算の不適正経理等の処罰に関する法律」の制定の3点について各党の政策を照会し、民主党、社民党、共産党の野党各党からの回答を得て、私どものホームページに「警察改革に関するマニフェスト」として登載したところです。
民主党は、7月23日マニフェストの土台になる「民主党政策集」を発表し、27日には民主政権公約(マニフェスト)を発表しました。
政策の柱としては「無駄遣い根絶」、「子育て支援」、「年金・医療改革」、「地域主権推進」、「雇用・経済対策」の「五つの約束」を掲げ、官僚主導から政治主導に転換させる「5原則・5策」を示しました。
発表されたマニフェストでは、警察改革を直接取り上げていませんが、民主党の「無駄遣い根絶」と「地域主権推進」は警察改革と無縁だとは思いませんし、官僚による警察支配からの脱却も必要です。
私どもは国民が安全な生活を送るためには、警察がその本来の目的に沿って民主的に運営されるべきだと考えています。
今後の具体的な政策樹立に当たっては、以下に掲げる「警察改革に関する5つの提言」を参考にされるようお願いいたします。

警察改革に関する5つの提言

1 警察の地方分権化の推進
民主党は、中央集権制度を抜本的に改め、地域主権国家を樹立するとしている。
現行警察法では、都道府県警察を建前としながら、我が国の警察は警察庁を頂点とする中央集権的な国家警察となっている。
警察法のうえでは、都道府県警察本部長等の任免権は国家公安委員会にあるとされるが、警察庁は、事実上都道府県警察本部長のほか都道府県警察の主要幹部ポストにキャリア官僚を独占的に配置し、都道府県警察の警視正以上の主要幹部(地方警務官)の人事も掌握している。
また、警察庁は国の公安にかかる犯罪等の予算を都道府県警察に配分することにより、警察法第5条第2項の権限を越えて、事件・事故の捜査等、都道府県警察の運営に介入している。
警察庁は、国家公安委員会を事実上支配し、都道府県警察を直接指揮監督することにより、都道府県公安委員会の存在を事実上形骸化すると共に、都道府県警察の硬直化と士気の低下を招いている。
警察は、あまねく全国に警察署があり駐在所・交番があり、現場官庁の最たるものである。地域住民の安全を守るためには、その地域の実情に見合った治安維持対策が必要である。
警察庁と都道府県警察の役割分担を再確認するとともに、国家公安委員会(警察庁)の人事権の運用を見直し、都道府県警察の活性化を図るべきである。

2 公安委員会制度の改革
国家公安委員会及び都道府県公安委員会の機能は、有名無実化している。管理するべき警察庁と都道府県警察の事実上の支配下に置かれ形骸化している。そのために、警察の民主的運営が阻害される結果を招いている。
そこで、次の点に関して警察法を改正し、警察に対するシビリアンコントロールを強化する必要がある。
@ 公安委員の選任に関する警察の関与を排除し、公選制あるいは議会の公聴制度の導入などにより、その選任の透明化を図る(警察法第39条関係)。
A 警察から独立した公安委員会事務局を設ける(警察法44条関係)。
B 監察の指示等(警察法第43条の2)、警察職員の法令違反等の報告(警察法第56条第3項)をさらに強化し、警察施設への立入調査権、書類の閲覧権、職員への質問権等、直接調査権を付与する。

3 「警察刷新に関する緊急提言」の検証
平成12年7月12日、警察刷新会議の「警察刷新に関する緊急提言」により、情報公開の積極的な推進、公安委員会の活性化等の警察改革の方向性が示された。
その結果、警察法の一部が改正され、監察の指示等(警察法第43条の2)、警察職員の法令違反等の報告(警察法第56条第3項)、警察職員の職務執行についての苦情の申し出(警察法第79条)等公安委員会の権限が強化された。
しかし、緊急提言以来、既に9年を経過しているが、警察の情報公開に関する姿勢はむしろ後退している感がある。
監察の指示、苦情申出制度も独立した事務局がない現状では、機能しているとは思えない。
民主党のいう「行政刷新会議」(仮称)において「警察刷新に関する緊急提言」の進捗状況を検証し、その結果に基づいた警察改革の新しい方向性を検討する必要がある。
なお、その際、都道府県警察の現場経験者の意見を聞くよう併せて提言する。

4 冤罪事件の根絶のための刑事訴訟法の改正
民主党が、取調べの可視化について、取調べ全過程の録音・録画を義務付ける刑事訴訟法改正案をすでに累次にわたって国会に提出していることは承知している。
裁判員制度が開始される中、冤罪事件の頻発している現状にかんがみ、早急に取調べの全面可視化を実現すると共に、冤罪の温床になっている「代用刑事施設制度」についても、警察の留置場及びその管理を警察の管理から分離するなど、自白偏重の刑事司法の改善に積極的に取り組むべきである。

5 捜査費予算の抜本的見直し
平成16年2月に北海道警察から始まった警察裏金疑惑は、16道府県警察に及び総額約12億4,765万円を国と道府県に返還した。しかし、これは氷山の一角である。
裏金の原資になった捜査費(捜査用報償費)は、緊急あるいは秘密を要するため現金経理が認められている予算である。
しかし、次のような様々な問題が明らかになっている。
民主党は、予算編成の基本方針を決定し、省庁ごとに政治家が予算を編成するとしているが、警察予算についても聖域とすることなく見直しを行う必要がある。
@ 捜査費の予算額は数十億円であるが、その執行額は平成12年度に比べて平成16年度には、67.6%も減少し、約55億円の予算のうち52.5%が不要額となっている。
そもそも捜査費は数十億円もの予算が必要なのか。その積算根拠も、その運用の実態も明確ではない。
 A 警察は協力者保護のためと称して、「偽名」や「架空名」を使って末端受領者の領収書を作成した。
そもそも、捜査費の性質上、受者に領収書の提出を求めることに問題がある。
現場の実態に見合った捜査費の在り方について、抜本的な検討が必要である。
B 警察は、会計検査院の実地検査に対して、捜査費の末端受領者を「捜査上支障がある」との理由で開示していない。
捜査費が、絶対的非開示とされているのは問題である。
税金の使途の透明化と治安維持の要請とのバランスの上に立った会計検査の実施等、捜査費の情報開示を検討する必要がある。

併せて、都道府県警察のみならず、地方自治体などにおいても、裏金問題が相次いで発覚している現状にかんがみ、不正経理防止のため、会計責任者等を処罰する法制度に関しても検討が必要である。

前のページへ

21.7.30(木) フォーラム神保町のイベント案内
             「北海道縦断/連続シンポジウム〜CHANGEは北海道から始まった」

東京の「フォーラム神保町」という団体が、
 「北海道縦断/連続シンポジウム〜CHANGEは北海道から始まった」
と題して下記日程でイベントを開催します。
 同ホームページhttp://www.forum-j.com/theme-change-hokkaido.htmlでは、広く参加を呼びかけています。
 同ホームページにアクセスしますと、受講申込み様式のフォーム(一般とメディア)が表示されますので、適宜、各人が書き込んで申込み下さい。
 なお案内では、
 受講希望者は、それぞれ、希望する回毎にお申し込み下さい。
 テーマは毎回変わりますので、全講座をお申し込みいただいても、講座毎にお申し込みいただいても、どちらでも結構です。
となっております。

北海道縦断/連続シンポジウム〜CHANGEは北海道から始まった〜第1弾
「『蟹工船』に何を見るか!?」
■講師 魚住昭/佐藤優/宮崎学/東郷和彦
■主催 フォーラム神保町
■会場 グランドパーク小樽5階「樹海」(北海道小樽市築港11-3)8月10日(月)18:30〜20:30

北海道縦断/連続シンポジウム〜CHANGEは北海道から始まった〜第2弾
「『政権交代』というドラマが始まる。主役はあなただ!」
■講師 魚住昭/佐藤優/東郷和彦/平野貞夫/山口二郎
■主催 フォーラム神保町/フォーラム時計台
■会場 共済サロン 芙蓉の間(札幌市中央区北4条西1丁目 共済ビル8階)8月11日(火)18:30〜20:30

北海道縦断/連続シンポジウム〜CHANGEは北海道から始まった〜第3弾
「生きるために、まず、政治を変える!」
■講師 魚住昭/佐藤優/郷原信郎/原田宏二/山口二郎
■主催 フォーラム神保町/フォーラム時計台
■会場 共済サロン 芙蓉の間(札幌市中央区北4条西1丁目 共済ビル8階)8月12日(水)18:30〜20:30

北海道縦断/連続シンポジウム〜CHANGEは北海道から始まった〜第4弾
「従属と密約外交を超える日。官僚から政治を取り戻す日。」
■講師 魚住昭/佐藤優/香山リカ/山口二郎
■主催 フォーラム神保町/フォーラム時計台
■会場 共済サロン 芙蓉の間(札幌市中央区北4条西1丁目 共済ビル8階)8月13日(木)18:30〜20:30

北海道縦断/連続シンポジウム〜CHANGEは北海道から始まった〜第5弾
「小泉・武部時代の終焉」
■講師 魚住昭/佐藤優/宮崎学/香山リカ/平野貞夫
■主催 フォーラム神保町/現代深層研究会
■会場 北見市市民会館小ホール(北海道北見市常盤町2丁目1番10号)8月14日(金)18:30〜20:30


前のページへ

21.7.24(金) お知らせ

 

平成21年7月17日札幌弁護士会主催で「足利事件の菅家利和さんを励まし、取調過程の全面可視化を求める緊急集会」が札幌市中央区の北海道厚生年金会館で開かれた状況は、先に当ホームページに掲載したところです。

その集会の詳細な状況の動画は、「CEFH動画・音声配信」コーナーにアップロードしましたのでご覧下さい。


前のページへ

21.6.21(日) 岩手県川井村女性殺人事件
            家族等が日弁連に人権救済申し立て

 宮城県栗原市の佐藤梢さん(当時17歳)が、平成20年7月1日に岩手県川井村の山中で他殺遺体で発見された事件で、岩手県警が約1ヶ月後に被害者の知人だった小原勝幸さんを殺人の疑いで全国に指名手配した。
 しかし、小原さんはほぼ1年を経過した現在も逮捕されていない。
 この事件については、今年5月13日、事件関係者等が岩手県警等に対して、十分な捜査を尽くさないで小原さんを犯人と断定したのはおかしいと再捜査を求めた。

このことについては
21.5.17(日) 
岩手県川井村女性殺人事件

岩手県警等に真相解明の再捜査を求める
で詳しく説明した。

 以下は、岩手県警のホームページに掲載された小原さん逮捕の情報提供を呼びかけるポスターである。
 このポスターは、岩手県内だけではなく、全国の警察署、交番の掲示板や駅、空港等の交通機関をはじめ至るところに掲示されている。

 このポスターには、「17歳(当時)の少女を殺害した犯人です。」と書いてあり、その下に、小原さんの氏名、生年月日、年令、身体特徴が書かれ、平成20年6月撮影とされる上半身の写真が載っている。
 そして、犯人逮捕の情報提供者には、100万円の範囲内で報奨金を支払う旨が明記されている。

 平成21年6月19日、行方不明になっている小原さんの家族等7人が、日本弁護士連合会に岩手県警及び警察庁による人権侵害があるとして人権救済の申立を行った。
 申立理由の要旨は「小原勝幸は殺人事件の被疑者として一度も取調べを受けていない(弁解の機会を一度も与えられていない)にもかかわらず、殺人犯と決め付けられ、無罪推定原則(憲法31条)に明らかに反している。家族は県警の決め付けによって社会的に殺人犯の家族にされてしまっており、名誉が著しく損なわれた」などとするものだ(詳細はPDF「人権救済申立書」を参照)。
 この申立書には、代理人として「明るい警察を実現する全国ネットワーク」代表の清水勉弁護士(東京)等、全国の弁護士16人が名を連ねている。

 この日、日弁連に対する申立に先だって小原さんの父親は、警察庁に対して小原勝幸を殺人の犯人として指名手配した事件を捜査特別報奨金制度の対象にした経緯等に関する文書を開示するよう求めた。
 日弁連へ人権救済申立書を提出した後、記者会見が開かれた。
 この記者会見には、小原さんの父親、地元で小原さんの「共犯」と噂されている男性が出席したほか、清水勉弁護士、増田利昭弁護士(東京)、ジャーナリストの黒木昭雄氏、「市民の目フォーラム北海道」代表原田宏二(元道警釧路方面本部長)が同席した。


(左から、黒木、原田、清水、増田の各氏)
 小原さんの父親は、息子が岩手県警に犯人だと断定され、地域では住民から殺人犯の家族と見られ辛い思いで生活していると訴え、「県警からは総合的に判断して息子が犯人だと思うと説明されたが納得できなかった。息子は恐喝事件の被害にあって被害届を出しているはずだ。その捜査はどうなったのかと聞いたが、未だに曖昧な回答しかもらっていない」さらに「息子が行方不明になったとき、刑事に警察犬を出して捜して欲しいと依頼したが、警察犬を使うのは有料だと言われ断念した」などと警察の捜査を強く批判した。

 警察の犯罪捜査に関する基本原則は、犯罪捜査規範(国家公安委員会規則)にある。
それによると、
(秘密の保持等)
第9条 捜査を行うに当たつては、秘密を厳守し、捜査の遂行に支障を及ぼさないように注意するとともに、被疑者、被害者(犯罪により害を被った者をいう。以下同じ。)その他事件の関係者の名誉を害することのないように注意しなければならない。
(指名手配)
第31条 逮捕状の発せられている被疑者の逮捕を依頼し、逮捕後身柄の引渡しを要求する手配を、指名手配とする。
 この2つの規定は、捜査はあくまでも秘密裏に行うべきことを明示している。
 事実、警察は捜査に関する情報開示請求に対して「捜査上の秘密」を理由に情報開示を拒否する。
 そして、指名手配はあくまでも警察内部の手配であり非公開が原則である。
 これらの点からも、警察が犯人逮捕のために、その氏名等を明らかにして公開手配すること自体、捜査の基本原則に反している。
 近年は、特にこうした原則を無視して、指名手配被疑者を安易に公開手配する傾向がある。
 警察庁は、平成19年4月1日から捜査特別報奨金制度(公的懸賞金制度)を開始した。これは明らかに捜査の基本原則に反しているのではないか。
 推定無罪とは「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という近代刑事法の基本原則であるとされる。
 犯人とは犯罪者だ。
 警察は犯罪を捜査することはできても、人を犯罪者だと決めることはできない。
 決めるのは裁判所だ。裁判所の判決が確定するまでは無罪と推定される。
 ましてや、裁判員制度が始まった現在、本件のように犯人と断定して懸賞金付きで公開手配することは、裁判員に予断を与える恐れがある。
 警察庁は、裁判員制度のスタートを機にこうした制度を見直し、全国の警察に捜査の基本原則を守るように指示するべきである。

 5月13日にジャーナリスト黒木昭雄氏と事件関係者が、岩手県警等に対して、捜査上重要な事件関係者にほとんど事情聴取をしていないのに、小原さんを犯人と決め付けるのはおかしい、自分たちへの事情聴取をきちんとやってほしい、と真相解明に必要な捜査を尽くすよう連名の情報提供書も提出したが、事件関係者によると、今日までそれについての捜査が行われた様子はないという。
 確かに、事件関係者の説明が事実だとすれば、岩手県警の捜査には多くの疑問がある。特に、小原さんが被害者である恐喝事件の捜査が行われた形跡がないことは問題だ。
 岩手県警はメンツに拘らないで、こうした関係者の疑問に応え、事件の真相を解明に取り組むべきだろう。

 捜査本部事件では、犯人を指名手配すると事実上捜査は打ち切られるのが通例だ。
 県警宮古警察署の捜査本部は、51人体制で小原容疑者の追跡捜査を続けているという。
 小原さんのこれまでの生活ぶりや性格等をよく知る家族等は、1年近く家族に連絡を取らないで生活しているとは考えられないとしている。
 もし、既に小原さんが生きていなかったとしたら、彼は弁解の機会も与えられず、永久に殺人犯の汚名を着ることになる。
 そして、もし、小原さんが犯人でなかったら、真犯人は別にいることになる。
 そうなるとこの事件は永久に解決されることはない。
 真犯人が名乗り出ない限りは。


前のページへ

21.6.21(日) さっぽろ自由学校「游(ゆう)」講座の紹介
             札幌地裁判決を受けて 道警裏金訴訟を考える

 平成18年5月、北海道警察裏金疑惑発覚当時、道警の総務部長としてこの問題の対応に当たった道警OBが、道警の裏金問題を追及した2册の本の記述が名誉毀損に当たるとして、北海道新聞社と取材班の記者二人、出版社二社を相手取って慰謝料の支払などを求める訴訟を起こした。
 その判決が今年4月20日札幌地裁で言い渡され、判決は北海道新聞等の被告に計72万円の支払が命じた。
 原告と被告双方が判決を不服として控訴した。
 この訴訟は、単に警察OBの個人的な名誉毀損の問題ではない。
 権力機関とメディアの関係、最近のメデイア訴訟の傾向等、国民の知る権利とも密接に関係している。
 さっぽろ自由学校「游(ゆう)」では、権力の裏側シリーズで緊急講座を開くことになった。

 日時:6月30日(火) 18:30〜
 場所:(札幌市中央区南1条西5丁目愛生舘ビル2階)
 講師 「市民の目フォーラム北海道」代表原田宏二ほか

              講 座 内 容
 道警裏金疑惑の真相、警察批判報道と警察の対応、道警記者クラブの動向、暴露された裏交渉、情報源の秘匿の問題、裁判所の警察官陳述の評価等、様々な問題が示された。この裁判を傍聴してきた原田宏二などが、そうした観点から、道警裏金訴訟とは何だったのかを語る。

受講料:一 般    1,500円
     会員・学生 1,000円

【お申込み・お問合せ】
NPO法人さっぽろ自由学校「游(ゆう)」
TEL.011-252-6752  FAX.011-252-6751
     syu@sapporoyu.org


前のページへ

21.5.22 「仙波さんを支える会 掲示板」

 「仙波さんを支える会 掲示板」ができました。
 URLは、http://6619.teacup.com/semba/bbsです。



 同掲示板では、こう呼びかけています(以下、引用)。
 全国で警察の不正を追及しているみなさんの交流の場として掲示板を設けました。
 みんなで集まって情報を出し合えば、パワーは10倍にも100倍にもなるはずです。
 ぜひ節度をもってご利用ください。
 シンポジウム・集会などのご連絡も歓迎です。
 仙波さんを支える会の連絡も行います。
 警察の方の投稿、匿名の投稿も歓迎します。
 投稿内容には、各自が責任をお持ちください。


前のページへ

21.5.20(水) 警察小説「笑う警官」の佐々木譲氏と対談
             「オール讀物」(6月号 5月22日発売予定)
 
 警察小説の代表的な作家佐々木譲氏と「市民の目フォーラム北海道」代表の原田宏二が対談した。
 対談は、文藝春秋「オール讀物」の企画で行われ、同誌の6月号(5月22日発売予定)に「特別対談 警官の誇り、現場の闘い」のタイトルで掲載される。
(対談する佐々木譲氏 文芸春秋提供)

 佐々木譲氏は、現在や過去の社会的な問題をエンターティンメントに書き上げる作家としても知られ、道警シリーズとして「うたう警官」(角川春樹事務所 ハルキ文庫『笑う警官』に改題 平成21年、大森南朋・松雪泰子主演で映画化)、「警察庁から来た男」(角川春樹事務所 ハルキ文庫)「警官の紋章」(角川春樹事務所)が有名だ。
 道警シリーズでは、「稲葉事件」や「道警裏金問題」が背景になっており、「笑う警官」には道警裏金疑惑を告発した元道警釧路方面本部長原田宏二が実名で登場している。
 このほかの警察小説としては、制服捜査、暴雪圏、警官の血(平成21年テレビドラマ化)などがある。


前のページへ

21.5.17(日) 岩手県川井村女性殺人事件
            岩手県警等に真相解明の再捜査を求める


 平成21年5月13日、ジャーナリスト黒木昭雄氏と事件関係者が、岩手県警がAさんを犯人と断定し、公的懸賞金付きで公開手配中の「岩手県川井村地内における女性殺人事件」について、捜査が不十分だとして、真相解明のため再捜査を求める要望書等を岩手県警と岩手県公安委員会に提出した。
 この日は、黒木昭雄氏と事件関係者が岩手県警に赴き、捜査第1課と公安委員会補佐室の担当者に、捜査上重要な事件関係者にほとんど事情聴取をしていないのに、Aさんを犯人と決め付けるのはおかしい、自分たちへの事情聴取をきちんとやってほしい、と真相解明に必要な捜査を尽くすよう連名の情報提供書も提出した。
 なお、同日、同様趣旨の要望書を警察庁、国家公安委員会へも提出した。

 提出後、黒木氏と事件関係者は、盛岡市内で記者会見を開き、再捜査が必要な理由などを説明した。
 記者会見には、「明るい警察を実現する全国ネットワーク」代表清水勉氏(弁護士:東京)と「市民の目フォーラム北海道」の原田代表も同席し、それぞれ、岩手県警の捜査の問題点などを指摘し、原田代表は「裁判員制度の実施を目前にして、Aさんを犯人と断定して、実名、写真入りで公開することは、裁判員に先入観を与える恐れがある。推定無罪の原則から見てもやり過ぎだ」などと警察の公開捜査の在り方を批判した。
(記者会見の模様:左から、清水、原田、黒木の各氏)

 事件は平成20年7月1日、岩手県川井村地内で少女(当時17歳)が遺体で発見されたことで発覚。
 岩手県警宮古警察署捜査本部は、7月29日にAさん(当時28歳)を殺人の疑いで全国の警察に指名手配した。
 さらに、警察庁は10月31日付の官報で事件を「警察庁指定重要指名手配被疑者」に指定し、Aさん逮捕に100万円の懸賞金をかけ公開手配に踏み切った。
 公開手配のポスターには、Aさんの実名、生年月日、写真が掲載され、「17歳の少女を殺害した犯人です」と書かれている。
 ところが、この事件についてジャーナリストの黒木昭雄氏が、被害者や周辺の関係者に取材してみると、殺害の時間、場所、手段、動機、Aさんのアリバイなど、いくつもの疑問が浮かび上がってきた。
 また、Aさんは事件の1ヶ月ほど前に、恐喝の被害にあったとして岩手県警に被害届を出したが、何故か事件発覚前日に被害届の取り下げを求めていた事実も判明した。
 この恐喝事件には、Aさんの元交際相手だった女性も巻き込まれていたが、この女性と殺害された女性とは同姓同名、同級生であった。
 黒木氏は、この恐喝事件と殺人事件が何らかの関係があるのではないかと見ている。
 Aさんは、7月2日、実家から約10キロ離れた鵜ノ巣断崖にいるところを目撃されたあと行方が分からなくなっている。
 この断崖には、Aさんの財布、サンダルなどが見つかっている。
 そして、岩手県警はAさんの行動は自殺偽装だと見ているようだ(平成20年11月14日号、11月21日号 週間朝日)。

 捜査本部事件では、被疑者を指名手配すると手配被疑者の追跡捜査を除いて、事件の捜査は事実上終わる。
 黒木氏の取材や事件関係者の実際に会って聞いてみると、確かにこの事件には不可解な点が多過ぎる。
 事件関係者もAさんが絶対に犯人ではないと主張している訳ではない。
 納得できる捜査をやって欲しいと要望しているのだ。
 岩手県警は、この声を真摯に受け止め必要な捜査を継続するべきである。
 岩手県警では、平成18年7月「一関滝沢地内における強盗殺人事件」事件が未解決で、この事件にも犯人 逮捕の情報提供者に300万円公的懸賞金がかけられている。
 岩手県警が、Aさんの事件も未解決になるとの考えから十分な捜査をあえて避けているとしたら問題だ。

 この事件では、Aさんが指名手配されてから既に9ヶ月が経過しているが、その足取りは全く分かっていない。
 親兄弟、親しかった友人等との音信は全くない。
 関係者は、Aさんのそれまでの行動から長期間にわたって逃亡生活をすることはできないと話している。
 このまま、逮捕されないままに時効を迎える可能性もある。
 そうなると、Aさんは事実上、永久に殺人犯になる。
 親兄弟は殺人犯の親兄弟になる。世間の目は冷たい。現にAさんの兄弟は職を失った。
 平成18年12月5日 札幌市南区常盤でコンビニエンスストア経営者(58歳)が殺害された強盗殺人事件があった。
 札幌南警察の捜査本部は、ある男性(当時60歳)を容疑者とみて捜査中だったが、この男性は平成19年1月20日、札幌市内の量販店の駐車場で車にひかれて死亡した。
 (この男性は、)自ら車の下に潜り込んだ可能性が高いことが道警の調べでわかった。男性が異常な行動に走った背景に、任意の事情聴取から1週間、行動を監視され、男性がそれに気付いたことが関係しているとみられる(平成19年2月4日北海道新聞)。
 捜査本部は、3月19日この男性を強盗殺人容疑で被疑者死亡として書類送致した。
 一部の新聞は、この男性の住所、氏名、年齢をそのまま報道した。
 おそらく、警察の発表をそのまま記事にしたものだろう。
 しかし、この事件は被疑者が死亡しているところから起訴されて裁判が始まることはない。この男性が、真犯人だったのかは永久にヤミの中だ。
 果たして、この事件は解決されたことになるのかと疑問が湧く。
 「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」の無罪推定の原則は、近代刑事法の
基本原則とされる。
 この男性には、自らの疑いに弁解の機会もない、警察も検察も被疑者と判断した証拠も捜査状況も明らかにしない。
 明らかになったのは、その男性を犯人だと決め付け検察庁に送致したという事実だけであって、事件が解決されたわけではない。
 警察の捜査に不手際があったとしたら、極めてその責任は重い。
 警察庁が、平成19年4月1日から始めた公的懸賞金制度で指定した事件は全国で34件だが、この制度で事件が解決されたとの話しは聞かない。
 裁判員制度を目前にして、警察庁も懸賞金付きの指名手配被疑者の公開手配制度を再検討すべきではないか。
 マスコミも、捜査本部の発表だけを鵜呑みにする事件報道を改めるべきだ。


