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QC7つ道具 --- 1 パレート図
QC7つ道具 --- 2 チェックシート
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第2−3図は、当研究所が東京と京都で開催するFMEAセミナーに出発する際の点検用チェックシートである。 パソコンやマウスに現金など「忘れたたら大変なもの」もあるが、そういうものはチェックシートがなくても忘れることはない。 むしろ「他愛のないもの」が品目も多くてうっかり漏れてしまうので、このチェックシートを重宝に使っている。 「チェック」の印は、丸でも何でもよい。 |
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3−1 ヒストグラムの概念
ヒストグラムは、一群の数値データを区分けし、各区分に属するデータ個数の度数分布表を図化した一種の棒グラフであり、データのばらつき具合(分布形状)を視覚化し、診断する重要な手法である。 かつてヒストグラムから標準偏差を計算したが、現今では EXcel で簡単に求められるので、その役目は終わっている。 |
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3−2 典型事例 (a)理想の分布形状 --- 富士山のように綺麗な山形状が理想であるが、実際のデータで作ると理想形はほとんど見られない。ただし診断の対象は分布の形だけで、広がりや平均値の位置は工程能力指数 Cpkで診断する。 → 3−3参照 (b)すそ引き型 --- 下限値が0で負の値にならない特性で、0付近に分布する場合である。例えば、板のそり、不純物の含有%など。そういう条件がないのにこれに似ると、分布異常である。 (c)絶壁型 --- 選別した場合に起きる。合格ロットでも、この場合は対策を要する。 (d)高原型 --- 平均値が僅かに異なる数個の分布が重なった場合。層別ヒストグラムを作って、原因を追究する必要がある。→ 層別 |
(e)ふた山型 --- 平均値の異なる2個の分布が混入。層別ヒストグラムで原因追究の要あり。 (f)離れ小島型 --- 異なった分布のデータが僅かに混入。理屈は簡単だが一番の難物。できるだけ多くの機会に作成して診断するのが有益である。 普通に予測される原因は、 1.段取り時の試作品を「チョイ置き」で混入。 2.型交換時に前型品を「チョイ置き」で混入。 3.不良品を、故意または過失で混入。 4.余った製品を在庫し、次回ロットに混入。 5.作業指導で作ったワークが混入。 6.落下品を拾って混入。 標準偏差の計算がパソコンに奪われた現在、ヒストグラムの意義はもっぱら「ふた山」や「離れ小島」の発見にある。 |
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3−3 工程能力指数 Cp、Cpk 第3−2図の正規分布曲線(山の形)はヒストグラムを代表し、標準偏差:σは Excelで別に求める。 規格下限値:SL、規格中央値:SC、規格上限値:SUに対して、分布の平均値:μの位置はちょうど規格中央値SCに一致するケースである。 普通の正規分布を前提にすると、データの存在範囲は99.7%が「μ±3σ」の中に入り、ここから外側に外れるデータは千に3個ほどしかない。従って、「μ±3σ」のところの外側に規格の上限・下限があれば一応安心できる。この状態を次のように表す。 |
![]() そこで両側にもうσだけ余裕を設けたところの外側に規格の上限・下限を置けば安心である。この安心できる状態を次のように表す。 |
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データ(=ヒストグラム)の平均値:μの値が規格中央値:SCからδだけずれている場合を第3−3図に示す。この場合、余裕が減った側(危険な側)の片側規格巾が
一般には規格中央値とデータ平均とは一致しないから、工程能力指数はCpkを用いるのが普通である。Cpは、「平均値は後で調整することにして、とりあえずバラツキだけを検定する」という場合に使う。 CpにしろCpkにしろ、もう1つ問題がある。何個のデータでCpkを計算するか? 100個以上ものデータで計算するなら1.33 で大方問題ないが、20個程度のデータで計算するなら第3−4図に示すように、より大きなCpk値が必要になる(出所:suetake)。 なお、Cp、Cpk計算用Excelアドインは無料ダウンロードができる。 |
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管理図が有効な手法であるように説く人がいたら、その人の教えは受けない方がよい。使って懲りた経験がない証拠だからである。
4−1 管理図の原理 |
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管理限界線の外側に打点されたら、管理条件に見逃せない変化があったという赤信号になるから、原因を探し再発を防止して工程の安定化を図る。 第4−1図のp管理図(簡略法)は、5月19日の第1ロットで管理はずれになった事例である。 第4−2図上が (エックスバー)管理図である。各ロット、n=5個のデータの平均値を打点したもので、5月13日の第2ロットが管理はずれである。 第4−2図下がR管理図である。各ロット、n=5個のサンプル内の範囲:R=(最大値−最小値)を打点したもので、5月19日の第2ロットが管理はずれになっている。 |
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しかし、管理限界線の内側の打点でも、めったに起きない並び方である「連」や「傾向」があれば、工程に異常が発生したことになる。 ここに「連」とは、「同じ特徴を持つ引き続いた点のつながり」をいい、例えば中心線の一方の側(上又は下)に連が6点続いたときは、異常ありと判定する。「傾向」とは、打点の並びが偶然のばらつきを除けば順次に増加傾向、又は減少傾向となることをいう。 「偶然のばらつきを除けば」とは、「多少の上下の動きはあっても全体として」の意味である。これら、連や傾向が起きたときは、「何らかの見逃せない原因による」と考えられ、その原因を追究できれば改善を図ることができる。 |
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4−2 管理図の実用上の問題点 「管理図は過去の安定した工程を基準に現在の工程の安定性を診断するから、安定工程がなければ管理図を作れない」とはジュラン(Joseph M.Juran)の言葉である。つまり管理アウトが起きるようなら安定状態にないから管理図は作れないし、管理アウトが起きないような工程なら管理図も不要だから、管理図は「実用性がない」という根本的な矛盾を持っている。現場で実施すると、次のような事態になる。 (1)原因調査が困難 管理アウトになったとき、管理アウトの状況が継続せずに正常に戻るので原因調査ができない。しかし、毎回、「原因不明、対策なし」と注記するのは体裁が悪く、何らかの対策を講じた旨の虚偽記載をするようになる。管理図を多数作成する工場は、でっち上げに満ちたものとなる。 |
(2)離れ小島に鈍感 ロットに10個ほどの不良品を混入しても、「管理アウト」として検知することができない。つまり管理図は、管理されている事項について不要だし、管理されていない事項については無力である。 (3)時系列グラフに劣る 管理図による異常判定の中で、「連」と「傾向」と「周期性」は、単なる時系列グラフによっても分かるので、その方が簡便で実用的である。また、たまたま起きる「連」と「傾向」から、何らかの有益な改善策が見つかることは、実務では千に一つもない。 かくして、シューハート(Walter A.Shewhart)が創案した管理図の理論は、数理的な理論そのものは完璧である反面、意外に単純な運用面の矛盾を見落としたもので「全くの役立たず」であることが明らかとなった。 |
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まえがき 「特性要因図とは何か? どうやって作るか?」との問いに対し、「ここに問題となる特性を書いて、水平に背骨を引いて、そこから大骨5本を出して、中骨、小骨、孫骨まで要因を展開するんだよ」などと言い出す人がいたら、その人からは教わらない方がよい。 「特性要因図の作り方」を製図の仕方だと勘違いしているわけで、問題なのは「その要因をどうやって見つけ、何のために列挙するか」ということである。 要因には、将来のトラブルを避けるために「管理すべき条件」と現に起きたトラブルの「原因候補」という2つの種類があって、それぞれ見つけ方が違うのである。 |
