与那国島

その1



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アラウンドクリスマスは南の島で、という事で今年は与那国島を目指した。

日本国の最西端とか、海底遺跡らしき物があるとか、ドラマで有名になった、とかの動機等は一切関係無い。
ただ、南西諸島、先島諸島を少しばかり把握してみたいだけだったりするのだ。

神戸空港から旧:南西航空、現:日本トランスオーシャン航空JTA(ジャル系)が石垣島に直行する。
平生は安全と質の観点からひたすら好んでANAを利用するのだが、与那国には路線がなく、
かつ個人ツアーの方がかなりお得感があるので、物凄く久しぶりにジャル系列を利用することになった。


例えばチェックインのシステムも今更の航空券の発券であったりと巨大になり過ぎた組織故のスムーズさに欠ける辺りは、普段のANAには無い事で、神戸空港でもそれなりにストレスが溜まる。

すわ乗り込んだ航空機の機材も相当古くなかなかスリルがある。
座席配分も(重量バランスのレベルでは無い)およそサ-ビス業とは思えない位にぎゅうぎゅうしかしガラガラ。
もう目茶苦茶で正直驚いた。

機内中央に確実に100席は空いている「状況で、前方のしかも恐ろしく狭いシートに客同士がひしめき合い、
後方は団体が集められて一種異様な光景であった。
お客様に快適にお過ごし頂け~なんて概念は確実に無いのだろう。
まさか飛行バランスを考えてだけ~では無いだろうが、それだけ機材の古さは隠せないのかもしれない。

ドアクローズと同時に座席を移動しようと座席上の荷物を入れた棚を開けるようと試みるが開かない・・・。
古くてコツがいるようだ。本当に日本の企業か、と思ってしまった。
旧ソ連時代の国営航空等ではよく聞いたハナシだ。

企業の体質というものには意外と消費者は敏感に反応すると思うのですが・・・。
まぁ命が無事なら良しとしよう、と心に決めた頃に飲み物サービスがあって、コーヒーを下さい。
う~ん、もしかしてこれはインスタント?というほど美味しいとは言い難かった。
そういえば機内アナウンスなんて終止よく聞き取れないなんてもう素敵だ。


さて、今度のプランはいたってシンプル。神戸から石垣に飛び、石垣で一泊。
翌日、石垣から与那国に飛び数泊。
最終日は乗り継ぎながら一気に神戸に戻る、というものだ。

JTA145便の飛行時間は2時間半。那覇で乗り継ぐ場合は最低でも5時間弱はかかるので早いと言って良い。
到着後は空港から離島ターミナルに移動し、移動時間が10分の竹富島に船で移動する。
去年の同時期に一度行って素敵だったので再訪するつもりだ。
再び石垣に戻ってホテルにチェックイン。夜は街中に繰り出す。


全くの余談だが、
旅行が好きな人同士で話をしていて、あるパターンについて見解が一致する。
例えば他人に「旅行に行く」旨、言った際に、二つのパターンの返事がある、ということだ。

A:良いですねぇ~私も行ってみたいわぁ~(或いは、行った事がありますよ~等)、楽しんで来て下さいねぇ~~

B:へぇ~お金があるんですねぇ・・・(><)

このBパターンには閉口するのだ。
そもそも旅行は唯一の趣味であって、お金があるからどこかに行く、という訳ではないのだから、話が全く噛み合わない。そして、例えば私なぞは酒、タバコ、賭け事の一切に浪費をしない。年に5回ほど行く居酒屋でせいぜい生ビール
を一杯だ。週に2回ワインをボトルでも注文している人に比べたら金額的消費は相当額少ない。
しかも、自由業の強みで繁忙期には一切家から動かず、大抵が底値で移動するから単に技術があるだけなのだ。
しかしながら、上記の説明はうざいので、はいはい~とお返事する事にしている。というか話さない方がベター。

閑話休題


定刻に石垣に到着した。ここの空港での着陸は壮絶だ。滑走路が短いために物凄い逆噴射ブレーキがかかる。
今日も色々な品が後ろから滑って来たり、本が飛んでいたりした。
数年後開設される新空港までの独特のセレモニーと考えたら貴重だ。
降機の際、タラップを降りたらサンタさんに扮した係員がひとりひとりにお箸を配ってくれた。
粋なプレゼントではないか。

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三人のサンタさんとトナカイ

その2

荷物を取り、タクシーに乗り、離島ターミナルに向かう。
空港に2時に到着して移動し、2時半の竹富島行きの船に間に合う辺りが凄い。
しかも到着して、3時前にはもう島内を自転車で周っていた。

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天候は晴れ、気温は25度で過ごしやすい。一気に気分が楽になった。
美し過ぎる海や街を周るのだが、ルーティンが出来上がってしまって去年と全く同じ道を辿ってしまった。
初回に比べると感動は薄れるものの、余裕で風景を味わう事が出来るからそれも良いのかもしれない。
それにしても、空も海がおっそろしく綺麗だ!