前のページへ

21.4.10(金)
道警裏金訴訟とは何だったのか 「道警裏金訴訟を考える会」の開催案内


 平成18年5月31日 道警元総務部長佐々木友善氏が、北海道新聞社等を相手取り、名誉を毀損されたなどとして、600万円の慰謝料の支払いなどを請求した訴訟(以下「道警裏金訴訟」)は、これまで札幌地裁において15回にわたり口頭弁論が開かれましたが、2月23日結審し、4月20日には判決が出る運びとなりました。
 「道警裏金訴訟考える」実行委員会(委員長・原田宏二)では、判決を機に下記により、ミニ集会「道警裏金訴訟を考える会〜4・20札幌地裁判決を受けて」を開催することにしました。
 集会では、道警裏金訴訟とは何だったのか、判決の意味、判決が及ぼす報道機関、警察組織への影響などについて、訴訟の当事者を交え、話し合います。
 集会には、被告の元道新裏金問題取材班の高田昌幸、佐藤一両氏のほか、訴訟に補助参加し原告佐々木友善氏を名誉毀損で逆提訴したジャーナリストの大谷昭宏氏、作家の宮崎学氏も参加する予定です。

           記
●日時:2009年4月20日午後2時〜5時
●場所:札幌弁護士会館
  札幌市中央区北1条西10丁目 電話011・251・7730
●入場無料
 なお、会場が手狭なため、満員になり次第入場をお断りすることもあります。ご了承下さい。
●問い合わせ先
 実行委委員会(原田宏二)050−7524−8995
                メールk-harada@mtd.biglobe.ne.jp


前のページへ

21.4.10(金) 
映画「ポチの告白」の上映決定 シアター「キノ」で4月25日から

 映画「ポチの告白」については、このホームページ「注目のBook&Movie」でも紹介したが、この映画は、昨今多発する日本の警察犯罪や事件の数々の実例をモデルにしたものだ。
 良識ある巡査が警察の犯罪機構に巻き込まれながら悪徳に染まり、やがて自滅するまでを描いた社会派エンターテインメントである。

 原案協力のジャーナリスト寺澤有氏は、「私が取材した事件や体験した出来事を提供した」(同氏の「報道されない警察とマスコミの腐敗」インシデンツ発行)としているが、主人公組織犯罪対策課長タケハチが、裁判所で「言わなくてはならないことがあります」と叫ぶ姿は、組織に都合よく使われ、最後は切り捨てられた道警銃器対策課の稲葉元警部を彷彿させる。
 また、警察発表に群がる記者クラブの記者たち、警察のやらせ捜査を記事することを拒否するデスクなど、警察とマスコミの癒着ぶりを示す幾つかのシーンもある。
 3時間を超える大作だが、あわせて「報道されない警察とマスコミの腐敗」を読むと分かりやすい。

 上映は、4月25日(土)から5月8日(金)まで、札幌市中央区狸小路6丁目3条グランドビル2F「シアターキノ」、上映時間等はシアターキノ(011−231−9355)に問い合わせのこと。


前のページへ

21.4.10(金) 
講座のお知らせ 4/24さっぽろ自由学校「游」の講座


 さっぽろ自由学校「游」では、「市民の目フォーラム北海道」代表 原田宏二を講師に招き、今年1月13日の「自白偏重の人質司法について考える」に続いて、「警察権力をチエックするのは誰?(警察の民主的運営の保障?形骸化した公安委員会の実態をみる)」と題して、下記の日程で講座を開く。
 平成12年7月の「警察刷新の関する緊急提言」でその形骸化が指摘された公安委員会制度だが、形骸化の要因は何処にあるのか。
 平成15年に発覚した道警の裏金問題で北海道公安委員会はどんな対応をしたのか。
 道民から寄せられる警察官の職務執行に対する苦情にどう対応しているのか。
 講師の原田宏二が、在職中、道警の公安委員会を所管する総務課長として、また、道警の防犯部長、釧路方面本部長として公安委員会会議に出席していた経験を踏まえ、北海道公安委員会の実態を語る。
 なお、4月17日 午後6時30分からは、札幌学院大学法学部教授清水雅彦氏による「警察研究 そこで見えてきたもの」と題する講座が開かれる。

 日時 平成21年4月24日(金) 午後6時30分〜8時30分
 場所 札幌市中央区南1条西5丁目 愛生館ビル2F207
     さっぽろ自由学校「游」
 受講料 一般1,500円 会員・学生1,000円

        講 座 の あ ら ま し  

1 公安委員会制度の目的
2 公安委員とは
3 公安委員会は何をしているか
4 事例にみる苦情処理の実態
5 議事録にみる裏金疑惑への対応
6 警察の隠蔽体質に手を貸す公安委員会
7 あるべき公安委員会制度


前のページへ

21.4.5(日) 
「現代と私たち」に掲載された「道警裁判にみる道新の腰砕け」
 

 42年間続いた講談社の月刊「現代」は、本年1月号をもって休刊となった。
 この度、「『月刊現代』の休刊とジャーナリズムの未来考える会」が、「現代と私たち」を発刊した。

(「現代と私たち」 200ページ)

 同誌には、月刊「現代」に過去10年に登場したライター等69人がそれぞれの立場から執筆しているほか、「だれが『現代』を殺したのか」(対談佐野真一×高田文彦)、「『総合誌』なんかいらない」(編集長が語る活字メディァの危機)等が掲載されている。
 「69人の『現代』」には、山口二郎北海道大学教授が「メディアの衰弱にどう対処するか」、市民の目フォーラム北海道の原田宏二が「道警裁判にみる 道新の腰砕け」と題して執筆している。

 同誌の注文は、以下のとおり。
 メール: gendai.symposium@gmail.com ファックス:03‐5281‐7611
 必ず、@氏名A住所、郵便番号Bメールアドレスまたは電話番号C冊数を明記のこと。(1冊1000円、送料は別途)

 「『月刊現代』の休刊とジャーナリズムの未来考える会」は、3月30日、東京内幸町ホールで「いまそこにあるジャーナリズムの危機」(司会田原総一朗、パネリスト鎌田慧、魚住昭、佐藤優)と題するシンポジュームも開いている。その内容は別に動画で掲載する予定。

 市民の目フォーラム北海道の原田宏二の「道警裁判にみる道新の腰砕け」には、平成15年11月に発覚した北海道警(以下道警)の裏金問題を巡る北海道新聞(以下道新)らを被告とする裁判の経過、原告道警元総務部長と道新幹部等との裏交渉、裏金問題で果敢に警察の腐敗に切り込んだ道新がなぜ、ここまで卑屈なまでの交渉を続け、屈服しなければならなかったのかなど、報道とは何かと問いかけている。


前のページへ

21.3.30(月)  
原田代表 三角山放送局に出演
道警裏金問題などを語る

 「市民の目フォーラム北海道」代表原田宏二が、平成21年3月27日(金)札幌市西区にある三角山放送局(FM76.2MHz)の番組:「フライデー・スピーカーズ」(16:00〜19:00)に出演、同局の杉澤洋輝さんと「道警裏金問題その後と活動」について約1時間にわたって語った。

 同代表は、道警に在職中に西警察署長を務めたほか、三角山放送局の近くにある道警機動捜査隊にも勤務したことがあり、当時の思い出話などを交えながら、平成15年11月末に発覚した道警の裏金疑惑を告発した経緯や当時の心境などについて詳しく語った。
 また、「市民の目フォーラム北海道」の代表として、その発足のきっかけ、役割、活動内容についても説明した。
 放送の内容は近く掲載する予定。


前のページへ

21.3.13(金) 
書籍紹介「報道されない警察とマスコミの腐敗」


 この度、「報道されない警察とマスコミの腐敗〜映画『ポチの告白』が暴いたもの」(インシデンツ A5判、224ページ 1,200円+税)が出版されました。
 この本は、映画「ポチの告白」の原案に協力したジャーナリストの寺澤有氏が、警察、マスコミ、司法の関係者にインタビユーした内容をまとめたものです。

以下、目次。
はじめに 寺澤 有
『ポチの告白』ストーリー&キャスト
告白1  高橋玄(映画監督)
     人間は組織の歯車なんかじゃない。
告白2  原田宏二(元北海道警釧路方面本部長)
     内部告発者は胸を張って生きていかなければならない。
告白3  仙波敏郎(愛媛県警巡査部長)
     なぜ警察官は自ら立ち上がらないのか。
告白4  落合博実(元朝日新聞編集委員)
     権力の広報機関に安住する新聞が生き残れるわけがない。
告白5  山岡俊介(ジャーナリスト)
     フリーランスがいちばん楽しい。
告白6  寺西和史(裁判官)
     日本の裁判を変えるため裁判官になった。
告白7  大内顕(元警視庁職員)
     不正を公表しないで死ぬのはおもしろくない。
告白8  津田哲也(ジャーナリスト)
     拳銃も薬物も警察が蔓延させた。
告白9  黒木昭雄(元警視庁巡査部長)
     警察官もマスコミ記者も自分の生活を守るだけ。
告白10 清水勉(弁護士)
     ひたすら権力を信じ安心する国民性。

 なお、映画「ポチの告白」は、既に東京等、各地で上映されていますが、札幌でも上映される予定です。

 上映映画館は、以下の通りです。
  さっぽろシアター「キノ」
  札幌市中央区南3条西6丁目(狸小路6丁目)南3条グランドビル2F
  http://theaterkino.net/

 上映期間は、4月25日(土)から5月8日(金)までの2週間です。
 上映時間は、毎日夕方の1回ですが、時間の詳細や料金は判明次第お知らせします。


前のページへ

21.2.24(火) 「メディア・アンビシャス」設立
           
メディアよ、大志を抱け!

 多面的な視点をもち、志あるメディァと、たずさわる人たちを応援しようと「メディア・アンビシャス」の設立の集いが、平成21年2月23日 札幌市中央区南3条西6丁目 シアターキキノで会員約80人が集まって開かれた。
 「市民の目フォーラム北海道」からも会員多数が参加した。
 当日は、「光と影〜光市母子殺害事件 弁護団の300日」が上映され、この映画のプロデユーサー阿武野勝彦氏(東海テレビ)が講演した。
 その後、ゲストパネラー阿武野勝彦氏(東海テレビプロデューサー)、パネラー山口二郎氏(北大大学院教授)、中島岳志氏(北大大学院准教授)によるパネルディスカッションが行われた。

● 設立の趣旨(設立趣意書から)
私たちの思い
 95年のオウム事件以降、マスメディアによる治安権力への監視の停滞、その後の治安の悪化を過剰に煽る事件報道などにより、監視・統制を望み厳罰主義を求める民意が高まり、それを追い風にますます治安権力が暴走し、民意はさらに、右か左か、善か悪か、早く結論がほしいといった単純化を求める思考停止状態が拡がり、メディアリテラシーがほとんどないような状況が生まれています。
 例えば、まもなく始まる裁判員制度は、民意をメディアが煽るような状況で本当に冷静な判断ができるでしょうか。
 新たなメディアファシズムが生まれる可能性がないとはいえません。
 実際に起きていることの事実は一つしかありませんが、それを伝える表現方法は無数にあり、メディアを通じた真実(表現された真実)は、その送り手の数だけ生まれます。
 送り手、受け手、双方の中にそれぞれの考えるべき真実があり、それがメディアリテラシーなのだと思います。
 だからこそ、メディアの視点は一両的ではなく、多面的であること、多様な視点があることが重要であり、そこからこそ、強い権力を監視し、少数でいることを恐れないジャーナリズム、メディア表現が生まれてくるのだと思います。
 私達は、近年ますます強くなっているメディアスクラム(集団的加熱取材)、危機と不安を煽るマスメディア状況の中で、それでもメディアリテラシーの大切さを思い、多面的な視点でとらえようとする番組や報道が決してないわけではないことを知っています。
 少数になることも恐れずに番組を作り、報道している人達が確実にいることも感じています。
 マスメディアを批判することも勿論必要ですが、私達は、メディア状況をよりよく改善していくために、そのような人達を、スタッフを、多面的な視点でとらえた番組や報道や表現を、むしろ、より積極的に応接していこうと考えました。
 クラーク博士の'ボーイズ・ピー・アンビシャス'に倣うわけではありませんが、志を持ち、それぞれの良心に従って伝えていこうとする人達を、私達は、年に数回勝手に表彰して応援しようと思います。
 より良いと感じた番組や報道を応援し、それらが少しずつ増えていくこと、そのことがメディア状況の改善に、少しでも役立つ事を願って、私達の活動を始めたいと思います。
 メディアリテラシーの大切さを思う多くの方々のご参加をお待ちしております。


前のページへ

21.2.22(日) 自白偏重の人質司法を考える
           
原田代表がおしゃべりサロンで講演

 平成21年2月21日 札幌市中央区の札幌ホールで行われたピース・カフェ主催の「おしゃべりさろん」で「市民の目フォーラム北海道」代表の原田宏二が「裁判員制度を前に自白偏重の人質司法を考える」と題して講演した。


 講演の内容骨子は、以下のとおりである。
◎ 日本警察の現状
○ 警察の責務(警察法2条)
○ 国が支配する都道府県警察
○ 機能しない公安委員会
○ 隠ぺい体質
○ 仮面を被る警察官

◎ 刑事司法の入り口(警察の犯罪捜査)
○ 捜査の原則は任意
○ 警察の留置期間 48時間
○ 代用監獄(留置場)20日間
○ 安易な見込み捜査
○ 密室の取調べ
○ 強制、誘導、長時間取調べ
○ 可視化に反対する警察
○ 警察庁の適正化指針
○ 一部可視化
○ 警察(検察)が可視化に反対する本当の理由

◎ 我が国の刑事裁判の実態(自白偏重 人質裁判)
○ 刑事裁判の基本構造(裁判所・検察官VS被告・弁護人)
○ 有罪率99.9%
○ 一審の自白率90%以上
○ 否認事件無罪率2.9%
○ 官僚化する裁判官(ひらめ裁判官)
○ 調書裁判
○ 長期拘留(人質司法)
○ 否認は保釈認めず
○ 否認は反省していない

◎ 冤罪は他人事ではない
○ 冤罪事件とは
○ 最近の冤罪事件(志布志事件、氷見事件等々)
○ 北海道にもある冤罪事件
○ 隠れた冤罪事件(不起訴事件)
○ 冤罪事件の原因(推定無罪 疑わしきは被告人に有利に)

◎ 裁判員制度で刑事裁判は変わるのか
○ 対象事件2.7%(死刑、無期懲役等)
○ 控訴審は対象外
○ 問題を内包しながらのスタート
○ 自白偏重の刑事司法制度を存続
○ マスコミの過剰報道


前のページへ

21. 1. 1(木) 講座のお知らせ
            
「自白偏重の人質司法について考える」

 さっぽろ自由学校「游(ゆう)」では、「市民の目フォーラム北海道」代表 原田宏二を講師に招き、昨年12月17日の「冤罪−なぜ起こるのか」〜志布志事件は権力の暴走〜に続いて、その2回目として「自白偏重の人質司法について考える」と題して講座を開きます。
 自白偏重の日本の刑事司法制度。
 刑事司法の入り口である警察の取調べで何が行われているのか、北海道警察等で長く捜査に従事した元道警釧路方面本部長の原田宏二が、その体験の中から、警察捜査の実態を語る。

 日時 平成21年1月13日(火) 午後6時30分〜8時30分
 場所 札幌市中央区南1条西5丁目 愛生館ビル2F207
          さっぽろ自由学校「游(ゆう)」
 受講料 一般1,500円 会員・学生1,000円
 
      
講 座 内 容 の 概 略

冤罪を生む基本構造
◎ 自白偏重の刑事司法 否認は「悪」とする世論
◎ 原則が例外となる犯罪捜査
◎ 形骸化する令状主義
◎ 代用刑事施設(代用監獄)
◎ 長期拘留制度
◎ 調書裁判

いくつかの冤罪事件から そこにある共通点
◎ 氷見事件
◎ 布川事件
◎ 北海道の冤罪事件

警察が可視化に反対する理由
◎ 一部可視化と取調べの内部監視
◎ 犯罪捜査への影響
◎ 検挙実績への影響

最近の警察捜査の動き
◎ 京都府舞鶴女子高生殺人事件
◎ 千葉県東金市女児殺害事件

裁判員制度への懸念
◎ 自白偏重システムは健在
◎ マスコミの過剰報道
◎ その他の問題



前のページへ

20.12.23(火) 懲戒解雇の理由(セクハラ等)はなかった
            釧路交通安全協会 セクハラ解雇訴訟で認める


 昨年12月15日 北海道警察のOB(元警部)で釧路方面交通安全協会(釧路安協)の講習指導員だった渡部徳夫さん(65歳)が、身に覚えのない事実を理由に懲戒解雇されたのは違法だとして、釧路安協を相手取って、慰謝料等の支払いを求める訴訟を釧路地裁に提起した。
 この訴訟は、原告の渡部さんから相談を受けた「市民の目フォーラム北海道」が支援、代理人を札幌の市川守弘弁護士が担当した。
 その詳細は、
19.12.23(日) 警察OB(元警部)が交通安全協会を訴える
            
警察体質に酷似する交通安全協会
と題して、このホームページの警察関連NEWSのコーナーで紹介した。

 訴訟は、第1回の口頭弁論が平成20何12月18日に開かれ、6回の口頭弁論が開かれた。その間、釧路安協の関係者が出席したのは、1〜2回だけで3回以降は被告釧路安協代理人のみが出席した。第4回口頭弁論で、裁判長から和解の方向で検討するように双方に提案があり、12月18日に釧路地裁で和解が成立した。
 和解条項は、釧路安協が
@ 懲戒解雇の事由は存在しないことを認める。
A 懲戒解雇を撤回し、渡部さんを平成20年3月末の期間満了退職とする。
B 解雇後の賃金などとして計約257万円を支払う。
というものだ。

 釧路安協が渡部さんに示した懲戒解雇の理由は
@  A専務理事の再三の業務指示に従わず講師の資格に欠ける。
A (渡部の)セクハラ発言でC女性職員の病状が悪化し自殺をしかねない。
というものだったが、釧路安協はそうした理由は事実無根だと認めたのだ。原告側の全面勝利の和解だった。
 渡部さんの提訴から早くも1年が経っていた。渡部さんは「早く、解決したかったので、慰謝料は取らなかったが、セクハラなどの事実はなかったことが認められたので和解に応じた」としている。

 組織を相手に個人が名誉回復のため訴訟を起こすことはそう簡単なことではない。費用と時間、そして体力・精神力が必要になる。しかし、解雇されてしまえば経済的にも苦しい。支援してくれる人はそう簡単には見つからない。
 それに対して、被告側の組織は豊富な資金を使って、組織として対抗してくる。原告に勝ち目はないことが多い。それを知って原告の多くは泣き寝入りすることになる。
 渡部さんも、一時は心労から夫婦で体調を崩してしまった。それでも、渡部さんは泣き寝入りをしなかった。自ら行動を起こし、たまたま「市民の目フォーラム北海道」の相談窓口を訪れた。
 渡部氏さんは、北海道公安委員会に調査を申立てたり、帯広労働基準監督署、法務局の人権よう護委員会、北海道紛争調整委員会に救済や調停を求めたが、いずれも、行政としての強制力がなく、埒があかなかったことから訴訟に踏み切ったという。
 また、渡部さんは、自分と同じように苦しんでいる同僚を救いたいとの強い思いもあったという。
 訴訟を提起してからは、渡部さんの人柄を知る道警のOBや知人から多くの激励が寄せられた。そして家族が支援してくれたという。
 しかし、一方では、渡部さんはセクハラ等という事実無根の理由で解雇されたのにかかわらず、インターネットの書き込みサイトで、事実を知らない匿名の無責任な投稿で、「セクハラ親父」とか「いい年をして」などと、面白おかしく取り上げられ誹謗中傷された。渡部さんは、悔しい思いをしたがじっと耐えるしかなかったという。
  
 釧路交通安全協会の問題については、このホームページでも
20.5.28 釧路方面交通安全協会の住民監査請求
        
内部告発で指摘された不正経理疑惑

20.7.11 釧路方面交通安全協会 不正経理疑惑
        
監査請求人が意見陳述 釧路安協は欠席

20.9. 3 釧路方面交通安全協会の住民監査結果
        
道公安委員会に2100万円の賠償請求を勧告

20.10.7 講習指導員は無資格だった
        
釧路安協 これって道交法違反じゃないの?
         心当たりのドライバーは返還請求を!

と4回にわたって取り上げている。
 交通安全協会は、公益法人でありながら道路交通法の運転免許制度等を根拠とした事業を一手に引き受けるいわば交通行政の下請け的独占企業化している。そのうえ、道警幹部OBが役員等のポストを就いていることから、必然的に、上意下達が絶対的であり上に対して物言えぬ職場環境、閉鎖性、隠蔽体質、幹部の無責任体質等々の警察の悪しき体質が持ち込まれている。渡部さんの不当解雇の背景には、こうした問題があるのだ。
 「市民の目フォーラム北海道」では、これまで交通安全協会の抱える様々な問題を指摘したが、なかでも大きな問題は、北海道警察の身内意識による甘い監査等が行われていることだ。
 不祥事が連続して発覚した釧路安協は、今回の和解を真摯に受け止め、内部管理を見直し、人事管理の刷新を図るべきであろう。そして、北海道警察もまた、交通安全協会との馴れ合いを排し、指導監督を厳格に行うべきである。


前のページへ

20.10.22(水) 「つくられる自白〜志布志の悲劇〜」映画会と鼎談(開催結果)

 10月18日(土)に札幌市教育文化会館で「市民の目フォーラム北海道」の主催による映画会と鼎談(ていだん)が開催され市民約150人が参加した。

 この映画は、鹿児島県志布志(しぶし)市で起きた鹿児島県議選に絡んでのえん罪事件(通称「志布志事件」)のドキュメンタリー映画「つくられる自白−志布志の悲劇−」(日弁連制作)である。
 上映後は、中山信一さん、市川守弘弁護士、「市民の目フォーラム北海道」代表原田宏二らによる公開座談会を開催した。
 途中から中山さんの妻で一緒に逮捕された中山シゲ子さんにも参加して貰った。
 中山さんは、妻と別々に長期拘置された当時を振り返り「刑事に『1回認めたら妻を出してやる』と言われ、妻の体調が心配で1度だけ認めてしまったが、すぐ否認した」などと語ったほか、「買収相手や妻は認めている。認めないと離婚すると言っている」といった虚偽の事実で脅かされたり、暴力団組長と同じ留置室に勾留されて嫌がらせを受けたことなども明らかにした。

 また、「市民の目フォーラム北海道」の原田代表は、次のように語っている。
 今回の鼎談では、中山さんご夫妻に出来るだけ話して頂くようにしました。
 この志布志事件については、12月17日と来年1月13日に、さっぽろ自由学校「遊」で「冤罪〜なぜ起こるのか」と題して話す予定です。誰でも参加出来ますので聞きに来て下さい。
(さっぽろ自由学校「遊」のURLは、http://www.sapporoyu.org/

 鼎談の様子は、本日に動画でアップロードした。

 一方、このイベントに参加した市民から意見が寄せられたので、原文のまま紹介したい。
市民A
 『可視化、可視化』という言葉が出てきたが、何のことかわからなかった。
 でも、内容はとても良かった。
 自分のことのように感じた。
 この事件は13人が逮捕で支援する人が出てきたが、ひっそりと生きていて、交際も少ない人だったらこのようにはならず、きっと、有罪のままだったろうと思うと恐い。

市民B
 大変重大で信じられないようなズサンな事件で、詳しく知ることが出来てとても良かったです。
 一つ気になったのが、任意でない任意同行や代用カンゴクなど、今回の事件を超えて全体の問題である。
 えん罪の温床となるような制度の中で、現場の警察官の本音はどのようなものなのか、元当事者である原田さんは、当時どのように感じて働いておられたのかという点を少しうかがいたかった、と感じました。

市民C
 大変勉強になりました。
 我々としては、最初の原因が知ることが出来れば、なお現実的なものになると思っています。

市民D
 本日の鼎談の内容を文字にまとめられたものが作られたら良いと思う。
 同じくこの様子を映像にまとめたものが出来たら良いと思う。
 「つくられる自白」が、映像として希望する者が入手できたら良いと思う。
 ありがとうございました。


前のページへ

20.10. 2(木) ブログ開設のお知らせ
 10月1日からスタート、URLは、http://blog.livedoor.jp/cefh/
 内容は、「市民の目フォーラム北海道」のホームページにアップロードした記事をblog版に纏めたものです。
 コメントの書き込みもできます。
 皆さんの参加で、盛り上がるブログに期待しております。


前のページへ

20. 9.14(日) 映画会と鼎談のご案内

 市民の目フォーラム北海道では、10月18日(土)に札幌市教育文化会館で「つくられる自白〜志布志の悲劇〜」の映画上映と鼎談「鹿児島県議 中山信一さんが語る悪夢の365日」を企画しました。

ご案内1
ご案内2
市民の皆さん、ふるって参加して下さい。


前のページへ

20.8.25(月) メディアの現在(いま)〜ニュースの深層を読み解くためのレッスン〜

 8月18日、「フォーラムin 札幌時計台」が主催した政治を語る集い「メディアの現在(いま)〜ニュースの深層を読み解くためのレッスン〜」が札幌の「北海道大学百年記念館」であった。
 ゲストは、ジャーナリストの大谷昭宏、同じくジャーナリストの二木啓孝、作家の宮崎学、ノンフィクション作家の魚住昭の4氏、司会は北海道大学教授の山口二郎氏である。


 参加した市民は100人超で、会場は超満員。
 約2時間の集いであったが、メディアの抱える諸問題に鋭く切り込む各講師の解説に、会場は大いに盛り上がった。
 当日は、札幌地裁で道新裁判の口頭弁論が開かれ、補助参加人の大谷昭宏氏、宮崎学氏が札幌地裁から会場に駆けつけ、道新裁判の問題についても語っている。
なお、動画については本日、当ホームページにアップロード済みである。


前のページへ

20.8.12(火) 短編映画「つくられる自白 志布志の悲劇」の上映会
            講演「権力の暴走を止めるのは誰か」

 平成20年8月8日、鹿児島県志布志市で、「住民の人権を考える会の会」(一木法明会長)と鹿児島県弁護士会の主催で日弁連制作のドキュメタリー短編映画「つくられる自白 志布志の悲劇」の上映会が開かれ、「市民の目フォーラム北海道」の原田宏二代表が「権力の暴走を止めるのは誰か」と題して講演した。
 (講演する原田代表)

 会場には、鹿児島県会議員の中山信一氏をはじめ志布志事件の元被告の人たち、志布志市民等約300人が集まった。
 最初に、日弁連制作のドキュメタリー短編映画「つくられる自白 志布志の悲劇」が上映され、「住民の人権を考える会の会」の一木法明会長が挨拶、続いて、原田代表が約1時間にわたって「志布志事件も警察の裏金疑惑も警察の組織的な犯罪だ。そこには、国民不在の警察の傲慢さがある。真相が解明されない限り真の再発防止策は生まれない。誤りを率直に認めて謝罪できる警察になるべきだ。警察を変えていくためには市民の監視が必要だ」などと講演した。
 公演後、原田代表は「買収会合が行われてとされた懐集落を訪れたが、携帯電話も繋がらないような山奥の静かで小さな集落で悪質な買収事件があったなどとは想像も出来ない。心ならずも被告とされた人たちとも会ったが、いずれも善良な市民であり、どちらかといえば保守的で警察のよき理解者であり協力的な人たちばかりだった。その人たちが、長期間にわたり逮捕勾留され、警察の拷問ともいえる取調べを受けたことを聞き、同じ捜査に携わった者として申し訳なさに心が痛む。まだ、国賠訴訟等も続いており市民の目フォーラム北海道としても協力や支援を惜しまない」と語った。

前のページへ

20.7.7(月) チャレンジ・ザ・G8サミット 1万人のピースウォーク
            参加者3,000人に1,000人以上の過剰警備?

