Vol.18

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2004年9月25日(土) 26日(日)

現在までのダイビング本数 139

  

 水中地図完成せず + ダイビング事故のご報告。

 

予告後半にKotok島でのダイビング事故に関する重要なお知らせがあります。

  前回から1ヶ月近くたってしまいました。今回は水中地図の完成をめざしていどんだ Kotok島 SeaDragon レギュラーツアーでした。 今回ツアーのメンバーはDM(ダイブマスター)候補生ナベとDM候補生兼 AI(アシスタント・インストラクター)候補生パワフルカオリチャン、スクーバレビュー(ダイビングの長いブランクがあいた方の復習コース)の生徒さん一人に、イントラ 海龍さんでした。

海龍さんにあらかじめ水中地図に専念したいという希望を伝えていたため、最初の1本を除いて、あとの4本はずっとカオリチャンと Kotok島桟橋前西側の地図作成作業に専念することができました。

ところが、この2日間で終わらせるぞと意気込んだものの、いろんなことがあってなかなかうまくいきません。 とうとう終わらせることができませんでした。 スムーズにいかない状況をほんのちょっとご紹介します。
 

1. せっかく設置したものの、なくなっていたボトルは付け替えました。位置がはっきりわかっているボトルは比較的簡単に付け替えることができますが、やっかいなのはうまく探せないボトルです。なんせ、透明度は10m以下、かなり近づかないと見えません。探す時間が結構バカになりません。

2. とくに変だったのは、先ほどのダイブでそのボトルを確認し、そこを基点に位置関係を測定したのに、次のダイブでそのボトルが見つかりません。 散々探したあげく、紐だけ残っているのが確認され、ボトルが取れてしまったことがわかりました。 2ヶ月程度水中に健在だったボトルがほんの2時間くらいの内に取れてしまった(?)のは不思議でした。(僕じゃないよぉ〜と 海龍さんは言っているのですが…

3. さらに変だったのは、先ほどのダイブで同じく健全だったボトルが、次のダイブでぎゅっとつぶれていました。 このような状況を見たのは初めてです。 だれかが外からつぶさないとこのようにはならないはずなのです。絶対におかしいです!僕じゃないよぉ〜と、またまた 海龍さんは言っていますが…

4. 付け替え用のボトルを持っていったものの、水中でこれを紛失してしまいました。数本をネットに入れ、口を閉じてその閉じ紐を、BCD(浮力調整ベスト)のフックにかけておいたのに、ネットごとなくなっています。 フックの爪は開いていません。 とすると2本の紐の結び目がどちらもほどけてしまったことになりますが、そんなことがあるのかなあ?(そんなことはよくあるヨ〜ン!との編集者のお言葉) おかげで、予定作業ができず、またボトルを取りに戻ったりで時間を浪費してしまいました。

5. 午後には東から西に流れる流れが強くなり、桟橋の西側で作業するナベたちは帰りが流れに遡る形になります。 エアをやや多めに残しておかないと、エントリーしたポイントに戻れなくなりますので、60bar程度で作業を切り上げざるを得ませんでした。 流れが逆であれば40なり30barくらいまで作業できるのですが。
 

というようにいろいろありましたが、ボトルさえ見つかれば2点間にロープをはり、方位をコンパスで測ってロープの距離を読む、この手順がかなり早くなりました。(特に今回、カオリチャンがロープの長さを延長してくれたおかげで、一度に距離が測れるようになりました。 ありがとうございます。) ナベ自身は、コンパスの扱いが上達したように感じます。 カオリチャンとの意思疎通もスムーズになりました。 いたずらに回数を重ねていないようですね。

 

   結局なくなった2本のボトルが補充できないまま残り、したがっていくつかの測定ができないままとなりました。 また最西端にはさらに何本かのゼブラマーク(ここから先には行っちゃいけないよの意味)ボトルをつけたかったのですがこれもできませんでした。 残念です。
9月末までのDM取得はとうに不可能となっていますが、この分では10月完了も危なそうです。 なぜなら、10月はじめの2週間は都合によりダイブツアーに参加できないからです。

 早く終わらせたいよ〜!


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事故のお知らせ 】

 

9月25日(土)Kotok桟橋前で事故が発生し、一人のダイバーが亡くなくなりました。 

謹んで亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
 

この日はダイビングにきているDCグループが我々を含め4つほどありました。14:30頃 SeaDragon のメンバーが桟橋からエントリーする直前に別のインドネシア人のグループが先にエントリーしておりました。 かれらはOWオープンウォーターつまり入門者講習のグループでした。 ある年配の男性がエントリーするのをナベも見ました。 彼は桟橋から2mくらい下の水面でちょっともたもたしておりました。 ナベが自分の準備をしていて数分間、目を離していた間に、なにやら下で騒いでいます。見るとその男性を皆で運んでいるではありませんか。 海龍さんも「こりゃ、本物だ!」とすぐ階段のところへ引き上げの応援に駆けつけ、EFR(緊急救急処置)の準備に入りました。

