Only on the winter solistice and a few days before and after it, the sun sets on Mt. Fuji as viewed from the summit of Mt. Takao in the west end of Tokyo, which Michelin gave three stars. It is called "Diamond Fuji". (December 20, 2007: At the summit of Mt. Takao)
冬至前後の数日に限って、富士山に日が沈むのが高尾山頂から見え、「ダイヤモンド富士」と呼ばれます。左は丹沢の大室山です。「ダイヤモンド富士」とは、広義には富士山山頂での日の出または日の入り、狭義には山頂から部分的に出ている太陽が放射状に光彩を広げる現象を言うのだそうです。
On December 26, 2008, I saw the Diamond Fuji (left) but a partial cloud obscured the sun.
Finally on December 27, 2008, from Hachioji City, my shot captured the decisive moment of the Diamond Fuji (right) in its broader sense, i.e. the sun sets on Mt. Fuji, and in its narrower sense, i.e. with radial rays.
2008年12月26日に八王子IC南側台地の南端で「ダイヤモンド富士」(左側)を見ました。
2008年12月27日に遂に満足できる「ダイヤモンド富士」の写真(右側)が撮れました。狭義の放射状の光線も撮れました。これで卒業することにします。八王子市大和田町七丁目大善寺から200mm程度のZoomで減光Filterで撮影しました。右側の山は高尾山(599.2m)です。撮影点(130m)が高尾山より低いため富士山が高く見える効果と、高尾山頂より遠いので富士山が低く見える効果とは相殺するが後者がやや勝る(ため、右斜めに沈む太陽が富士山頂の高さまで落ちる位置が右=北にずれる)のと、撮影日が冬至から経っているために(日没が右にずれるので)、富士山頂→高尾山頂の延長線上よりも南で撮影したことになります。

On December 23, 2010, the weather was super, and the Diamond Fuji was the best of what I had seen in my life.
2年前の写真で「ダイヤモンド富士」卒業宣言をしたのだが、2010年12月23日は余りにも天気が良かったので、また高尾山山頂で「ダイヤモンド富士」を撮影してしまった。休日だったので山頂では数百人が押し合いへし合いで、枝が画面に入る場所しか得られなかった。しかし生涯ベストのショットになった。
ダイヤモンド富士と呼ばれる現象がある。その定義は、広義には富士山頂の日の出または日没であり、狭義にはそれに光彩つまり放射状の光線が見えることを言う。ダイヤモンドの指輪の輝きを連想させる素晴らしい瞬間が見られる。京王電鉄は冬至前後の5日間に高尾山頂に上れば、午後4時過ぎにダイヤモンド富士が見られると、毎年PRしている。これは偶然ながら真に理想的な舞台設定なのだ。
日の出・日没の位置は、我々の住む北緯35度前後では1年の間に真東・真西から±30度の範囲で南北にずれる。従って真東±30度、または真西±30度の範囲に富士山が見える場所なら、1年のうちには何時かダイヤモンド富士が見えそうなものだが、そうは行かない。まず太陽の直径が地球から見てどのくらいの角度に見えるかに注目すると、視角0.53度である。一方富士山頂の平らに見える噴火口の直径は約750mで、54.5km離れた高尾山頂から見れば視角0.79度、63.5kmの八王子駅ビルから見れば0.68度、93.0kmの西新宿高層ビルから見れば0.46度に見える。81km以上離れると山頂より太陽が大きく見えてしまうから、富士山頂の日の出・日没とは言い難くなる。富士山から81km以内で±30度の地域を探すと、富士山の西側は概して山地でアクセスが難いから、日の出を見るには相当の努力を要する。日没で可能性があるのは、冬に多摩地方、夏に湘南地方から箱根ターンパイクまでである。