 7月5日午後、市民団体「ほっかいどうピースネット」等主催の「チャレンジ・ザ・G8サミット1万人のピースウォーク」と銘打った集会とデモが札幌市内中心部で行われた。
 7日から始まった第34回主要国(G8)首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を目前にひかえ、北海道警察は5,000人の警察官を動員、全国の都道府県警察から16,000人の警察官の応援を得て、21,000人の警備体制の下で厳重な警戒態勢に入っている。
 既に、主会場のホテルがある洞爺湖町、新千歳空港は厳戒態勢に入っており、会議と各国首脳の宿泊先のホテルへの道路は封鎖された。
 北海道の主要幹線のあちらこちらでは24時間・無差別・一斉検問が行われている。
 札幌市内も赤ランプをつけた全国の都道府県ナンバーの警察の車が行き交い、交差点、札幌駅、地下鉄等には多くの制服警察官が市民に目を光らせている。
 札幌駅等のコインロッカーは閉鎖、ゴミ箱も撤去され、自転車置き場の自転車が凶器に使われるおそれがあるとして、中心部への自転車の乗り入れ自粛も呼びかけられた。
 地下鉄では、制服警察官の警乗も始まった。まるで、戒厳令下のようだ。
 7月5日の集会とデモは、サミットに批判的な国内外の非政府組織(NGO)や市民が参加する大規模なもので、主催者側の発表では8,000人の参加が見込まれていた。
 サミットを間近に控えて、警察による過剰な警備も予想されたことから、「市民の目フォーラム北海道」代表原田宏二が、警察の警備の様子をビデオ撮影した。
 近く、このビデオをホームページに動画登載する予定で現在編集中だ。
 この集会、デモに対する警察の集会・デモの警備が過剰かどうかは、ご覧になった皆さんに判断して頂きたい。

私服警察官の職務質問を受ける
 集会が行われる札幌市中央区大通西8丁目広場に行く前に、札幌市の中心部を流れる豊平川河川敷にある警察車両の駐車場を視察した。
 この河川敷には、自転車道、公園、野球場等があり、普段は市民の憩いの場所である。
 駐車場は、河川敷の南9条橋の近くでざっと数えると約80台の機動隊のバス、ジープ型の指揮官車、乗用車等が駐車していた。
 距離があったため、車のナンバーは確認出来なかったが、他府県警察の応援部隊の車と推定された。
 機動隊と思われる部隊も集結していた。
 その様子をビデオカメラで撮影中に5〜6人の私服警察官に取り囲まれて職務質問を受けることになった。
 そのうちの1人は、警察手帳らしきものをちらっと見せながら「G8で警戒中です。話を聞かせてくれませんか」と話しかけてきた。
 私(原田)が警察車両を撮影していたためだろう。
 「いえ、お断りします」と答えてその場を立ち去ろうとすると3人がその前に立ちふさがった。私は「触らないで下さい」と言いながらその間をすり抜けようとすると背後にいた私服の1人が「お名前をいただけませんか、私も手帳を見せたでしょう」と名前を告げるように何回も要求する。
 そこで私は「道警のOBですが、協力するつもりはありません。法的な根拠は何ですか」と尋ねた。
 私服が「警職法(警察官職務執行法のこと)です」と答えたので、「日本人は身分証明書の携帯は義務づけられていませんし、提示する義務もありません。警察官は要求があれば警察手帳を提示しなければなりません。 私が撮影していたのは公共の場所であり、一般の民家ではありません。私の行動が(警職法)の異常な挙動に当たるのですか」と更に質問した。
 私服は「道警のOBなら協力すべきでしょう」と言うだけで法的な根拠については答えなかったので、その場を立ち去って地下鉄中島公園駅に向かった。
 その後を私服3人が尾行してきたが、駅入り口付近で諦めたのか尾行を止めた。
 一般の市民は、警職法のことなどはほとんど知らない。
 私服警察官に囲まれて威圧されれば、強制だと勘違いし身分証明書を見せざるを得なくなる。この私服警察官も私の身元を確認して、あわよくばビデオテープを取り上げたかったに違いない。
 しかし、逆に質問されて断念したのだろう。

会場周辺の警備体制
 集会の会場は、札幌市の中心部を東西に走る大通公園の西部に位置する西8丁目広場にある。
 集会が行われる広場には、午後1時近くには約3,000人市民が集まってきた。
 団体名やスローガン、旗、プラカード等を持っている人も目につく。
 集まった人たちの中には外国人の姿も多い。
 この日の札幌の気温は30度、日差しも強いのに大きなマスクをつけた参加者もいる。
 顔を隠すためなのか、広場近くには革マルと書かれた宣伝カーも駐車している。
 会場には、腕に腕章を巻いたテレビ局、新聞社の記者等、マスコミ関係者の姿も目につく。
 人が集まるにつれて、会場周辺に警察官の姿が増え始める。
 ブルーのヘルメット、出動服に盾を持った機動隊、白い帯革の交通警察官、紺色の略帽に背中にpoliceと書いた紺色ベストという不思議な出で立ちの私服警察官が、周辺の交差点等に姿を見せ始める。
 この私服警察官は、検挙・採証隊だ。
 カメラやビデオカメラ等を持っている。
 会場近くのビルの屋上にも数人の人、おそらく警察官、の姿がある。
 上から会場を撮影している。上空にはヘリコプターも旋回している。
 会場内には私服警察官らしい姿も見える。
 私服警察官は、服装はまちまちだが、必ずリック等のカバンを持っている、イヤホーンをつけている、メモ帳を持っている、ときおり無線機で交信したり集まって打ち合わせをしている等の特徴がある。
 注意していると直ぐに分かる。
 何よりも、私服警察官は、参加する市民と違い、目が鋭く、表情も硬い。
 会場内に集まった人たちを監視しているのか、行動もほかの一般参加者から浮いている感じがする。
 北海道新聞によると、集まった市民は約3,000人(主催者発表5,000人)、北海道警察は1,000以上の警察官を動員したとしている。
 午後1時から主催者の挨拶があり、市民団体の代表、外国人等が次々と舞台に登場し演説をする。
 トランペットの吹奏など、雰囲気を和らげるための演出も行われた。
 集会は約2時間で終わり、デモに移るが、デモに当たり主催者側から「デモはあくまでも非暴力で行うこと、デモの許可条件は1車線となっているので、これに従って整然と歩いて欲しい」などと参加者に呼びかけが行われた。

デモ行進で逮捕者4人
 デモ参加者のほとんどは、横断幕やプラカード、旗等を持って、シュプレヒコールを上げながら整然と行進したが、デモの中には2つほどのグループが有り、そのうちの1つは出発直後に、道路一杯に広がるなど交通警察官に制止される場面があった。
 これらのグールプは、南1条西3丁目交差点付近、ススキノ交差点付近、南8条西3丁目交差点で機動隊と小競り合いとなる。
 黒旗集団と機動隊がにらみ合う場面があったり、デモ隊が急に走り出すなど、デモ隊の一部が行動をエスカレートさせた。
 これに対しては、待機していたブルーのヘルメット、黒ベスト、すね当てに盾という完全装備の機動隊が規制に当たった。
 そして、その機動隊の直ぐ側には、多くの検挙・採証隊が密着して検挙に備えていた。
 警察部隊の配置や動きを見ると、警察の検挙対象は明らかにこれらの一部の跳ね上がりグループに向けられていた。
 これらのグループの規模に対して警察部隊の数は圧倒的に多く、逮捕現場では多少の混乱はあったものの、警察部隊の規制の中で抵抗らしい抵抗もなく、簡単に公務執行妨害等で4人が逮捕された。
 かつて、昭和30年、40年代の安保闘争で札幌中心部がデモ隊で埋め尽くされ、激しい渦巻きデモに警察部隊は手も足も出なかった警備、投石や鉄パイプで攻撃され多くの警察官が負傷した警備、火炎瓶が飛び交った大学紛争等の警備、そうした経験のある筆者からすると、この2つのグループのデモ等は子供のパフォーマンスにしか見えなかった。

 4人の逮捕について、主催者側は札幌中央警察署長に次のような声明を出した。
 本日開催された「7・5チャレンジ・ザ・G8サミット1万人のピースウォーク」は世界各国からの5千人の参加を得て、平和的に行われました。しかし、そのピースウォークにおいて、機動隊の過剰警備があり、4人の参加者が逮捕拘束されました。私たちは、この逮捕に対して強く抗議し、即時釈放を強く求めます。
 更に、7月6日G8メディアネットワークが、サミット警備と逮捕に関する緊急声明を出した。
 昨日、札幌市内で開催された「チャレンジ・ザ・サミット〜1万人のピースウォーク」において4人が逮捕された。その中には、私たちG8メディアネットワークのメンバーも含まれている。メディア活動中ではなかったとは言え、私たちのメンバーが逮捕されたことは、まことに遺憾である。逮捕時の様子は、G8メディアネットワークの取材班などが多数目撃しているが、どれも、警察による過剰な取締りの結果であり、とても逮捕の要件に値するとは思えない。また、海外の報道関係者も逮捕される事態に至っているが、これも警察が撮影中の取材者を妨害したことが発端と見られる。平和的にデモをする人々や取材する人々を厳しく取り締まる姿勢は、思想・心情の自由や表現・報道の自由を封じる行為であり、表現・報道する立場として断じて許すことはできない。言論・表現の自由は、健全な民主主義社会実現のための最も重要な基盤である。入管の問題を含め、一連の過剰なサミット警備は、日本の民主主義を大きく後退させるものとして、強い懸念を表明する。

 この集会・デモ行進には、背広姿の北海道警察の広報担当者が緑色の腕章を着けて広報対策に動いていた。
 現場に集まったマスコミ対策が主たる任務なのだろう。
 翌日の新聞、テレビは4人の逮捕を伝えたが、いつもの事件報道とは違って、逮捕者全員の氏名や詳しい逮捕事実などはほとんど報道されず、警察の違法逮捕を指摘する報道は無かった。
 北海道警察はデモに絡み、ロイター・ジャパンのカメラマンら男2人を公務執行妨害容疑で、別の男2人を札幌市公安条例違反容疑で、それぞれ現行犯逮捕した。
 調べでは、カメラマンは5日午後4時ごろ、デモの取材中、警備中の警察官の腰をけった疑い。ほかの3人は、車を警察官に接触させたり、北海道公安委員会の許可したデモの条件に違反して列を広げようと扇動したりした疑い。(平成20年7月6日 朝日新聞)

警備・公安警察にとっては起死回生のチャンス
 北海道警察は、近年、サミットに反対する団体などが大規模なデモなどを行い、一部の暴徒化した群衆が悪質な違法行為を敢行している現状にあると分析、主要国首脳などの身辺の安全確保、サミットと関連行事の円滑な進行確保、安全安心な道民生活の確保を目的に国際テログループや極左暴力集団などに関する情報の収集と取締り強化、テロ・ゲリラの未然防止を図ると表明している。
 7月6日には、ブッシュ米大統領をはじめ各国の首脳の来日が始まった。
 北海道警察は、国際テロ等の未然防止を大義名分に厳重な警戒態勢に入っている。
 警戒を強化しているのは警察だけではない。
 入管当局もテロリストの入国を阻止するため、入管法の改正に伴い平成19年11月に導入された外国人個人識別情報認証システム(BICS)を活用し、警察等の関係機関と連携して国際海空港での水際対策を強化している。
 外国人の入国拒否や職務質問をめぐるトラブルも起きている。
 7月5日の英タイムスは、「日本政府が約600億円を費やし、英国の3倍以上の経費をかけている。その半分が警備費用に充てられている」と指摘し(平成20年7月6日 北海道新聞)、経費の面でも過剰だと批判している。
 警察は、国際テログループや極左暴力集団に関する具体的な情報を国民には明らかにしてはいない。
 昨年のドイツ・ハイリゲンダムサミットでは、警察部隊とデモ隊が衝突1,000人以上が逮捕され、警察官400人以上が負傷した、反グローバリズムの高まりの中で、今回も同じことが起きる可能性があると説明する。
 しかし、今のところ、大規模なデモが行われたが暴徒化した群衆などはいない。
目立つのは、街中にあふれる警察官の姿と無差別検問などによる交通渋滞だけである。

何故、警察は異常とも言える警備体制をとったのか。別の見方も可能だ。
 警備・公安警察は、戦前の特高警察の流れをくむ警察の一部門だが、特高警察が終戦とともにGHQの指令により、治安維持法と共に廃止されたように、ときの政治情勢に左右される警察の部門である。
 戦後も日本共産党等の左翼、反日共系の急進的・戦闘的な極左暴力集団、右翼、オウム真理教(現アーレフ)、新興宗教、朝鮮総連、労働運動、反戦運動などを監視し、ときには関連する犯罪を検挙してきた。
 しかし、警備・公安警察が対象にしてきた関係諸団体の活動は、東西冷戦の終焉等によって低迷の一途を辿り、このところ目立った警備事象はほとんど無い。
 長期間にわたって平穏に推移した警備情勢は、警備・公安警察の士気の低下を招き、エリート集団とも言われた警備・公安警察では、考えられないような幹部による不祥事も目立っている。
 警備・公安警察は、目標を失い迷走を始めていた。

 そこへ降って湧いたように起きたのが、平成13年9月に発生した「米国における同時多発テロ事件」である。
警察庁では平成16年4月、警備局に外事情報部を設置するとともに、従前、外事課に置かれていた国際テロ対策室を国際テロリズム対策課に発展的に改組し、外国治安情報機関等との連携を緊密化するなど、「国際テロの未然防止」を警備・公安警察の最重要課題と位置づけた。
 しかし、長期間にわたる平穏な警備情勢と目標の喪失は、必然的に、機動隊の練度の低下をはじめ警備・公安警察官の士気と能力の低下を招く。
 全世界から注目を浴びる北海道洞爺湖サミットの警備は、低迷を続ける警備・公安にとっては起死回生のチャンスである。

 そして、警察にとっては、主要国首脳などの身辺の安全確保し、サミットと関連行事の円滑な進行確保という結果は当たり前のことだ。
 それだけでは十分ではない。それ以外の結果も必要だ。
 つまり、国際テログループや極左暴力集団を検挙するという実績が求められる。
 北海道警察としては、何としても事件を検挙する。
 そんな意気込みがあったに違いない。
 しかし、本格的な国際テログループをおいそれとは検挙出来ない。
 デモの小規模グループの跳ね上がりの検挙なら比較的容易だ。
 そんな思惑があったのではないか。
 逮捕者が4人というのも手頃な数字である。
 事前の広報対策を徹底したので、事後の警備体制に支障が出るような大規模な抗議活動の可能性もほとんど無い。
 そんな読みもあったはずだ。

 もう1つは、今回の警備には、全国警察の機動隊の士気の高揚と訓練の場の提供という意味もあったのではないか。
 過去の全国規模の警備というと、平成12年の九州・沖縄サミットの警備、平成14年のブッシュ米大統領の来日に伴う警備くらいだろう。
 全国の機動隊やその指揮官のほとんどは「荒れる現場」の体験がない、実戦経験が不足している。
 現場の機動隊員とその指揮官の動きを観察しているとその感を強くした。
 採証・検挙隊の警察官も今回の事件処理が初体験の警察官も多かったのではないか。
 逮捕者には申し訳ないが、今回の4人逮捕は手頃な訓練になったはずだ。
 北海道洞爺湖サミットは間もなく終わる。
 果たして、国際テログループや極左暴力集団によるテロ等が起きるのか。
 そして、今回の警備が、警備・公安警察の起死回生に繋がるのだろうか。


前のページへ

20.6.26(木) つくられる自白〜志布志の悲劇
           
短編ドキュメンタリー映画 完成披露試写会

 「志布志事件」は、平成15年の鹿児島県議選で初当選した中山信一さんの陣営が志布志町で票を買収したとされ、公選法違反で13人もの住民が起訴された事件である。
 この事件を捜査した鹿児島県警志布志警察署の捜査では、任意取調べという名の下に連日12時間以上の長時間の取調べ、「踏み字」の強要などの違法な取調べが行われ虚偽の自白がつくられた。
 平成19年2月、鹿児島地裁は自白の信用性を否定した12人全員(1人は公判中死亡)に無罪判決が言い渡され、現在国家賠償訴訟が闘われている。

 日本弁護士連合会(日弁連)では、この「志布志事件」を中心に、実際に行われた違法な取調べの実態や、警察留置場(代用監獄)での身体拘束を利用した自白の強要などの事実を本人の証言や再現を交えて45分の短編ドキュメンタリー映画(DVD)にまとめた。
 その完成披露試写会が6月23日、東京都千代田区霞ヶ関の弁護士会館で行われた。

 この試写会当日、元被告の1人が死去された。
 この事件では既に元被告の1人、弁護人の弁護士の1人が公判中に亡くなっている。
 無罪判決があったとはいえ、元被告の人たちの人生に取り返しのつかない甚大な損害を与えた。
 元被告の人たちの心の傷は決して癒えることはない。
 この捜査は、犯罪捜査の仮面を被った鹿児島県警の組織的犯罪の疑いさえある。
 しかし、損害を与えた側の刑事責任の追及は、取調べに当たった現場の元警察官1人の刑事責任等が追及されているだけで、この事件に関与した検察官、警察官、特に、事件を指揮した鹿児島県警の幹部の責任は追及されないままに幕が引かれようとしている。



 映画上映後に、「志布志事件」を取材し脚本を書いた毛利甚八氏、監督の池田博穂氏、志布志事件弁護人の野平康博弁護士らをパネリストに日弁連刑事拘禁制度改革実現本部の小池振一郎弁護士をコーディネーターとするシンポジュームが行われた。
(このシンポの様子は、後日このホームページに動画で登載する予定である。)
 「志布志事件」については、このホームページにも何回も登載したが、この映画にも「市民の目フォーラム北海道」の原田宏二が登場、警察の捜査の実態に関してコメントしている。
 この映画を見て、原田宏二は「警察の捜査は何のために行われるのか。それが忘れられている。その背後に警察権力の傲慢さと奢りがある。そして、警察の違法捜査で罪のない多くの人たちの人生を変えてしまった。そのことを考えると警察在職中に犯罪捜査に携わった一人として胸が痛む。志布志事件の悲劇を繰り返してはならない。この映画を一人でも多くの人に見てもらい、警察の犯罪捜査を変えていくきっかけにしないといけない。」と語っている。
 「市民の目フォーラム北海道」では、この映画の上映会を開くことを計画中である。
 なお、日弁連では、この映画を全国で販売する予定だ。
 DVDの注文・問い合わせは「新日本映画 03−3496−4871へ。


前のページへ

20. 5.18(日) ドキュメント映画「ハダカの城」上映と懇話の場

 5月1日に当ホームページで、5月17日(土)から23日(金)まで、札幌市中央区狸小路6丁目南3条グランドビル2F「シアターキノ」でのドキュメント映画「ハダカの城」の上映案内をしていた。

 上映初日の5月17日(土)午前10時から客席63席の7割ほど埋まった同館で上映に先だって、道警裏金疑惑を告発した原田宏二氏(現「市民の目フォーラム代表」)が、観客を前に自らが受けた嫌がらせの実態や内部告発で不正が発覚した後の権力機関警察と民間企業の著しい格差(倒産、刑事責任の追及)などについて話した。


 また、上映終了後、同館の「キノカフェ」で、原田宏二氏を囲んで映画や告発を題材にした懇談を行った。
 この懇談会には、「ミートホープ社の牛ミンチ偽装事件」を告発した赤羽喜六氏も参加し、自らの体験を詳しく話した。

 参加者は約20人、中にはJRを利用して小樽や室蘭からの参加者もいた。
 道警裏金問題から4年を過ぎた今でも、「偽」に対する市民の強い関心は、消え失せていない。
 「道警裏金問題」、「雪印食品・牛肉偽装詐欺事件」、北海道苫小牧市の「ミートホープ社の牛ミンチ偽装事件」で告発者はどう扱われたのか、メディアの在り方、警察や行政の対応などについて、1時間以上に及ぶ熱心な話し合いが持たれた。


前のページへ

20. 5.12(月) ミートホープ社の牛ミンチ偽装事件の内部告発者との対談
            
「北方ジャーナル6月号」5月15日発売

 苫小牧のミートホープ社の牛ミンチ偽装事件については、昨年7月にこのホームページで伝えましたが、この事件を追及してきた北海道の月刊誌『北方ジャーナル』が、5月15日発売の6月号で「内部告発は社会を変えられるか」と題した対談を掲載します。対談では、ミートホープ元常務の赤羽喜六氏と「市民の目フォーラム北海道」代表の原田宏二氏が初めて顔を合わせ、社会改革の手段としての内部告発について語り合いました。
(原田宏二氏と対談する赤羽喜六氏)
 元社長の田中稔氏が詐欺と不正競争防止法違反で逮捕・起訴されるに至った"牛ミンチ偽装事件"は、3月19日の判決公判で同氏に懲役4年の実刑判決が言い渡され、氏もこれを受け入れる形で幕を下ろしました。
 しかし、一連の畜肉偽装事件は、同社だけがその責を負うべき不祥事だったのでしょうか。
 元常務の赤羽氏が、内部告発を果たしたのちも監督官庁に当時の対応を質し続けなくてはならかったのは、なぜなのでしょうか。
 一民間企業の暴走の背後には、その暴走を許した構造的な問題が横たわっているように感じられます。
 いかにも、事件はまだ終わっていないのです。 ことは、ミートホープ事件に限った話ではありません。たとえば4年前、元道警釧路本部長の原田氏の証言でその詳細が明るみに出た道警の不正経理問題。
 不祥事の舞台が片や民間企業、片や官公庁という違いこそあれ、両者の背景はよく似ているのではないでしょうか。
 一気に市民の耳目を集めたのち、報道の沈静化とともに「終わった」ことになってしまう側面も――。  対談では、組織ぐるみの不正が抱えるそうした側面と、内部告発という行動が社会にもたらす影響、そして告発によって人生が変わった当事者の思いなどが話題に上りました。
 とりわけ、孤立無援の闘いを余儀なくされた赤羽氏の苦悩が吐露される部分では、事件報道の行間からはなかなか見えて来ない内部告発者の悲哀が浮かび上がり、一人ひとりが不正に直面した際にできることは何なのかを考えさせられます。
 昨年6月の事件発覚からまもなく1年、頻発する食品偽装事件が一時の風のように過ぎ去ろうとしている今こそ、何も「終わっていない」ことを確認する必要があるでしょう。
月刊『北方ジャーナル』6月号は、5月15日から道内の主要書店で発売。定価税込880円。
問い合わせは、編集部(リ・スタジオ)電話011・711・5181、電子メール hj@hoppo-j.com へ。
公式ブログは、こちら→ http://hoppojournal.kitaguni.tv/