もう1つ、「ここに問題となる特性を書いて、」というが、その特性のデータがないのにお構いなしに魚の骨状の図を描く人からも、教わらない方がよい。 なぜなら、「どのように問題なのか」という現場データがなければ、要因を推定することが出来ないからである。例えば、毎日ちょくちょく起きるのか、普段は起きないである日突然起きるのか、季節的に起きるのか、起きる量はどうなのか、どこで起きるのか、こういう現場データから要因を推定するからだ。 このやり方を「データアプローチ」(fact control)というが、このような基本的な知識に欠ける人から特性要因図の作り方を教わっても、それは「飾り物の作り方」でしかない。 |
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5−1 特性要因図の概念 「特性要因図」とは、ある特性についてその要因を系統的に列挙する場合に使う様式をいう。特性に対して要因をどのように配置して記録するかによって、特性と要因の関係、および要因間の関係などが理解しやすくなる。 理解しやすい様式として魚骨状の図(魚骨図)を考案したのが石川馨氏であり、「Ishikawa Diagram」とい呼ばれることがある。 ここに、「特性」とは、管理業務の結果として得られる特定の成績(成果)をいう。従って、例えば、不良率、原価率、クレーム件数、在庫金額〜などのように、数値的に評価できる必要がある。 次に、「要因」と「原因」は、明確に区別しなければならない。「要因」とは「特性に影響する条件」を意味し、影響するから適切に管理すればトラブルにならないし、管理が不適切だとトラブルの原因になる。 |
また、「原因」とは、適切な管理がなかったためにトラブルを招いた要因(管理不十分な要因)をいう。 要因と原因をこのように解する根拠を説明する。特性に対する因果の関係を考えるとき、次の2つを区別しなければならない。 (1) 現にトラブルを起こした条件であると確定した条件 → 原因と呼ぶ。 (2) 「将来、トラブルの原因になるかも知れない条件」、あるいは、「現に起きたトラブルの原因かも知れない候補」→ 原因とは呼ばない=要因と呼ぶ。 前者は現実の問題として「限られた事項が該当する狭い概念」、後者は可能性の問題として「多数の事項が該当する広い概念」で、同じ用語で呼べない。現実の用例では、現に起きた事件については「原因」を調査するが、「将来原因になるかも知れないもの、現に原因であったかも知れないもの」を「原因」とは呼ばない。 |
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このことから、前者が「原因」で後者が「要因」に対応する(第5−0図)。 ちなみに、因果関係とは、「AがなければBもなし」という関係をいう。原因と結果は因果関係にある。原因がなければ結果はないからである。しかし、要因と結果は必ずしも因果関係にない。ある特性について要因a,b,cがあるとき、aが不存在でもbの存在によって結果が発生し得るからである。 具体的な例で説明しよう。 今、高血圧の要因として日常生活上の「管理すべき要因」を列挙したのが第5−1図である。遺伝的な要因は管理できないので、ここでは除いてある。 |
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喫煙習慣を持たず、適正塩分の食事、適度の運動、体重管理、ストレス解消を実施しておれば、高血圧になりにくい。 このことは過去の経験や知識で分かっているので、この特性要因図はトップダウン式に(決め付けるように、教えるように)要因を決めて挙げる。このように、あるトラブルを予防する目的で管理事項を列挙したものを管理用-特性要因図といい、その管理事項を要因とする。要因とは、「結果に影響するもの」をいう。 一方、現に高血圧になってしまったときに、その「原因として疑われる候補」を明らかにするために作成するのが第5−2図の解析用-特性要因図で、いわば容疑者リストである。これは「現に生じたトラブル」について具体的な現場情報(データ)を収集し、データに基づいて原因候補をたどって列挙せねばならず、トップダウンに決め付けてはならない。 |
![]() 調べた結果、喫煙と高塩分の外食を利用していたと判明したなら、「喫煙」と「塩分」が候補として挙げられる。解析用の方が、普通、要因数が少ないのは当然である。 |
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5−2 古典的な考え方の事例 特性要因図について最初に石川馨氏が提案された当時から、誤りがあったと思われる。 |
しかしそれが今日まで尾を引いて、古典的な理論の温床になっている。 〔事例1〕 FK-PLAZAというサイトの説明である。 |
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右の FK-PLAZA による説明は、完全な矛盾である。すなわち、 (1) 「影響を及ぼすと思われる要因」というのは、トラブルが起きる前に作成する予防目的の管理用特性要因図である。 (2) 次段階の「原因の究明」や「対策の立案」策定に繋げる、というのは、上記の管理用特性要因図を解析用として使用することを意味する。 結局、FK-PLAZA は、これら2つの特性要因図の区別を全く理解していない。 |
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〔事例2〕 情報マネジメントというサイトでは、管理用と解析用に相応して「対策検討型」と「原因追求型」に分けて下のように説明している。この分け方は正当であり、内容の乏しい記事で占められる一般のサイトに比較すればまともである。しかし、実務経験があれば普通に思いつく肝心な点で誤っている。 (1) 前者の場合、トップダウン式に知識・経験で判断して全ての要因を列挙するが、普通はブレーンストーミングをしない。ブレーンストーミングは行き詰まっときに使う手法である。従って後者の原因追求の場合でも、行き詰まればブレーンストーミングをする場合がある。 |
(2) 後者の場合に、「影響力の強いものに絞る」というのは、2段構えになる。まず、現場を観察したデータ(測定値、目撃情報などの事実)から結果を説明できるような原因候補をボトムアップ式に列挙する。ついで、実験や層別などによって、原因候補から原因と思われるものを絞る。 (3) 2つの型に分けるのはよいが、「対策検討型」と「原因追及型」という名称は、好ましくない。なぜなら、目的を整理すると、 前者=要因を列挙して対策を講ずる。 後者=原因らしきものを列挙して対策を講ずる。 〜という訳で、名称と目的が整合しないからである。 |
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未発生の特性を予防的に管理・検討するような場合は、関係者の経験や知識、またはブレーンストーミング(1)などによって管理すべき要因を網羅的に列挙・整理する(対策検討型)。 一方、すでに発生した結果から原因を探るときには、すべての要因を列挙するのではなく、影響の強いものに絞って(2)、問題と主要因の因果関係を明確にする(原因追及型)。 |
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〔事例3〕 新潟大学:木村勇雄氏の講義で、第5−C図の「原因追求型」が掲載されている。 しかし、中身をみると「原因追求型」ではないことが分かる。すなわち現場を観察して得たデータ(=情報)から要因を推定するなら、せいぜい数個にとどまるはずなのに、現場データを無視して「あれかも知れない、これかも知れない〜」とトップダウンに想像で列挙している。 |
指導にあるように「思いつくまま」や「なぜなぜ」で要因を列挙しても、原因が見つかることは千に1つもない。
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〔事例4〕 上の新潟大学の特性要因図の右端に「品質変動が大きい」とあるのは、原因追求用の特性要因図要因の特性として適当か。 以下、特性についての要件を列挙すると、
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少し噛み砕いて説明すると、「将来起きるかも知れない製品のダコン不良」を問題とする場合は、1個の小さいダコンも数個の大きいダコンも、全てがダコン不良として扱われる。 しかし、現に「製品の側面に、直径3mmの数個のダコンがつく」という事象が起きたときの原因追求では、別のダコンを含まない。その「現に起きたダコン」のみが特性である。 しかも、その「現に起きた事象」として、「何%の不良が発生したか」という数値的評価を含まなければならない。1個だけの場合と、多数起きる場合とは、同じ事象でないからである。 本題に戻ると、「品質変動が大きい」というのは特性ではないことが分かる。 |