天候を考えれば当然冬である。例え天候に恵まれても春分秋分には、日没位置が毎日0.6度移動するので、富士山がよほど大きく見える場所でないと太陽が富士山の山頂を跨いでしまう可能性が高い。春分で言えば南斜面への日没の翌日は北斜面へと跳びそうだ。或る年の春分に偶々山頂に日没したとしても毎年0.15度ずつ南側にずれて閏年の春分には0.6度北側にずれる。しかし冬至±2日では0.01度、冬至±5日で0.08度、冬至±10日で0.3度しか移動しないから、例え雲が掛かって不満足でも翌日同じ観測場所から再チャレンジできる。この移動幅は夏至の前後でも同様だ。
天候に確信が持てれば冬至前後に高尾山頂に上るのが一番良い。近景に障害物が入らない遠景だけの写真を撮ることも出来る。好天が多い冬の、日没位置がほとんど変わらない冬至前後に、邪魔物が無く富士山を大きく眺められる場所に、ロープウェイで比較的容易にアクセスできる理想的な観測場所だ。毎年2-3百人がカメラを携えて山頂に詰め掛けるから、日が沈んだらすぐロープウェイ駅に急がないと待ち行列になってしまう。冬至には真西から28.5度南にずれた地平線上に日は沈む。冬至に太陽は地平線と53.4度の角度で沈むから、富士山頂の日没の場合は富士山3,776mと高尾山599mの高度差だけ早めに日没が起こるために、上記28.5度よりも更に2.5度南の31.0度に日没する。地図で見ると高尾山から富士山を見た角度は31度よりもやや大きいので、その分富士山頂を外れることはないがど真ん中よりはやや北寄りに日は沈む。
快晴であっても地平線近くに雲や霞が発生していることはよくある。そんな日に高尾山に上って無駄足になってはかなわない。そういう時は車で八王子市内に観測場所を求めるのが良い。市街地だけに高尾山よりも視野が妨げられ勝ちという欠点を、高尾山よりもアクセスが容易という利点で補って、八王子市内も理想的な観測場所だ。高尾山より標高が低い分富士山が高く見える効果よりも、高尾山よりも遠くから富士山を眺めるために富士山が小さく低く見える効果の方が大きいために、冬至前後であっても富士山→高尾山の延長線上の八王子市内では駄目で、延長線上より南側で観測する必要がある。冬至から離れた観測日には更に南側に移動する。天気の良い日には、富士山が望める高台、ビル、歩道橋、橋や陸橋などに、経験から日を知っている人やシミュレーションソフトで見当を付けてくる人達が数人から2-3十人は必ずカメラを持って来ている。
目を傷めないように日蝕と同様にフィルタが必要だ。太陽を直接見ないでデジカメの表示だけを見るならそれでもよい。昔は日蝕をガラス片に蝋燭の油煙を付けて観測したものだが、持ち運びに不便とすれば写真フィルムの両端の感光部が濃褐色に現像された部分を切り取って2-3枚持って行って重ねて使えばよい。或いはDIY工作材料店で「スモーク」のアクリル板を買ってきて細かく切り、2-3枚重ねて使う方法もある。フィルタをカメラに付ける人もあり、付けない人もある。一眼レフなら市販のフィルタを装着すればよいが、何しろ太陽を撮影するのだから日頃はとても使えないような減光率の高い(価格も高い)フィルタである必要がある。一眼レフ以外のカメラではフィルタを取り付けるネジが無いことが多い。そういう場合はスモークのアクリル板をセロテープで貼り付ければフィルタになる。逆光の近景に邪魔されず富士山と太陽を大きく撮影できるズーム付きのカメラが絶対必要だ。自動焦点は明るい太陽が対象ではうまく働かないことがあるから、手動焦点で無限大に合わせておく。露光も手動が望ましい。自動で撮ると明る過ぎて太陽の輪郭が撮れない。露光調整を-2にして自動露出にすれば太陽は丸く撮れる。光彩は肉眼では眩しくて見え難いが、カメラはよく捉えてくれる。後で連続写真を簡易動画にするつもりがあれば三脚は必須だが、そうでなければ三脚は要らない。但しフィルタ無しの一眼レフだとファインダが眩しいから予め三脚でセットした方がよい。