前のページへ

20.5.1(木) 「ハダカの城」 上映のご案内

 5月17日(土)〜23日(金)札幌市中央区狸小路6丁目南3条グランドビル2F「シアターキノ」でドキュメント映画「ハダカの城」が上映されます。


 この映画は、国のBSE(狂牛病)対策による「国産牛肉買い取り制度」を悪用した「雪印食品・牛肉偽装詐欺事件」を内部告発した倉庫会社「西宮冷蔵」社長水谷洋一氏の記録です。
 水谷社長は、平成13年雪印食品の牛肉偽装を告発しました。
 自身も在庫証明書を改竄する等偽装に加担したとして国から営業停止命令を受けます。
 以後取引は激減し平成15年11月に休業に陥ります。
 その後、社長自ら大阪の梅田駅前歩道橋等でカンパを募る等、全国から再開資金を集め平成16年2月営業を再開しました。
 事件を起こした雪印食品は、前年の平成12年に発生した雪印集団食中毒事件による経営不振とのダブルパンチで、経営不振がさらに深刻化し清算(解散)されました。
 事件の主犯格とされる本部長ら5人は詐欺容疑で逮捕されました(その後、平成16年7月に元専務ら2人が無罪判決)。
 映画は、この間の休業から再建までの水谷社長と息子の甲太郎氏の闘いを映像作家柴田誠により追っています。

 北海道では、平成16年2月、元道警釧路方面本部長の原田宏二氏が北海道警察の裏金疑惑を告発しました。
 北海道警察は9億6,000万円を国と道に返還しましたが、幹部の私的流用など肝心な部分は最後まで隠蔽しました。
 北海道警察の上層部は、誰も処罰されることもないまま、裏金疑惑は幕を閉じました。
 また北海道では、このほかに平成19年6月には、苫小牧市の「ミートホープ」による偽装牛ミンチ事件が発覚、これも同社の元常務赤羽喜六氏の内部告発でしたが、同社は倒産し、社長は先ごろ有罪判決を受けました。

 上映初日の5月17日(土)午前10:00〜「ハダカの城」上映前に道警裏金疑惑を告発した原田宏二氏(現「市民の目フォーラム代表」が、内部告発について自らの体験を簡単に話すほか、上映終了後(12:00頃の予定)キノカフェで、原田宏二氏を囲んで映画や告発を題材にして懇談します。
 参加費は、映画の入場料(当日/一般1,800円/学生1,400円/シニア・高校生以下1,000円)とキノカフェでのお茶代のみです。
 なお、「ハダカの城」を見ないでの懇談参加はご遠慮ください。


前のページへ

20.4.16(水) 日本弁護士連合会主催のシンポ
           
「国連拷問禁止委員会勧告実現のために、今何をすべきか」

 4月11日 午後6時から東京都千代田区霞ヶ関の弁護士会館で日本弁護士連合会主催のシンポジューム「国連拷問禁止委員会勧告実現のために、今何をすべきか」が開かれ、「市民の目フォーラム北海道」の原田宏二代表が参加した。


 最初に、国連拷問禁止委員会日本政府報告書審査主査 フェルナンド・マリーニョ・メネンデス氏が、自白及び取調べ、代用監獄、死刑禁止などの問題について、委員会が勧告によって日本政府に何を求めたのかなどについて基調講演があり、続いてパネルディスカッションが行われた。
 パネリストは今井直氏(宇都宮大学国際学部教授)、海渡雄一氏(日弁連拷問禁止条約に関する協議会事務局長)、コーディネーターは海渡雄一氏が務めた。
 その後、小池振一郎弁護士(東京第二弁護士会)等が代表質問を行った。
 原田代表も司会者から警察OBとして発言を求められ「日弁連や国会も警察の現場の実態を知るべきだ」とコメントした。
 原田代表は、マリーニョ・メネンデス氏の講演を聞いて、「日本政府が、未だに国際機関の勧告を無視していることを知って驚いた。そして、このことについて多くの国民が無関心なのも問題だ。
 『市民の目フォーラム北海道』も当面の活動重点として、この問題に取り組んで行く必要がある」と語った。

 拷問禁止条約は、正式には「拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約」という。
 同条約は、昭和59年に国連総会で採択され、昭和62年に発効した。
 日本政府は、平成11年6月に同条約を批准した。
 批准・発効後1年以内に提出を義務づけられているのもかかわらず、日本政府が条約の実施状況に関する日本政府報告書を提出したのは、平成17年12月であった。

 国連拷問禁止委員会(以下、委員会という)は、条約の批准国の実効的実施状況を監視するために、同条約に基づき設置された国際機関であり、日本国政府は同条約の批准国として、委員会から勧告された点について改善に向けて努力する義務を負う。
 日本政府の報告を受けて委員会は、平成19年5月21日 日本政府に対して次のような勧告をしている。
 その主要な部分を要約して紹介する。
@ 代用監獄の廃止
 代用監獄(勧告では「DAIYO−KANGOKU」と日本語が使われている)が、広くかつ組織的に利用されていることが懸念される。
 未決拘禁が国際的な最低基準に合致するものになるよう、速やかに効果的な措置を取るべきである。とりわけ、未決拘禁期間中の警察の留置場の使用を制限するべく、刑事被収容者処遇法を改正すべきである。
A 全取調べの可視化
 無罪判決に対し有罪判決の数が極端に多く、刑事裁判における自白に基づいた有罪の数の多さ、条約に適合しない取調べの結果なされた任意性のない自白が裁判所において許容されていることが懸念される。
 被拘禁者の取調べが、全取調べの電子的記録及びビデオ録画、取調べ中の弁護人へのアクセス及び弁護人の取調べの立会いといった方法により、体系的に監視され、かつ、記録は刑事裁判において利用可能となることを確実にすべきである。

 委員会は、このほかに死刑制度、入国管理及び難民認定制度などの改善を勧告している。
 そして、この勧告を受けて日本政府がどのように対応したかを、1年後に報告を求めている。

 「代用監獄」とは、平成18年6月に成立した「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律(受刑者処遇法改正法)」で逮捕・勾留者を刑事施設(拘置所)に収容することに代えて警察の留置施設に収容することができるとされている「代用刑事施設」のことを指している。
 これによって、旧監獄法が廃止されるとともに、未決拘禁者の処遇等に関する規定は、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律に統合され、平成19年6月1日の施行日から法律名も「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」(以下、「刑事被収容者処遇法」という)となったが、悪名高い「代用監獄」も「代用刑事施設」と名称を変えただけで存続されることになった。
 このことについては、当ホームページで19.12.2(日)取調室に「のぞき窓」?警察庁が可視化に反対する本当の理由で詳しく述べている。

 我が国の刑事司法は、「自白は証拠の王」とする考え方が根強い。
 これを支えているのが、刑事訴訟法の長期勾留制度代用刑事施設(留置場)である。
 刑事司法の入り口部分を担当する警察は、自白獲得のためにこの2つの制度を当然のことのように利用している。
 その結果が、鹿児島の志布志事件等に見られる多くの冤罪・無罪事件だ。

 日本政府は、平成5年には、国際人権(自由権)規約委員会から「代用監獄制度が警察と個別の官庁の管理下にないこと」が指摘され、平成10年には「代用監獄が捜査を担当しない警察の部局の管理下にあるものの、分離された当局の管理下にない」と指摘されている。
 このように代用監獄の廃止は、既に15年も前から国際的に指摘されている問題である。
 このシンポで配付された資料には、「自白強要や非人道的処遇を許す、わが国の人権状況につきつけられたもの」とある。
 国際社会も驚く「DAIYO−KANGOKU」が、先進国といわれている我が国にいまだに存在すること自体、恥だと思わなければならない。
 刑事司法後進国日本、日本政府も北朝鮮など他国の人権問題で偉そうなことを言える立場にはないことは間違いない。
 かつては、日本警察は"世界に冠たる"などと言われたこともあったようだが、人権無視の代用監獄と自白偏重の捜査によって治安が維持されているとしたら、国民が期待している警察の在り方とはほど遠いことになる。
 鹿児島の志布志事件をはじめ、全国各地で警察の違法捜査による冤罪・無罪事件が明らかになっている昨今、現場の警察官も警察の捜査が国際的にもこうした評価を受けていることを知るべきであろう。


前のページへ

20.4.5(土) 「市民の目フォーラム北海道」の総会を開催

 4月4日(金)、札幌で「市民の目フォーラム北海道」の総会が行われた。
 総会においては、まず原田宏二代表から以下の5項目の活動状況報告が行われた。
@ 会員や読者会員の拡大状況
A ホームページ、会報の発出状況
・全国唯一のHPであり、全国的視野で警察の実態を知らせる活動を行ってきた。
・リニュアールの結果、アクセス数が順調に伸びている。
・記事は、CEFHの活動が25本、警察関連NEWSが64本であった。
・くにおの警察日記が終了したので、別途警察OBによる連載記事を準備中である。
・記事に変化を持たせるため、動画NEWSを導入した。
・警察は、「裏金問題」から「可視化問題」へ変わらざるを得ない状況にある。
B相談BOXの状況
 全国から寄せられた相談等、多種多様である。
 事後対応として訴訟、公安委員会への苦情申し立てなどを行っている。
 警察内部からの相談、情報提供等も多い。
C情報開示請求、議会質問等
 変わらい閉鎖性があり、肝心の点は非開示である。
 政府への質問主意書では、誤りを認めない警察庁の姿勢が顕著である。
Dその他(訴訟支援、講演等)
・道新裁判(9回)
・元埼玉県警警察学校長の業務上横領告発事件の支援
・釧路方面交通安全協会訴訟の支援
・鹿児島県志布志事件弁護団との交流会参加
・東京で「警察・検察の横暴を許さない連帯運動」(連帯運動)での講演
・問題事案の実態調査の実施(函館駅のけん銃事件、冤罪少年事件)

 そのほか事務局から、@会員投稿方法の見直し ACEFHの支援活動 B会計報告が行われた。
 その後、意見交換として
@本年中のイベント案 A読者会員の拡大、投稿、裁判の傍聴
Bホームページの記事を書籍として出版 などについて意見交換が行われた。
 中でも「可視化問題」に関しては、会員相互に活発な意見が出され、時間を大幅にオーバーするなど、会員の間でも、この可視化問題への関心の高いことをうかがわせた。


前のページへ

20.3.9(日) 原田宏二代表が「適正化指針では何も変わらない」と講演
          続く無罪判決、今度は福岡県警の殺人・放火事件捜査でも

 「市民の目フォーラム北海道」の原田宏二代表が、「警察・検察の横暴を許さない連帯運動」(連帯運動)の依頼で、3月6日 東京都千代田区一ツ橋の日本教育会館で「警察庁の適正化指針では何も変わらない」と題して講演を行った。

 今年1月24日 警察庁が「取調べ適正化指針」なるものを発表し、捜査現場の取調べに対する監督を強化するため、全国の警察本部に取調べ状況を監督する部署を設けることを柱に取調べ時間の管理の厳格化等の指針を打ち出した。
 しかし、この適正化指針は、鹿児島県の志布志事件や富山県の氷見事件をきっかけに湧き起こった警察の取調べに対する国民の批判をかわし、日弁連等が主張する取調べの可視化を阻止しようとする意図で警察庁が苦し紛れに打ち出した施策であり、多くのまやかしと問題点が含まれている。
 この講演は、そうした「適正化指針」のまやかしと問題点を明らかにするため連帯運動の主催で企画されたものである。
 (講演する原田宏二代表)


 このホームページには、これまでも志布志事件等の冤罪・無罪事件に関して登載したほか、この講演の内容も詳しく登載しているので参照されたい。
19.10. 1(月) 志布志事件捜査は警察の組織犯罪(その1)買収会合は虚構
19.10. 8(火) 志布志事件捜査は警察の組織犯罪(その2)元警部補だけの犯罪か
19.10.15(月) 志布志事件は警察の組織犯罪(その3)幹部は何故告発されないか
19.10.29(月) 富山の冤罪(永見事件)無罪確定 警察・検察捜査を追認する裁判所
19.12. 2(日) 取調室に「のぞき窓」? 警察庁が可視化に反対する本当の理由
20. 2.23(土) 可視化に反対する警察庁「取調べ適正化指針」で冤罪・無罪事件はなくなるか?(その1)
20. 2.29(金)
可視化に反対する警察庁「取調べ適正化指針」で冤罪・無罪事件はなくなるか?(その2)

 なお、事務局では講演の様子を動画で登載する予定で準備中である。

 この講演の前日、福岡地裁で平成16年3月に北九州市八幡西区で起きた殺人・放火事件で女性の被告(60歳)に無罪判決が言い渡された。
 この事件では、福岡県警が同年5月にこの女性を窃盗容疑で逮捕、7月には威力業務妨害で再逮捕し、そして10月に女性を拘置中の留置場内で同房だった女性に犯行を告白したとして、福岡県警はそれを根拠に殺人、さらに放火で逮捕した。
 被告の女性は告白自体を否定し、一貫して無罪を主張し、30回に及ぶ裁判では同房者の証言の信用性などが争点になっていた。
 判決では、「犯行告白」について「任意性に疑問がある」として証拠能力を認めず「捜査の手法として相当性を欠く」と判断、殺人と放火については無罪とし、ほかの2罪については懲役1年6ヶ月執行猶予3年を言い渡した。

 鹿児島県の志布志事件や富山県氷見事件では、警察の不当な取調べで被疑者を強引に自白に追い込んだことが明らかになったが、この事件では、凶器などの物証もなく、被疑者が終始犯行を否認したことから、警察・検察は留置場の同房者に被告が語ったとされる「犯行告白」を唯一の根拠に事件を立件・起訴した。
 この事件で福岡県警は、見込み捜査の典型であり冤罪のもとになるとして指摘されている別件逮捕を繰り返し、福岡地裁の判決でも「定員2人の房に(被告人と女性)を意図的に長期(約80日)間にわたって収容した。代用監獄による身柄拘束を捜査に利用した。」と代用監獄(代用刑事施設)を捜査に利用したと明確に指摘している。
 警察の不当な取調べによる無罪事件は、こうした世間の耳目を騒がせた事件だけではない。
 平成19年12月3日には、交際していた女性の携帯電話を盗んだとして、窃盗の疑いで道警の函館中央警察署に逮捕された少年(19歳)が、家庭裁判所の審判で刑事処分の無罪に当たる「非行事実なし」の不処分の決定を受けた。
 家庭裁判所の裁判官は「女性の供述には不自然な点が多い」と断じたが、少年は、捜査段階では事実を認めたものの、家庭裁判所の調査段階で否認し審判でも否認した。
 少年は捜査段階で自白したことについて、「警察官からお前の話は通らない。証拠は固まっていると強く責められ自白した」と述べている。
 この事件では、警察が被害にあったとする女性の申立てを鵜呑みにし十分な裏付け捜査を怠り、無理な取調べにより少年を自供に追い込んだものと認められる。

 今年2月28日には、宇都宮市で起きた2件の強盗事件で誤認逮捕され、無罪判決を受けた男性(56歳)が、違法な逮捕と捜査で精神的苦痛を受けたとして国と県を相手取り慰謝料500万円を求めた国家賠償訴訟で、宇都宮地裁は「警察官は男性を誘導し、虚偽の自白調書を作成した」として国と県に計100万円の支払いを命じている。
 男性に知的障害があり、判決では「障害は容易に認識できたのに、裏付け捜査を十分にせず、供述の信用性を確かめる当然の職責を怠った」と指摘し、誘導して供述調書を作り、手を持って無理やり地図を書かせるなどの違法捜査が行われたとした(平成20年2月28日 読売新聞から)。

 今回の講演で原田宏二代表は、警察捜査では未だに「逮捕すれば何とかなる」との安易な逮捕権の運用が横行していると指摘したほか、福岡県警の捜査について警察庁による捜査と留置人の処遇の分離施策は、全くのまやかしであることを改めて浮き彫りになった、と指摘した。
 そのうえで、警察庁による「取調べの適正化指針」なるもので示された警察内部の取調べの監督では、取調べの適正化などは全く期待できない、早急に「代用刑事施設」制度を廃止し、取調べの可視化を実現すべきであると指摘した。


前のページへ

20.3.5(水) 広がる市民の目 裁判傍聴記

 2月25日から27日まで、「市民の目フォーラム北海道」にとって注目すべき3つの裁判が開かれた。
 @とBの事件は「市民の目フォーラム北海道」が支援している事件であり、Aの事件は釧路の今瞭美弁護士等と札幌の市川守弘弁護士が連携して取組んでいる事件である。
 ここ数年、警察や官公庁の裏金が次々と明るみに出ている。
 地域住民の命を預かっているはずの独立行政法人国立帯広病院でも裏金づくりが発覚した。そして市民の代表であるはずの議員が、お手盛りの政務調査費を無制限に使いまくる。
 こうした税金の使い方をチエックすべき会計検査院、監査委員、公安委員会、そして国会や地方議会もほとんど機能しない。
 税金の不正使用を刑事告発しても、警察や検察が積極的に捜査に乗り出すこともない。
 こうした組織や権力の前に諦めて泣き寝入りしていた人や政治に無関心であった人々が、立ち上がって声を上げて主張しはじめた。
 権力等の不正に厳しい目を向ける市民の輪が、広がっているのを感じる。
 しかし、組織や権力の壁は厚く高い。
 それを突き崩すためには、長い時間と血のにじむような努力が必要とされる。
 そうして、何よりも大切なのは、市民の一人ひとりがこうした問題を自分のこととして関心を持ち、行動することだ。
 この3つの裁判は、いずれも札幌の市川守弘弁護士が代理人を務める裁判である。
 「市民の目フォーラム北海道」代表の原田宏二も傍聴した。

@社団法人釧路方面交通安全協会慰謝料等請求事件

 平成19年12月15日、北海道警察のOB(元警部)で釧路方面交通安全協会の講習指導員だった渡部徳夫氏(64歳)が、身に覚えのない事実を理由に懲戒解雇したのは違法だとして、社団法人釧路方面交通安全協会(代表者理事 山崎幹雄)を相手取って、慰謝料等の支払いを求める訴訟を釧路地裁に提起した。
 この事件については、このホームページ(19.12.23(日) 警察OB(元警部)が交通安全協会を訴える 警察の体質に酷似する交通安全協会)で詳しく述べた。
 その第1回口頭弁論が、2月25日午後2時5分から釧路地裁民事部で開かれた。
 原告席には、原告の渡部徳夫氏、代理人の市川弁護士が、被告席には被告代理人の伊藤孝博弁護士外1名が着席。
 被告側の社団法人釧路方面交通安全協会専務理事西村博氏ほか2名の職員は傍聴席に着席。記者席では、報道関係者6人も取材、この問題の関心の高さを窺わせた。
 最初に、訴状と被告側の答弁書の陳述手続きが行われた。
 被告側は、原告の請求を棄却するように求め、原告を懲戒解雇したことは認めたが、原告の「懲戒事由は不存在」とする主張に対しては「事実に反する主張だ」として否認した。
 裁判長から被告代理人に対して、解雇事由を法的観点から精査して明らかにするように指示があり、市川弁護士も解雇事由を聞きたいと主張した。
 次回は、3月26日午後2時から

A釧路市政務調査費返還代位請求事件

 平成19年12月に釧路市民の有田誠氏らの住民監査請求に対して、釧路市監査委員は平成18年度に市議会各会派に支給された政務調査費のうち76万9,101円を市に返還するように勧告していた。
 有田氏らはこれでは不十分だとして、平成20年1月22日 釧路市議会の共産党などを除く市議会6会派に計721万円を返還させるよう伊東良孝釧路市長に求める行政訴訟を起こしていたが、その第1回口頭弁論が、2月26日午後1時30分から釧路地裁1号法廷で開かれた。
 なお、6会派のうち4会派は、昨年12月監査委員から返還を勧告され、その分は返還している。
 この訴訟では、地元釧路市の今瞭美、今重一、小西憲臣弁護士のほか札幌市の市川守弘弁護士が原告代理人に名を連ねている。
 当日の法廷には、原告席には原告の有田誠氏、原告代理人の市川弁護士ほか3人、被告席には、原告代理人の伊藤孝博弁護士ほか1人が着席。
 傍聴席は、報道記者を含めて満席となり、釧路市民の政務調査費問題への関心の高さが窺われた。
 冒頭、原告の有田誠氏が意見陳述をおこなった。その要旨は次のとおりだ。
 「政務調査費は市民の血税から支出されているものです。最近の報道によると議会改革等検討委員会の座長が『明らかに犯罪だ』と厳しく批判しているように、旅費規定を含めて公的なお金の使い道を厳格にチエックすべき議員が、水増し請求を自ら甘い感覚で処理していることは、不適切を超えて不正行為と言わざるをえません。
 私たちの調査で分かったことですが、18年度中に8会派のうち3会派が沖縄へ旅行しています。沖縄の視察が釧路市の市政とどのような関連を持つのかまったく理解しかねます。
 釧路市の困難な財政状況が指摘されるなか、補助金のカット、町内会の街灯電気料、会館利用料の削減、職員給与の減額などが行われています。このような財政難のなかで政務調査費が杜撰に使われているのは、見過ごすことはできません。監査請求と住民訴訟を起こしたのは、市民の誰もが理解と納得のできる透明で適切な使途を求めたものです。」

 続いて、原告代理人の市川守弘弁護士が意見陳述を行った。その要旨は次のとおりだ。
 「ここ10年ばかり、全国で地方自治体議会議員の政務調査費の使い方が問題になっています。議員としての諸活動のためには議員歳費が認められ、本来この歳費で議員としての全ての活動が賄われるべきである。政務調査費は、極めて稀な特殊な調査に要した費用に支出されるべきであり、あいまいな支出を認めると結局は、お手盛り歳費となり小遣いとなってしまいます。
 全国の市民団体は、政務調査費の杜撰な使い方にメスをいれてきました。昨年12月19日の仙台高裁判決は、政務調査費の支出は、@透明性、A明確性、B適合性がなければならないとしました。適合性では、調査目的と市政の関連性、調査方法、内容の具体的説明、調査活動と支出の相当性、等々の審査が必要としました。透明性では、昨年3月22日の名古屋地裁が収支報告書に領収書の添付が義務づけられていなくても、そのことが政務調査費の適正な支出、透明性の担保を失わせるものではないとしています。
 では釧路の場合はどうなのか。業者に頼んで虚偽内容の領収書を作らせるなど論外であります。一体、釧路の市政にとって沖縄の調査がどのように必要不可欠であったのか。明らかにずさんな観光旅行であります。政務調査費が第二の歳費になった典型例であります。
 裁判所におかれては、釧路の政務調査費のこのような問題に法の光をあて、不況に苦しむ釧路市民の願いと怒りに答えていただきたい」

 この日の弁論で、被告側は請求の棄却を求めたが、事実関係の認否は「各会派の主張を確認してから判断する」として保留した。
 次回は、4月17日午後1時30分から

「政務調査費を考える市民の会」の発足
 第1回口頭弁論が開かれた前日の25日、釧路市内で「市民のつどい」が開かれた。
 会場には原告や市民約70人が集まった。
 最初に、今瞭美弁護士から訴訟提起に至るまでの経過が説明され、続いて札幌から駆けつけた市川守弘弁護士が、政務調査費問題をめぐる情勢について講演した。
(講演する市川弁護士)
 その後、原告の有田誠さんから「市民の会」発足について提案があり満場一致で賛同された。同会は「政務調査費の透明で的確使途を求め、その情報が速やかに市民に速やかに公開されることを求めて活動する」ことになった。
 最後に質疑応答に移り、参加の市民からは活発な意見が出され盛会のうちに終了した。

全国で問題となっている政務調査費問題
 全国市民オンブズマン連絡会議の調査(平成20年2月現在)によると、政務調査費に関して住民監査請求で返還勧告が出た事例は、平成15年以降、全国で27自治体、政務調査費に関する住民訴訟で返還を命じた勝訴判決事例は15件に及んでいる。
 北海道では、道議会の政務調査費収支報告書で、平成18年度は議員108人のうち半数近い49人分に、支出内容を示す領収書が一枚も添付されていないことが明らかになった。
 札幌の市民団体「市民フォーラム北海道」が、道議会議員の期末手当、政務調査費、交通費・宿泊代の費用弁償を削減するように求める要望書を提出している。
 平成18年9月には、最高裁が札幌市議会自民党議員会の平成13年度政務調査費の返還を求めていた住民訴訟で、自民党市議会側の上告を棄却し、1,542万円の返還が確定した。
 平成15年1月には、函館市監査委員が平成13年度政務調査費67,920円を返還するよう勧告、平成19年2月に札幌高裁は函館市議会の平成13年度の政務調査費の一部に違法な支出があったとして、約116万円を返還請求するよう命じた。
 平成19年11月には、旭川市監査委員が旭川市議各会派に支給された平成18年度政務調査費 の旅費と自宅通信費合計約828万円の返還を求めて行った住民監査請求に対して、自家用車のガソリン代など約300万円の返還を勧告した。

B国立帯広病院損害賠償請求控訴事件
 埼玉県越谷市在住の心臓血管外科の専門医であるT・H氏が、平成17年4月6日、独立行政法人国立病院機構(代表者 理事長・矢崎義雄)と元勤務先である同帯広病院(病院長 草島勝之)を被告として、平成15年4月から同16年12月までの未払いの残業手当8,747,797円の支払いを求める訴訟(未払い残業代請求事件)と被告の2重旅費取得と赴任旅費の未払いによって損害をうけたとして521,046円の支払いを求める訴訟(損害賠償請求事件)を起こした。
 このうち、損害賠償請求事件についての判決が、平成19年2月23日 札幌地裁で言い渡された。
 判決は、T・H氏の訴えを全面的に認めたもので、「旅費運用資金」を間接的な表現で裏金と認定した。
 その判決文の中で札幌地裁は、原告の札幌から帯広への赴任旅費は、国からは支出され病院側が受領したが、原告には支払われていないと認定している。