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〔事例5〕 新潟大学の講義で、特性要因図の要因の列挙の仕方について説明している。特に注意をひく点は、「問題点を思いつくままに挙げ、後で整理・採用する」という最初のステップである。 (1) 「思いつくままに挙げ、」とは、知識・経験から思いつくものをトップダウンに挙げよ〜の意味か、現場のデータ(手がかり)に合致すると思われるものをボトムアップに挙げよ〜の意味か? (2) 「後で整理・採用する」とは、知識・経験から妥当なものを採用するのか、それとも、現場のデータ(手がかり)に合致するものを採用するのか? |
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〔事例6〕 下に示す羽根田 修氏のサイト(品質改善.com)で、特性要因図を古典的な姿で説明する。 (1) 「要因とは重要な原因のこと」と、国語辞典に書いてある。専門用語の意味を国語辞典で学んだようで、専門用語としての誤りはいうまでもない。 (2) 特性要因図は、「重要な原因の候補をリストアップ」するとは限らない。結果に影響するかもしれないもの(=要因)は全て列挙するのが普通である。重要かどうか、後で検証することが多いからである。 また予防管理用の特性要因図要因では、要因を列挙するのであって、「原因の候補」を列挙しない。 |
(3) 「特性要因図は、あくまで仮説」に限らない。例えば、対策先行型のうち、逐次実施型というべき活動がある。これは、要因を思いついたら直ちに対策を実施し、効果があれば要因として特性要因図に登録し、効果がなければ「要因にあらず」として記載しない。こういう活動では、特性要因図は実証された要因しか記載しない。 (4) 「解決しようとする要因は数多くあるのが普通」というのは、管理用特性要因図である。本件の場合は解析用だから「解決しようとする要因は少数なのが普通」であり、カン違いをしている。 |
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特性とは結果のことです。要因とは重要な原因のことです。(1) 特性要因図とは、重要な原因の候補をリストアップし(2)、図で整理したものです。特性要因図は、あくまで仮説(3)ですから本当の原因をデータで確認するための準備として使うツールになります。 解決しようとする要因は数多くあるのが普通(4)ですから、その要因を系統的に図示しておくと、問題解決にとても便利です。また、目的と手段の混同を防止するためにも有効です。 |
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特性要因図の作成手順です。 1.問題点の決定:問題点を右に書き、左から太い矢印を引く。問題点は、であるとする。 2.原因集約項目の決定:問題の原因(要因)の集約項目を□で囲み、太い枝と太い矢印で結ぶ。 3.集約項目の細分化:問題の原因(要因)の集約項目ごとに細分化して細い枝を記入し、末端をアクションが取れるまで細分化する。 4.重要項目のマーク:特性要因図が一通り完成したら、その要因の中で特に大きく影響すると思われるものに◎印をつける。(1) もし、内容がわかっているのなら細部説明を加える。(2) |
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敢えて注釈の必要もないかもしれないが、念のため触れておく。 (1) 「特に大きく影響すると思われるものに◎印をつける」とあるが、それが分かるなら、とうに改善されてテーマとして残っていないと思われる。 (2) 「もし、内容がわかっているのなら細部〜」とあるが、内容が分からないなら、「特に大きく影響する」という判断もできないはずで、かような指導で改善が進むとは思われない。 日常の管理で「特に大きく影響すると思われるもの」に対策を講じて、それでも解決しない場合に特性要因図を作るようにした方がよい。 |
さもないと打つ手を知っているくせに、わざわざ特性要因図を作らないと行動しない悪習慣がつくからである。同氏が原因追求と称している下の特性要因図は、実は予防用であって、列挙した全ての事項を管理しなければならない。また、この特性要因図は多くの問題があるので模倣してはならない。
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上の特性要因図は、どのような作り方、および使い方をすべきか説明しよう。 (1) 「内部」「顧客」「営業管理」「子会社」「営業」などは管理主体だから、それぞれの特性要因図を作る。「内部」の特性要因図、「顧客」の特性要因図、「子会社」の特性要因図〜が必要である。 |
(2) 各特性要因図要因は、5M(設備、人、材料、方法、測定)で構成する。漏れが起きるから。 (3) 予防管理の目的で事前に作る。納期遅れが頻発してからでは遅い。 (4) 「重要」な要因ではなく、全ての」要因に対策を講ずる。さもないと予防できない。 |
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5−3 管理用と解析用 特性要因図には、作成目的により、管理用と解析用がある。より詳しく対比してみよう。 (1) 管理用 プロセスを設計するときにトラブル予防ツールとして作成する。知識・経験などから、管理すべき要因を漏らさず全て列挙して対策を講じなければならない。故に、要因の数は、検討が進むほど多くなる。 (2)解析用 実際にプロセスを稼動してトラブルが起きたときに、原因候補としての要因を列挙して作成する。要因の探し方は、現場の状況データから割り出して列挙する。従って、列挙できる要因の数は、多くないのが普通である。 |
列挙する要因の数を、どう理解すべきか? 神ならば原因を知り給うから1個だけ、通常の人は数個挙げるが、初心者は何十個も挙げる。つまり、解析用では知能が低いほど当てずっぽうに多数の要因を列挙する傾向となる。その現象は、体裁のために多数列挙するQCサークルの事例発表をみれば分かる。 (3) 対比図 第5−3図に管理用と解析用の対比を示したので、それぞれの対比事項について違いを確認して欲しい。解析用-特性要因図を作成しないで工程を流し始め、その後トラブルが発生したときは、原因探しのための解析用だけでなく、予防のための管理用も作成しなければならない。 |

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5−4 5Mと魚骨図 石川薫氏が発表わして以来の伝統的な特性要因図では、通常、第5−4図の魚の骨のような図を描いた。これを魚骨図(Fishbone Diagram)と呼ぶ。 (1)右端に「特性」としてトラブルの名称を表示する(例:セミナー開催不能)。そこから横に矢印を走らせて、これを「背骨」と呼ぶ。 (2)背骨に対して、「人」、「機械」、「方法」、「測定」、「材料」という5M(注1)の分類表示から斜めに矢印を走らせ、これを「大骨」と呼ぶ。 (3)大骨に対して、「担当者」という分類項目から水平に矢印を走らせ、これを「中骨」と呼ぶ。 (4)中骨に対して、「年齢」という要因項目から斜めに矢印を引き、これを「小骨」と呼ぶ。 |
![]() (5)小骨に対して、「高齢」という水準項目から水平に矢印を引き、これを「孫骨」と呼ぶ。 |
| 人 機械 方法 測定 材料 |
Man Machine Method Measurement Material |
担当者、管理者、協力者などに関する要因 機械、設備、道具、建物施設、部屋、椅子やテーブルなどに関する要因 技術、作業手順、やり方などに関する要因 情報収集、プロセスの条件の確認、結果の測定などに関する要因 そのプロセスで処理を受けるものに関する要因 |
(注2)5Mに対して、「環境、マネージメント、マネー」などを追加すべきであるとする異論もある。しかし、次の理由で否定すべきである。
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環境 マネージメント マネー |
自然環境は管理できず要因ではない。社会環境の管理事項は、それ自体が特性である。 マネージメントのやり方は「方法」に属する。 マネーは、結局5Mのどれかに変化するから、独立の経営資源ではない。 |
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5−5 実務上の注意事項 (1)系統図法 特性要因図というと、すぐに魚骨状の特性要因図(魚骨図)を考え、「背骨」を描き、「大骨」を描くように考えられやすい。しかし、実務では魚骨図ではなく系統図法(表)で作る。そうすれば、要因の追加・削除・対策・効果などの記載も可能となる。→ 第5−7図参照 (2)特性の層別 「特性のデータ」は常に純粋でなければならない。異なる特性のデータを混ぜてはならず、層別されていなければならない。 |
例として、「キズ」という不良項目を特性にして特性要因図を作成する場合に、「キズ」のデータに、「すりキズ」と「打痕」のデータが混ざっていてはならない。「すりキズ」と「打痕」では原因・要因が異なるから別の特性である。このように特性データを純粋なものにして区別することを「特性の層別」という。 (3)悪意の管理者のアプローチ 管理用-特性要因図を作る場合に、最後に、「わざと不良を作れるかどうか」を検討する。「このようにすれば、不良を作れる」という余地があれば、いずれ、そのような不良品が出る危険がある。 |
