措置入院の判定基準


参考資料:
精神保健福祉研究会監修「改訂精神保健福祉法詳解」中央法規

精神保健福祉法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)

(都道府県知事による入院措置)
第29条
都道府県知事は、第27条の規定による診察の結果、その診察を受けた者が精神障害者であり、且つ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたときは、その者を国若しくは都道府県の設置した精神病院又は指定病院に入院させることができる。
(第2項以下省略)
(判定の基準)
第28条の2
第27条第1項又は第2項の規定により診察をした指定医は、厚生大臣の定める基準に従い、当該診察をした者が精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあるかどうかの判定を行わなければならない。
(申請等に基づき行われる指定医の診察等)
第27条
都道府県知事は、第23条から前条までの規定による申請、通報又は届出のあった者について調査の上必要があると認めるときは、その指定する指定医をして診察をさせなければならない。
2 都道府県知事は、入院させなければ精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあることが明らかである者については、第23条から前条までの規定による申請、通報又は届出がない場合においても、その指定する指定医をして診察をさせることができる。
(第3項以下省略)

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第28条の2第1項の規定に基づき厚生大臣の定める基準

昭和63年4月8日
厚生省告示第125号
平成11年3月8日厚生省告示第29条による改正現在
 精神保健法(昭和25年法律第123号)第28条の2第1項(第29条の2第4項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、厚生大臣の定める基準を次のように定め、昭和63年7月1日から適用する。

第1
1 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号。以下「法」という。)第29条第1項の規定に基づく入院に係る精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある旨の法第18条第1項の規定により指定された精神保健指定医による判定は、診察を実施した者について、入院させなければその精神障害のために、次の表に示した病状又は状態像により、自殺企図等、自己の生命、身体を害する行為(以下「自傷行為」という。)又は殺人、傷害、暴行、性的問題行動、侮辱、器物破損、強盗、恐喝、窃盗、詐欺、放火、弄火等他の者の生命、身体、貞操、名誉、財産又は社会的法益等に害を及ぼす行為(以下「他害行為」といい、原則として刑罰法令に触れる程度の行為をいう。)を引き起こすおそれがあると認めた場合に行うものとすること。
2 自傷行為又は他害行為のおそれの認定に当たっては、当該者の既往歴、現病歴及びこれらに関連する事実行為等を考慮するものとすること。
病状又は状態像自傷行為又は他害行為のおそれの認定に関する事項原因となる主な精神障害の例示
抑うつ状態 非哀感、焦燥感、絶望感等の一般的な抑うつ感情、思考面での集中困難、思考制止、行動面での運動制止等がみられ、これに抑うつ的な内容の錯覚、幻覚、妄想を伴うことがしばしばあることから、このような病状又は状態像にある精神障害者は、自殺念虜、自傷念虜、心中念虜等を抱く結果、自傷行為又は他害行為を行うことがある。 躁うつ病圏
精神分裂病圏
症状性又は器質性精神障害
心因性精神障害
躁状態 爽快感、易怒的、刺激的な昂揚感等の躁的感情、自我感情の肥大、思考面での観念奔逸、行動面での運動興奮等がみられ、これに躁的な内容の誇大等の妄想を伴うことがしばしばあることから、このような病状又は状態像にある精神障害者は、思考及び運動の抑制が減弱又は欠如し、傲慢不そんな態度が度を超す結果、自傷行為又は他害行為を行うことがある。 躁うつ病圏
精神分裂病圏
症状性又は器質性精神障害
幻覚妄想状態 幻覚、妄想がみられ、これに幻覚、妄想に対する自覚、洞察の欠如を伴うことがしばしばあることから、このような病状又は状態像にある精神障害者は、現実検討能力に欠け、恐慌状態や興奮状態に陥りやすい結果、自傷行為又は他害行為を行うことがある。 精神分裂病圏
中毒性精神障害
躁うつ病圏
症状性又は器質性精神障害
精神運動興奮状態 欲動や意思の昂進又は抑制の減弱がみられ、これに思考の滅裂傾向を伴うことがしばしばあることから、このような病状又は状態像にある精神障害者は、多動興奮状態に陥りやすい結果、突発的に自傷行為又は他害行為を行うことがある。 精神分裂病圏
中毒性精神障害
躁うつ病圏
心因性精神障害
症状性又は器質性精神障害
昏迷状態 意志発動性が強く抑制されているために、精神的にも身体的にも外界にほとんど応答ができない状態がみられ、このような病状又は状態像にある精神障害者は、対人接触等の日常社会活動のみならず、摂食、排泄、睡眠等の生命維持に必要な活動を行うことができない結果、又は突発的な衝動行為を行う結果、自傷行為又は他害行為を行うことがある。 精神分裂病圏
心因性精神障害
躁うつ病圏
中毒性精神障害
意識障害 周囲に対して適切な注意を払い、外界の刺激を的確に受けとって対象を認知し、必要な思考及び判断を行って行動に移し、それらのことの要点に記憶に留めておくという一連の能力の全般的な障害がみられ、このような病状又は状態像にある精神障害者は、見当識の障害を伴う結果、自傷行為又は他害行為を行うことがある。 中毒性精神障害
症状性又は器質性精神障害
心因性精神障害
知的障害 先天性若しくは幼少時発症の脳障害により知能の発達が障害された状態又は成人後に生ずる器質的脳障害により知能が低下している状態にあり、周囲との意志の疎通や外界に対する感情の表出等の障害がみられ、このような病状又は状態像にある精神障害者は、突発的な衝動行為等を伴う結果、自傷行為又は他害行為を行うことがある。 知的障害
症状性又は器質性精神障害
人格の病的状態 知能にほとんど欠陥はないが、人格構成要素の不均等又は人格全体の異常等のために、本人が悩み又は他人が悩まされ、そのため個人あるいは社会に対し対立するに至るような人格の病的状態がみられ、このような病状又は状態像にある精神障害者は、周囲との意志の疎通や外界に対する感情の表出又は内的葛藤の処理が障害されやすいことに起因する適応障害が顕著な場合、自傷行為又は他害行為を行うことがある。 精神病質
精神分裂病圏
症状性又は器質性精神障害に伴う人格変化
中毒性精神障害けいれん発作後の人格変容
第2
 法第29条の2第1項の規定に基づく入院に係る精神障害者であり、かつ、直ちに入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人を害するおそれが著しい旨の法第18条第1項の規定により指定された精神保健指定医による判定は、診察を実施した者について、第1の表に示した病状又は状態像により、自傷行為又は他害行為を引き起こすおそれが著しいと認めた場合に行うものとすること。