 この事件の経緯については、このホームページの公安委員会のコーナーで4回にわたって登載しているので参照されたい。
第5回 苦情の処理の実態(その1 T・H氏の抗議書)
第6回 苦情処理の実態(その2 的はずれの回答とまやかし)
第7回 苦情処理の実態(その3 帯広警察署が捜査しなかった本当の理由)
第9回 やっぱりあった国立帯広病院の裏金 会計検査院「平成18年度決算検査報告書」から

 札幌地裁判決に対して、被告側は判決を不服として控訴、その控訴審の証人尋問が2月27日午前10時30分から札幌高裁で行われた。
 当日の法廷には、控訴人側席(独立行政法人国立病院機構)には、代理人の藤田美津夫外1名の弁護士、被控訴人側席(T・H氏)には、T・H氏本人と代理人の市川守弘弁護士が着席した。
 この日は、主として赴任旅費の支払いをめぐって控訴人側の証人2人、被控訴人側の証人2人が証人台に立った。

 原判決では、T・H氏の平成14年9月30日の午後5時過ぎころには、心不全の患者の緊急手術のスタッフとして手術室に入室していたため、医局にはいなかったとの供述は、その際の患者の症状や重篤さ、手術開始予定時間等の手術のスケジュールに照らして合理的で、疑いを挟むべき点は見出せないと認定、病院事務担当者H(庶務課庶務班長)がT・H氏に赴任旅費を手渡したとする供述は、不自然で信用できず、赴任旅費を支払った事実はないとした。
 この日の裁判では、この点をめぐる4人の証言が行われたが、その要旨は次のとおりである。

@被控訴人(T・H氏)側証人、当時の帯広病院でT・H氏の上司で医師のS氏の証言
 当日の手術にスタッフとして参加、この手術は人工心肺を使っての手術であり、患者の容態は不安定で重篤な状態であった。
 執刀医のK医師(当時の副院長)の陳述は、虚偽で事実を曲げようとしている。
(T・H氏は、重篤な患者の手術のため、赴任旅費を受け取れる状況にはなかったとする趣旨)

A控訴人(独立行政法人国立病院機構)側証人、当時の帯広病院副院長で執刀医のK医師(現帯広病院 院長)の証言
 当日の手術の執刀医として参加、この患者が重篤だったとの記憶はない。
 容態は安定していた。
 当日のT・H医師の所在についての記憶はない。
(S医師とは見解が違うが)自分は心臓外科医としてのライセンスもあり、認定医の資格もあり経験も豊富で、S医師の見解は判断要素がちぐはぐで根拠はない。
 S医師の陳述には、驚きと怒りを感じる。
(患者の容態は重篤ではなく、T・H氏が赴任旅費を受け取れる状況にあったとの趣旨)

B控訴人(独立行政法人国立病院機構)側証人、当時の帯広病院給与・旅費支給担当事務官だったT氏(庶務課庶務係長)の証言
 T・H医師は、既に帯広に住んでいたので赴任旅費の支給には問題があった。
 9月30日、銀行から3人分の赴任旅費を現金化して、T・H氏分の旅費を銀行の封筒に入れ渡そうとしたが、T・H医師が見つからず渡せなかった。
 上司のH(庶務課庶務班長)にその旨報告したら、Hが自分で渡すと言って出ていった。
 封筒のなかには現金だけで明細書は入っていなかった。
 赴任旅費の領収書はない。
(T証人は反対尋問に対して、曖昧な証言を繰り返し、追及されると「記憶にありません」を連発していた。)

C被控訴人(T・H氏)側証人、T・H氏の妻K・Hさんの証言
 8月末に、当時の病院長から「帯広に住んでいるので、赴任旅費は支給されない」と言われ、自分としてはそうかな、と思っていた。
(病院側が勝手に作った預金通帳の返還を求めた問題等があってから)自宅に不法侵入されたり、S事務部長がポケットマネーと称して現金を持ってきたり、ビールのギフトセットが届けられたがいずれも返還した。
 その後も、インターホーンが鳴らされたり、郵便受けが荒らされたりの奇怪な出来事があった。
 夫の給与は振り込みで、家計は全て自分が管理しており、給与のなかから夫には小遣いを渡していた。
 不足したときには、その都度渡していた。

驚くべき帯広検察審査会の議決
 T・H氏は、帯広警察署が捜査に消極的なことを知り、再三にわたり抗議を繰り返すが埒があかないことを知り、平成17年10月、国立帯広病院院長等を虚偽公文書作成で告発状を、国立帯広病院の事務長等を業務上横領、有印私文書偽造・同行使で告訴状を釧路地裁帯広支部に提出した。
 更に、平成19年3月には、帯広警察署が告訴を受理しなかった有印私文書偽造・同行使事件について国立帯広病院の事務担当者を被告訴人として、釧路地検帯広支部に告訴状を提出した。
 釧路地検帯広支部は、告訴等を受理はしたものの、平成19年3月29日、被疑者7人すべてを嫌疑不十分で不起訴処分にした。

 これに対して、T・H氏は帯広検察審査会に審査を申し立てたが、本年1月23日、同審査会は「不起訴処分は相当」の議決を行った。
 T・H氏は、2月2日「釧路地検の不起訴裁定書内容と全く異なる帯広検察審査会の議決内容への抗議書」と題する文書を以て帯広検察審査会に対して抗議した。
 現在の刑事手続きにおいては、検察審査会に申し立てる以外に、検察官の不起訴処分を覆す手段はない。
 その検察審査会が「不起訴相当」の議決をしたことで、国立帯広病院院長等の刑事責任の追及の道は閉ざされたことになる。

 帯広検察審査会の「議決の要旨」とT・H氏の「抗議書」の全てを紹介することはできないが、国立帯広病院損害賠償請求控訴事件のこの日の証人尋問でもとりあげられた「赴任旅費がT・H医師に支払われたかどうか」に関する検察審査会の判断をみてみよう。

 「赴任旅費の支給は、庶務係長(証人T氏のこと)から現金を預かった被疑者H(庶務課庶務班長で庶務係長の上司)によって午後5時過ぎころ医局で申立人(T・H氏)に手渡され、庶務で預かっている印鑑を用いて領収書を作成することの了承を得て事務室に戻り、庶務係長に領収書の作成を指示していたことが伺われる。そこで、申立人の検察官に対する当日の供述を検討してみると、申立人の記憶は曖昧で、当日2件の手術があったことも記録から確認できた状態であって、忙しくて医局にいる暇がなかったと思われるとの供述も、手術が行われる際の一般的な場合のことを述べているだけで、被疑者Hが赴任旅費を手渡したという5時過ぎころに、申立人が医局にいなかったと認められる証拠は無いと言わざるを得ない。〜中略〜被疑者Hの供述は具体的かつ自然であると考えられ、庶務係長の供述とも符合しているところから、当該日に申立人に赴任旅費が支払われたと考えるのが相当であり、〜以下略」

 民事訴訟の札幌地裁判決では、T・H氏は平成14年9月30日の午後5時過ぎころには、心不全の患者の緊急手術のスタッフとして手術室に入室していたため、医局にはいなかったと認定、病院事務担当者HがT・H氏に赴任旅費を支払った事実はないとしている。
 しかし、帯広検察審査会は、T・H氏の記憶は曖昧で、被疑者側の供述は具体的かつ自然であると一方的に決めつけ、札幌地裁判決とは真反対の判断をしている。
 その他の部分についても、ことごとく帯広病院側にとって有利な判断に終始していることは明らかで、T・H氏が、抗議書のなかで「(帯広検察審査会は)あまりにも事件のことを把握しておらず、ずさんかつ独断的な議決内容でした。また、釧路地検の不起訴処分の判定内容と全く異なっておりましたので審査会の判定内容がとてもいい加減で偏った審査であったことも事実です。そして、審査会の議決内容に名誉毀損的な表現が含まれており、この審査会の在り方に問題があったと強く感じています。」としているのも肯ける。


前のページへ

20. 1.19(土) 志布志事件無罪国賠弁護団との交流  泣いていた川路大警視

 平成20年1月10日、鹿児島市の弁護士会館で志布志事件無罪国賠弁護団(団長井上順夫弁護士、事務局長野平康博弁護士)と「明るい警察を実現する全国ネットワーク」代表清水勉弁護士、「市民の目フォーラム北海道」の市川守弘弁護士、原田宏二代表が参加して、意見交流会が開かれた。
 交流会には、同弁護団の弁護士をはじめ原告の中山信一県議会議員ご夫妻、会社社長の川畑幸夫さんも参加した。
(志布志事件については、このホームページに「志布志事件は警察の組織犯罪」と題して、昨年10月1日、10月8日、10月15日の3回にわたり掲載したので参照されたい。)
 意見交流会では、原田宏二代表が警察在職中に捜査二課長として体験した警察の選挙違反事件捜査について説明し、志布志事件は自白偏重の人質司法という現行刑事司法の下で起きるべくして起きた事件であり、警察による組織的な犯罪であると断じた。
 それに対して、参加者の皆さんが質問するという形で、活発な意見交換が行われた。
 原田代表は、「いろいろな方から事件のことだけではなく、鹿児島県における警察の位置づけ、選挙事情などを聞くことが出来た。志布志事件にはメディアが報道しない根深い背景があるように思う。今後の訴訟に必要であれば、これからも弁護団に協力したい」と語っている。

(写真は、川路利良大警視の銅像と鹿児島県警察本部庁舎)

 川路大警視(以下、敬称略)は、明治7年に警視庁を創設した人物。
 川路は、薩摩藩(鹿児島藩、島津藩ともいう)の武士とは名ばかりの貧しい家に生まれた。
 文武に励み、明治維新後は、文官となり警察行政を担う。
 江戸時代の警察は町奉行の与力、同心が当たったが、この職は不浄役人とされ、正規の幕臣は就こうとせず、一代限りの臨時雇いの身分の者にやらせた。
 川路は、警察は単なる不浄機関ではないと、フランスなど欧州の警察制度を視察、帰国すると政府にフランスの警察制度を手本にして「警察制度改革の建議書」を提出した。
 川路は「良民を保護し、内国の気力を養う」のが警察の役割で「国家平常の治療」であると位置づけた。
 そして、警察官に「官員は公衆の膏血をもって買われたる物品のごとし」と厳しい自戒を求めた。
 その川路の銅像は、警視庁警察学校の「川路広場」にもあるという。
(「大警視・川路利良」 神川武利著から)

 1月11日の朝、志布志事件無罪国賠弁護団との交流会終了後に、筆者が川路の銅像を訪れた時は雨だった。
 雨に濡れた川路の顔は、鹿児島県警による志布志事件の捜査や警視庁の現職警察官によるストカー殺人等、不浄役人以下に成り下がった最近の警察官を思ってか涙していた。
 「良民を保護」するどころか、良民を苦しめた鹿児島県警に対して、警察本来の役割を果たすように強く求めているように見えた。


前のページへ

19.12.22(土) ドキュメント仙波敏郎−告発警官1000日の記録−

 ドキュメント仙波敏郎−告発警官1000日の記録−(仙波さんを支える会代表 東 玲治著)が、「創風社」から出版された。
 「このまま行けば若い警察官が理想を失う」との思いから全国で唯一の現職警官による警察の組織的裏金づくりを告発。それによる不当な配置転換を違法として争った国賠訴訟一審判決は、劇的な勝利となった。本書は警察という強大な組織と対峙した一巡査部長の1000日の記録である。なお、この書籍の中では、「市民の目フォーラム北海道」代表の原田宏二や事務局スタッフの齋藤邦雄が松山地方裁判所で行った証人出廷など、臨場感溢れる場面が随所に記述・展開されており、警察裏金問題に関心のある方々には、是非、一読を勧めたい本である。


  書籍の詳細


前のページへ

19.12.19(水) 原田宏二代表 全国ネットでの活動

 「市民の目フォーラム北海道」の原田宏二代表は、12月6日の埼玉県警の元さいたま市警察部長(警視正)の告発記者会見に同席したほか、週刊誌の対談やテレビのバラエティー番組に出演するなど、このところ全国ネットでの活動が続いています。
 その内容を紹介します。興味のある方は是非ご覧ください。
1 「悪果」の著者黒川博行氏との対談
 黒川氏の著書「悪果」については、先にこのホームページに紹介しましたが、去る11月、週刊プレーボーイの企画で、黒川氏(写真右)と原田代表(写真左)の対談が行われました。
 対談では、"警察の裏金と警察官によるシノギの実態"や"警察改革は可能なのか"等々が語られています。対談は、「週刊プレーボーイ」12月22日(土)発売号に掲載される予定です。


2 「太田光の私が総理大臣になったら」に出演
 この番組は、爆笑問題の太田光が総理大臣になり小さな国会を開会、日本をよくするために大胆なマニフェストを発表し、タレント、政治家、文化人、がそのマニフェストに賛成・反対に分かれ議論を戦わせ、最後に出演者全員による裁決を行うというバラエティー番組です。
 今回は、タレントの伊集院光が「不祥事を隠している政治家・官僚は100名様まで白状したら許します」というテーマで討論が行われました。
 原田代表は、北海道警察の裏金疑惑を告発した警察OBとしての体験を話すよう、「明るい警察を実現する全国ネットワーク」(清水勉代表)を通じて、日本テレビから出演の依頼があり参加しました。
 放映は、12月21日(金)午後8時から8時54分までの予定です。


前のページへ

19.12.5(水) 書籍紹介
 警察関係の書籍を2冊紹介します。是非、ご購読ください。

1「警察の闇 愛知県警の罪」宮崎学著 アスコム(1600円+税)
 愛知県警の問題については、このホームページの警察関連ニュース(11月1日)でも指摘したところですが、この度、ご存知の宮崎学さんが、愛知県警を見れば警察のダメ加減がわかる!と「日本メンテナス事件」を中心に現在の警察の実態に鋭く切り込んでいます。宮崎学さんは、道新裁判でもジャーナリストの大谷昭宏さんとともに補助参加を申し出て闘っています。
 なお、この本の末尾には当フォーラム代表原田宏二が「愛知県警と日本メンテナンス事件」と題して投稿しています。
   クリックで拡大

2「悪果」黒川博行著 角川書店(1800円+税)
 著者の黒川博行さんはミステリー作家ですが、「キャッツアイはころがった」等で第4回サントリーミステリー大賞を受賞、「疫病神」等の著書が多数あります。
 「悪果」は、暴力団摘発を担当する大阪府警の2人の刑事の暴力団捜査の様子をリアルに描きながら、警察と暴力団等との癒着、上層部の裏金づくり、現場の刑事たちの利権とシノギ、監察官による隠蔽と組織防衛等々、驚くべき警察の腐敗が鋭く描かれています。
   クリックで拡大

前のページへ

19.11.26(月) 「立川署ストーカー殺人事件にみる日本警察のいま」

 11月17日 東京四谷で「明るい警察を実現する全国ネットワーク」主催による「立川署ストーカー殺人にみる日本警察のいま」と題するシンポジュームが開かれました。

 パネリストは、ジャーナリストで警視庁OBの黒木昭雄氏、フリーライターの伊藤博一氏、それに「市民の目フォーラム北海道」代表の原田宏二、司会は「全国明るい警察を実現する全国ネットワーク」代表の清水勉弁護士(東京)が務めました。

 各パネリストからは、警察官の不祥事が頻発する背景、来年から警視庁が実施予定の交番の警察官をGPSで管理することへの批判等々、日本警察が抱える様々な問題について活発な意見が交わされました。

 その内容について、11月23日の東京新聞の「こちら特報部」で特別報道部 市川隆太記者が詳しく伝えました。新聞記事をクリックし拡大してご覧ください。





前のページへ

19.11.24(土) 民主党政策調査会へ要望
 
 平成19年11月16日 「市民の目フォーラム北海道」代表原田宏二が参議院本館の民主党政策調査会において、民主党政策調査会 副部長田鹿文隆、同主査三浦隆伸の両氏に対し「警察法の改正」及び「裏金処罰法(仮称)の制定」について要望した。
 その趣旨は次のとおりである。

1 「警察法の改正」に関する要望の趣旨
 平成11年からの一連の警察不祥事の際に、警察法の一部が改正され、監察の指示等(警察法第43条の2)、警察職員の法令違反等の報告(警察法第56条第3項)、警察職員の職務執行についての苦情の申し出(警察法第79条)等、公安委員会の権限が強化された。
 しかるに、警察官による不祥事は依然として後を絶たず、警察庁のまとめによると昨年1年間で懲戒処分を受けた警察官等は、前年より20人増の361人だった。
 しかし、実態はこの数字をかなり上回ると考えなければならない。
 特に、昨年11月には群馬県内で3件の郵便局強盗を働いた埼玉県警加須警察署の巡査長(44歳)が逮捕され、今年8月には警視庁立川警察署の巡査長(40歳)がけん銃で飲食店従業員を射殺して自殺するなど現職警察官による凶悪事件が目立っている。
 一方、佐賀県の北方事件、鹿児島県の志布志事件、富山県の女性暴行事件などの冤罪事件や長崎市長射殺事件、愛知県長久手町のけん銃乱射事件等々警察の不手際が目立って多い。
 こうした現状は、都道府県警察による警察官等の指導管理が徹底していないことが挙げられるが、各都道府県警察を管理する公安委員会が機能していないこともその要因の1つである。
 特に、平成12年の警察法改正で強化された公安委員会の権限が全く生かされてはいない。
 例えば、警視庁の巡査長によるけん銃を使用したストーカー殺人事件についても東京都公安委員会が警視庁に対してどんな指示をしたのか。どんな報告を求めたのか。
 ただ単に警視庁の内部調査を見守っているだけのように見える。
 また、警察官等の職務執行に対する国民からの苦情の処理にしても、事実関係の調査を都道府県警察に事実上丸投げしているのが実態である。
 このように都道府県公安委員会が機能していない最大の要因は、都道府県公安委員会が管理するべき都道府県警察から独立していない点にある。
 そこで、次の点に関して警察法を改正し、警察に対するシビリアンコントロールを強化する必要がある。
@公安委員の選任に関する警察の関与を排除し、公選制の導入などにより、その選任の透明化を図る(警察法第39条関係)。
A警察から独立した公安委員会事務局を設ける(警察法第44条関係)。
B公安委員会事務局の体制を強化するほか、事務局員に警察職員の就任を禁止する(新設)。

2 「裏金処罰法(仮称)制定」に関する要望の趣旨
 平成7年に北海道をはじめ全国20都道府県で県庁の不正経理、いわゆる裏金疑惑が発覚した。
 その後、当時発覚しなかった鳥取、岐阜、佐賀、長崎の各県でも裏金が発覚し、今年5月には宮崎県でも発覚した。
 警察でもこれまで、警視庁をはじめ北海道等18都道府県警察で裏金づくりが発覚している。
 中央官庁でも、外務省、厚生労働省、経済産業省、防衛庁等で発覚している。
 官公庁による裏金づくりは、まさに常態化していると言っても過言ではない。
 しかしながら、裏金づくりで刑事責任を追及された公務員はほとんどいない。
 ときには、告発の対象になることはあっても、ほとんど起訴されることもない。
 仮に、起訴された職員がいたとしても、ほとんどが組織の末端の職員だけである。
 会計上責任のある幹部が、刑事責任を追及された事例は聞いたことがない。
 その理由は、裏金づくりが長年の慣行として組織的に行われているため、個人犯罪を対象としている現行の刑法の詐欺、横領といった規定の適用が難しい点にある。
 捜査技術的な面でも、膨大な予算執行事実を会計書類に基づき、犯意を裏付けし、幹部との共犯性を立証し、個別に立件していくことは極めて困難を伴う。
 しかも、裏金の性質上、その使途は裏帳簿が存在してはじめて明らかになるが、これまで発覚した裏金疑惑では裏帳簿の存在が明らかになったことは稀である。
 そのため、私的な流用がなかったと結論づけられ、単なる予算の流用に過ぎないといった弁解がまかり通っている。
 一方、裏金づくりに関する官庁の内部処分は極めて軽い。
 これも懲戒免職になるのは末端の職員であり、裏金を使う側の幹部はごく軽い処分で済まされているのが実情である。
 最近、政治家と金の問題が国会などで取りざたされている。
 政治家については、不十分とはいいながら、政治資金規正法や公職選挙法である程度の規制がある。
 ところが、これだけ官公庁の裏金づくりが繰り返し明るみに出ているのに関わらず、公務員と金の問題についての法規制は皆無である。
 ここに、公務員の裏金づくりが根絶できない要因がある。
 もはや、官公庁の自浄作用と公務員の倫理観に期待することはできない。
 国、地方とも財政が厳しい折から、これ以上国民の税金である予算の不正使用を看過することはできない。
 「会計担当官」「支出負担行為担当官」「捜査費取扱責任者」「旅行命令権者」「捜査費取扱者」「資金前渡官吏」等を処罰対象とし、予算執行に不正があったことが明らかになったとき処罰する「予算の不正執行の処罰に関する法律」(仮称)の制定する必要がある。


前のページへ

19.11.17(土) 道警が推薦再開 道警OBの皆さんおめでとうございます

 政府が10月12日、「危険業務従事者叙勲」の対象者を発表しました。
 今回の叙勲の道内受章者378人のなかに道警OBの方87人が含まれていました。
 受賞された皆さんに、長年にわたって警察の現場で汗を流されたことに敬意を表するとともに心からお祝いを申し上げます。
 危険業務従事者叙勲は、春秋の叙勲とは別に、現場で危険な業務に従事した受賞者を増やすために、平成15年の栄典制度改正で創設されたものですが、道警では、裏金問題の発覚を受けて平成16年から叙勲の推薦を中止していました。

 外から見ると一体と見える警察組織も、内部では警部以上の幹部と警部補以下の現場の警察官とに二分化された実態があります。
 在職中には、幹部に命じられるままに裏金づくりに関与せざるを得ない立場に置かれ、裏金疑惑が発覚するや幹部と一蓮托生で叙勲の途も閉ざされているのは不条理です。
 北海道監査委員の監査は、その監査結果の中で次のように指摘しています。
 裏金づくりが全ての部局で長年にわたり組織的に、管理、監督の立場にある者の指示、命令により虚偽の会計書類を作成させ、不正な方法で執行されていた。幹部は、その途をたどってきた立場からして、十分認識していたことであり、是正、改善のための責務を果たしてこなかったことに対して、その責任を重く受け止めるべきである。


 「市民の目フォーラム北海道」の相談BOXには、道警OBから「現場で苦労した我々の仲間のうちには叙勲を今か今かと待っているOBが大勢いる。何とか早く叙勲の申請を再開するよう、道警に働きかけて欲しい」との要望が寄せられたことはこのホームページでも紹介したところです。 
 監査委員に指摘されるまでもなく、道警の裏金システムは主として警部以上の幹部、特に警視以上の幹部が主導して行われていたものであり、裏金は幹部が自由に使っていたものです。 
 長年、警察の現場で苦労したOBたちからこうした声が出ても無理はありません。 
 しかし、道警上層部はこうした声を無視したのです。
 そのため、「市民の目フォーラム北海道」では、平成19年3月5日 北海道警察本部長と警察OB団体の北海道警友会会長に対して、在職中に下積みで苦労をした警察職員については、早急に叙勲の推薦を再開するように文書で要望しました。
 念のため文書を再度紹介します。
 
北海道警察本部長宛
警察退職者からの叙勲に関する要望について

 私ども「市民の目フォーラム北海道」は、警察の刷新を求めて活動している団体です。
 その活動の一環として、広く市民から警察業務に関する苦情・要望等を受け付けています。
 最近、別紙の通り北海道警察退職者(以下警察OB)から叙勲の推薦の再開を求める声が寄せられています。
 そのため下記の点について北海道警察のお考えをおたずね致します。
ご回答は、文書により平成19年3月12日までに同封の返信用封筒でお送りいただくようお願い申し上げます。
 なお、この文書の内容及び北海道警察からのご回答は、要望をいただいた警察OBの方にお知らせするとともに、当フォーラムのホームページで公開することをあらかじめ申し添えます。

                             記
1 北海道警察では、平成16年以降現在まで、警察OBを対象とする春秋叙勲(危険業務従事者叙勲
 を含む。以下同じ)の警察庁への推薦をとりやめているとのことですが
 (1) 事実か
 (2) その理由は何か
2 平成16年12月の北海道警察の不正経理問題に関する北海道監査委員による監査結果では「道
 警の不正経理が、長年にわたり慣行として組織的に、管理、監督の立場にある者の指示、命令により
 行われていた」と指摘されました。 
  さらに、北海道警察本部長が一連の予算の不適正執行による道及び国に与えた損害の返還につい
 て「返還金は、管理、監督の立場にあった警部及び同相当職以上の幹部が拠出する」と関係者に文
 書で通知し返還金の拠出を求めました。
(1)これらの事実から、長年わたる不正経理問題の責任の大半は、警部及び同相当職以上の上級幹
  部にあると判断してよいか
(2)不正経理問題に責任のない警部補及び同相当職以下の職にあった警察OBは、叙勲を受けられな 
  い理由はないと判断しても差し支えないか
(3)警部補及び同相当職以下の職にあった警察OBに限って叙勲の推薦を再開する考えはないか。
  ないとすればその理由は何か
(4)再開するとすれば、いつからか。また、その対象はどの範囲となるのか
(5)再開に当たっては、その事実を公開し道民の理解を求めるべきと考えるか、このことについてどう
  考えるか

 「市民の目フォーラム北海道」の要望は当然のことながら道警本部長には無視されました。もちろん回答もありませんでした。
 しかし、今回の叙勲申請再開の報道に接し、北海道警察本部長の大英断?と北海道警友会の側面からのご支援?に心から感謝しなければなりません。
 道警本部長さんと北海道警友会の役員の方々には、多くの道警OBから「市民の目フォーラム北海道」に感謝の声が届けられていることをお知らせ致します。
 ただ、今回の叙勲受賞者をみると、自衛官は61歳、消防士、海上保安官は60〜70歳代、刑務官は60歳代なのに対して、警察官だけは80歳代で最高齢者は87歳であったのは何故なのでしょうか。
 3年間叙勲の申請をしなかったことのしわ寄せがあるのでしょうか。
 そうだとすると道警の裏金問題の影響が、結局は長年にわたり現場で苦労した警察OBにまで及んでいたことになります。