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(4)ポカの扱い方(第5−5図) 「人がポカで装置の温度設定を誤って不良を作る」というシナリオを特性要因図にどのように表わすか? 「ポカ」は「人」の故障モードであり、それを起因としていろいろな条件の故障モード(間違い、もれ)が発生し、要因の管理に異常をきたし、特性に異常をきたすことになる。つまり、これは工程の信頼性の問題であるから、既に出来上がった特性要因図を利用して、どこに「ポカ」があり得るかを追記し、対策を検討するものと理解すればよい。 |
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(5) 原因追求での行き詰まり 解析用を作るような原因追求活動において、しばしば、現場情報を収集しても原因候補を推定できずに行き詰まることがある。その場合、「さしたる根拠もなしに、いわば手探りで、片っ端から要因を挙げてみる」という活動にならざるを得ない。この場合、2つのアプローチの仕方がある。 第一は、先に特性要因図に原因候補を列挙して、その上で「同じ実験で同時に確認できそうなグループ」に分けて、合理的な実験を計画するような場合である。これを蓄積型と呼ぶ。 |
第二は、要因を1つ思いついたら(P)、即座に対策を講じ(D)、結果を観察し(C)、ダメなら次の要因を考える(A)というP,D,C,A活動である。これを即時実施型と呼ぶ。 この即時実施型は、QCサークルなどの小改善で威力を発揮する。 しかしQCストーリーの誤った指導を受け、その結果、「特性要因図を描いて、多数の要因を列挙し、そのうちの3つほどを重要な要因と判断して対策を講じてみた」というような作り話をすることが多い。 |
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(6) 要因の代わりに方策を列挙する場合 特性要因図中に要因として「錆び」の代わりに「防錆処置」と記載する場合がある。同様に、「汚れ」の代わりに「清掃」と書く。これは要因と、その対策(=管理方法)を併記したものと解すべきである。 〔事例〕即時実施型=年賀葉書の印刷トラブル パソコンとプリンターで年賀葉書を印刷した。手差しトレイに載せた数十枚の葉書の宛先印刷が終わり、裏返して「謹賀新年」の面の印刷に取り掛かった。間もなく「葉書がプリンターの中で止まり、トナーが固着せず、触ると滲む」というトラブルが頻発した。紙が詰まるトラブルは従来も時折発生したが、不良にした分は印刷し直してその場を凌いできた。しかし今回は頻繁で、しかもお年玉つき葉書の一部分に業者印刷を依頼したものであるため、枚数が足りなくなってしまう。 |
そこで、思いつくアイデアを片っぱしから実施してみた。
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5−6 演習問題 〔演習問題1〕 有料の講習会を企画し、受講者を募集する。しかし、講習会の当日になって「開催不能」という事態になってはならないので、その予防のために管理用・特性要因図を作成せよ。 「人」は主に講師に生じる故障であるが、病気が考えられる。 「材料」は受講者であるが、1名だけの申込みでも開催するので管理事項はない。 |
「設備」には多数あり、それぞれの故障がある。 「方法」として、日常管理(出来るだけよくする)と方針管理(絶対に失敗が許されない)が考えられるが、この場合は後者のアプローチとなる。従って、対策は金に糸目をつけない傾向となる。 「測定」として、機器の点検、電車の運行情報、人の健康診断、などが考えられるが、当日になって開催不能となることを防止するための管理事項として有効なものは見当たらない。 |


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〔演習問題2〕 ある講習会の当日に「開催不能」が起きてしまった。「コンセントに電気は来ているが、パソコンの電源が入らない」という現場データから原因候補を推定する。
〔解答例〕現場データから、アダプタとパソコン本体のいずれかに故障があると考えられる。 |
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6−1 層別の概念〔第6−1図〕 データは、一般に、いろいろな情報が混入して成り立っている。そのため、そのままでは有益な情報を取り出すことができない。層別とは、データを「場合分け」することによって純粋化と区別を行ない、生じる差(層間差)を見て有益な情報を引き出す手法をいう。 例えば、ある社会の人口が100人だというだけでは何も特徴が得られないが、性別で男性10人、女性90で成り立つと分かれば、極めて特殊な社会であることが分かる。 さらに職業で分けて、医療関係者30人、主婦60人、乳児10人で成り立つと分かれば、産婦人科病棟であることが分かる。 |
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層別を理解するには、 (1)何を(特性を、要因を、結果を)層別するかの問題と、 (2)何を使って(パレート図で、グラフで、散布図で、直交配列表で)層別するか、 という2つの方面で理解しなければならない。層別は、特に、「要因の影響力を直交配列表で調べる」のに有効である。 |
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6−2 特性の層別 (1) パレート図 → 参照:パレート図〔事例2〕 (2) 特性要因図 〔事例1〕〔第6−2図〕 「キズ」という不良特性について特性要因図を作成する場合に、その「キズ」が同じ原因で起きていると判断して不自然でなければ特に問題はない。しかし、
〔事例2〕〔第6−3図〕 |
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6−3 要因による層別 (1) 棒グラフ 〔事例1〕 〔第6−4図〕 3台の機械を使って同一の加工を行なう工程があり、ある不良が発生する場合に、「号機」で層別した結果が第6−4図の棒グラフである。号機が関係しないなら左の図、大きく影響していれば右の図のようになるはずである。
〔事例2〕 〔第6−5図〕
(2) ヒストグラム
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6−4 結果からの層別 〔事例〕〔第6−7図〕は、ある物質の混入量Xと処理温度Yによって所定の硬度を得たときの、XとYを散布図に表わしたものである。 硬度は全て良好であるが色彩に異常が見つかり、そのケースを● 印で表わすことによって許容できるXとYの範囲が判明する。と、言われればその通りかもしれないが、こういうことが実際にあるかというと、絶無と言っても過言ではない。 選定すべき条件範囲が狭くてきわどいならともかく、十分に余裕のある範囲を選定できる状態で、かような調査を必要とする事態が起きるとは思えない。学者が考えた「実際には使えない使い方」である。 |
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| 「はじめに」のところで、羽根田 修氏のサイトでは、「層別はパレート図、ヒストグラム、散布図などと組合わせて使えば差異を発見する上で大きな力を発揮するが、それ自体はQC7つ道具の1つとして使うべきものではない」としたのは失当だと、当研究所の見解を述べた。 |
それが最も顕著になるのが、「直交配列表により層別」の手法である。彼がいうようなパレート図、ヒストグラム、散布図などと組み合わせて使わないからである。 Q-BPM.orgというサイトでは、次のよう解説している。 |
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QC7つ道具は、日々の活動のデータを収集しそれを分析して問題の発見・解決に役立てるものであるが、データを分析する際の重要な概念が層別である。層別とは、データの母集団ををいくつかの層に分割することであるが、層は母集団の部分集合である。例えば、層としては、時間帯別、地域別、作業者別、製品別などが挙げられる。 層別することで、同じデータでも異なる状況を導き出す可能性がある。どんな層でデータを分析するのかが問題特定に非常に重要になる。 |
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こんな単純な説明では何のことか分からず層別の利用は進まない。具体的に説明しよう。 いま、会社の営業部の月間売上金額を「女性営業担当」と「男性営業担当」に分けてみたら、1名あたりにして、「女性=500万円、男性=200万円」であった。次に、関西地区と関東地区に分けてみたら、関西地区が1名当たり「関西が500万円、関東が200万円」であった。するとこの層別の結果、「関西地区で女性営業担当だけで商売をすればよく、関東地区と男性営業マンは不採算部分として廃止しよう」という結論になるようにみえる。 |