結局、5時15分発の船に乗る際までうろうろ。最後に再訪の喫茶店にてパッションフルーツジュースを。
普段フルーツ飲料を飲む事など皆無な私だが、こういうシチュエーションでは飲めてしまう。


この店はショップも併設しているのだが、そこで横笛を購入する若い女性が
お店の奥さんに音の出し方を尋ねていた。全く吹けないけど欲しい~のだそうだ。
全くラチが明かない会話に老婆心で「ちょっと貸してみて下さい」~ぷぅ~~と、私。
まぁ、笛は吹けますので、学校の授業をするが如くに丁寧に解説して差し上げた。
神戸から来た私が竹富島で石垣島から来た人に小浜島の笛の手ほどきをしたことになった。

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       西桟橋               西表山猫ならぬ竹富浜猫?



石垣に戻り、ホテルにチェックインの後、街中に繰り出す。
結構な距離を楽しく歩いた。昔の神戸なり日本はこうだったなぁ~という風景が散見出来て何だか懐かしい。

夕食は牧場直営の石垣牛の専門店での焼肉である。
意外にあっさりとしていてこれが大当たりであった。
とても満足したのち、ブラブラしてホテルに戻る。

自宅で起床した朝は摂氏6度。現在は26度に設定した冷房が効いている。
いずれにせよ一気に日常を脱しつつ、なかなか濃い楽しい一日になった気がする。
明日は午前中に与那国島に飛ぶのだ。

その3

翌日は生憎の雨。
ホテルの美味しくないバイキングを食べる。
「ばい菌グー」とちゃうか、というほど何となく清潔感が無いので大変苦手なのだ。
特に大型業務用炊飯ジャーのご飯とそのヘラが見苦しくて苦手だ。

タクシーで空港に向かい、順調に与那国行きの便に搭乗。
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時刻表での所要時間は30分でも実質の飛行時間は20分弱。
強風での着陸にはひやりとしながらも無事に与那国空港に着いた。

予約をしていたレンタカー屋さんの出迎えを受けた。
ここから島らしいゆるさが始まる。

係の人がいきなり車の鍵をくれる→空港の駐車場にある指定された車に乗り→向かいにある店舗に行く→
別の係りの人と書類上の手続き→そこの棚にあるCDも自由にお持ち下さい(何枚でもOK)→行ってきます・・・

島一周は28キロしかない。多分到着した今日一日だけで十分周れるだろうと思っていた。
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やはりだ・・・ゆっくり周っても1.5周してしまった。
途中に南牧場なる箇所を通るのだが、公道をまたいでいるため、公道上はいわゆる馬糞だらけである。
これには正直驚きますよ。
(老婆心ながら、もしこの島に行かれる方、特別な目的が無い限り一泊で十分だと思います。)

昼は特産のカジキのお刺身定食、夜はマグロの頭をバターで炒めたヤツとか何とかのお寿司とかを食べた。
いずれもホテル外で探した出したお店である。
人口が1300人位なので店舗は少なく、ましてや自分の意思に的確なお店を探し出すのも大変だが、両方正解。


夕方に買出しに出掛けたスーパーも都会では考えられない広さと品揃え。
しかしながらこれで十分かも知れないと感じたりもした。

その駐車場で出会ったワンちゃんが「琉球犬」という犬種で人懐っこく、可愛がっていたらそれがきっかけで
その飼い主の男性と談笑した。
牛を育て、畑を耕して生活をしているのだそうだ。彼の買い物は冷凍チキンカツだったが・・・。

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この島はとにかく風が強い。今日でも強いと閉口していたが、島人に聞けば「ぜんぜんマシ」なのだそうだ。
そういえばここには高い木が皆無だし、電柱を支える電柱(要するに二本組)が立っていたりする。
快晴などはこの季節に期待するな、という。しかし太陽が差し込めば物凄く暑いのだそうだ。

