1. 伊勢弁の基本 P 1
伊勢弁講座入門編
 日本は、欧米やアラブのように一神教の国と違ごうて、八百万(ヤオヨロズ)いうて仰山
神さんがおいなさる。せやけど、おおもとは伊勢の皇太神宮に祀られている天照大神(皇室
のご先祖)やから、日本(ニッポンであって、ニホンというんはまちがいやに〜)といえば
伊勢、伊勢をおいては日本は語れんやろちゅう事で、伊勢弁を覚えて貰おうちゅうわけや。
 その伊勢やが、神宮のある伊勢市という街があるもんでややこしんやけど、昔は三重県の大半を勢州と言うた時代の国名なんやな。せやから、三重弁ちゅうてもええんやけどなあ、やっぱり、伊勢弁て言うほうが馴染みやすてええな、思うてな、伊勢弁講座にしたわけ。
 そうは言うても、伊勢は広い。中勢、南勢、北勢、伊賀、東紀州、志摩まである。地方で
言葉も全く違うし、イントネーションかて違うのです。私は、中勢に生まれ、育ったけど、
山てと、浜(海岸地方)とでは、全然違うんやな。年代によっても違うしな。それがまたな
今しは昔と違ごうて、自然に混ざるもんやさかいに、正確な伊勢弁はこれや言うのは難しいんやな。
 そんなアバウトなもんか?と思われそうやけど、三重県人いうのが大体アバウトでして。
マア、日本人の代表的なもんやから、難しいことはヌキにして、そんなら、ぼちぼち始めましょか?   
T
「〜な」 伊勢弁の特徴のひとつは、語尾に「〜な」がつくことです。「〜ね」の意味ですが、柔らかい口調が普通ですが、それぞれのシーンでニュアンスが若干異なります。時
には、のんびりすぎるのでないか?と思われるくらいオットリした口調で使われる場合もあり、命令口調の時もあります。

 (使用例) 今日はな、あいつとな、名古屋えな、遊びにな、行っとったんやんな

 (使用例) 早よう せんかな!(早く しないか!)
       早よう 持っといいな!(早く 持っておいで!)

「〜さ(あ)」 「〜な」のかわりに「〜さ」または「〜さあ」が語尾に使われることもあります。語尾を上げる場合と下げる場合とでニュアンスが変わります。

 (使用例) 今日はさ、となりのさ、あいつとさ、津へさ、遊びにさ、行っとったん
      やさあ
U
「〜に」「〜やに」「〜やわ」も語尾によくつけます。「〜だよ」などの「〜よ」の意味です。おっとりした伊勢弁特有の使いかたのひとつです。語尾を引っ張ると更におっとり
した表現になります

 (使用例) 多分あいつ休むに、もう迎えに来る時間やに、 ええ気持ちやわ    
V
「〜ん」「〜やん」「〜へん」これもよく語尾につけますが、使い方は様々です。

 (問いかけの場合の使用例) 一緒に津へ行かん?あるいは、行かへん?(行かないか               ?の意味で語尾をあげます)
 (否定形で使う場合) 買い物には行かん、あるいは、行かへん(行かないよの意味)
            そんなことはせえへん、しやせん(しないという意味)
            買い物には行けやん(行けないという意味)
            それは持っとらん(持っていないと言う意味)
            ちょっとそれはできん(できないという意味)

 (疑問詞としての使用例) そんなんできるん?(そんなのできるのか?の意味で語尾              をあげます)