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ところが、関西営業所は女性が多く、関東営業所は男性が多いとすると、女性だから成績がよかったのか関西だからよかったのか、判断できないはずである。しかも、女性は女もの、男性は男ものの製品を扱っているとすれば、差を生じた原因が「地域の違い」か、「営業担当の性の違い」か、「扱った製品の違い」か判断できないはすである。 つまり層別を単純に「パレート図、ヒストグラム、散布図などと組合わせて」使っても、結論が出ないことが実際には多いのである。そこで、層別をもっと効果的に行う方法として、直交配列表が使われる。 |
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(1) 直交配列表の有益性 上のことを〔第6−5図〕で説明すると、特性値yが、要因の水準=x1の場合とx2の場合で、層間差が大きく出れば要因xの影響力を大きいと判断するのが、一般のグラフ等を用いる層別である。しかし影響力がありそうな疑わしい要因が他にもあるときは、1つづつ扱ったのでは労力が大変なだけでなく、検証精度も落ちる。営業担当者の性別、営業地域、販売製品の売上対する影響力を調べようとしても、性別と地域と製品の組合せが 2×2×2=8通りあるわけだが、もし地域が多数あり、製品も多数あったら、グラフなどではどうにもならない。 そこで、疑わしい複数の要因を一度に層別する手法が求められる。それが直交配列表である。 |
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慢性不良の要因を技術的な観点、及び、現場データから要因(原因候補)の範囲を絞って、それでも複数の要因が残るときは、やむを得ず要因を絞ることになる。それには直交配列表による実験で、影響力を検証するのが有力な手段となる。生産工場は言うまでもないが、商店の売上、病院の患者数、その他で応用することができる。 ところが、直交配列表の解説書として目にするのは実験計画法だけである。こういうものを勉強する人は限られ、一般には存在すら知られていない。大学の理科系の学部でも、履修科目として選択する学生は少ない。 |
まして、企業の作業者・下級・中級・上級職員などで直交配列表を利用する人は極めて少ない。 その原因は、直交配列表を分散分析・有意差検定・平均値の推定などの統計処理を前提に使うものとしていることにある。これだと、一般の人は数式を見ただけで頭が痛くなって手が出せない。 私は、全く統計処理をせずに直交配列表を使うことをQCサークルに推奨している。それで何の問題もなく、コンピュータ・ソフトを使う必要もなく、きわめて便利に使える。知っている人には無用な説明だが、初心者のために例題を示そう。一度覚えれば目をつむっても使えるから、最初だけ丁寧に読んで頂きたい。 |
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(2) 演習と解説 <例題> 薄い板状の金属製品の「仕上げ処理工程」でサビが出る。要因としてA・B・Cが考えられるが、実験によって対策を講ずる必要のあるもの(主要因)を明らかにせよ。 <解説> 要因Aの影響力を調べるには、Aを日常的に変わり得る範囲内で変化させてみて、それに対応して特性がいくら変わるかを見る。 |
しかし、変化するのは要因AだけでなくBもCも変化するから、単にAだけに着目してはならない。 要因に与える変化(段階)を「水準」といい、全ての要因を2水準に変化させる実験を「2水準系の実験」という。 いま、各要因の水準を第6−8図のように設定する。以下、要因ABCについて、A1B2C1の組合せが最善か、それともA2B1C1の組合せが最善か、というような検討を進めることになる。 |
| 要因 | 内容 | 水準の設定 | |
|---|---|---|---|
| 処理後、洗浄乾燥まで防錆液に漬けておく待ち時間 | A1 = 1 日 | A2 = 2 日 | |
| ばらばらか、重なっているか | B1 =ばらばら | B2 =重なり | |
| 新しく用意したものか、 反復使ったものか | C1=新しい | C2 = 3 回め | |
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第6−9a図の中央の「1と2が並んだ部分」が直交配列表の本体である。この図は使用前の状態を示す。 (1) 割り付け --- どの列にどの要因を割り当てるかを決めて、「要因欄」に要因の記号を記入する。 最上行のA、B、Cが要因で、eは空欄を示す。次のオレンジ行の1〜7は、列の番号。影響力が大きいと思われる順に、第1列、第2列、第4列、第7列、あとは順序不問に割り付ける。 第6−9b図は、使用後の状態を示す。
(2) 実験番号 --- 左端列の縦の1〜8は実験番号であり、8回の実験をする。 |
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例えば、朝の気温が低いときにNO.1から順に実験を始め、気温が高くなった正午にNO.8で終了したとすると、要因Aが本来、「A1=アルミニウム、A2=亜鉛」という材料の違いを表わす要因だったものが、「A1は低温、A2は高温」にすりかわってしまう。 (3) 直交配列表の本体の数字「1,2」の意味 1は水準1を、2は水準2を表わす。従って、実験番号1の実験をするときは、[A1・B1・C1]の組み合わせで実験をすることになる。 (4) 結果・不良率% --- 右の「結果・不良率%」は、各実験番号ごとの成績。 実験ごとに資料を百個ずつ使い、そのうちサビ不良になった個数と考えてもよい。 |
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(5) 水準合計値 (1)、(2) 下の(1)は、その要因について、 (6) 水準合計値の差 「差」は、(1)と(2)の差である。 |
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(7) 交互作用 もし、第3列の差が誤差程度(=0〜2)なら、 となる。しかし、上の結果は、第3列が空欄であるにもかかわらずAと同じく「差=10」である。これは何か? その正体は、AとBの交互作用である。稀にこういうことがあるから、注意しなければならない。 なぜ、交互作用だと分かるか? |
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つまり、「Bの水準(状態)によって、Aの影響力が変わる」=AB間の交互作用である。 結局、BがB1でさえあれば、AはA1でもA2でもよいことが分かる。B1は製品が重ならないようにすることを意味し、直径1ミリのプラスチック・ボールの粉を一握りほど防錆液に混ぜて、製品と製品がピッタリ重なるのを防げばよい。
(8) 成分表 --- 一番下の欄が、交互作用が現れる列を示す成分表である。 |
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〔注〕第1列と第7列の交互作用は、
(9) 要因の数が多い場合 |
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10 留意事項 (1) 以上の使い方は数学的には間違っており、実験計画法の先生は絶対に薦めない。しかし、実用的には全く間違っていない。この方法で得た結論が正式な計算の結論と違うことは、まずない。 また、直交配列表には無数の種類があるが、[図表9b]のものだけで十分である。要因数がさらに多いときは、この表を使って何回かに分けて絞っていけばよい。要因が1〜2個で実験数を減らしたいなら、[図表9b]の実験番号1〜 4、 列1〜3の部分を使って4 回実験用に改造すればよい。 |
正しいかどうかの問題と役立つかどうかの問題は、分けて考えなければならない。例えば、虚数「i」は「−1」の平方根であって実在しない。その実在しない数の加減乗除を行なって非常に役立っている。 (2)7つもの要因について実験しても、際立った要因が見つからないことがある。しかし、それでも容疑者リストから外すことができ、要因の範囲が絞られる。 そして「犯人は全く別の所にいる...」と考え方を切り替える機会になり、次回は別の要因について実験することができる。 |
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(3) 要因には、炉の温度やコンベアの速度のように連続的な数値をとるもの(連続因子)と、作業者・部品メーカー・材質・機械設備のように、数値的でなくしかも不連続なものがある(層別因子)。だが、そのようなことは心配しないで、[ 作業者A1・A2 ] [ 機械B1・B2 ] のように水準を設定すればよい。 (4) 水準の距離を大きく取れば、影響力も多く出る。従って、日常あり得る範囲内で水準を設ける必要がある。一方、影響力が認められたら、日常あり得ない範囲を選択することによって画期的な成果となる可能性も考慮する必要がある。 |