 道警では、今回から推薦を再開した理由について「関係者の処分や再発防止策などを講じたことから、叙勲の推薦をおこなった」としています。
 しかし、叙勲を受ける資格があるのは裏金疑惑が発覚した平成16年当時に警部補以下の立場にあった警察職員であり、それ以前に警部以上の立場にあった警察職員にはその資格はないことを再確認しなくてはなりません。
 その理由は、警部以上の幹部が裏金システム是正、改善のための責務を果たしてこなかった責任を重く受け止めるべきで、その責任は永久に消えないからです。
 その一部を返還したとしても、不正に得た金を返すのは当たり前のことではありませんか。
 しかも、返還額は懐にした裏金の十分の一、いや、何百分の一に過ぎないことは幹部であれば分かるはずです。
 平成19年11月3日には、秋の叙勲受賞者が発表されました。
 その北海道関係者名簿のなかには、道警の幹部OBの名前はありませんでした。
 該当者がいなかったのかどうか等その事情は分かりませんが、当然といえば当然でしょう。

 道民は、道警上層部が裏金づくりの全貌を隠蔽し、責任を回避したことを決して忘れたわけではありません。


前のページへ

19.10.31(水) 「市民の目フォーラム北海道」例会

 10月27日(土)に札幌で「市民の目フォーラム北海道」の例会を開催しました。
 例会では、原田宏二代表から
@ 情報公開請求と開示内容
A 政府に対する質問主意書
・愛媛県警巡査部長国家賠償請求訴訟に関する質問主意書
・警察職員の不祥事に関する質問主意書
・最近のけん銃発砲事件等の警察捜査に関する質問主意書
B 警察法改正と裏金処罰法制定構想
C 市川守弘弁護士の扱っている訴訟
 (北海道警察VS北海道新聞社訴訟、道警裏金情報公開訴訟、ねぶた師訴訟)
D 「市民の目フォーラム北海道」への相談状況
E 「G8サミット市民フォーラム」への参加
等が報告されました。

 また、講演として「北海道交通事故被害者の会」代表前田敏章氏と同会員白倉博幸・裕美子氏を招き、悲惨な交通事故の実態について拝聴しました。
 前田代表は、「交通事犯被害者の、主に捜査等における現状と課題」と題して
@ 交通事犯被害の実相
A 被害者運動と犯罪被害者等基本法と交通事犯被害者
B 事例から見た交通事犯捜査の問題点と交通事件の遺族・被害者のアンケート調査結果
C 背景要因
D 市民のための警察を取り戻すための改革の糸口
についてCEFH会員に訴えました。
 また白倉ご夫妻は、平成15年9月、交通事故で最愛の長女を14歳の若さで失った悲しみの中で体験した警察の杜撰な交通事故捜査と警察官の心ない仕打ちについて切々と訴えました。
 CEFH会員も事故状況を質問する等、悲惨な交通事故実態と交通事故被害者が受ける捜査機関による二次被害についての認識を新たにしました。
 なお関連ホームページとしては、以下のホームページを開設していますので、是非訪問して下さい。
   「北海道交通事故被害者の会」       http://homepage2.nifty.com/hk-higaisha/
   前田氏個人(交通死−遺された親の叫び)http://www.ne.jp/asahi/remember/chihiro/
   交通事故調書の開示を求める会      http://www.chousho-kaiji.com/

 白倉ご夫妻の講演内容は、PDFで全文を掲載しておりますが、後日、CEFHの会員から事務局に感想メールが届きました。以下はその内容です。

会員A
 白倉夫妻のお話を聞いて、考えさせられたことがたくさんありました。警察が基本に忠実に、公正に捜査をしないことは、被害者にも加害者にも影響を与え、また、それを裁く裁判にも大きく影響を与えます。そのことを多くの市民が知り、様々な場面で指摘していかなければいけないと、改めて感じました。
 くにおの警察日記などを読ませていただくと、末端で働く警察官の方々の苦労が良く分かります。警察官の頑張らなければというやる気を維持するのは、やはり「自分が役に立っている」「この仕事に誇りと自信を持っている」という気持ちが重要なのではないかと感じます。ですが、今は「信頼されない」→「決まった事だけこなす」→「信頼が低下する」のように悪循環になっているように感じます。組織というのは、長い歴史を持つほど変える事が難しいと思います。(これは自分の体験として)上だけの意識が変わっても、また下だけの意識が変わっても、大きな変化にはならないと感じています。まず、「自分一人が動いても何も変わらない」と感じている警察官の人に、支える市民がいる事を知ってもらうこと、そして、様々な場面で、組織の不正を訴え、上層部(組織)の意識を変える事、こういう活動が必要となってくると感じました。その意味でも、市民の目フォーラムの活動は重要ですね。私ももっと発信するお手伝いをしなければと感じています。それにしても、誰も傷つけず、誰にも損害を与えていない人がある事件で懲役10ヶ月執行猶予3年の刑を受け、人の命を奪った人が禁固3年執行猶予5年というのを聞くと、刑というのは何を基準に考えられているのだろうかと改めて考えさせられました。

会員B
 例会の講演は、たいへん考えさせられるお話で、警察の実態がよくわかりましたが、今の現状では勇気をもってひとつひとつ、問題を明らかにして、世間に実態を知らせていくほかないでしょうか・・。
 交通事故の処理が、こんな風になっていることを私たち普通の市民は知りません。もう少し問題点を整理して、事例をいくつか紹介しながら問題点を掘り下げるシンポを来年にでも企画されてはいかがでしょうか。世間への問題提起です。




前のページへ

19. 9.23(日) 「G8サミット市民フォーラム北海道」に参加

 9月21日、札幌市北区の札幌エルプラザで、来年7月の北海道洞爺湖サミットに向け、サミットを市民に開かれたものにするために、道内のNPO法人など35団体が結成した「G8サミット市民フォーラム北海道」の設立ミーティングが開催された。
 会場には約200人が参加し、同フォーラム準備会の呼びかけ人の1人、秋山孝二さん(秋山記念生命科学振興財団)の挨拶に始まり、参加団体の代表者が「地球環境」「貧困・開発」「平和・人権」の問題について提言を発表した。
 また、「2008年G8サミットNGOフォーラム」(東京)の大林ミカさんが、今年6月に開かれたドイツ・ハイリゲンダムサミットでの活動を報告した。
 同フォーラムでは今後、先住民族の権利など北海道と関係の深いテーマでセミナーを開くほか、国や道に対して、サミットで取り上げてもらいたい事項や警備体制のあり方などについて提言していくことが決まった。
 同ミーティングについては、あらかじめ呼びかけ人から、「市民の目フォーラム北海道」にも参加の呼びかけがあったため、当フォーラムの原田宏二代表ほか数人の会員が参加した。
 当フォーラムでは、「G8サミット市民フォーラム北海道」の構成団体として参加することとし、総理大臣、北海道知事、警察庁長官、北海道警察本部長などに対して、税金の無駄遣い、「テロ対策」に名を借りた過剰警備などについて、提言を行っていく予定だ。



前のページへ

19. 8. 6(月) 警察予算はヤミのなか 
            北海道と道警本部に開示文書の説明依頼

 
 北海道警察は、長年にわたりその予算を裏金に回していた事実を認め、約9億6,000万円を国と北海道に返還した。
 裏金の原資になった捜査用報償費予算は必要なのか、その額は適切なのか。
 北海道では、今年中に6件の殺人事件が時効を迎える。
 こうした事件は、いずれも捜査本部事件である。
 捜査本部事件の捜査には、どのくらいの予算が必要なのか。

 「市民の目フォーラム北海道」の相談BOXには、多くの現職警察官から時間外勤務手当に関する苦情が寄せられた。
 市民の安全を守る現場の警察官の待遇は、どうなっているのか。
 警察官の人件費をはじめ、警察活動に必要な予算は国民の税金である。
 にもかかわらず、国民は警察の予算がどのようにして編成されるのか、予算額を決める根拠は何か、効率的に使われているか、などについてはほとんど関心がない。

 そこで、「市民の目フォーラム北海道」では、北海道と北海道警察本部に北海道警察の予算に関して情報開示請求を行ってきた。
 しかし、開示された公文書は、私たち市民が読んでも理解できない部分も多く、必ずしも私たちの疑問に応えるものではなかった。
 そこで、あらかじめ北海道と北海道警察本部に次の「開示公文書に関する説明依頼事項」を示したうえ、平成19年7月25日、「市民の目フォーラム北海道」の原田宏二代表と市川守弘弁護士が各項目について説明を求めた。
 当初は、説明を拒否するのかと思われたが説明には応じた。
 しかし、それぞれの説明は、紋切り型で必ずしも納得できるものではなかった。
 以下に説明を求めた項目に対する説明要旨と当方からの指摘事項の要旨を記載した。
 (  )内の記述は、説明に対する感想等である。

【知事部局】
 説明者は、総務部財政局主幹 谷文雄氏である。
 関係する公文書を教示しただけの項目については省略した。
1 財政第19号 平成19年4月9日(平成19年3月26日 開示請求)
@事案移送通知書(財政第10号 平成19年4月5日)によると、「平成15年度及び平成16年度に係わる要求額の積算根拠が分かる文書」を北海道警察本部に移送したとなっているが、その理由は何か。 
 [説明要旨]

  平成15年度と16年度の「捜査用報償費」要求額の積算根拠の分かる文書は北海道警察本部が作
 成した資料であり、開示するかどうかの判断は警察本部が行うのが適当であるため。
  なお、平成16年度からは、前年度の執行実績を考慮して査定することになった。

A捜査用報償費の積算根拠はどの文書をみると分かるのか。

B知事に対する捜査用報償費の積算要求内訳には、件数、単価等が記載されているのか。その内容はどのようなものか。

C捜査用報償費の目的からして、事件・事故の情報提供者、協力者の数が積算根拠となるべきと考えるが、その数はどの文書をみると分かるのか。

D開示請求した「平成16年度、平成17年度、平成18年度の捜査用報償費の増減理由」はどの文書をみると分かるのか。
 [説明要旨]

  警察に限らず、各部局の予算要求に対しては、厳しく査定している。
  捜査用報償費の予算額が減少した年度は、前年度の執行で不要額が生じたためで、増加した年度
 は執行実績が増えたためである。
 [指摘事項]
  開示された平成17年度の毎月の執行実績をみると、前年度比で2倍以上の増加となっている。「捜
 査用報償費」の執行額が急激に増減するような状況にあったとは理解できない。
 (これにより平成18年度予算が、前年度比32%増と査定されている。)
  捜査用報償費については、99%が裏金化されていた事実がある。
  警察にとっては、必要のない予算であることが明らかになった。
  しかも、執行した内容のほとんどが監査委員にも明らかにされなかった。
  捜査用報償費の執行実績が信用できるのか。
  道財政が厳しい折から警察予算の査定に当たっては、そうした点を考慮し厳格にやっていただきた
 い。
 (捜査用報償費は、国費の捜査費とともに裏金の原資になっていた。それは、知事部局の査定におい
 ても、議会の予算・決算の審議においても、執行後の監査委員の監査においても聖域とされ、アンタッ
 チャブル予算とされていたからである。その状況は、現在も何も変わっていない。)

[北海道警察本部】
 説明者は、警察情報センター統括官 松橋一生氏である。
 松橋氏の説明は、「公開した文書のとおり」という説明に終始したため、そうした説明については説明要旨の記述は省略した。
 今回の説明では、警察予算に関して市民の理解を得ようとする姿勢はみられず、北海道警察の情報開示に対する消極的姿勢を改めて感じた。
 こうした姿勢では、市民から北海道警察では未だに裏金づくりが続いているのではないか、との疑念を持たれかねない。
 また、捜査本部の運営に必要な経費が捜査本部として把握されていない実態も伺われ、警察内部では、警察業務の遂行に必要な経費がすべて国民の税金であるという感覚が極めて薄く、運営に必要な経費のほとんどが明らかにされなかった。


1 道本会(監)第69号 平成19年4月23日 公文書一部開示決定通知書
  (平成19年3月26日 開示請求)

@開示しない理由にある「件数、単価等が記載されている部分が明らかになると、犯罪を企図する者において警察の捜査手法等の分析が可能になり、捜査活動に支障が生ずるおそれがあるため」となっているが、具体的にはどんなことか。
 [指摘事項]

  「捜査活動に支障が生ずるおそれがある」という理由は大網を被せている。
  そうしたことでは、市民の理解を得られない。

A知事部局の説明によると捜査用報償費は「事件事故等の発生件数、事件形態等により執行が増減する経費である」としているが、平成14年度予算額と、同15年度要求額が、交通警察及び地域警察を除いて、同額になっているのは何故か。
 [指摘事項]

  捜査用報償費は、道の説明によると「事件・事故等の発生状況、事件形態により執行が増減する経
 費である」としている。
  前年度と同額になるのは理解できない。

B一般情報と重要情報の定義及びその差違は何か。



2 道本捜1第109号 平成19年5月8日 公文書一部開示決定通知書、
  道本捜1第110号 平成19年5月8日 公文書不存在通知書
  (平成19年4月10日開示請求)

@新聞などによると、この事件は被疑者死亡で送致したとされるが、捜査本部は解散したのか、その年月日。
 [指摘事項]

  捜査本部の解散年月日は、公文書不存在通知書にも記載されていないが、当方の開示請求に対し
 て行政処分が行われていないことになる。おかしくはないか。

A140人体制としながら、延べ捜査員数を開示しないのは、把握していないと理解していいか。
 [指摘事項]

  捜査本部には、「捜査員配置簿」なる文書が存在するはずで、捜査員個人の名前は必要ないが、延
 べ捜査員数は開示できるのではないか。

B開示された「自動車燃料給油記録票」は借り上げ車両に関するもので、給油チケットは車両1台に1冊、と理解していいか。
 [説明要旨]

  そのとおり。

C公用車の台数及び燃料費を開示しないのは、把握していないと理解していいのか。
 [指摘事項]

  捜査本部には所轄警察署の公用車のほか、捜査一課など本部各課の公用車も集まるので、把握で
 きないという意味なのか。140人体制の捜査本部となれば、5〜60台の車が必要と思われるが、捜
 査本部全体の車の台数を把握していなければ、捜査員の配置ができないのではないか。

D公用車には、車両運転日誌が存在するか。
 [説明要旨]

 存在する。

E捜査員に支給した時間外勤務手当総額等を特定する文書は存在しない、としているが、各捜査員等が時間外勤務等の内容を「給与の支給に関する規則 別記第3号及び第4号様式」に、その実績などを記載した公文書は存在するのか。
 存在しないとすると、各捜査員の時間外勤務手当の総額等を把握していないと、理解していいか。
 [指摘事項]

  捜査本部員は、それぞれの所属から派遣されるため、各捜査員の時間外勤務手当はそれぞれの
 所属で把握しているため、捜査本部としては把握していないと理解していいか。


3 道本務(給)第72号 平成19年6月4日 公文書一部開示決定通知書、道本(給)第73号 平成19年6月4日 公文書不存在通知書(平成19年5月7日開示請求)
@平成15年度当初予算(時間外)の額は、年々減少し、平成19年度で7億3,641万円(平成15年度比で12%)の減となっているが、その理由はなにか。

A各年度4定の文書の計上額は、補正要求の額と理解してよいか。
 [説明要旨]

  そのとおり。

B各年度とも補正要求の理由は、警察官の増員、機動隊時間外、特別昇給等となっているが、事件・事故による補正要求はなかったと理解していいか。

C「時間外勤務手当算定調書」に計上率「公安13.0%」「一般7.0%」とあるのがその意味は何か。

 [説明要旨]
  警務課給与担当者を通じて、知事部局に確認した結果について説明があった。
  それによると「計上率とは、予算の要求額を算定するための率で、13%と7%になっている。ホーム
 ページでも公表されていない。」
 [指摘事項]
  つまりは、説明はできないと理解していいのか。
  中味を知りたかったのだが、知事部局としては、これ以上は言えないということか。
  (時間外勤務手当は人件費である。捜査上の秘密でも何でもない。説明できない理由は全く理解で
 きなかった。)

D平成16年3月16日の道議会総務委員会において、会計課長が「平成15年度の一人平均の実働時間が42時間で、支給率は38.4%。5年前は33時間で50.5%だったが、近年、犯罪や交通事故が増加し業務量が増えており、実働時間が増えている反面、予算の制約上から支給率は低下している」と答弁している。平均支給率などに関する公文書は不存在なのか。
 [指摘事項]

  議会では答えているのに、市民からの開示請求には公文書は存在しないとするのはおかしくはない
 か。「市民の目フォーラム北海道」の相談BOXには、現場の警察官から時間外勤務手当の支給に関
 する苦情が多数寄せられている。
 (現場の警察官のサービス残業が常態化していることが窺える。労働組合もなく労働条件に関して物
 言えぬ警察官のうえにあぐらをかく警察上層部、そして、そうした現場の警察官に本当に市民の安全
 を守ってくれることを期待できるのか、といった疑問が湧く。)

Eこの会計課長答弁の「予算上の制約」の意味はなにか、全額支給できない理由と理解していいか。

F開示された「給与の支給に関する規則」別記第3号様式及び第4号様式は、すべての所属で、警察職員か記入するなど、実際に使用されていると理解していいか。

(現場の警察官の苦情の多くは、額の多寡よりもむしろ支給の方法が公平でない、あるいは、支給額が仕事の実績によって左右される、といった支給に関する基準がはっきりしないという指摘であった。)

G全額支給が不可能な場合における職員に対する説明等の措置、その理由及び対策に関する公文書は、不存在との通知をうけたが、職員に対してこうした措置などは取られていないと理解していいか。

H警察職員は、「勤務1時間当たりの給与額(深夜加算を含む)」を承知していると理解していいか。
 [説明事項]

  現在は、内部で計算方法を公開しているので自分で計算すると知ることができる。
 [指摘事項]
  現場の警察官に聞いてみたが、ほとんどの警察官は「1時間当たりの給与額」は知らないと答えて
 いる。



前のページへ


19. 5.21(月) 「市民の目フォーラム北海道」の例会
 
 「市民の目フォーラム北海道」発足後初めての例会が札幌で行われ、会員多数が参加しました。
 例会では、原田宏二代表の活動状況報告に始まり会員間の意見交換などが行われ
 @ ホームページのアクセス・閲覧層を拡大する工夫
 A 会報の計画的な発行 (創刊号は、本ホームページにPDFでアップ済み)
 B 市民の知りたい情報ニーズの把握と提供方策
 C 市民の関心を呼ぶ講演会等の開催
など、今後の方向性について熱心な討議が行われました。




 また、著名な翻訳家の山崎淳氏をお招きし、記念講演がありました。(山崎淳氏の主要訳書〜「9.11」「金儲けがすべてでいいのか」「戦争請負会社」「ソニー ドリーム・キッズの伝説」など多数)
 演題は、「民主主義 ノーム・チョムスキーの思想」です。
 めったに拝聴できない講演の機会に恵まれ、参加者一同、熱心に聞き入っておりました。
 講演終了後は山崎氏への質問が続出、例会は成功裡に終えました。



 なお、山崎淳氏の講演内容は、近日中に当ホームページにアップ予定です。
 「市民の目フォーラム北海道」のホームページを訪問されている皆さん、講演内容アップを楽しみにお待ち下さい。

           報告者  「市民の目フォーラム北海道」事務局スタッフ
                                  齋 藤 邦 雄




前のページへ


19. 5.21(月) 「警察・検察の不法・横暴を許さない連帯運動」への参加
 
 「警察・検察の不法・横暴を許さない連帯を」運動・呼びかけ人会では、その活動の手始めとして、5月17日午後6時30分から東京都千代田区駿河台の総評会館で完全無罪判決のあった「鹿児島県議選えん罪事件(志布志事件)」を取り上げ、講演・討論集会を開いた。当日は、約100人の参加者が熱心に討論した。
 「市民の目フォーラム北海道」でも、去る3月19日のシンポジューム「広がる警察の腐敗 裏金から警官犯罪まで」において、鹿児島県の志布志事件を取り上げたが、この講演・討論集会に当フォーラムの原田宏二代表が招かれて参加した。
 冒頭に、運動の呼びかけ人から、運動の趣旨やこれまでの経過などについて説明があり、講演が始まった。      

 第1部では、辻恵弁護士が「鹿児島県議選弾圧冤罪事件(志布志事件)をとおして、日本の司法・国家を考える」と題して講演した。

 (講演する辻弁護士) 

 辻弁護士は、志布志事件に表れた現代司法の赤裸々な実態について、事実経過を説明し、具体例を示しながら、警察と検察の違法捜査を指摘した。さらに、弁護人の接見直後に、検察官が接見内容を調書化するように警察に指示し、あるいは検察官が、被告人を励ますためガラス越しに親族の手紙を見せた弁護人の行為を証拠隠滅を図ったとデッチあげ、裁判所もこれに応じて国選弁護人を解任するなど、警察、検察、裁判所が一体となって弁護権を侵害した実態を明らかにした。そのうえで、検察、警察の自白偏重体質や地検と警察本部の結託による隠蔽工作の状況を明らかにした。最後に、今日の司法をめぐる根本的な問題として、行政権の肥大と立法府の形骸化、司法消極主義などの実態を指摘し、そうした中にあって志布志事件は何故勝利出来たか、その要因を詳しく分析し、この勝利をどう生かしていくかが問題で、志布志事件の勝利を武器に司法・国家の改革に取り組もう、と訴えた。


 第2部は、宮崎学氏(作家)の司会で、原田宏二代表と黒木昭雄氏(警察ジャーナリスト)が発言し、自由討論が行われた。

 (司会をする宮崎氏)


 (発言する原田代表)

 最初に原田宏二(市民の目フォーラム北海道代表)が、自らの警察に在職中の選挙違反取締まりの実態について体験を交えて説明し、現在の司法制度に潜んでいるのは、依然として「自白は証拠の王」とする考え方であり、自白の強要などの違法捜査は警察だけの問題ではなく司法全体の問題だ、と指摘した。警察の捜査の背景に潜む代用刑事施設(警察の留置場)への勾留、それを利用した自白による余罪事件の追及・検挙、すなわち警察の検挙率へのこだわりなどがある、ことを明らかにした。こうした現状がある限り、警察は取調べの可視化にあくまでも反対し、検察は取調べの一部可視化でごまかそうとしている、と指摘した。最後に、こうした集会が東京で開かれた意義を強調し、全国の関係する団体などの連携を訴えた。


 (発言する黒木氏)

 続いて、警察ジャーナリストの黒木昭雄氏が、最近、全国各地で発生している長崎市長射殺事件などの特異な凶悪事件に触れ、警察とはいったい何なのか、我々の日常生活の安全を守ってくれるのが警察のはずなのだが、ところがそうではないと指摘した。
 今回のテーマになっている志布志事件を考えると、自分の体験からしてもこれは捜査ではない、多くの高齢者を無実の罪で長い間勾留している、酷いやり方だと強く批判し、これは、最初に結論を求めた犯罪のねつ造だと断定した。そのうえで、メディアの書き方もおかしい、杜撰な捜査とか、冤罪だとかと書いているがとんでもない、これは権力を使った犯罪なのだ、とメディアの姿勢も厳しく批判した。 そして、違法な逮捕・勾留は、警察や検察の権力を使った逮捕・監禁という犯罪であると指摘、こうした行為を処罰する法律が必要ではないかと提案した。最後に、こうした問題を風化させてはならない、ここで聞いたことを持ち帰り自分のこととして考えて欲しいと訴えた。




前のページへ


19. 4. 7(土) シンポ「広がる警察の腐敗 裏金から警官犯罪まで」 

アルバムは
こちらから

 「市民の目フォーラム北海道」「フォーラム神保町」「道民の会」共催のシンポジュウム「広がる警察の腐敗 裏金から警官犯罪まで」は、3月19日午後6時から札幌市中央区北1条西13丁目札幌市教育文化会館で開催されました。
 パネリストは、大谷昭宏(ジャーナリスト)宮崎学(作家)魚住昭(ジャーナリスト)石坂啓(漫画家)原田宏二(市民の目フォーラム北海道代表)の各氏、司会は市川守弘(弁護士)です。大谷、宮崎、魚住の各氏はこれまでも札幌のシンポジュウムでお馴染みですが、石坂氏は初めての登場です。
 聴衆は約250人で、資料として「新しい北海道を作るための政策提言」、「『市民の目フォーラム北海道』から警察刷新に関する質問書」、「北海道知事立候補予定者からの回答」、「北海道議会各会派からの回答」などが配布されました。
 なお、北海道を愛するみんなの会(高橋はるみ後援団体)及び北海道議会の自民党・道民会議からは回答はありませんでした。
 冒頭に市川弁護士から、主催3団体の概要と配布資料の内容について説明があり、そのあと市川弁護士の司会でパネリストが順次発言しました。その要旨は次のとおりです。(以下敬称略)

多発するえん罪事件について
司会 市川 
 はじめに、つい最近鹿児島県の志布志というところで、選挙違反事件で全員無罪の判決があった。「踏み字」という言葉が新聞をにぎわせたが、この事件はどんな事件で、その背景、問題点、何故こんなことが起きたのか。ずっと取材を続けていた大谷さんから説明をしてもらう。
(注 志布志事件とは、03年4月の鹿児島県曽於志布志町(現志布志市)の集落で、県会議員選挙で当選者の陣営が住民11人に現金を配ったとして元県議やその家族、現金を受け取ったとされた集落の住民が、公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕された事件。今年2月23日、鹿児島地裁は、自白の成立過程で脅迫的な取り調べがあったとして被告12人全員に無罪を言い渡した。鹿児島地検は控訴を断念、無罪が確定した。)