なぜ光彩が生じるのか? 一番の可能性は、太陽には光彩がなく、カメラの性質特にデジカメの場合はセンサ配列の関係で生じるのではないかという疑いだ。もし太陽光に光彩があるとすれば、恐らく富士山頂が太陽の一部を隠した時に、山頂の凸凹のために方向によって光の強弱が生じ、それが空気中の塵や水蒸気を照らし、観測者からは放射状に明暗が見えるものと推察できる。ただ軍旗、朝日新聞旗、Arizona州旗などを初め光彩の描写は極めて一般的だ。しかし私が見た雲の無い水平線上の日の出・日没で光彩を見た覚えはなく、写真を見直しても無い。
見当をつけるシミュレーションソフトは、山の見え方を描く「カシミール」が最適だ。書籍「カシミール3D入門編 杉本智彦 実業之日本 \2,520」を購入すれば附属CDで目的が果たせる。但し良く出来た高機能ソフトだから操作もやや面倒。簡単には無料ソフト「FarSky」がよい(Windows 7では動かない。動かす方法をご存知なら教えて頂きたい)。星の見え方を描くソフトだが、富士山だけは地平線上に描いてくれて、太陽の位置を表示してくれるから、日没の状態も判る。カシミールと違って観測値の標高による見え方の修正はしてくれないので、標高だけ富士山を低く移動させたと仮定して見るしかない。しかしあくまでシミュレーションだから、それで見当をつけて実物を見た上で必要な修正をするという考えが必要だ。なおシミュレーションソフトが要求する正確な緯度・経度は、国土地理院のオンライン地図をダブルクリックして得ることができる。
八王子市内から見る場合、上記のように太陽の直径0.53度と富士山頂の幅0.68度の間に0.15度の尤度がある。これは212mに相当する。つまり観測地点は富士山方向と垂直な誤差幅200mの範囲でなければならず、出来ればその中央に位置したいものだ。太陽とか富士山とかでっかいものを相手にしている割には精密さを要求されるのだ。高尾山頂の場合は八王子市内より富士山が大きく見えるために、許容誤差幅は 368mである。しかしその幅に偶々高尾山頂が入っている偶然に驚きを禁じ得ない。
ダイヤモンド富士は美しい。インターネットで「ダイヤモンド富士」で引ける多数の写真を見ただけでもその片鱗は分かる。上記からも分かるように、それを実際に見るにはかなりの努力が必要だ。しかし努力が報いられる以上の感動が味わえる八王子の冬の風物詩だ。
最後に私が知っている八王子市内の観測適地を幾つか示しておこう。「冬至からのズレ日数」の太字が最も条件が良い。この日は最初の3行では最も南に富士山頂中央に最も近い位置に太陽が沈む。後の6行ではこの日に太陽は富士山の南端付近に沈み始め、中央付近で沈み終わる。太陽の下端が沈み始めてから、上端が最後に沈むまでに、太陽は0.39度ほど北に移動する。従って富士山頂に太陽がどこまで沈むのを以てよしとするかで、ダイヤモンド富士の定義が変わって来る。しかし山頂中央で沈み終える太陽は明るさが限られるので、富士山の表情の明るさとの差が減少して良い写真が撮れ易い。
| 冬至からのズレ日数 | 北緯35度XX分YY秒 | 東経139度XX分YY秒 | 八王子市XX町 | 説明 |
| -1〜0〜+4 | 37'31" | 14'37" | 高尾町 | 高尾山頂。標高599m 富士山頂中央よりやや北に沈む |
| -2〜0〜+6 | 40'18" | 20'50" | 大谷町 | 八王子IC南側台地の南端 |
| -3〜0〜+8 | 40'06" | 20'34" | 大和田町7丁目 | 大泉寺・大善寺下、または上 |
| -8〜-6 +11〜+13 |
39'58" | 21'14" | 大和田町4丁目 | 大和田小の西側歩道橋 |
| -9〜-7 +12〜+14 |
39'47" | 21'09" | 大和田町5丁目 | ムラウチ電気駐車場屋上 2011年のビルで視界が悪くなった |
| -16〜-14 +19〜+21 |
38'32" | 19'43" | 小比企町 | 由井第三小の南東の橋 |
| -18〜-17 +22〜+23 |
39'22" | 22'41" | 日野市豊田 | 豊田陸橋 |
| -19〜-18 +23〜+24 |
37'47" | 19'08" | みなみ野5丁目 | 栃谷戸公園展望台・横断歩道 |
| -20〜-19 +24〜+25 |
39'03" | 22'53" | 日野市平山 | 平山橋。上流の滝合橋でも可 |