その男性は顔が青黒くなり、目が開かれています。体はぐったりとしてまったく動きません。 カオリチャンとナベも着ていたスクーバセットを脱ぎ捨て、手伝う準備に走りました。 3人掛りで運んできた事故者は日陰に寝かされ、事故発生現場に最も近くにいた別のグループのインストラクターがリーダーシップをとって、JoiさんとともにEFRを開始しました。 幸い他にも数名のインストラクターがいたので彼らも訓練でないと知り応援に加わります。 カオリチャンは、すでに酸素タンクを準備しダイビングに使用するのは空気のタンクですが、救急用に小さな酸素タンクを準備しているのです。、かつ事故者の脈拍を診ています。ナベは、水中地図用に準備していたペットボトルに水を汲んできていろんなものを洗う準備をしました。

事故者は全く呼吸をしておらず、瞬きをしません。脈拍はほとんどないかわずかに感じられるくらいです。 ポケットマスク人工呼吸用に使うマスクのこと、これがあるとマウス・トゥ・マウスのように口を合わせなくても人工呼吸ができます。を使って一生懸命に息を吹き込みます。 CPR(心肺蘇生法のこと。内容は人工呼吸や心臓マッサージ。)を続けていきます。そのうち事故者の口と鼻から、嘔吐物が出てきました。 ゲホゲホというような音が聞こえました。 横を向かせて吐かせます。 ナベはこれをティッシュと水できれいにふいてあげます。 肺にも水が入っているらしく、この嘔吐物が胃から出たものか、肺から出たものかはナベにはわかりません。 意識が戻って吐き出しているのかと思うとそうでもありません。 肺に人口呼吸で空気をいっぱい入れたので、その反動で出てきているだけかも知れません。 このようなこと続けて40〜50分程度が過ぎました。 SeaDragon のものも含め2本の酸素タンクの酸素も切れてしまいました。 この間、脈拍も戻ったかのよう感じられたこともあったようです。 しかし相手の脈拍がかすかなので、自分の脈動を感じて誤認することもあるらしく定かでありません。 顔色も少し回復したようにも思えましたが、事故者は依然として意識を戻しません。 目も開いたままです。

(編集者註:救急隊に引き渡した時点では かすかながら呼吸と脈拍はあり、この時点ではまだ生存しており、引き上げ当初よりは顔色などもかなりの改善が見られた。 CPRが処置されていなければ救急隊が到着する前に全ては終わっていたであろう。緊急処置の狙いは救急隊が到着するまで延命することにあるので、その意味では今回の皆の努力は成功であったと言える)

やっと、電話連絡しておいた救急艇がサイレンを鳴らしながら到着しました。すぐに救急艇に乗せ変えました。 あとで聞くとジャカルタのアンチョール港近くのジャカルタ州立病院に連れて行ったのだそうです。 事故グループのイントラ氏と仲間およびKotokリゾートのスタッフも同行しました。 しかし、これで少しホッとしたのもつかの間、その後の連絡で病院に到着する前に亡くなったとのことでした。 皆で必死に蘇生術を施したこともあって大変残念に思えます。

昼食時、自分たちの座ったテーブルの2つとなりのテーブルに座って食事をしていた人が・・・、ほんのさっきまで自分たちの目の前で元気にしていた人が、数分のうちに意識、呼吸、脈拍がない状態で引きあげられたこと。それも水深わずか3mのところで、エントリー後数分も経たないでそのような状態になったこと・・・。これはまったく信じがたい現実です。人の命のはかなさを思います。

編集者註: その後の調べで大量の心臓関連の治療薬が手荷物から発見されており、状況からみて心臓発作の可能性が高いと思われます)

26日(日)の夕方にナベたちがアンチョールに到着すると、ボートから、事故者のスクーバセットやウエットスーツなど一式がそのままセットした形でおろされました。(事故原因の調査の為、器材は現状を維持しておくのが鉄則だとの 海龍さんの話です)  持ち主のいない器材が目に痛く感じられました…

それにしても、レスキューコース、EFRコースを受けていたことが今回支えになりました。 結果としては命を救うことができませんでしたが、何をやればいいのか、何を心配すればいいのかが大体わかっているのであたふたしなくてよかったです。 そしてテキパキと果敢に手伝いをしたカオリチャンはすばらしかった。 酸素タンクを準備し、事故者の腕をずっと持ってほとんど感じられない脈拍を診つづけました。 CPRを施すイントラたちには、大変心強く映ったでしょう。 カオリチャンの動じない行動に触発されて、ナベも横からお手伝いをさせていただくことができました。

ところで今回来た救急艇は、Kotok島近くのPuramukaという島に常駐しているとのことです。まだ新しくて、立派な船です。118番に電話するとジャカルタの救急本部につながり、そこからPuramuka島に出動指令が行くとのことです。携帯電話でもOKとのことです。
 

最後に、謹んで亡くなったダイバーのご冥福をお祈りいたします。
 

 

 

    今日の一言: 事故なんて自分の周りでは起きないだろうということはありえません。安全に見える状況にも危険は潜んでいます。非常時のトレーニング、やったことがあるかないかが大きな差となって表れます。

 

 

今日のコラムはお休みします 

 前回の予告で、サンガラキのカメさんのご紹介をすると申しましたが、今回はちょっと控えておきます。次回請うご期待。

写真加工 by Studio SeaDragon

 

SeaDragon - 海龍亭 -