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2004/08/06(2005/09/28 修正) ベストグループ本部、電話インタビュー

 7月10日、ベストグループ本部が藤倉の電話インタビューに応えた。これに先立って、当サイトを含めいくつかのネット掲示板で物議をかもしていたベストグループ本部は、7月6日には当サイト宛メールで釈明と内部調査結果を送ってきていた。今回のインタビューは、主にこのメールの内容を確認するもので、応対してくれたのは、株式会社ベストの代表取締役。
 まず、7月6日に当サイトに送られたメールの要点は、以下の通り。
  • 掲示板で物議をかもしたことで、いろいろ気付かされた。反省とともに改善すべき点は改善している最中である。
  • ベストグループの会員・研修参加者で幸せになった人は、1,400人以上いる。さらに、500〜600名が徐々に幸せになっているところで、幸せになりたいと努力しているのが約300名である。
  • 辞めた人の商品購入状況を(株)ベストに確認したが、購入額がもっとも多額だった人でも、在籍2年間で33万円だった。
  • そもそもベストグループでは商品を販売していない。紹介しているだけ。会員は、商品をベストグループではなく(株)ベストから買っている。研修も同様で、ベストグループは紹介しているだけ。
  • 関東では、家族の反対がある会員は11名いた。全国については、現在調査中。どうしても家族の反対があるなら、ベストグループの活動への参加を自粛してもらうか退会してもらう。実際、すでに2名の会員に、参加を自粛してもらっている。
  • 「(ベストグループを)辞めると不幸になる」「辞めると病気になる」とかの表現をした会員は、調査の結果6名見つかった。その大半は、他の宗教団体の経験が深く、その団体で自分が言われたことが無意識に出たとのこと。同様のことが今後一切ないよう、厳重に注意した。
 これについて、7月10日には、藤倉が電話でさらに詳しく尋ねた。それを元に上記のメールの内容を補足すると、
  • もっとも改善すべき点は、ベストグループと(株)ベストが別団体であるということが、わかりにくかったことである。ストグループでは、商品や研修を紹介しているだけだったが、これまで研修の申込先なども(株)ベストではなくベストグループになっていた。既に、振込先を(株)ベストの口座にした。ベストグループが(株)ベスト内に間借りしており人の行き来もあることから、これまで我々も、両社の区別をきちんと説明する努力を惰っていた面があり、反省している。
  • ベストグループでは、研修や交流会での体験発表や面談結果を、交流会リーダーが本部に報告している。幸せになっている人の数は、その報告を元にした数であって、今回、特にアンケートなどを行ったわけではない。アンケートによって、回答を会員に強制することは避けたい。
 ベストグループと(株)ベストとの関係に関する件と、「ベストグループをやめると不幸になる」という話が内部でなされていた件については、話が非常にややこしかった。まずは、ベストグループと(株)ベストとの関係について。
「ベストグループと(株)ベストは、全くの別団体です。それまで研修業・健康グッズ販売業をしていた大先生(衣川氏)が、事業から手を引くと言い出しました。そのため、研修を受けていた人々が事業を継続させようと作ったのが、ベストグループです。しかしボランティア団体なのでお金がないため、(株)ベストを作ってベストグループを支援するようにしました。現在、衣川氏には、ボランティアとしてベストグループでの研修をお願いしているだけで、(株)ベストから交通費を実費で支払っているだけです。研修の料金は全て、ベストグループではなく(株)ベストに入っています」(同代表)
 ベストグループの設立は1994年頃だという。1999年に(株)生き方研究会が設立され、2002年に(株)ベストと改名。
 生き方研究会については、株式会社クリーンライフ(博多)の系列会社であり、クリーンライフの一部門「波動研究会」が前身であるとの情報もある。しかし同代表は、「クリーンライフは、現在のベストグループ本部のある敷地の前の持ち主だと言うだけで、一切無関係」だとした。
 「不幸になる云々」については、「会員が個別にそういうことを言っただけで、研修でそういう話が出ているわけではない」と同代表は言う。ところが、不幸に言及した衣川発言を記録した資料があると伝えたところ、代表は、いったんは「その場にいなかったからわからない」としたものの、「後から考えたら、そういう発言はあったし、自分もその場にいた」として、衣川氏の「不幸発言」の存在を認めた。
「我々は前世からのつながりでいまの活動をしていると信じているので、それを否定すると不幸になるよと書かれた書物を、大先生が紹介されたんです。しかしブロック長・リーダー研修に参加される方は、既に長い間ベストグループに関わっている人ですから、こうした話を脅しと捉える人はいません。大先生が自分のことを心配して言ってくれているのだと理解できる人ばかりです。そもそも、長く関わっている人を、わざわざ脅す必要もありません。入会して間もない人も参加する研修では、こういう話はしていません」(同代表)
 この件とは別に、衣川氏は2003年3月21日のベストグループの「ブロック長・リーダー研修」でも、「不幸」に言及する発言をしている。ブロック長やリーダーという肩書きの一定レベル以上の会員を対象にした研修だが、衣川氏の発言は、同年6月1日付けの会報「恵みの里便り」(第27号)に掲載され、ブロック長・リーダー以外の格下の会員にも配布されている。
「私のお預かりしている力はどんな病気でも治されます。でも数年したら癌は皆再発しています。(略)表面は病気は治されますが、底までは治されません。底まで治すには、神が許される所まで何をしたかです。だから、ベストを離れたら、すぐ不幸になっているでしょ。如何ですか。ベストから離れたら、見事に何か悪い事が起きるでしょ」
 ちなみに、この会報には、衣川氏のこんな言葉も載っている。
「年に一回のスタッフの条件を満たす為にのみ研修に参加するのならば、スタッフを辞めてください。(略)お金は必要だと言ったはずです。自己犠牲をしないといけませんと何時も言っていませんか。肉体をまず人類に捧げなければいけないでしょう。家族と一緒にいる時間も減るでしょう。お金も人の為に使うでしょう。使う事が執着を減らす方法であると。その執着を減らす事で、貴方方が今成長しているのだと」
 ベストグループのサイトには衣川氏のプロフィールが掲載されていたが、現在、これは削除されている。その理由は、
「ボランティアで講師をしていただいている大先生にご迷惑をおけかけするのは避けたかったから」(同代表)
 同代表に対し藤倉が、三重県内在住だという衣川氏本人に取材をお願いしたら受けてくれるかと尋ねると、
「取材の趣旨にもよりますが、大先生にご迷惑をかけたくないので、基本的にはお断りします」(同代表)
 現在、ベストグループの「交流会」組織は、多くは10人規模で、全国に約160箇所。施設を擁しているのは三重県の本部のみで、メンバーの住み込みや共同生活はしていないという。