(5) 作業者が3人の場合はどうするか? 実は、3水準用の直交配列表がある。だが多くは「機械は2台で、材料は3種類で、人が5人いて、おまけに夜勤と昼勤の2交代だ」という具合だから3水準用のものを使っても仕方ない。しかも、3水準用は、実験数が格段に多くなって、むしろ不便である。 その場合には、熟練者1名と経験の浅い人を1名選ぶ。材料も、最も信頼できるものと怪しいものを選んで2水準にしてしまう。 その他、ケースに合わせて様々な工夫すると有益である。 |
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(b)強い負の相関 xが増えればyが直線的に減少する傾向が強い場合のヒストグラムである。 xが要因でyが特性の場合は、xを管理することによってyも目標とする値に維持することができる。その場合は、回帰直線を求める。x、yが共に特性の場合は、一方から他方を推定することができる。 (c)弱い正の相関 xが増えればyが直線的に減少する傾向があるが、その関係が明確でない場合のヒストグラムである。 この場合は、正の相関がありそうだ、という。yの値がx以外の要因zの影響も受けていることがうかがわれ、他の要因zを明確にして、x、zを共に管理する方法を検討しなければならない。 |
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(d)弱い負の相関 xが増えればyが直線的に減少する傾向があるが、その関係が明確でない場合のヒストグラムである。この場合は、負の相関がありそうだ、という。 yの値がx以外の要因zの影響も受けていることがうかがわれ、他の要因zを明確にして、x、zを共に管理する方法を検討しなければならない。 (e)無相関 xが増えてもyの増加が見られないので、xとyの間に相関があるとはいえないという。 yを管理するためには、yに影響を与えている他の要因を見つけ出す必要がある。 |
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(f)異常点 ヒストグラムでの「離れ小島」に相当する異常点が現れた場合、その原因を究明する必要がある。 ・測定の誤り ・不良品 ・原材料の変更 などに注意する。 (g)層別無相関 yが特性でxが要因の場合に、一見して相関がありそうであるが、他の要因zの水準z1とz2で層別すると、無相関が明確になることがある。 従って、散布図を作成する前に、直交配列表で多数の要因について影響力を確認しておくのがよい。しかしながら、直交配列表の利用は、分散分析という統計数学の処理を必要とするとの認識の下に、従来は簡便な利用が行なわれず、その結果、散布図の利用も停滞したということができる。 |
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(h)層別相関 yが特性でxが要因の場合に、一見して相関がなさそうだが、他の要因zの水準z1、z2、z3で層別すると、相関が見えてくることがある。 従って、散布図を作成する前に、直交配列表で多数の要因について影響力を確認しておくのがよい。
(j)一部無相関
(k)曲線相関
〔散布図の利用価値〕 |
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7−3 応用事例 近頃はメタボリックシンドロームと称して、太りすぎを戒める教訓がはやっている。長寿となるに従って、老人病の率が増えてきたことも関係するであろう。 ところで筆者も(口走る内容は幼いが、肉体年齢は)老人の部類に入るわけで、「そろそろ注意しなくては」などとのんびり構えていたら、思いもかけない事態になっていた。 |
体重をいくらに減らさねばならないか、いろいろな観点から、散布図を使って調べてみよう。 健康診断で指摘される事項は人によって違うから、あくまで自分自身の過去のデータを解析する。 幸か不幸か、私は2007年4月以降の毎月のデータを持っているので、以下のように解析できた。このようなデータを持っているのは老人の故であり、若い人は毎月のデータなどないであろうから、将来の参考として頂きたい。ただし、データの解釈はあくまで統計的解釈であって医学的な判断ではない。 |
| 〔第7−1図〕中性脂肪は悪玉コルステロールの予備軍であり、30〜149 が正常である。この観点からは、73kg以下に減量すれば十分と推測される。 第7−2図は、L/H 比 である。これは最近着目されている指標で、LDL(悪玉コルステロール)とHDL(善玉コルステロール)の比、すなわち L/H 比 は心筋梗塞のリスクを示す重要な指標であり、1.5 以下はリスク小、2,0 を超えるとリスク大になる。 |
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| とりあえず、 L/H 比=2.0を目指すとして、この近辺のデータがない故に体重との関係が明確でない。直線なら体重 60kgまで、2次曲線なら体重 66〜67kgまでの減量が必要となる。今後の推移を見て決めよう。体重66kgに減量すると、これはちょうどBMI=22、となる理想体重である。しかし66kgに下げる以前に、72kg程度で「顔がこけて病人のようにみえる」という問題をどうするか? |
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〔第7−3図〕 HbA1C(ヘモグロビン・エーワンシー)は、過去2〜3ヶ月の血糖値の状況を示し、糖尿病の程度を示す指標である。 5.6 以下であれば健康、 定常的に 6.2 を超えれば糖尿病であり、血糖値管理が必要になる。 この観点からは、70kgに減量する必要があると推測される。 〔第7−4図〕の尿酸値は、通風になるリスクを示す指標で 7.0 以下であれば健康、定常的に 7.0 を超えれば将来、通風を患う危険がある。 |
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| 医学的な根拠はないが傾向は2次曲線のように見え、この観点からは、72kgに減量する必要があると推測される。以上が私の場合の体重と「問題ある指標」との関係であり、 第7−2図のL/H 比を今後の重点指標として体重管理をすればよいことになる。ただ、あと2年で、HDL(善玉コルステロール)の改善薬が認可される見込みであり、そうすれば、L/H の管理も容易になると期待している。 |
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8−1 グラフの概念 グラフは、数値データを可視化する手法である。 第8−1図は体重の測定データであるが、これを見ただけではデータの意味が分からない。減量が急激に過ぎるかとか、緩慢に過ぎるかとか、というような情報を得ることは難しい。 すなわち、数値データ表を見ただけでは情報を取り出すことは難しいので、これをグラフに可視化することによってデータの意味を読みやすくするのである。 第8−2図は、上のデータを時系列の折れ線グラフにしたものであり、これでデータからの情報の読み取りが容易になる。これにより、今後の方針を立てたり目標を設定したりするよりどころになる。 |
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可視化の方法として、いくつかの方法があるが、ケースバイケースで選んで使えばよい。 第8−3図は円グラフで、ある人の集団について、健康診断の結果が異常であった人の全体に占める割合を表わしたものである。 第8−4図はレーダーチャートで、ある人健康診断の結果を表わしたものである。これにより、その人の特徴を示すことができる。 第8−5図は棒グラフで、在庫品の不良品の損失金額を表わしたものである。これにより、どの不良の予防にいくらの投資が可能かを知ることができる。 |
