「時間と言葉」デジリマCD YES / Time And A Word
イエス / 時間と言葉
UK・リリース 1970.7 USリリース1969.11.2
Produced by Tony Colton
Orchestral Arrangements by Tony Cox
Engineer Eddie Offord
Jon Anderson (Vocals)
Chris Squire (Bass Guitar,Vocals)
Peter Banks (Guitar)
Tony Kaye (Organ,Piano)
Bill Bruford (Drums)
LP
詳細
 
「時間と言葉」UKオリジナル盤表ジャケ「時間と言葉」UKオリジナル盤裏ジャケ "オーケストラの導入でさらなる躍進を図る..が.."

ファースト・アルバムは決して商業的には成功しなかったものの、ライブ・バンドとしては着実に実力を発揮する。レディング・フェスやパリ・ミュージック・フェスを始めとする一大イベェントの参加で躍進を続け、後にはオーケストラとのジョイントまで実現するのだった。それがこの時間と言葉の鍵となる。その一方でピーター・バンクスのジャジーでフリーフォームなギター・スタイル、音楽性の食い違いに不満を募らせたメンバーが水面下で新しいギターリストを探し始め、ついにはアルバム発表前にP・バンクスがバンドを去ってしまうという転機が訪れる。逸話では、後にメンバーとなるS・ハウより先に声を掛けたのは、キング・クリムゾンを始動させる前のロバート・フィリップだったらしい。思えば70年代プログレ全盛期の運命のいたずら的な出会いのタイミングだったのだろう。もう一つのいたずらは、ここで後にイエスの屋台骨となるエディー・オフォードがエンジニアとして参加した事だ。彼はこのアルバムのプロデューサートニー・コルトンの事を「よく知っているし、好きだけどイエスには合わない」と語っている(イエスストーリー)ように次作のサードアルバムからプロデューサーとなりイエスの新時代を築き挙げる事となる。
1.(アナログA面) No Opportunity Necessary,No Experience Needed (おれ達にはチャンスも経験もいらない)  -4:47-
リッチー・ヘイヴンスのカバー曲。トニーケイのオルガンとオーケストラが絡まって大仰しく始まる。リッチーヘイヴンスと同じような感覚で作ったとバンクスは述べているが、完全にイエスバージョンである。このアルバムの殆んどにオーケストラが導入されているが、かみ合って良いのはこの曲ぐらいだろう。中間、「大いなる西部」の一節が特にその効果を呼んでいる。とにかくクリスのベースプレイを効いて欲しい。疾走感抜群で実に痛快である。この時代こんなベースを弾く人はそういないだろう。

2.(アナログA面2曲目) Then (ゼン) -5:42-
この曲はアルバムの中でも一番スリリングな曲だと思う。展開が読めないし、動と静の差が激しく面白い。サビメロも良い。途中またしてもクリスのグリグリ押し押しのベースにのってトニーケイのオルガンソロがフィーチャーされているがバンクスでなくケイのソロにしたのは正解だった。ここのオルガンソロは全体のバランスを崩さぬよう考えてプレイされている。エンディングはジョンの静のボーカルでフィニッシュ。この終わり方が渋い。BBCのライブ音源で聴いても決してオケなど必要としない曲だ。

3.(アナログA面3曲目) Everydays (エヴリデイズ)-6:06-
バッファロー・スプリングフィールドの「アゲイン」からのカバー。カバー曲って如何に自分らしさをプラスαするかによるがこれもイエス風アレンジで良い出来だと思う。またしても静と動の対比がよく、頭とお尻を原曲よりシックに表現して中間にビルのハイハットが刻むリズムでかなりハードでオーバーな展開になっている。

4. (アナログA面4曲目)Sweet Dreams (スィート・ドリームス) -3:48-
1963年にジョンの兄アンソニーが結成したウォリアーズのベース、デヴィッド・フォスターとジョンとの共作。ファーストでもポップにまとめられていた「Looking Around」などよりもはるかに洗練された純のポップチューンである。イエスのメンバーの共作でなく、部外者のアイデアとして製作された事が、イエス風のアレンジを極力抑えたシンプルなものになったのだろう。リレイヤーツアーなどでもアンコールに利用されているなど、ノリが良い曲なのでうなずける。一通りイエスを聞いたあとに聞くととても新鮮かも。

5.(アナログB面) The Prophet (予言者)-6:32-
これはこのアルバムで一番難しい曲かもしれない。演奏として評価のしどころがない。イントロ部はトニー・ケイの正にクラッシックなオルガンプレイで始まるのだが、中間の2/3はキーボードが殆んどオーケストラアレンジで済まされている。全く持って薄っぺらい。トニー・ケイのコメントで「ごちゃごちゃするのは嫌だから、オーケストラに任せればいいよ」と言う発言があったのだが、正直失望してしまった。何を考えているのだろう?

6.(アナログB面2曲目) Clear Days (澄みきった日々)-2:04-
ストリングスとジョンのボーカルのみの曲。バンクスのインタビューではエリナー・リグビー風な曲をジョンが切望していたらしい。綺麗な曲ではあるが、取って付けた演奏ではその魅力も伝わっては来ない。

7.(アナログB面3曲目) Astral Traveller (星を旅する人) -5:50-
クレジットにはジョンが作曲になっているが、イエスストーリーなどによると、ビルとバンクスが他のメンバーが(リハに)来る前にジャムっていてコードが完成したらしい。なるほどこの曲だけはアルバム中でもバンクスぽい。プロデューサーのトニー・コルトンとの確執があったため、ファーストよりは確実にP・バンクスの影が薄くなっているため余計に目立つ気がする。冒頭のリフ、音程をずらしたギターとオルガンの掛け合い、ハード・ドライヴィンなソロ。うま下手なギターが炸裂しています。この曲の入れ込みようは後々に出たイエス・トリビュートアルバム「Tales From Yesterdays」においてセルフ・カバーしていることからも分かるところ。

8.(アナログB面4曲目) Time And A Word (時間と言葉)-4:31-
タイトルチューンでまたもデヴィット・フォスターとジョンとの共作。実に単純な構成でメロディーも凄く分かりやすい。やはりこういう曲はいい!レスリー・アンプを通した印象的なイントロのギター、ブリブリ言わせなくても(笑)素敵なクリスの流れるようなベース、感動的に盛り上げるために大幅に導入されたオーケストラ。イエスのメンバーも今でもたまに演奏されるところを見ると、やはり後世に残る名曲は隙がない。ただ面白い逸話を載せると、後半(オケが重なるパート)のバンクスのギターが殆んどカットされている。(本人もレコードが完成するまで知らなかったようだ)オケが入る部分、チャンネルが一つ、急に落ちたように音質が変わるのですぐに分かると思う。冒頭のアコウスティック・ギターもバンクスではなく作者のデヴィッド・フォスターによる演奏。プロデューサーとの確執だけでなく、メンバーとの食い違いもこの時点でかなりあったようだ。哀れバンクスはイエス発展のための、最初の有志的犠牲にあうのである。
「時間と言葉」紙ジャケCD ↑ファーストアルバムと同じく、イエス・オリジナル・ジャケット・コレクションと銘打って、音質からジャケット、添付物にいたるまでアナログに忠実に再現すると言う企画CD。HDCD(High Definition Compatible Digital)によるリマスタリングされている。(HDCDデコーダーでの再生は未聴)なんとCDのレーベルが旧アトランテックのRed/Maroon(朱/紫)にしてある懲り様。勿論帯びも当時のセリフがそのまま使われている。因みに「レッド・ツェッペリンに次ぐスター・グループイエス待望の第2弾.....!!」AMCY-6281\2,100 




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