大谷 
 私が、この事件に気がついたのは判決の1年前ほどで、遅ればせながら取材を始めた。もっと早く気がついていればと恥じ入るばかりだ。その間、公判の途中で山口さんという方が無罪判決を聞かずに亡くなった。被告の方は、辛酸をなめ尽くすという大変な事件だった。
 新聞はえん罪事件と書いている。えん罪といわれる事件は袴田事件など数多くあるが、この事件はえん罪事件ではない。えん罪事件は事件があって、無実の人を犯人にしてしまうというものだ。志布志の事件は最初から事件がなかったのだ。警察が、こんな事件があると良いな、作ってやってみたいな、と始めた事件なのだ。こんなことをされたら、何時犯罪者に仕立てあげられ刑務所にぶち込まれるか分からない。事件はないがあの一家を犯罪者に仕立てたい、こういう事件を作ろうとやられると、私たちの市民生活は警察に目をつけられたら終わりということになる。
 この事件は、志布志警察署の署長と捜査二課の警部、この二人は同期で捜査二課出身だから何とか選挙違反事件を挙げたいと意気込んでいるところに、酒造会社の人が選挙の挨拶に行って焼酎と1万円を配ったというタレ込みがあった。これを端緒に事件が作られたが、そのほかにビール5ダース、これが後で「踏み字」をやられる饗応に使われたとされた。事件に着手したがこれはとんでもないガセ情報だった。事件はつぶれた。事件は既に警察庁にも報告されていた。これは困った。県警捜査2課のメンツにかけても何とかしないといけない。誰を犯人役に仕立てるか。志布志から車で50分以上走ったところに6戸20人の集落があった。ついこの間までは狩猟で生計を立てていた人たちの集落だ。弁護士を雇うことも知らない。選挙違反がなんたるかも知らない。この人たちだったら犯人に仕立て上げられるだろう。たまたま、その中の1人の親戚が酒造会社に勤めていたことがあるから関係がないわけではない。そもそも、有権者の0.06%しかいないところに、県会議員が4回も集会を開いて191万円の金をぶち込んだことになる。そんなことがあるはずがない。にもかかわらず、片っ端から任意で呼んで締め上げ、中には自殺をはかる人まで出た。女性たちを締め上げて、言葉にできないような陵辱的な調べをした。わざとその隣の調べ室で男性を調べて悲鳴を上げて泣いているのを聞かせて、お前が自供しないからこういうことになると責め立てた。みんな自供している、認めないのはお前一人だ、選挙違反は交通違反みたいなもんだ、さっさとサインしろと責め立てた。
 この事件の捜査では、10人のうち6人が自供している。何もやってもいないのに自供するのかと思うかも知れないが、取材してみてこの状況では仕方がなかっただろうと思うほどのひどい取り調べが行われた。女性を陵辱的な言葉で調べたり、手錠、腰縄の姿を子供に見せたくないと思う親の心理を巧みに利用したり、「踏み字」(家族の名前や伝言を書いた紙を踏ませる)をやらせたり、「この人でなし、孫を踏みつけ、親を踏みつけ」などと締め上げ、自供をさせた。この事件では、警察、検察庁、裁判所がグルだったことが分かる。検察の調書は、ろくに取り調べもできない検察官が丸写しで書く。警察官の調書がそのまま検事の調書になる。その調書が裁判所にいく。裁判所は、信じられないことに検事の抗議で国選弁護人を解任することもやった。それに代わって県警に勧められて選任した弁護士、被告を守る立場の弁護人は「あんたたちやっているんだろう、認めなさい」などと自供を勧めた。こうしたひどい捜査で平穏な暮らしをしていた人たちが4年近くも苦しんだ。拷問に近い調べが行われたこの事件は、日本警察史でも特筆すべき事件だ。この捜査を指揮した署長や警部、「踏み字」をさせた警部補はいまも県警の中をそっくりかえって歩いている。この警察の体質には取材をしていて身体が震えた。

原田
 
 かって、捜査2課長として選挙事件の捜査を山梨県警と熊本県警で指揮した経験がある。北海道の選挙とこうした古い土地柄の選挙は全く違う。多くは、1票いくらの選挙になる。こうしたところでは、違反情報に事欠くことはなかった。
 選挙事件は、すべて警察庁に報告しその指揮を受けて着手する。だから、志布志の事件も逐一警察庁の捜査二課に報告されていたはずだ。
 選挙の取り締まりは、全国の警察が組織をあげて取り組む。署長は、実績がないと肩身の狭い思いをするし、筋のよい大きな事件をやれば表彰もされる。ヨーイドンで取り締まりが始まる。たいした内偵もせずに、投票日明けに一斉に呼び出して、たたき割りで自供を取り、次々に逮捕して行く。私も誤認逮捕した経験もある。相手は、選挙事件の被疑者は善良な普通の人なのだから、否認しているのはおかしいと思わなければならない。どうしてこうした馬鹿げた捜査をするのかと言うと純粋に事件が成り立つかどうかの判断以外の要素が働くからだ。警察のメンツとか、実績とか。警察は、最初から選挙の組織図というデータを持っている。違反情報があるとそれに見合った捜査をしていく。そしてどんどん事件のチャートができあがっていく。捜査というものは、ある程度見込みを立てないと進められないが、志布志の事件は捜査とは呼べないほどにひどい。
 それと捜査2課長というのは、キャリアの若い課長が多く経験も浅いからベテラン捜査員に相手にされないことも多い。ましてや危ない捜査は知らせないこともある。選挙事件と汚職事件は全部警察庁に報告していた。志布志事件も当然着手前に報告していたし、問題が起きた都度報告されていたはずだ。

魚住
 
 志布志の事件も富山の事件も基本的には同じなんだけれども、私は構造の問題を話したい。
(注 富山事件 02年1月と3月に発生した女性暴行と同未遂事件で逮捕された運転手だった男性が、最初は容疑を否認していたが自供、公判でも起訴事実を認めて実刑判決を受け2年1ヶ月間服役した。その後、真犯人が判明しためえん罪であることが明らかになった。富山県警もこの男性の無実を認めた。)
 警察が捜査する。警察のミスをチエックするのは検察庁の役目、検察庁のミスをチエックするのは裁判所ということになっている。その全体を批判するのはメディアだ。それができていない。たまたま、志布志や富山では無罪と分かっただけだ。こんなことは全国でゴマンとある。やっていないのにやりましたと自白すると、裁判所へ言ってもまともに聞いてくれない、弁護士も聞いてくれない。結局認めて、孤立する。服役して人生を無にして行く。たまたまの特殊な例ではない。運がよかったのだ。日本の裁判一審では、99.9%が有罪になる。これは旧ソビエトのスターリンもナチス統治下でも達成できなかった数字だ。日本の裁判制度はすばらしい制度だ。「それでもボクはやっていない」(痴漢事件のえん罪を通じて日本裁判の実態を描いた映画、周防正行監督)という映画をみると良く分かる。周防さんの言う人は天才だと思う。私は30年かかったがあの人はたった2,3年で日本の裁判の本質を見事に描いている。あれを見ると日本の裁判がどれほどひどいかが分かる。映画では、最初に接見した弁護士は、やってもいない人間に「認めなさい」と勧める。それは、罪を認めないと長期間出られないからだ。日本の司法は「人質司法」といわれる。保釈も認められない。大きな事件になると1年も2年も出てこれない。司法制度の基本構造は三角形の構造にある。裁判所、検察庁、被告(弁護士)がそれぞれ独立していることになっている。弁護士は、被告の利益を弁護し、検察官が国を代表して厳しく断罪しようとする。それを裁判官が聞いてどっちが正しいかを判断する。これが基本構造だ。
 それが、裁判所・検察官vs被告・弁護士という構造になっている。検事が反対すれば裁判所は保釈を認めない。結果として、裁判所、検察庁、弁護士が結託して有罪にするシステムになっている。信じられないかも知れないが本当のことだ。何故そんな裁判官ばかりになってしまったのか、分かりますか。最高裁判所事務総局の人事がそうなっているからだ。憲法や刑事訴訟法の精神に忠実な人たち、あるいは「疑わしくは被告人に有利に」という原則を守った判決を出した裁判官は一生地方の裁判所で終わることになる。上ばかりを見る裁判官は東京高裁に集められる。高裁では、地裁で出した1000件に1件の無罪事件の7割がひっくり返され有罪になる。最高裁はこれを追認するだけだ。これが日本の裁判の実態だ。最高裁判所がそうした人事をやっているから、裁判官は上を見た判決をする。それに加えて司法記者たちがボンクラだからだ。この2つを変えない限り日本の裁判はよくならない。あの映画を見てください。

多発する警官犯罪について
司会 市川 
 無罪判決が出るような捜査の実態はあるが、それ以外にも、最近、警官の犯罪が目立っている、警察官の郵便局強盗や山形ではひったくりをやって金を警察署の敷地の雪の中に隠した事件などがあった。

宮崎
 
 今から3年前に、1999年から2003年までの間に警察官の不祥事がどのくらいあるのかを調べたことがある。99年の秋は神奈川県警での不祥事が発覚して、これが全国に広がった。この約5年間に4,000件を超える不祥事があった。最近では、北海道警や福岡県警の裏金問題が話題になった。個別の事件はいろいろとあるだろうが、警察、検察、裁判所、本来これに対抗する弁護士というものがいるが、これらの問題が何故重要なのかを考える必要がある。日本の官僚には沢山あるが、こうした官僚組織は人の身体を拘束するなど強い特権があるからだ。ときには、裁判官であれば死刑の判決を出すこともできる。特別な権限を与えられている役所からだ、我々はこうした問題に注意しなければならないのだ。
 最近は、いろいろと報道されて、警察官の不祥事を聞いても驚かなくなった。驚いても仕方がないと思っていることもあるが、ここで何故そんなことになったのかをもう一度考えてみる必要がある。
 確かに、北海道警の裏金問題は、北海道新聞が1,000回を超える記事を書いて、いろいろと問題を指摘した。それはそれで良い仕事だと思うし意味があった。裏金が動いていた、確かにけしからん、国民の税金を私に使っている、飲み食いした、それがいけないんだ、そうした程度の理屈で終わらせていたのではないか。そうではないのではないか。現実の捜査、国民の生命、財産を守るという警察が、裏金作りをやることによって、付随的にというか、どうしても本来の捜査といったものが甘くなる。そうした観点でみていく必要がある。さらにもっと進んでいるのではないか。
 警察機構の中で、捜査、これには殺人といった強行犯捜査といった捜査、これ自体も今は検挙率が落ちているが、特に本格的な内偵捜査を必要とする捜査で、何か別の計算をしているのではないか。例えば、ポストが上がること、警察には階級があり上がっていく昇任といった制度があるが、この階級が上がる問題と捜査の問題が密接に関係している。つまり、自分たちの利益、個人的欲望あるいは組織的な欲望とに基づくことが多い。これが捜査と密接に結びつき、そうした昇任と捜査との間に密接な関係があるのではないか。国民の生命財産を守るという捜査を一義的にはこなしながら、このことが、国民の生命財産を守るという捜査本来の目的をそれと同等以上に歪めているのではないか。もう一つは、権力の恣意性、自由裁量が認められている権力行使の判断基準がどこにあるのか。そのことが不明確な時代に入っている。堀江問題でもライブドアファイナンスがごまかした金額は数十億くらい、一方で日興コーディアルのごまかしはその10倍くらいの規模だ。社会的な影響もこちらが大きかった。日興に対しては刑事訴追もされず、疑わしきは罰せず。堀江には,上場廃止、2年6ヶ月の実刑だ。堀江はやるが、日興はやらない。その判断基準が不明確になっている。権力の恣意的というか、自由裁量権、これはやるんだ、これはやらないという判断の基準が明確ではない時代になっている。
警察の問題もそうした観点でみていく必要がある。北海道の稲葉事件もそうだ。けん銃の押収ということが警察庁で大きなテーマになってくる。そうすると、末端の現場ではけん銃を押収するためにいろんな取り組みをする。覚せい剤を見逃してやりピストルを出させる。そうした形の捜査になる。ピストルを持ってくれば見逃す。その基準はどこにあるのか。覚せい剤を見逃してピストルを1丁あげる方が国民の生命、身体を守るためには良いと判断したのか。おそらく基準はない。それは、ピストルを押収するという本人の成績という問題と関係がある。このように警察には、昇任の問題、勤務評定の問題が存在する。こうなると客観的な基準ではなく、上司にゴマをすっている人間や上司が求めている捜査をやる人間が出世する。内部の構造と意識の問題か関係している。こうしたことを我々が見なくてはいけないかな、と思っている。

石坂 
 普通に生活している人間からみて、何でこんなに警察官の不祥事があるのか、国民に良く分からない動きがあるのか、そして、何故このところ警察が何でこんなに力をつけてこんなに威張るのか、疑問に思っている。今回、東京からこちらに来るとき、行きも帰りもホテルも皆さんとバラバラだ。どうしてなのか不思議に思ったが、そうか、みんな一緒にいれば一網打尽になってしまう、皆さん工夫しているんだ、と半分冗談だけど納得した。
 鹿児島の志布志の事件を聞いたとき、書いてみようかと思ったが、家族の名前を踏ませたりするのは漫画以上に漫画で、逆にリアリティがないとボツになってしまいそうだ、これでは漫画にもならない。私は、漫画家だから想像力はある。どうして無実の人が何故揃って自供せざるを得ない状況にするのか、考えている。普通だと警察の言っていることが一理あるんではないか、真っさらな人が疑われること等はないんじゃないかと思いがちだが、悪意が介在すれば、どういうことでも起こりうるんだろう、用心してかかる必要があると思う。漫画では、登場人物が全部がいい人では漫画にならない、いやな人物が必ず登場する。いい人は、自分の中に悪意がないから人の悪意に気がつかない。だから負ける。
安部さんもそう悪い人じゃないんでないか、そう考えている。この国がまた戦争することはいくら何でもないだろうとか、憲法を変えて良くなるなら別に変えても良いんじゃないか、と言っている。私は、漫画家的発想をお勧めしている。少し疑ってかかる、鵜呑みにしない、権力側の発言をそれはどういうことなのか自分に引き寄せて考える。これはお金も時間もかからない。しかも実益がある。 
 魚住さんが紹介した「それでもボクはやっていない」は、非常に評価が高い。監督の周防さんは、最初から警察を疑ってかかるとか、警鐘を鳴らすつもりで作ったのではなく、市民の側から淡々と撮って行ったら、ああした背景が象徴的に浮かび上がってきたのではないか。見終わった人に警察への警戒感を抱かせ、警鐘を鳴らする形になるといわれている。
 一方で、警察官が主人公で格好良く、市民の正義の味方で、犯罪を撲滅するといった図式ばかりのドラマや映画が横行している。警官の側に立って、警官を持ち上げる表現に終始しているか、この映画はそれが比較できて良いと思う。

警察と暴力団について
司会 市川 
 前半は警察官の不祥事の話をしてもらったが、もう一つ不祥事として少し気になっていることがある。東京で山口組と住吉会の抗争事件があった。市民に対してはえん罪とかがあったかも知れないが、こと暴力団に対しては、警察なりにちゃんとやってくれているだろうと思うのだが、どうもそうでもないらしい。その点を暴力団の問題に詳しい宮崎さんに、山口組・住吉会の抗争と警視庁はどうなっているのかを聞きたい。

宮崎 
 山口組と一和会の抗争事件(1984年から5年にわたって続いた、主とし兵庫と大阪で起きた大小317件の抗争が発生して多くの死傷者が出た)のときも双方の暴力団の主たる情報源は実は警察だった可能性が強い。
 警察は、暴力団の抗争事件があるとその沈静化に努力しているように見せながら、実際には機能はしていない。今回の抗争事件でも2月7日の昼過ぎに両者で手打ちが行われた。その後に警視庁は一斉に家宅捜索をやっている。暴力団同士が手打ちをやってから警察がガサをやる。手打ちの情報は暴力団から貰ってからガサをやる。抗争の最中にはやらない。ガサの場所は一次団体で、末端の組事務所にはガサはしない。特に抗争の最中には絶対にやらない。やるとそこにはけん銃などがある可能性が高いからだ。自分が撃たれる危険性が高いからだ。とはいえ、市民の安全を守る立場というものを見せなければならない。それで、安全に抗争が終結してから後にガサをやる。
ヤクザの抗争事件も変わった。1987年の大阪戦争と言われる抗争以来、小競り合い程度のものはあったが、組対組の存亡をかけた抗争はなくなった。
 警察とヤクザの関係は、存在としてお互いに持ちつ持たれつでやっているのが実態だ。今回も山口の本家のガサのあと4個の段ボール箱を持ち出している。中身が何だったかは報道もされない。運び出した段ボール箱には多分紙1枚が入っているだけだ。
 警察はヤクザを撲滅するために一生懸命にやっているんだ、というパフォーマンスは上手になったが、例えば板橋の踏切事故で亡くなった交番のお巡りさんのように身を挺して市民を守るという警察官はほとんど見受けることはできない、というのが本当の姿だと私は思う。

警察の捜査能力は低下しているのではないか
司会 市川 
 最近、時効にかかって解決されないという事件が多い。北海道でも西区OL殺人事件が時効になったし、東京の清瀬の警察官刺殺事件も時効になったと伝えられた。迷宮入りの事件も多い。城丸くん事件は起訴されたが無罪になった。静内の牧場主殺人事件もどうなってしまったのか。どんどん凶悪事件が発生しているのだが、解決されていない事件が多いように思う。何故、警察の捜査能力がかなり低下したのか。暴力団になめられているのか。裏金問題の影響はないのか。そのあたりを大谷さんに聞きたい。

大谷
 
 東京の世田谷一家四人殺人事件、八王子スーパーで女子高生がけん銃で惨殺された事件、清瀬の交番の警察官殺人事件、これは警視庁の懸案三大事件だ。警察の捜査能力が低下した要因はさまざまある。それを一つ一つあげているときりがない。警察庁は数字を出したがらないが、ここ10年間で公務執行妨害による市民の逮捕の件数がざっと倍くらいに増えている。我々の時代のようにデモ行進をやったり派手な学生運動で公務執行妨害が増えたのではない。今は、一般市民対警察官の公務執行妨害だ。市民が警察官に不信感をもっている。例えば、沖縄で免許証の提示を求められると、おまえのとこは、インチキ免許証作ってるんだろう、おまえが先に見せろ、とやられている。神奈川県警で覚せい剤事件を隠したときにも公務執行妨害事件が突出して多かった。気の弱い警察官は逃げる。気の強い警察官は取っ組み合いのけんかになる。応援が来て公務執行妨害で逮捕する。
 現場の警察官はもううんざりしている。自分たちは金を貰っていないのに、お前も裏金もらっているだろうと、おちょくられたり、バカにされている。何とかしないといけないのに、霞が関の連中は何も思いつかない。警察官の郵便局強盗が発生したとき、漆間警察庁長官は昨年暮れの定例の記者会見で、不祥事防止のために警察官の自宅を上司に家庭訪問させると言った。これを聞くと現場の警察官がどんなにキャリアに小馬鹿にされているかが分かる。幼稚園や小学校の子供ではあるまいし、幹部が自宅に来て奥さんに、ご主人はサラ金から借金してないか、時間どおり帰って来ているかなど聞くというのだから。大阪あたりでは、職務質問や交通切符を切るときに言われる。こんなことをしていて良いのか、おまえの家に家庭訪問に来る日でないか、とっとと帰った方がいいのではないかなど、と現場の警察官が市民にからかわれている。馬鹿にされれば喧嘩になる。
 基本的なところで警察組織がすでに瓦解し始めている。そういうことが、公務執行妨害の増加や未解決事件の多さに顕著に表れているのではないかと思っている。

何故警察官の自殺が多いのか
司会 市川 
 最近、若い警察官の自殺も多い。これは、同じ土壌なのではないかと思うんですが、このことについて原田さん、この問題にはかなり深い根があるように思いますが。どう思いますか。

原田 
 北海道でも一昨年警察官の自殺がずいぶんあった。全国で10年間で三百数十人が自殺したという数字もある。ただ、多いのか少ないのかは、他の職業の自殺者のデータがないので単純に比較はできない。ところで自衛隊も多いようだ。警察と自衛隊。この二つには共通点がある。階級制度があり、 外部からはよく見えない閉鎖的な体質がある。となるとこのあたりに何か問題がありそうに思う。
もう一つ、若い警察官の話を聞いてみると、私たちの若いころと比べて現場の仕事が面白くなくなっているようだ。私たちの時代は、泥棒を捕まえないやつは「ネズミを捕らない猫」と言われたものだ。24時間勤務中に何とか「いい泥棒」を捕まえたいと考えていた。それと当時は上から件数のことなどあまり言われなかった。交通違反の検挙などはほとんどしなかった。最近連中の話を聞いていると、どうも数字に追われている。いわゆるノルマだ。組織を管理するときに数字は必要だが、それが現場におりて行くと比較的やりやすい仕事をやるようになってしまう。例えば、専らシートベルトを着装していない違反の切符を切る仕事が中心になる。飲酒運転を摘発するのには、検問で100台の車をチエックしても1件検挙できれば良い方だろう。そんなレベルだろう。ところが、シートべルトをしていないという違反は、見ればすぐ分かる。交番から飛び出して行ってすぐ切符が切れる。それでも1件だ。シートベルトをするかどうかは、基本的に運転者自身の問題だ。それで命を落とすのは本人の勝手だ、くらいに私は内心では考えていた。こんな違反は口で注意すればいいのであって、わざわざ交番のお巡りさんが時間をかけて切符を切ることはない。そんな仕事に交番のお巡りさんが力を入れている。それはやり易いからだ。 何か、現場の目線が違うところに行っている。それに加えて、閉鎖性、自分たちの仕事について上に言えないという職場環境がある。自分たちに仕事について上にものが言えない。そこに閉塞感、重くるしい職場環境があって自殺者が多いのではないかと思う。それに、若い人たちにも弱いところがあり、すぐヘナヘナとなってしまう。自分の意見を主張できない。そうしたことも重なっているのではないだろうか。

メディアは権力を監視できるか
司会 市川 
 腐敗してやがて壊れゆく警察官という感じだが、ここで宮崎さんが仕事の関係で中座する。最後になにか。

宮崎 
 仕事の関係でこれで失礼する。この後パネラーの皆さんから問題提案があると思うが、結局僕らに何ができるかになってくるであろう。警察の問題にしても、検察の問題にしても、裁判所の問題にしても、私であれば自分の表現するものでそうした問題に立ち向かって行くしかない。これを専らやっているのがメディアであるはずだが、それが暗澹たる状態になっている。警察が腐敗しているより腐敗している可能性がある。原田さんが立ち上げた「市民の目フォーラム北海道」は必ず大きなネットワークになる。警察の内部にも、どんなに押さえ込んだとしてもこのままで良いのかと気がついている人がいるはずだ。メディアは私たちが尻をたたき、原田さんには警察内部の尻をたたいて欲しい。さしあたりそんなことから始めざるを得ない。(宮崎氏退席)

魚住 
 もう少しメディアの話をしたい。某テレビ局、日曜日のある討論番組、私はこの司会者を尊敬している。ただし、テレビ局は非常に腐敗している。この番組にホリエモンと一緒に出る予定だった。2日前にテレビ局の人が自宅に打ち合わせに来たので「検察庁は、この目で見て知っているが、年間5億円の裏金を作っていながら身内の犯罪を見逃している。それなのにホリエモンの形式犯を摘発するのはおかしい、これを一番言いたい。」と言った。そのうえ生出演ではなく事前録画だという。担当者は「不規則発言以外は削除しません」と言ったが、不規則発言は削除すると言うことだから私は怒鳴りつけた。彼は怖いんですとか、私も会社員ですから、と言っていた。そういう状態なんだ、テレビは。新聞も同じだ。新聞はどうひどいか。裁判員制度の問題でタウンミーティングで「さくら」問題があった。裁判員制度では3年間で40億円の税金が最高裁判所に与えられた。そのうち3年分10億円を電通が請け負った。47都道府県に地方紙連合というのがある。これには道新も入っている。電通はここに依頼して全国各地でタウンミーティングを開いた。この2つは仲間だ。地方紙連合は、任意団体だから事業活性化研究室という受け皿会社にそのうち2割がここに流れる。最高裁は何故こんなシステムでやったのか。  地方紙は、裁判員制度の内容や趣旨を説明するような記事を載せ、その下に5段で最高裁の広告が入る。地方紙はその広告を目当てに上の記事を載せる。しかも、これは広告と断っていない。読者には一般記事と受けとれるような掲載をした。広告と分かったのでは40億円の予算の宣伝効果が少なくなる。だから2つの団体はこれを条件にしている。新聞は儲かるからそれに従っている。これは裁判員制度だけで行われているのではない。他の省庁からも年間100億円くらいの政府広告予算が出ている。それが新聞、雑誌、テレビに流れる。そうして国民を騙している。政府、最高裁、電通、新聞、雑誌、テレビもみんな仲間なんだ。そして、そのうちにどうしてか世論の傾向が変わる。それはこうしたシステムになっているからだ。これだから今の日本はダメなんだ。