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8−2 解析事例 グラフにはいろいろあるが、原因解析に役立つのは、唯一、時系列折れ線グラフである。第8−6図は、A・B・C・Dの4項目の不良について、横に日付、縦に不良率%をとった時系列折れ線グラフである。ここに示す不良項目A,B,C,Dの不良率のグラフから、次のように情報を読み取る。 定常不良A --- 毎日、ほぼ一定の%で発生する。どこかの機械に欠陥があるままで長期間に使われ、条件や作業方法が不適切なのに適切だと信じ込んでいる場合などに見られる。故に、その究明は簡単ではなく、根気よく要因を挙げては実験で確認することの繰り返しとなる。 周期不良B --- 不良率が次第に上昇、あるとき急落する。例えば、「給油すればよくなるが、そのままにしておくと次第に不良が増える」とか、「洗浄水槽の水を新しくすればよくなるが、使っているうちに汚れて不良が増える」とかの場合である。 突発不良C --- 普段は全くでないが、ある間隔で急激に発生する。これと同じ時期に変化するものが何であるかをB不良の内容から推測してみる。定常不良A以外は、不良率の変化に対応する現場条件の変化を探す活動になる。 交代不良D --- 不良率の高低がある期間続いて交代する。2社発注の部材の交代、夜勤組みと昼勤組みの交代、残業が続いたり止めたり、2台の機械の1台を使ったり中止したり、などの交代である。どの交代と不良率の変化が対応するかをつきとめ、さらに詳細を詰める。 〔注意〕 (1) 同一品に複数の不良項目が存在する場合に、同じ1枚の用紙に全項目一括して色分けして表示するのが便利である。 (2) 「時系列折れ線グラフ」を使いこなすのがQC活動の要である。そのためには現場に詳しく、かつ種々の解決手段を着想する固有技術に長じていなければならない。 (3)グラフの変化に対応する要因を容易に見つけられるとは限らない。その場合、思いついた要因候補に次々と即座に対策を講じてみる即時実施型に活動が有効なことが多い。 |
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8−3 効果確認事例 第8−7図は、1つの特性について対策aを講じ、その結果を見て次の対策bを講じ、これを繰り返した事例である。これはPDCAを反復して改善を進める小改善の典型活動であり、日常管理(QCサークル等の小集団活動)で多くみられる。 このグラフから、対策aとdには効果が認め得るがbとcには認められないこと,一目瞭然である。 |
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〔例題1〕 第8−8図はある不良項目についてロットごとの不良率を記録した表であり、それを時系列折れ線グラフにしたものが第8−9図である。 対策を講じたのはロット番号9であるが、第8−9図のグラフでみると、対策の前後の平均不良率で0.1%程の改善効果があったように見えるが、果たして効果ありと判断してよいか。 〔解説〕 これは、同じ母標準偏差の2つのデータ群A,Bがあって、それぞれの平均値xAとxBの間に差があるかどうかを検定する「平均値の優位差検定」の問題である。 対策前のデータ群Aと対策後のデータ群Bについて、正規の計算を行なって検定してみる。 s データ数:nA=nB=8 平均値 :xA, xB 平方和 :SA=(1.2)2+・・・+(1.4)2=11.16 SB=(1.1)2+・・・+(1.2)2=9.42 分散 :VA=SA/(nA-1)=1.59 VB=SB/(nB-1)=1.35 |
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このことをグラフの上で示したものが第8−10図である。 すなわち、データ群Aとデータ群Bに重なりが生じない程度に平均値が離れなければ、「効果あり」とはいえない。 このように、いちいち「t検定」をせずとも、実用上はグラフの上で簡便に判断することができる。 QCサークルの改善事例発表で、このような判断が必要な場合が少なくない。多くは、平均値に出た差をもって「効果」として発表はするが、それは認められないものとして指導する必要がある。 しかし、管理図のところで述べたような連続した「傾向」の形になっていれば効果を読み取ることができ、次の〔例題2〕でその例を紹介する。 |
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〔例題2〕金型設計担当者の雑用を減らす改善である。 1.トラブルの内容: 金型設計担当者が調べたい過去の図面が見当たらずに探し回ったり、注文して届いた金型部品が仕様違いであったり、部品が到着しているのに気付かずにいたり、外部から頻繁に電話がかかるなど、毎日がいろいろな雑用で時間をつぶし、本来の仕事が遅れがちである。 2.手順計画: 元来かくも雑用の多い制度ではなかったが、いつの間にか増えていたものである。 3.原因分析・対策の立案・実施: 最初の1か月間は、どのような雑用で席を立ちいくら時間を費やしたか詳細にデータをとったが、データを記録するだけではキリがないことに気づき、雑用で席を立つ度に原因と対策を検討して直ちに実施することにした。 4.効果の確認: 時系列グラフは、最初の頃は日々大きく上下したが、3ヶ月目には低く這うようになった。 |
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〔注〕この改善事例では、要因と対策は検討するが特性要因図を作成していない。 (1) 雑用が1つのシステムから発生するわけではなく、特定のシステム設計の特性要因図として成り立たないこと、 (2) 雑用の発生後直ちに対策を講じてしまうので特性要因図で検討する機会がないこと、 |
(3) 要因と対策を職場規則に記載するので特性要因図として保管する必要がないこと、 〜などを考慮したものである。 これは、「QCストーリーは活動者が発表に際して自作するものでなければならない」ことを示す一例である。 |
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浜銀総合研究所の「時間工場」というサイトがある。そこで岡部雄一郎氏が藤本隆宏・東大教授の著書を参考に仮想の改善事例を模範例として紹介している。しかし拝見すると、「QC7つ道具間違い事例集」のようなものである。反面、私どもには到底思いもよらぬ間違い事例を提供してくれる点で貴重な資料といえよう。 それを敢えてここに紹介するのは、「QC7つ道具は、学者が表した著作物を読めば、実務経験のない素人でも理解でき、使える」と誤解してはならないと警告するためである。以下を読めば、何を誤りやすく何が正しいか、理解が進むと思う。以下、枠の中が岡部氏の記述であり、講評は枠の外側に記述する。 |
チュートリアル 「QC7つ道具による問題解決」
以下では、Fig.1の「QC7つ道具」がどのように活用されるか、仮想例を使って説明していくことにします。ここで取り上げるのは、「金属板から必要な金属部品を切り出す」という作業で、現在は不良品が多発している状態とします。![]() (1) 課題の整理 最初にどのような不良品が多いのか整理するため、要因別に分類した「パレート図」を作成しました(Fig.3)。その結果、「サイズ不良」に関するものが最も多く、全体の50%を占めることが明らかになりました。そこで、以下ではこの問題の改善に重点的に取り組むことにしました。 ![]() |
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〔講評〕 枠内の冒頭に仮想例とあるから実例ではないことは明らかであるが、問題なのは、このようなやり方を実際の仕事として実行してよいか否かである。結論を言えば、不可である。以下、説明する。 (1) 品質管理というのは、「改善するためにデータを取ってパレート図を描く」のではなく、改善するかどうかに関係なく日常的にデータをとって、必要ならパレート図も日常的に作っておかねばならない。 上の指導例では、テーマを決めるためにデータをとってパレートを作っており、これは不可である。
(2) このパレート図は「件数」ないし、その比率で作成しており、その結果「サイズ不良」がトップになっている。しかし正確に言えば、これはパレート図ではない。なぜなら、件数が多ければ「重要テーマ」だという関係にない(パレート図として役に立たない)からである。もう少し詳しく言うと、
(3) この指導例は初心者向き、つまり方針管理ではなく小集団(QCサークル)向きに書かれている。すると、パレート図で重要テーマを選定する「方針管理のやり方」を教えてはならない。なぜなら、「重要テーマ」というのは、往々にして技術的に解決困難とか、高額投資を要する場合が多いからである。 (4) 岡部氏は、「要因別に分類した『パレート図』を〜」と述べているが、不良特性別に層別した〜とするのが品質管理での表現の仕方である。 |
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(2) 現状の把握 サイズ不良に関する問題が最も多いことは(1)で判明しましたが、切出サイズが大きすぎるのか小さすぎるのかは、この段階では分かっていません。この点の現状を把握するため、現場で加工品のサンプルを抽出し、切出サイズに関する「チェックシート(記録用)」と「ヒストグラム」を作りました(Fig.4、5)。 その結果、規格範囲(良品と判定する範囲)に対して切出サイズが上回るというケースはなく、不良品は全て9.75cm未満のサイズ過小となっていることが判明しました。 ![]() |