でも出会ってお話しをした島人は皆さん「明日は晴れたら良いですねぇ」と言ってくれる。

その4

翌日。
曇天である。風も強い。
朝からもう一度、いわゆる観光地をゆっくりとさらって行く。

昨日、強風に閉口し退散した東崎(あがりざき)を再訪。
与那国らしい風景が広がる。しかし馬糞のオンパレード・・・冬で良かった。

これまた再訪した比川地区でドラマ「ドクターコトー」のオープンセット付近をうろついたり、
お昼に与那国そばを食したりとのんびり過ごした。のんびりとしか過ごせない~と言うべきか。

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オープンセット           与那国そば



今日は2周半したかな。
夕食に少し変わった品を食した。
カジキのから揚げは御当地らしかろうが、イルカのステーキには驚き。
オオタニワタリという植物の天ぷら等も楽しかった。

その5

翌日・・・
曇天です。風は少しマシだが・・・。
今日は人面岩なる岩を見れる自然歩道を散策したり、漁港で釣りをしたりとゆったりした時間を過ごした。

三日も島にいると少々退屈してくるが、余裕で色々な物が見えてくるからそれも良い。
途中、数回は晴れて少しばかりの太陽も見え気分も楽になった。
観光ポイントを回っていると同じ観光客に3回は逢ったりする。
それと、なぜか一人旅の女性(男性も)がとても多かった。なぜだろう・・・。

とにかく、どこでも海が綺麗で、例えば、とある堤防で下を見ると簡単に魚が見えてしまうから凄いですね。


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ミノカサゴ(毒あり)

その6

最終日は残念な事に・・・晴れた・・・

まず与那国空港から石垣に飛び、3時間程のトランジット時間に昼食、石垣の公設市場に行き、買い出しである。
その後、滑走路の短さ故に燃料をフルにして飛べない神戸行きのJTAは石垣空港の短い滑走路から
那覇までの燃料を積み一旦那覇空港に着陸する。わずかな時間、那覇空港に寄港。
その後、給油と少数だが那覇から乗り込む客を乗せて神戸に飛ぶのだ。
これが例えば宮古空港なら滑走路が長いので那覇に寄らずに飛んだりするのだが、石垣空港の現状では無理。

しかし、既に工事中の新石垣空港が完成した暁には劇的に変化するだろう。
まず、現在の150乗りのB737型以上の航空機が飛来するだろうから、一日の乗客の数も大幅に増えて、
現在よりもかなり都会的になってしまうのは確実かも知れない。

実際の帰路はそれは面倒だった。
当然だが、カバンから携帯電話、デジカメ、パソコン、ペットボトルなどは一旦出して申告しなければならない。
与那国空港で荷物の検査、チェックイン、手荷物検査。長らく待機。
恐ろしく狭い機内は満席。30分以内に石垣空港に到着。
再び石垣空港で手荷検査。長らく待機。
恐ろしく狭い機内は満席。45分ほどで那覇空港に到着。
給油のため全員手荷物を持ってロビーに出されしばらく待機。
30分後に再び機内に入る。80パーセント位の乗客、しかし座席配分がめちゃくちゃ。つめつめと空き空き。

前記したが、元々南西航空として那覇を中心に島々のみを飛んでいて、飛行時間が短かった名残だと思うが、
前後の座席幅が驚異的!に狭くかなり閉口する。その飛行機を親分が何かの削減のためだろうが、ボス会社が
元ジャル路線に就航させて2時間弱の路線まで飛ばすわけなので明日は整体の治療が必要な身体になる・・・前の客がシートを倒したりしたら想像を絶する空間になるのだ!


img176.jpg驚異的空間!多分55センチくらいかなぁ

あまりモンクばかり言っていてはいけませんけど、決して快適ではありませんので覚悟が必要かと。
旅の楽しさをその移動体にも求める私とは相性の悪いカンパニーのようだ。
ぜんにっくうでは全く思わなかったのになぁ・・・。


ところで、近代化は南の島にも押し寄せていて、大変便利だが、しかしどんどん都会化されて行く感は否めない。
その点、与那国島はコンビニもなければ大型スーパーなんてものは勿論、コーヒーを飲むにもまだまだ苦労する。
貴重な数日間であったことは確かだ。



実のところ再訪は定かではないが、楽しい記憶と共に20度近く気温差のある年末の神戸に戻った。


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与那国馬と与那国と私