司会 市川 
 今日、実はこの場に大谷さんと宮崎さんがいらっしゃるには理由がある。この会場後ろでも販売しているが「警察幹部を逮捕せよ!」という旬報社発行の本がある。この本の中で、道新の裏金問題取材班の2人の記者と大谷さんと宮崎さんが座談会でした発言が書いてある。取材班が、北海道の旭川中央署の裏金問題が発覚した後、議会でどういう道警の工作が行われたのか、その工作が失敗したんだ、と言うことがこの本に書かれている。それに対して道警の元総務部長が、道新と道新記者、出版した旬報社、それに別の本で講談社を相手に、損害賠償、慰謝料を払えと裁判を起こした。それに対して、大谷さんと宮崎さんが、自分たちも書いているのだから俺たちも入ると言って訴訟に参加した。あれは事実無根の捏造だと言われたので大谷さんと宮崎さんは自分たちも関係があると言ってこの裁判の参加することを申し出た。その裁判が今日あった。この裁判に大谷さんと宮崎さんが出した主張書面の中に、北海道新聞に対して北海道警察が、これははっきりと事実なんだが、北海道新聞の「泳がせ捜査失敗記事」、これは、道警の銃器対策課が130キロの覚せい剤を密輸を2回まで見逃し、3回目に銃器を輸入させて逮捕する予定だったが、失敗して130キロの覚せい剤等を道内に目こぼして流入させてしまったのではないか、このことを道新が書いた。この記事に対して、道警は取材源になっている複数の警察官は誰なのか、道警の当時捜査に従事していた捜査員なのか答えろと質問して来た。これは取材源の秘匿というのは最高裁でも認めている記者の権利の侵害だ。それを露骨に要求した。
 警察による平気な人権侵害、マスメディアに対する侵害だ。大谷さんと宮崎さんは、そのことを裁判で明らかにした。この問題について話して欲しい。

大谷 
 取材源は秘匿させない方が良いというひっくり返るような決定を出した裁判官もいたが、結局は最高裁で取材源の秘匿の権利が認められた。我々は、今危ないところに来ている。私も宮崎さんも北海道は幸せだと思っている。北海道新聞という すばらしいメディアがある。だからこそ日本警察が始まって以来という金額を返還させた。ここまで踏み込んだのは初めてのことだ。北の大地にこんなすばらしいメディアがあったことを我々は羨望していた。にもかかわらず今の北海道新聞は何なんだ。私は、私たちの本が「嘘を書いたろう、金を貰ったろう」と二言われたら、相手を殺す権利さえあると思っている。私はそう堅く信じている。私を訴えた人は私に対してそう言っていることと等しいのだ。それを言われれば自分の仕事はすべて消滅する。それを黙っているわけにはいかない。それにもう一つは、北海道新聞を潰してはいけない。道新の姿勢をなんとか元に戻したい。そうでなければあれほど北海道が誇ったメディアは一体どうなるんだ。皆さん「道新よ、元に戻れ」と声を上げて下さい。
司会 市川  北海道新聞は、道警からこうした圧力を受けたということを表に出していない。本来であれば、こんな問題があるんだと先頭を切るのが当然なのだが、逆に「泳がせ捜査失敗記事」では訳のわからない「お詫び記事」を出した。すべて記者が悪いと言う形で、道新自身は責任を取ろうとはしない。ここに新聞倫理綱領がある。読んでみる。
 国民の「知る権利」は民主主義社会を支える普遍の原理である。この権利は言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在してはじめて保証される。新聞は、そのもっともふさわしい担い手であり続けたい。
 ところが、大谷さんのお話のように、北海道新聞は記者たちがあれだけ頑張ったのに、その記者たちは今はいずこへと言う状態で、かつ、訳の分からない「お詫び記事」を出した。今日の裁判で大谷さんと宮崎さんは、ジャーナリストはこうあってはならない、片や道警、片や道新を相手に裁判をやっているような事件だ。是非、皆さんも裁判を傍聴にも来ていただきたい。「市民の目フォーラム北海道」のホームページにも「道警vs道新」で書いてある。皆さんにも是非読んでいただきたい。
 警察は腐敗し、他方容赦なく牙を向けてくるのが警察の現状ではないか。選挙が終わるとまた共謀罪の成立を目指す動きが出て来るだろう。報道の問題でも、犯罪被害者の名前を実名で発表するかどうかの判断を警察に任せようとする動きもある。最後にパネリストの方にひと言。最初に石坂さんには、こうした世の中の動きについてどう見ているのかをお話いただきたい。

石坂 
 どうせ警察はこれだけ腐敗していたり弱ってるなら、もっと軟弱になっていてくれれば良いのに、こういうことになると何故かむちゃくちゃな権力を持っている。私は戦争体験がありませんが、漫画を書くのでいろんな戦時中の資料を持っている。昔の「治安維持法」これは怖かったろうと思う。ここにいるパネリストなんかしょっ引かれてしまう。しかし、10年前になかった法律ばかりが、この10年間で治安維持法を10とか20とかに解体して細かくしてせっせと作ってきたと考えるとわかり易い。昔なかった有事法、通信傍受法、住基ネット、国旗国歌法、国民保護法、個人情報保護法で全部に縛りをかけている。昔の法律の威力どころではないだろうと思う。これは私の解釈だが、今や戦後でも戦前でもない。今や戦時だと思っている。イラクに兵隊を送った時点でこの国は戦争元年だと思っている。前の戦争も始まりはこのくらいだったと思う。治安維持法だって、国会を通るときにすんなりと通っている。そんなに恐ろしい威力の法律だとは議員の人たちも反対勢力の人たちも自覚がなかったと聞いている。確かに治安維持、響きは良い。法律は独り歩きする。この国はもう新しい戦争を始めた。戦争元年、今や戦時である。角を曲がりきったと考えるといろんなことが符合する。憲法を変える、次に正規軍を持つ国になり、正規軍を国是とする。それに見合った国民を作る必要がある。それに逆らう国民をしょっ引く必要がある。それをやろうとする人は法律を解釈によってどうにでもできる。権力に逆らうとどんなに怖いか。私と辻元清美は友人だが、間近に見ていて可哀想なことになったなあと思った。彼女があのまま議員に残っていたら、まともに反旗を翻していたと思う。有事法は骨抜きにされたはずだ。
 こう考えて来るとここに来て警察がどこにターゲットを絞って張り切ってやろうとしているかがわかりやすい。共謀罪もそうだが、お互いに監視し合う。戦争を始めるとき、どこかの国をやっつけに行くぞ、ではない。危機感を煽り、攻められたらどうする。怖いぞ。お互いに監視する社会を作り、何かあったら通報する社会が作られようとしている。テロ対策と言えば何でもできるのか。小泉総理がイラクに自衛隊を送ってからだ。空港での身体検査が厳しくなり、コインロッカーが使えなくなり、ゴミ箱がなくなり、新幹線のなかをピストルを持った警官がチエックしている。これは異常なことだ。
 我々は、これがどういうことかを自覚していない。こうした監視、管理がこんなに染まっていることに無自覚で、従順でむしろ歓迎しているようなところがある。警察が強くて守ってくれることを感謝している。これは危険なことだ。自分たちはこうした時代の空気を私たち自身が作っていることを自覚すべきだ。そこにも気をつけないといけないことがいっぱいある。

司会 市川 
 タウンミーティングの結果、裁判員制度は平成22年から始まる。既に制度に合わせて法廷もでき上がっている。これは警察、検察だけの問題、司法制度全体に及ぼす影響、魚住さん何か補足することはありますか

魚住 
 裁判制度は、最初は裁判官・検察チームvs被告・弁護士の図式から、今は裁判官・検事・弁護士のグループで被告が孤立する形になっている。その枠に6人の市民を入れる形になることだ。死刑事件の裁判に市民が参加してどんな裁判になるのか。この枠組、人質司法が変わらない限り6人の市民が入っても何の意味がない。日本の裁判員制度は、アメリカの陪審員制度とは全く違う。陪審員制度では裁判官は入らない。12人の市民が有罪か無罪かを決める。無罪が出たら検察側は控訴できない。それで決まりだ。日本では一審で無罪になっても高裁でその7割が逆転される。その高裁には裁判員制度がない。意味がないんだ、要するに裁判に6人のサクラを入れるということだ。裁判官・検察官・弁護士がつるんでやっていたのではまずいから、6人のサクラを入れましょうよ、ということなんだ。陪審員制度とは全く違う。裁判員制度を二審の高裁や最高裁にも設けなさいよ、何故陪審員制度にしないのか、と最高裁に聞いても答えない。裁判の既得権益、権限を失いたくないからだ。だからみんなもいやがっている。裁判官自身もいやがっている。最高裁は導入が決まった以上なんとしてもやらなければならない。そのためには、市民の協力が必要だしマスコミの協力も必要だ。それでプロジェクトをつくり、電通と地方紙とつるんで国民を騙して裁判員制度に国民を参加させようとしている。裁判員制度は、赤紙1枚で国民を戦争に狩り出した徴兵制度と同じだ。だからみんないやなんだ。最高裁が広報すればするほどいやがっている。 人質司法もそうだが、もう一つの問題は、国選弁護人の報酬が7〜8万円では否認事件などは、供述調書を取るだけで消えてしまう。何回も裁判に通う否認事件では足がでる。これでは弁護できない。国選弁護人の報酬の引き上げが必要だ。

大谷 
 志布志事件も富山の事件でもそうだったが、私たちメディアも警察、検察も批判されなければならないが、弁護士は何をしているのか。志布志事件では、逮捕された女性に小学生の子供がいた。集会があったとされる自宅に、わざわざ子供が帰ってくる時間帯に手錠、腰縄姿で連行され現場検証に立ち会わされている。ありもしなかった会合の様子を指さしながら説明させられている。そこにいたるまで、いったい弁護士は何をしていたか。
 しかも、弁護士が、被告と接見するとその内容がすべて刑事に筒抜けになっている。法律を知らない被告たちは、弁護士と接見したら警察にすべて話さなければならないと思い込んでいる。これでは弁護士制度にも問題があるのではないかと疑問が湧いてくる。
 裁判員制度に本当に国民を参加させるなら、高裁や最高裁にも参加させるべきなのだが、
国民の一番の不満は、例えば、公害の問題、行政や国を訴えたときに、今のような裁判をするのはおかしいではないか、という点にある。何故、そういうところに国民を入れないのか。それなのに国民にいきなり凶悪事件の裁判に参加させて、国民のそうした不満へのガス抜きをする。志布志事件でも供述調書に信用性がないと判断したが、去年の7月その調書が証拠採用されたときはどうなるかと心配した。ところが、これは無罪にするための証拠採用だった。裁判官はあまりにも真実性、迫真性に富んでいるので信用性がない、嘘だと判断して無罪判決になった。真実性、迫真性に富んだ供述に疑問を持ったのだ。インチキであることに気がついた。プロの裁判官でも危なく騙されるような調書を6人の市民に見せたら見事に騙されることは間違いない。一番、裁判員制度を喜んでいるのは警察だ。真実性、迫真性に富んだ供述調書を作れば死刑にもできる。
(魚住 被害者を法廷に連れてこいという話にもなっている。)
 警察の取り調べに可視化が必要だ。腰縄、手錠姿で自宅で指さしているところをビデオに撮っておけば嘘をついてもすぐ分かる。少なくとも、裁判員制度は、この取り調べの可視化が担保されるまで待つべきだ。調べ状況を白日の下にさらさせないのは、何か後ろめたいことがあるんだろう。これが認められない限り裁判員制度は認められない、という声を是非上げていただきたい。

司会 市川  
 日本では、警察官の取り調べの可視化の問題は議論されていない。現在議論されているのは、唯一検察庁の調べがその対象になるだけだ。先ほどの大谷さんのお話のように、検事調書は、警察調書の丸写しだから、警察の取り調べが可視化されない限り意味がないことになる。
 警察の問題から司法の問題まで行ってしまいました。時間が来たのでこれで終わらせて貰う。




前のページへ


19. 3.13(火) 「警察刷新に関する質問書」集約結果の記者会見

 3月13日午前、「市民の目フォーラム北海道」代表の原田宏二と市川守弘弁護士が、北海道庁で『警察刷新に関する質問書』の集約結果を記者会見して報道発表しました。
 今年4月の北海道知事選立候補予定者や道議会各会派へ「道警不正経理問題」等11項目について質問書を送付して回答を求めたものです。
 質問内容や回答結果については、このホームページでも詳細を掲出しています。
 
 記者会見場には、多くのマスメディアが取材に訪れました。
原田代表は、記者会見の席上で統一地方選挙を前に、「3年も経つと(問題は)風化してしまうが、知事、議会がどういう対応をしたか思い出して欲しい」と訴えたほか3月19日、札幌教育文化会館で開催されるシンポジューム「広がる警察の腐敗 裏金から警官犯罪まで」(パネラー大谷昭宏氏ほか)の内容についても説明しました。

 3月14日の朝刊では、「道警不正経理再調査は?」と4段抜きの大見出しで大きく報道した新聞もあり、道警裏金問題への関心の高さを肌で感じた次第です。

                  「市民の目フォーラム北海道」事務局スタッフ 齋藤邦雄




前のページへ


19. 3.11(日) 講演「市民の目フォーラム北海道」inはこだての開催

アルバムはこちらから

 
3月10日(土)午後6時から函館市大森町の「サンリフレ函館」での開催。
 講師は、市民の目フォーラム北海道の原田宏二代表が「道警の裏金問題から見えてくるもの」と題して1時間30分の講演でした。
 驚いたのは、警察官時代の刑事の大先輩が来場してくれたことです。
 20数年振りのOB同士の再会でしたが、『原田さんや私の姿に共感して、OBとしても警察問題に強い関心を持っている』とのことで、このようなOBとの出会い・声援には、事務局の私も目がウルウルしてしまいました。
 会場には、約50名に市民が集まり、原田代表の講演に熱心に聞き入ってくれ、マスメディアもテレビ局2社、新聞社3社の取材と盛況でした。 

原田代表は、
1 警察の裏金問題とは   
2 警察の裏金システムが生き残ったにはなぜか
3 警察神話は崩壊したか  
4 「市民の目フォーラム北海道」の目指すところ
の4テーマについて、ソフトな語り口で分かり易く話されたほか、締めくくりに事務局からは、
@「市民の目フォーラム北海道」は、平成19年2月10日(原田宏二氏の告発3年目の記念すべき日)に 札幌で設立したものであること。
Aこの会は警察の様々な問題に関心のある幅広い市民が集まり、警察に関する情報や意見を交換し、真に市民のための開かれた警察の実現に取り組んで行こうとする目的を持っていること。
BHPを作り、精力的に情報発信をしていくこと。
などをアッピールしました。

                  「市民の目フォーラム北海道」事務局スタッフ  齋藤邦雄 




前のページへ



19. 3. 5(月) 
「市民の目フォーラム北海道」が叙勲の推薦再開を要望

 外部から見ると一体と見える警察組織も、内部では警部以上の幹部と警部補以下の現場の警察官とに二分化された実態がある。在職中には、幹部に命じられるままに裏金づくりに従事し、退職後は幹部と一蓮托生で叙勲の途も閉ざされる。在職中も退職後も自由に物言えぬ現場の警察官の悲鳴にも似た声が「市民の目フォーラム北海道」の相談BOXに寄せられた。 平成19年3月5日 北海道警察本部長と警察OBの団体北海道警友会会長に対して在職中に下積みで苦労をした警察職員については、早急に叙勲の推薦を再開するように文書で要望した。 その内容は次の通り。
 
北海道警察本部長宛
警察退職者からの叙勲に関する要望について
 
 私ども「市民の目フォーラム北海道」は、警察の刷新を求めて活動している団体です。
 その活動の一環として、広く市民から警察業務に関する苦情・要望等を受け付けています。
 最近、別紙の通り北海道警察退職者(以下警察OB)から叙勲の推薦の再開を求める声が寄せられています。
 そのため下記の点について北海道警察のお考えをおたずね致します。ご回答は、文書により平成19年3月12日までに同封の返信用封筒でお送りいただくようお願い申し上げます。
 なお、この文書の内容及び北海道警察からのご回答は、要望をいただいた警察OBの方にお知らせするとともに、当フォーラムのホームページで公開することをあらかじめ申し添えます。

                記
1 北海道警察では、平成16年以降現在まで、警察OBを対象とする春秋叙勲(危険業務従事者叙勲を含む。以下同じ)の警察庁への推薦をとりやめているとのことですが
 (1) 事実か
 (2) その理由は何か

2 平成16年12月の北海道警察の不正経理問題に関する北海道監査委員による監査結果では「道警の不正経理が、長年にわたり慣行として組織的に、管理、監督の立場にある者の指示、命令によ り行われていた」と指摘されました。 
 さらに、北海道警察本部長が一連の予算の不適正執行による道及び国に与えた損害の返還について「返還金は、管理、監督の立場にあった警部及び同相当職以上の幹部が拠出する」と関係者に 文書で通知し返還金の拠出を求めました。
(1)これらの事実から、長年わたる不正経理問題の責任の大半は、警部及び同相当職以上の上級幹部にあると判断してよいか
(2)不正経理問題に責任のない警部補及び同相当職以下の職にあった警察OBは、叙勲を受けられない理由はないと判断しても差し支えないか
(3)警部補及び同相当職以下の職にあった警察OBに限って叙勲の推薦を再開する考えはないか。ないとすればその理由は何か
(4)再開するとすれば、いつからか。また、その対象はどの範囲となるのか
(5)再開に当たっては、その事実を公開し道民の理解を求めるべきと考えるか、このことについてどう考えるか

別紙 道警OBからの苦情・要望の内容(要旨)

その1(70歳代の男性)
 私は、退職してから20年になる道警OBです。
 「市民の目フォーラム」で警察に関する苦情を聞いてくれることを知り叙勲のことで電話をしました。
 道警は、一連の裏金問題で職員を大量に処分した直後に表彰制度の内規を改正し、それまでの「退職1年以内に懲戒処分を受けた者は表彰対象から除外する」という項目を削除しました。
 これにより裏金問題で処分された警視正などの階級にあった上級幹部が退職時の表彰を受けました。
 そのとき監察官室は「長年頑張ってきた退職者が表彰されないのはおかしいので内規を改正した」と新聞で述べています。
 私も方面本部の某課の庶務係長を務めました。庶務係長の仕事は、裏金つくりでした。
 その裏金で課長や次席は、麻雀、ゴルフ、飲み食いと好き勝手たなことをやっていました。
ある大きな署の署長は単身赴任でしたが給料は全額奥さんのところへ送金し、自分は裏金で生活していました。
 会計課は、捜査費、旅費などの予算の1割ほどをピンハネして、それを総務課の本部長の裏金に回していました。
 上級幹部は、裏金を自由に使いながら軽い処分で終わり、退職時に表彰まで受けたのです。
 私は、命じられるままに仕方なく裏金つくりをやりましたが、在職中は、そのほとんどを現場で過ごし、仕事も一生懸命にやり道警本部長や警察庁長官からも優秀警察官として表彰もされました。
 叙勲は私にとっては人生最後の表彰です。
 元気なうちに何とか叙勲を受けたいと思っていましたが道警は未だに叙勲の推薦をしてくれません。
 私と同じように叙勲を今か今かと待ち望んでいる道警OBが大勢います。
 警友会の支部長にもこのことを訴えましたが、取り合ってもらえませんでした。
 上級幹部だったOBは永久に叙勲の対象とすべきでないことは当然ですが、私たちのように現場で苦労した警察OBについては、もうそろそろ叙勲の推薦をして欲しいのです。
 どうか助けてください。お願いします。

その2(80歳代の男性)
 私は、退職後70歳代で叙勲を受けました。
警察OBに中には危険業務に携わった同僚が、たくさんいるのに叙勲が未だに復活していないのは可哀想です。
 以前は、71歳か2歳になると叙勲の対象になっていました。
 それが裏金問題が明るみに出てから3年以上になるのに未だに叙勲が復活しないのは問題です。
 道庁の職員は、(平成7年の裏金問題から)3年ほどで復活して叙勲を受けています。
 警察官については、危険業務従事者として叙勲の枠が広がりましたがその途も閉ざされたままです。
 これでは折角の新たな叙勲制度の趣旨が生かされません。このままでは、叙勲の対象者だけが年々増え、順番がどんどん先送りされます。
 叙勲は生きている間にいただくことに意味があります。
 このままでは、現職警察官の士気にも影響します。早く、復活して欲しいものです。
 裏金問題の責任の大半は上級幹部にあり、そうした者たちを叙勲の対象にすることは道民が許さないでしょうが、長年にわたり現場で苦労したし下積みの警察官については、道民にその理由をよく説明すれば納得も得られることでしょう。
 道警OBの中には多くのそうした声がありますが、公式に警友会で話題になったことはありません。
 警察と同じで、警友会の役員の大半が現職時代の方面本部長経験者等の上級幹部が占めている現状では、末端の会員の声は届きません。
 どうか、原田さんの力で叙勲の復活を実現してください。よろしくお願いします。

 北海道警友会会長宛て      
北海道警友会会員からの要望の受付けについて

 最近、貴会会員から叙勲の再開に関する要望が当フォーラムの相談窓口に寄せられています。
 当フォーラムでは、北海道警察本部長に対して、事実関係を確認するとともに善処するよう文書で申し入れを行いました。要望の内容には貴会の運営に関することも含まれていますので、参考まで文書の写しを添付して送ります。




前のページへ


19. 3. 2(金) 札幌でシンポジウムを開催 3月19日(月) 参加料無料

 「市民の目フォーラム北海道」は、3月19日(月)午後6時から札幌市教育文化会館で東京の「神保町フォーラム」及び「道警不正問題を徹底解明し、信頼回復を求める道民の会」と共催してシンポジウムを開催します。 参加料は無料です。
 シンポジウムのテーマは「広がる警察の腐敗 裏金から警官犯罪まで」パネリストは大谷昭宏、宮崎学、魚住昭、石坂啓の4氏ほか原田宏二です。またコーディネ-ターは市川守弘弁護士が担当します。

★シンポジウムの案内リーフはこちら




前のページへ


19. 2.25(日) 「市民の目フォーラム北海道」原田代表の函館講演
     
 「市民の目フォーラム北海道」inはこだての開催について

 講演テーマは「道警の裏金問題から見えてくるもの」と題しての開催ですが、参加料は無料です。お知り合いをお誘いの上、是非ご来場下さい。

 日 時:3月10日(土)午後6時から午後8時まで
 場 所:函館市大森町2番14号 「サンリフレ函館」
 講 師:市民の目フォーラム北海道 代表 原田宏二


※ 「市民の目フォーラム北海道」は、平成19年2月10日(原田宏二氏の告発3年目の記念すべき日)に札幌で設立したものです。
 この会は警察の様々な問題に関心のある幅広い市民が集まり、警察に関する情報や意見を交換し、真に市民のための開かれた警察の実現に取り組んで行こうとする目的を持っています。
 HPのURLはhttp://shimin-me.netです。

 また「市民の目フォーラム北海道」では、早速2月20日には北海道知事選候補予定者や道議会各会派に公開質問状を発出したほか、北海道に平成18年度予算の執行状況、平成19年度の予算算出の根拠などについて情報公開請求をしたところです。 
 併せて公安委員長が議会にどの位、出席しているのかも道議会議長に情報公開を求めました。回答内容は、逐一ホームページで公開して行く予定です。
 
 「市民の目フォーラム北海道」事務局スタッフ 齋藤邦雄




前のページへ


19. 2.10(土)
記念すべき日に記念すべき場所から「市民の目フォーラム北海道」スタート
 
 道警OBの原田宏二氏が、道警の裏金疑惑を記者会見で告発した平成16年2月10日、それから3年目後の同じ日、場所も同じ札幌弁護士会館で「市民の目フォーラム北海道」の設立総会が開かれ、道内外からその趣旨に賛同する十数人が集まった。

 集まったのは、20歳代から60歳代までの男女で、企業などの経営者、ビルのオーナー、作家、ジャーナリスト、労働運動や各種の市民運動のリーダー、警察OB、OL、主婦など幅広い市民。設立総会では、規約が承認され代表には警察OBの原田宏二氏が互選された。その後、約2時間にわたり今後の運動の進め方などについて熱心な情報や意見の交換が行われ、市民が力を合わせて、明るく民主的な警察の実現することを誓った。

 当面は、3月19日午後6時から札幌教育文化会館で東京の「神保町フォーラム」などと共催で、大谷昭宏、宮崎學、魚住昭、石坂啓氏らを招いて「広がる警察の腐敗 裏金から警官犯罪まで」と銘打ったシンポジュームを開催することとしたほか、統一地方選挙前に政党などに対して「警察刷新に関する公開質問」を行うことを決めた。

 設立総会には、ジャーナリストの大谷昭宏氏から「市民の目から見るというすばらしい会の発足、遠く大阪の地からお祝いを申し上げます。今後、この『市民の目フォーラム』が広く、警察監視の網を広げ、市民のための警察実現に実りある活動を展開されることを期待しております。私も今、腐り切った北海道警、日本警察と闘っている立場です。」との祝電が寄せられた。
 このほか、愛媛の「仙波さんを支える会」と神奈川の「警察見張番」からも激励のメッセージが届けられた。






原田代表、記者会見でアピール

 2月10日 原田宏二代表と市川守弘弁護士が、道政記者クラブで記者会見をして「市民の目フォーラム北海道」の発足を発表しました。

 記者会見には、道政クラブ加入各社の記者10人ほどが集まり、TVカメラも2台の取材でした。TV放映の確認はできませんでしたが、札幌で読める新聞4紙で報道されたことが確認しました。朝日新聞は代表の原田宏二の写真入り4段56行で扱いがもっとも大きく、読売、毎日1段のほぼ同じ扱い、地元北海道新聞は見出しを入れて1段27行の扱いでした。

 道民の皆さんからは、午前中だけで早速数件の電話による相談が寄せられました。
 扱いは小さくてもメディアの報道の力はすごいですね。
 道政記者クラブの記者の皆さん、ご協力ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。






前のページへ