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第3回戦後初期労働映画上映会

未来の芽をみつめる日々――教育労働者の日常――

『白雪先生と子供たち』

(1950年、大映・労働組合映画協議会提携製作、監督:吉村廉)

 

 解説: 篠田 徹 (早稲田大学社会科学総合学術院教授)

 日時: 6月13日(土) 14:30〜17:00

 場所: 早稲田大学 早稲田キャンパス 22号館 203教室

 参加費: 無料

  *上映会の最後に,次回の予告編として『邁進』(1946年,約15分)を上映します

 

(注) 上記ポスターは,「GOODS  MOVIES  COLLECTION 銀幕・懐かしの映画特集」

(http://musashi-m.hp.infoseek.co.jp/natsuka6.html)による.

 

 

◇基本データ

タイトル 白雪先生と子供たち

公開年   1950年

製作国   日本

配給     大映

◇スタッフ

監督    吉村廉 (ヨシムラレン)  

原案    森岡昇 (モリオカノボル)  

脚本    八住利雄 (ヤスミトシオ)  

企画    土井逸雄 (ドイイツオ)  

撮影    峰重義 (ミネシゲヨシ)  

音楽    渡辺浦人 (ワタナベウラト)  

美術    今井高一 (イマイコウイチ)  

照明    安藤真之助 (アンドウシンノスケ)

 

◇キャスト

俳優名          役名

原節子 (ハラセツコ)   雨宮加代子

関千恵子 (セキチエコ) 妹千絵

茂崎幸雄            服部良夫

瀧花久子 (タキハナヒサコ) 母はま

小濱崇 (コハマタカシ) 原島敏彦

山口勇 (ヤマグチイサム)   父政道

大平正 (オオヒラタダシ)   木塚常治

宮崎準 (ミヤザキジュン)   橋本先生

吉川公一郎 (ヨシカワコウイチロウ)    校長先生

 

◇解説

 原作は,中野六中の教師森岡昇の『太陽は子供の上にも』.日教組と労働組合映画協議会が募集した劇映画筋書きの当選作.「夫婦善哉」「大阪の宿」の八住利雄が脚色し,監督は「美貌の顔役」の吉村廉.撮影も同じく「美貌の顔役」の峰重義の担当.主演者は「晩春」の原節子「花の日月」の山口勇「虹男」の宮崎準(準之助あらため)「美貌の顔役」の関千恵子,瀧花久子らと劇団青い鳥の茂崎幸雄,小濱崇らである.なお企画は「愛染草」「花の日月」の土井逸雄で,日本教職員組合との協力作品である.

◇ストーリー    

 東京都のはずれにある明風小学校の校庭の片隅には子供たちが色々と遊んだり学んだりする池がある.この池を管理している六年二組を担任する女教師雨宮加代子は,最近しきりとこの池の鯉が盗まれ,しかも同時に児童達の間に野蛮な言葉がはやりメンコやベイゴマの賭け事をする児童のある事を知り心傷めていた.組の級長服部良夫は母のはまと二人きりの貧しい暮しであった.はまはPTAの有力者原島政道の染料工場の小使として働いているので,その恩義を深く感じ気の進まぬ良夫に原島の息子敏彦に宿題を見てやるように言い含めていた.ある朝雨宮は浮浪児の常治が敏彦始め一部の児童に悪影響を与えている事を知った.

 日曜日のひっそりした校庭で良夫は常治が鯉を盗んでいるのを発見し常治と争った.その日当直だった雨宮は,このことは先生に任かしてくれと良夫にいいふくめ,常治を説得して自分の下宿に連れて行った.常治はそれから雨宮の計らいで,二組に出入りすることになったが,学力の低下はどうすることも出来ず改めて三年を受持つ橋本先生の組に編入することになった.

 橋本は表面は,雨宮の教育方針に厳しい批判の言葉を投げかけていたが心の底では,真摯な情熱をたたえ何かにつけてその行動をかばっていた.ある日雨宮が病気で休んでいる時,敏彦が自治会での決定事項を破る行為をしたため良夫は母の立場を案じながらも意を決して雨宮に敏彦の行為を告げた.敏彦は深く良夫を恨み,母のはまも恩人の子に対して何をするかと良夫をせめた.そのころ原島が寄附した理科室の顕微鏡が何者かの手によって盗まれた.

 雨宮は常治を連れてこの教室に入って来た時,常治が顕微鏡に異常な関心を持っていた事を思い浮べた.それに前後して常治は勝気な雨宮の妹千絵に反撥して彼女の下宿を飛び出したのであった.そして常治が教室に忍び込んだが,常治の手には白い野花が握ぎられ,それを顕微鏡で見ようとして来たのだが,既に顕微鏡は盗まれている.その様子を見た雨宮は犯人が常治でない事を知って一安心した.

 原島の染料工場が再開したので汚毒物が池に流れ込み,清く澄んでいた池が濁り鯉は次々と死んでいった.児童達は抗議したが原島は雨宮が児童達をそそのかした仕業と誤解して受附けなかった.児童達はそれ故泥だらけになって池を守ろうとした.雨宮はPTAに協力を求めたが,その結果雨宮を辞職の決意に追い込ませた.だが悔悟した敏彦は池の中にぶち込んだ顕微鏡をとりに行き,良夫をこまらせるため自分が盗んだと白状した.そしてあくまでも池を守ろうとする純心な児童達の姿に原島の心も動かされた.やめようとする雨宮をひきとめる児童達のさけびに雨宮は感動され「あなた達がいる限り,先生は決してやめないわ」と言った.児童達の協力と友情によって学校も明るくなった.校庭の池も再び清澄な水をたたえ始めた.

 

パンフレットの写真より (http://musashi-m.hp.infoseek.co.jp/natsuka4.html)