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〔講評〕 何が既知であり、何が初めて判明したかを正確にしなければならない。 (1) 「サイズ不良に関する問題が最も多いことは(1)で判明しました」とあるが、ウソ話になっている。毎日選別を行なっている現場実務では、「そんなことは昔から皆が知っている」周知の事実である。 (2) また「切出サイズが大きすぎるのか小さすぎるのかは、この段階では分かっていません」というのも、毎日選別して知っているからウソ話である。データは、日常的にとられ、常に分かるようになっていることが品質管理の前提だからである。 |
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(3) 問題点へのアプローチ・検証 (2)で問題点の内容は明らかになりましたが、それがなぜ生じているかについてはこの段階では不明なままです。そこで次に2つの観点から検証を行いました。 (時系列の観点からのアプローチ) 時系列の観点から検証を行なうため、1日5回の頻度でサンプルデータを収集し、「管理図」を作成しました(Fig.6)。折れ線グラフが、管理限界線(LCLおよびUCL)の外に出る場合には問題が発生している可能性がありますが、今回は平均・範囲とも内側に収まっており、この結果として時系列的に問題が発生している可能性は低いと判断できました。 Fig.6 切出サイズに関する管理図
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〔講評〕 まず、「なぜ生じているかについてはこの段階では不明」とある。毎日選別をしてサイズ不良が出ており、しかも原因が分からないとすると、段取りの調整などではどうにもならない相当の難問である。
次に、この管理図の作成は完全な間違いであり、作成してはならない。理由は次の通りである。 ただし、管理図ではなく、不良率の時系列折れ線グラフを作成して、その変化の特徴から要因を推定するなら妥当な活動である。例えば、日によって著しく上下するとか、毎日ほぼ横ばいとか、という情報は、要因を推定する上で大変に役立つ。 |
(作業グループ別の観点からのアプローチ)
一方、作業グループの点で差異はないか検証を行なうため、データをA・Bの2つの作業グループ別に収集して「層別」を行いました(Fig.7)。その結果、Aグループの切出サイズは全て規格範囲に収まっており、サイズ過小の問題は全てBグループで発生していることが判明しました。![]() |
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〔講評〕実態にあわず、誤った活動である。 (1) 品質管理を行なっている工場では、選別時のデータが日常的に記録されており、もし高い不良率の特性が存在するなら、「Aグループからは全く不良が出ないのに、Bグループから大量に出る」ことは既知の事実である。しかも、ゲージなどで寸法が大きいのか小さいのか、どちらが多いかというデータもとられている。 従って、実務では、このような活動を改めて行なうことはしない。
(2) 「Aグループからは全く不良が出ない」、「サイズ過小の問題は全てBグループで発生」としているが、このような判断も実務ではあり得ない。なぜなら、Aグループは規格ぎりぎりをクリアしているに過ぎず、工程能力指数Cpk=1 の状況にあるため、Bグループと大差ない程度の悪い状況にあるからである。 |
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(4) 改善案の考案 (3)の結果、サイズ過小の問題は全てBグループの側で発生していることが判明しましたが、これだけでBグループの「人」の問題であると判定するのは誤りです。問題の真因にアプローチするには、モレなくダブりなく系統的に要因を整理していく必要があります。そこで以下では、一般的な「人・方法・材料・設備」の要因をベースに「特性要因図」を作成しました(Fig.8)。 この図の段階での因果関係は仮説に過ぎないため、別途データなどから事実の検証を行なっていく必要があります。上記の「人」の項目に関しては「知識・経験・人数」などの要因が考えられますが、これらの点に関してはA・Bグループ間で明らかな違いがなかったとしましょう。そうすると、残りの「方法・材料・設備」の中に真の要因がある可能性が高いと考えられますが、関係者の議論およびデータ分析の結果、原因は主に「設備→加工機械→歯の材質」の部分にあると判明したとします。 すなわち、Aグループの歯は鋭利で正確に金属板を切り出すことができるのに対して、Bグループの歯は切れ味が鈍く、切り出す際に過度に金属板を削ってしまっている状態だとします。ここまで原因が特定できれば、改善方法を考案する準備はほぼ完了です。 Fig.8 切出サイズに関する特性要因図 ![]() |
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〔講評〕特性要因図の作り方を誤っている。 特性要因図には、「予防目的の管理用」と「是正目的の解析用」の2種類がある。 ・「予防目的の管理用」は、管理をしなければ将来トラブルの原因になりかねない全ての要因(=管理事項)を知識・経験・カンなどから推測して列挙し、網羅しなければならない。 ・「是正目的の解析用」は、現に起きたトラブルの原因かも知れない候補(=原因候補)を列挙したもので、トラブルが関係する現場データ(情報)をヒントに推測する。この現場情報には、ヒストグラム、不良率の時系列グラフ、層別結果、目撃情報などを含む。原因候補は、普通、極めて少数である。 以上の区別をせずに漫然と作成したものは、特性要因図の形はしているが、管理事項を示すわけでも原因候補を示すわけでもなく、全く役に立たないのである。 本件で言えば、AグループとBグループでは、構成する5M人(人・方法・材料・設備・測定)のどこが違うか、を調査しなければならない。その最も簡単な方法は、AグループとBグループの間で、 ・ 設備を交換してみる(設備自体はそのまま移動せずに、他を一式移動してもよい) ・ 人を入れ替えてみる(数人いるなら、1名づつ入れ替えて、結果の変化をみる) 〜という具合に、いろいろ入れ替える。そして「ある設備を交換したら結果も変わった」となれば、まず、「その設備のどこが違うのか」の問題となる。そして、ここから特性要因図の作成が始まる。 * 工具台の位置が違うのではないか? * 工具台の遊びが違うのではないか? * 材料の固定装置の遊びが違うのではないか? 〜と、このように「技術的な可能性」を要因として列挙しつつ、どんどん確認を進め、あるいは修理や対策を進める。そして確認の結果、「違いなし」となった要因、および修理しても改善善効果のない要因は無関係として削除してゆく。従って、最後に残る要因(=原因候補)は、ごくわずかな数になる。 単に頭で考えて「特性要因図を作れ」というのでは果てしないものとなり、お手あげになる。 |
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(5) 改善案の実施・効果検証 (4)でサイズ過小の原因が特定できたため、後は具体的な対処方法を探っていくことになります。今回の場合は加工機械の歯の部分に問題があったため、最も簡単な対応はBグループの歯をAグループと同じものに取り替えることだと考えられます。しかし、歯の取り替えに時間や多額の費用がかかるとすれば、別の対処方法も同時に考慮していく必要があります。そこでここでは、加工機械の切断圧力の部分に着目することにしました。 すなわち、Bグループでは歯の材質に対して切断圧力が強すぎるため、金属板を過度に削っているのではないかと考えたわけです。この考えに従って切断圧力を調整した結果、以下の「散布図」(Fig.9)に示すように切出サイズが規定範囲内に収まるようになったとしたら、この改善案は有効と評価することができるでしょう。 Fig.9 切出サイズの改善前・改善後の状態を示す散布図 ![]() 今回のチュートリアルの作成にあたっては、藤本隆弘「生産マネジメント入門」を参考にしました。 |
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〔講評〕 4つほどの問題がある。 (1) 前述のように「段取り調整などでは解決できない相当の難問」のはずが、単に空圧調整で済んだという話で終わるから、これを参考にするとウソ話の習慣がつくのである。
(2) 「サイズ過小の原因が特定できたため、後は具体的な対処方法を探っていく」とあるが、実情に合わない。前の特性要因図のところで述べたが、原因不明の状態で対策を打つ場合が多いからである。
(3) Fig.9 は「散布図」ではない。藤本隆弘「生産マネジメント入門」を参考にしたというがが、恐らく誤解である。
(4) Fig.9 の状態ではバラツキが大きく、工程能力が満たされず、工程は依然として不安定状態である。「Bグループでは歯の材質に対して切断圧力が強すぎるため、金属板を過度に削っているのではないかと考えた」とあるが、それでは平均値が移動するだけでバラツキが減らないから、解決にならない。
〔全体講評〕
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