(2005/03/01 修正)

解説

 今回のインタビューでは、「内部調査」の結果なども含めて、いくつか詳しい話を聞くとはできた。しかし、話を聞くことで、かえって首を傾げたくなった部分も多い。
 同代表は当初「不幸になると言ったのは会員であって、研修では言っていない」としており、掲示板上でもベスとグループ関係者らしき人物が似たようなことを書いていた。しかし結局、同代表のこのコメントは覆された。また、ブロック長やリーダーにこのような研修を行っている以上、個々の会員が口走ったことについても、他団体のせいにして済むものでもないだろう。
 「幸せになっている人は1,400人以上」という数字については、会員の自己申告ではなく、交流会リーダーの判断による報告の集計だった。団体側の解釈によって数値化されたデータに、あまり意味があるとは思えないし、それを会の実績や正当化の材料にするという点にも違和感を覚える。「幸せ」の大半は主観的なものだし、現役メンバーの主観だけで団体の実態を評価することはできない。
 ベストグループと(株)ベストとは別団体だという主張にも無理がある。というより、別団体だと言えば言うほど、2つの団体の関係は不可解になる。
 商品販売と研修事業を(株)ベストが行っているとは言え、実際に人を集めているのはベストグループだ。ベストグループのチラシでは、研修に関する問合せだけではなく申し込み先もベストグループになっており、研修が(株)ベスト主宰であるとの記述はない。そして掲示板上での議論を受けて当サイトにコンタクトを取ってきた「ベストグループ本部」の担当者が、そもそも(株)ベストの代表者なのである。
 同代表によれば、ボランティアとして人を集めているのがベストグループで、研修料金は(株)ベストに入っているのだという。それはつまり、「ボランティア」を強調して集められたカネが営利団体の収入にすりかわっているということだ。
 別団体とは言い難いことに加えて、そもそもベストグループの活動をボランティアと称すること自体が、「カネ」のニュアンスを不透明にしている。カネを儲けるのは悪いことではないが、ボランティアを称しての収入を営利団体にスルーさせるというのは、いかがなものだろうか。もちろん、その利潤が大きいか小さいかは問題ではない。
 これだけ不可解な事実・主張が並んでしまうと、この組織を信頼するのは難しい。とは言え、ベストグループが「危険な団体」かどうかはわからない。
 この記事の公開に先立って、藤倉は、東京で開催されたベストグループ交流会に参加してきた。少なくとも交流会そのものはさほど異常というわけではなかった。あからさまに危険なニオイがしたわけでもない(藤倉が数年前に見た衣川氏の講演は、衣川氏の病気治し能力を大々的にアピールする内容で、かなり危険性を感じたが)。しかし新参者が一度、こうした集まりに参加しただけで「安全」と太鼓判を押すことなど到底できないので、危険かどうかは「わからない」としか言いようがない。
 この組織を信頼する気にはなれないし、衣川氏にも好感はもてないが、さすがに参加している個々人の気持ちを敢えてかき乱す必要までは感じなかった。交流会については、「とりあえず見てきました」という報告にとどめておこうと思う。 

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